クレジットカード業界の魅力は?主な職種とおすすめの学部
2024.05.13
クレジットカードはお店での支払いだけでなく、ネットショッピングや公共料金の支払いなど、日常生活のさまざまな場面でよく見かけます。クレジットカードを使ったことはなくても、生活の中で身近に感じているのではないでしょうか。クレジットカード業界のお仕事でまず思いつくのは、デパートなどで勧誘している姿かもしれません。実は、クレジットカードの勧誘はアルバイトがほとんどです。では、クレジットカード業界の社員の方はどのような仕事をしているのでしょう。今回は、クレジットカード業界の仕事内容や魅力を紹介!クレジットカード業界が気になる人に向けて、就職に役立つ知識やおすすめの大学や学部もまとめます。
目次
クレジットカード業界の魅力や代表的な企業の例
はじめに、クレジットカード業界とは何なのかを解説します。クレジットカード業界の魅力や具体的な企業例を知って、興味のある分野や目指す企業を探してみましょう!
クレジットカード業界とは
クレジットカード業界は、カード利用者が商品やサービスを購入するときに代金を立て替え払いし、現金がなくても物を購入できるしくみ作りをする業界です。クレジットカード業界のしくみは、以下の3者で成り立っています。
*カード利用者…クレジットカードを利用して買い物をする消費者
*カード加盟店…クレジット会社と契約してクレジット決済を可能にした店
*カード会社…クレジットカード関係の業務に携わる会社
「カード会社」は、契約を結んだ「カード加盟店」でクレジット決済をできるようにする代わりに手数料を徴収します。「カード加盟店」では、支払いが簡単になり、集客や売上UPにつながる点がメリットです。たとえば、立ち寄ったお店で欲しい商品を見つけても、クレジット非対応で、手持ちの現金がなかったら購入できません。お客さんにはクレジットカードに対応した他のお店や通販を利用するなど別の選択肢を選ぶことになます。お店は売り上げを逃すことになりますよね。クレジット決済できるしくみを取り入れれば、売り上げを逃すリスクを避けられます。「カード利用者」からの年会費や分割払いの手数料も営業収益の一部です。また、カード会社は、以下の2つに分類されます。
*国際ブランド:VISA、JCB、Mastercard®、American Expressなど
*クレジットカード発行会社:クレディセゾン、イオンカード、楽天カードなど
「国際ブランド」は、決済機能を世界中に持っている会社です。VISAやJCBなどの会社を指します。「クレジットカード発行会社」は、クレジットカードの発行や管理、利用者のサポートをする会社です。国際ブランドがクレジットカード発行会社に決済機能のネットワークを貸し出しています。国際ブランドが加盟している店舗であれば、国内だけでなく国外でもカードの利用ができるのはこれが理由です。クレジット発行会社は、国際ブランドの決済機能を使ってクレジットカードを発行し、入会手続きや審査、支払い確認などの会員管理や、ポイントや特典の付与を行います。
人との接触を控える感染対策やレジ作業の効率化、現金管理の手間や強盗のリスク軽減を図って電子マネー決済を取り入れる店舗は増加。さらに、ネット通販の利用が増加し、キャッシュレス化が進んでいます。買い物だけでなく、水道やガスなどの公共料金、自動車税や年金の納税にもカード決済が導入され、クレジットカードの利用範囲が拡大しています。クレジットカード業界は、今後も利用者が増える可能性が高い業界です!
クレジットカード業界の魅力
クレジットカードは利用できる範囲が広がり、日常生活の多くの場面で利用されています。自分が働く会社のクレジットカードを利用している場面を、自分の目で見て実感できる点がクレジットカード業界で働く魅力です!クレジットカード会社では利用者を増やすために、入会しやすい新たなカードを企画したり、ポイントサービスを改善したりと、各部門の担当者が協力しあってサービスの向上に努めています。ふと買い物に行った先で、自分が働く会社のクレジットカードを利用している人を見かけると、自社のサービスを気に入ってもらえていると実感でき、大きな喜びを感じられます。クレジットカード業界はさまざまな部署との連携が必要不可欠な業界です。たとえば、入会しやすいカードを企画する場合は、商品開発担当と審査部門で審査条件を話し合ったり、宣伝担当者とどのようにカードの魅力を伝えるか考えたりしなければいけません。いろいろな業務でほかの担当者との連携が求められるため、チームで協力しながら何かを作り上げていくことが好きな人に魅力的な業界です!
クレジットカード業界の代表的な企業の例
クレジットカード会社は、以下の3つの系列に分類されます。
*信販系
*銀行系
*流通系
ここでは、クレジットカード業界の代表的な企業の例を系列ごとに紹介します。
信販系
お金を立て替えたり、貸したりする事業を展開している会社が発行元のクレジットカードを取り扱います。代表的な企業例は以下の通りです。
株式会社ジェーシービー
日本で唯一、国際ブランド化されている日本の大手クレジットカード会社です。ほかの国内のクレジットカード会社と異なり、自社で国際ブランド展開を行っています。クレジットカードブランド「JCB」の運営や、加盟店契約を中心に、「JCBギフトカード」の事業や他社クレジットカードの業務受託事業も展開中です!
株式会社クレディセゾン
セゾンカードを発行する日本のクレジットカード会社です。クレジットカード事業をメインに、住宅ローン事業も行っています。有効期限がない「永久不滅ポイント」の付与や、クレジット会員用のアプリ開発など、会員目線で使いやすいサービスを生み出しています。
銀行系
銀行や銀行のグループ会社が発行元のクレジットカードを取り扱います。代表的な企業例は、以下の通りです。
三井住友カード株式会社
日本で初めてVISAカードを発行したクレジットカード会社で、「三井住友VISAカード」が有名です。プリペイドカードやデビットカード、ギフトカードの事業も展開しています。NTTドコモやゆうちょ銀行、鉄道各社と社会や国民生活を支える企業との提携も行っています。
流通系
スーパーマーケットやコンビニなどの小売業者やその系列会社が発行元のクレジットカードを取り扱います。代表的な企業例は、以下の通りです。
楽天カード株式会社
楽天グループのクレジットカードや消費者金融事業を担う企業です。「楽天ペイ」や「楽天銀行」との連携で便利に利用できるため、生活のあらゆる支払いを楽天で行い、楽天ポイントを集めている方に人気です。「楽天トラベル」や「楽天証券」など幅広い事業を展開しています。
イオンフィナンシャルサービス株式会社
大手ショッピングモールのイオンで有名なイオングループが運営する総合金融事業です。クレジットカード事業や消費者金融事業に取り組んでいます。毎月20日、30日のお買い物代金5%OFF、独自の電子マネー「WAON(ワオン)」と一体型のクレジットカードの発行など、イオン株式会社の特色を活かしたサービスが強みです。
クレジットカード業界の職種
ここでは、クレジットカード業界の主な職種を紹介します。大学を卒業してクレジットカード業界に就職した場合、総合職として複数の職種を経験することがあります。入社後に、思い描いていた業務との違いを感じないように、事前にどのような業務があるのかを知っておきましょう!
法人営業
法人営業は、クレジット決済ができる加盟店を増やすための開拓や、加盟店の運用管理、企業や法人に発行される「法人クレジットカード」の会員を増やすのが仕事です。営業に行ったり、問い合わせを受けて訪問したりと、法人関係者と対面で話をする機会が多くあります。会社の顔となり、加盟店と信頼関係を築いていく重要なポジションです。クレジットカード会社の業績に直接影響を与えるため、責任が大きいぶん、達成感を得られやすい立場でもあります。
商品開発
商品開発は、クレジットカードの入会や利用を目指して新しく計画を立てたり、キャッシュバックなどのキャンペーン企画や、アプリで確認できる利用明細などのカード利用に関連した便利なしくみを考えたりします。利用者が求めるサービスを知るための市場調査やトレンド分析が重要です。どのようなサービスが求められているのか、競合他社との差別化をどう図っていくかを口コミやアンケート、他社のサービスを調べて戦略を練ります。より多くの利用者にメリットを感じてもらい、利用者の獲得を目指すことが仕事です。
プロモーション・宣伝
プロモーション・宣伝は、新しいキャンペーンや便利なしくみなどのクレジットカードのメリットを世間に知ってもらえるように、どの期間にどのような形で宣伝をしていくかを考えて実践します。たとえば、新規入会や初めての利用でキャッシュバックやポイント付与するキャンペーンは、多くの人も目に触れるようテレビやYouTubeのCMで宣伝。入会済みの方向けの利用促進のための「ポイント2倍キャンペーン」などは、会員向けアプリやメルマガなどで事前に告知します。広告内容によって、宣伝する人や宣伝に適した場所、時期が変わります。また、実践後の結果を見て戦略を練りなおすなど、常に変化が求められる業務です。
システム開発・システム企画
システム開発・システム企画は、クレジットカード会社で働く人やカード利用者が便利になるシステムを開発・運用する仕事です。ITエンジニアのスキルが必要になります。加盟店の売上や支払いを管理するシステムなどに不具合が起きたときに対処し、業務をスムーズに行えるようにします。また、不正利用を検知するシステムをメンテナンスして利用者を守ったり、クレジット入会手続きをオンラインで完結できるシステムを開発して利用者がより便利に使えるようにしたりと、利用者のことを考えた業務も大切です。
与信管理・債権管理
与信管理・債権管理は、クレジットカードの入会申込書を確認してクレジットカードを発行できるか判断したり、カードを利用できる限度額を決めたりします。カード利用者の利用金額を確認して、問題なく支払いが行われているかをチェックするのも仕事です。支払いがされていない場合は、支払いを催促したり、クレジットカードの利用を停止したりして債権を回収します。
カスタマーサービス
カスタマーサービス、カード利用者からの問い合わせに対応し、クレジットカードの使い方やサービスを説明するのが仕事です。クレームや利用金額、キャッシングの返済が難しいなどの相談にもマニュアルに沿って対応をします。会社から連絡をし、新しいサービスを紹介してクレジットカードのアップグレードを促したり、利用金額の未払い者に支払いを催促したりする、アウトバウンド(発信業務)を担当する場合もあります。
クレジットカード業界で求められる人とおすすめの学部
クレジットカード業界で活躍するなら、どのような進路を選べば良いのでしょうか?ここでは、クレジットカード業界で求められる人の特徴やおすすめの学部を紹介します!
求められる経験や資格
クレジットカード業界の総合職に就く場合、基本的には大卒以上の学歴が必要です。また、システム開発・システム企画の業務に携わりたいなら、ITエンジニアのスキルが必要不可欠です。そのほかの業務には必須の資格や経験はありませんが、専門的なスキルが役立つ職種は多くあります!たとえばカード利用者や加盟店を増やすために、市場調査やトレンド分析を行うには、金融や経済の知識。国際的なビジネス展開を行うなら、語学や法律などの知識が役に立ちます。業務に活かせる知識があれば、クレジットカード業界への就職に有利です。
クレジットカード業界に向いている人
クレジットカード業界への就職は、以下の特徴を持つ人に向いています。
チームで何かをやり遂げることに楽しさを感じる人
ひとりで黙々と試行錯誤するより、チームで協力して何かを成し遂げることに楽しさを感じる人に向いています。クレジット業界は、どの職種にもひとつの部署で完結する仕事はありません。クレジットカードの入会には営業と与信管理担当者が関わり、新しいサービスを始める場合は商品開発と宣伝、システム開発担当者の連携が必要です。法人営業やカスタマーサービスも新しいサービスを把握し、それぞれの顧客に対応しなければなりません。他部署との情報の共有はもちろん、それぞれの専門的な知識を活かしながら、協力して成し遂げる仕事が多い傾向です。そのため、周りとコミュニケーションを取りながら、チームで達成することに楽しさを感じる人に向いています。
変化を恐れずに新しいことに挑戦し続けられる人
決められた繰り返しの作業を行う業務より、新しいことを取り入れて企画や方法を考えたり、実践したりするのが好きな人に向いています。クレジットカード会社は数が多く、競争が激しい業界です。専門会社をはじめ、百貨店や小売店、ネットサービス業者などが、独自のキャンペーンや特典を出してクレジットカードの入会や利用促進を図っています。また、電子マネーやスマホ決済、アプリでの利用明細確認などの新しいサービスや価値観が次々と生まれる業界でもあります。キャッシュレスや新しい決済方法の普及などのライフスタイルの変化を受け入れながら、常に新しいしくみや企画を考えて、挑戦し続けられる人に向いています。
クレジットカード業界で働くためにおすすめの学部
ここでは、クレジットカード業界への就職に役立つ学問が学べる学部や大学を紹介します!募集要項には、卒業学部や学科の指定はないため、どの学部を卒業しても就職は可能です。以下の4つは、クレジットカード業界で役立つ知識を得られるおすすめの学部です。
理学部
理学部では数学力や分析力、論理的思考力を伸ばせます。数値化されたデータを的確に把握し、使用する力は法人営業や商品開発、広告、システム企画で役立ちます。考案した企画で見込める収益を論理的に説明できれば、説得力のある企画の提案が可能です!法人営業でも、クレジット決済をお店に取り入れればどれほどの収益UPが見込めるかをお店に伝えるときに役立ちます。学べる大学の一例は、以下の通りです。
・東北大学 理学部 数学科
・埼玉大学 理学部 数学科
・千葉大学 理学部 数学・情報数理学科
・静岡大学 理学部 数学科
商学部
商学部では、企業に視点を当ててビジネスに関わる流通市場や企業のしくみ、ビジネスの国際展開、会計情報の作成・活用、金融を学びます。より実践的なマーケティングスキルの修得が可能です。商品開発やシステム企画で新しい企画を考える際に、市場調査の方法や物流構造のしくみなどのマーケティングの知識が活かせます。消費者心理の理解はカスタマーサービスにも役立つ知識です。商学が学べる大学の一例は、以下の通りです。
・北海商科大学 商学部 商学科
・横浜商科大学 商学部 商学科 / 経営情報学科
・明治大学 商学部 商学科
・熊本学園大学 商学部 商学科
経済学部
経済学部は経済活動に関わること全般に目を向け、生産・消費・売買などを幅広く学びます。会計や税金に関する知識やコンサルティングなどのビジネスに役立つ知識を得られます。金融や経済の知識は、資産や財産を管理する財務だけでなく、債権管理でも求められる知識です。経済学が学べる大学の一例は、以下の通りです。
・東北学院大学 経済学部 経済学科
・城西大学 経済学部 経済学科
・大阪経済大学 経済学部 経済学科
法学部
法学部ではクレジットカード会社がサービスを提供する消費者や企業との取引で関係する法律全般について学べます。そのため会社運営に必要な法的な情報を収集したり、顧客とのトラブルで法的な観点から問題解決を試みたりする法務部や、カスタマーサービス、与信管理、債権管理の仕事に役立ちます。法学が学べる大学の一例は、以下の通りです。
・北海道大学 法学部 法学過程
・平成国際大学 法学部 法学科
・立教大学 法学部法学科
・山梨学院大学 法学部 法学科
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