グラフィックデザイナーとは?仕事内容や年収、資格、目指せる進路を解説
2022.10.05
皆さんが普段見かけるポスターや広告、商品パッケージには、さまざまなデザインが施されています。これらのデザインを手掛けているのが「グラフィックデザイナー」です。
今回は、グラフィックデザイナーの仕事内容や年収、必要な資格のほか、グラフィックデザイナーを目指すための進路について解説します。進学先や就職先についてもご紹介しますので、ぜひ進路選択に役立ててください!
目次
グラフィックデザイナーとは?
グラフィックデザイナーとは、IllustratorやPhotoshopなどのグラフィックソフトを駆使して、主に印刷物のデザインを制作する人のことです。印刷物といっても幅が広く、ポスターやチラシ、商品パッケージ、企業ロゴなど、さまざまなデザインを手掛けています。
商業デザインがアート作品と違う点は、「商品の売上を伸ばす」「商品の存在をより多くの人に認知してもらう」といった明確な目的がある点。グラフィックデザイナーはこうした要望に応えられるよう、商品の魅力を伝えるためのデザインを考え、制作します。
クライアントが思い描いているイメージを、具体的な形に落とし込むことがグラフィックデザイナーの役割なのです。
グラフィックデザイナーと他のデザイナーとの違い
デザイナーには、グラフィックデザイナー以外にもさまざまな種類があります。それぞれの仕事内容をまとめたので参考にしてみてください。
デザイナーの種類 | 主な仕事内容 |
グラフィックデザイナー | 印刷物(広告やパッケージなど)の制作 |
ウェブデザイナー | ウェブサイトのデザイン制作 |
DTPデザイナー | 印刷物のレイアウトや画像処理 |
CGデザイナー | アニメーション、映像、ゲームなどのデザイン制作 |
ゲームグラフィックデザイナー | ゲーム内のキャラクター、背景アート、アニメーションなどのデザイン制作 |
プロダクトデザイナー | 乗り物や日用品(家具や電子機器)のデザイン制作 |
グラフィックデザイナーの仕事内容
グラフィックデザイナーは、どのように仕事を進めていくのでしょうか。印象的な商品のパッケージデザインの裏側で行われている仕事の中身は、ちょっと気になりますよね。ここでは、グラフィックデザイナーの仕事の流れを順に見ていきましょう。
1. ヒアリング
デザインの制作を行うにあたって、まずはクライアントにヒアリングを行います。商品の企画やコンセプト、ブランドメッセージといった背景を深く理解していなければ、ターゲットの心に訴える効果的なデザインを提案することはできません。商品の特徴やターゲットの具体的なイメージなども含めて情報共有し、デザインのイメージを固めていきます。
2. デザイン制作
実際のデザインを制作する前に、ラフデザインを制作するのが一般的です。どのような方向性のデザインを想定しているかをクライアントに伝え、承認してもらう必要があります。ラフデザインはいくつか案を制作することも多いです。
ラフデザインの承認が下りたら、いよいよ制作開始です。デザインにイラストや画像を使用する場合には、イラストレーターやフォトグラファー(写真家)と連携して、仕事を進めます。
3. デザイン修正
いったん完成したデザインをクライアントに提出し、意見を求めます。ラフデザインで全体の方向性は決まっているものの、細かな修正依頼が入ることも珍しくありません。何度もやりとりを繰り返しながら修正の要望にひとつずつ対応し、納品に向けてデザインを仕上げていきます。
4. デザイン納品
最終的に完成したデザインをクライアントに納品します。納品時には印刷所に渡すための印刷用データを整え、印刷工程でトラブルが発生しないよう、データをチェックすることもグラフィックデザイナーとしての大切な役割といえます。
グラフィックデザイナーの仕事のやりがい
グラフィックデザイナーのやりがいは、自分がデザインした商品や印刷物が、多くの人にインパクトを与えてその商品が大ヒットすることです。また、「時代を代表するデザイン」として後世まで語り継がれることもあるでしょう。
デザインには、人々の視覚に訴える力があります。長い文章で伝えなくても、デザインによって「楽しそう」「かっこいい」といったイメージを伝えることができるのです。
例えば、スーパーの店頭でお菓子やジュースなどを選ぶとき、私たちは何気なく商品パッケージを目にしています。実はお菓子やジュースのパッケージには、「おいしそう」「新しい」と感じてもらうための趣向が数多く凝らされているのです。実際、商品パッケージのデザインによって商品の売上が大きく変わることも珍しくありません。
グラフィックデザイナーの年収
厚生労働省の職業情報提供サイトによると、グラフィックデザイナーの平均年収は、およそ510万円です。これには会社員とフリーランスの両方が含まれています。
一方、「フリーランス白書2023」の調査では、フリーランスのグラフィックデザイナー226名の年収内訳が明らかになっています。400万円以上が52.2%、400万円未満が46.9%、回答保留が0.9%です。
平均で見ればフリーランスよりも会社員の方が年収は高い傾向にあるようです。ただし、グラフィックデザイナーの収入はスキルや実績によって大きく異なります。経験が浅ければ年収200万円台の場合もありますが、実績が豊富で企業から指名されるレベルになると年収1,000万円を超えることも。グラフィックデザイナーは、実力次第で高収入も期待できる仕事なのです。
グラフィックデザイナーの働き方
グラフィックデザイナーの働き方は、主に会社員とフリーランスに分かれます。どちらの場合も、締め切りに追われる性質上、不規則な生活リズムになりがちです。
会社員の場合、組織的なサポートや安定した収入が得られる一方、残業や休日出勤が発生することもあります。フリーランスは仕事量の自己管理や在宅勤務が可能ですが、案件の獲得や収入の変動というリスクも伴います。
双方とも、クライアントとの打ち合わせや撮影同行など外出の機会があり、多様な経験を積めます。近年は、会社勤めでもリモートワークの導入が進むなど、働き方の選択肢が広がっています。
グラフィックデザイナーの将来性
商品の魅力や付加価値を高めるグラフィックデザイナーの仕事は、今後も需要が高いと言えるでしょう。
商品があふれている現代社会において、ターゲットに商品やサービスを選んでもらうには、視覚的なイメージが非常に大きな要素を占めているからです。
とくに、インターネットを使ったデザインの需要が増えています。企業が宣伝する場所が、テレビや雑誌からウェブサイトやSNSに変わってきているからです。
ただし、グラフィックデザイナーは、デザインのプロフェッショナルとして高度な知識や技術を備えていなければ、生き残れない時代になったともいえるでしょう。なぜなら、デザインソフトが一般にも普及し、誰もが手軽にデザインできる時代になったためです。デザイン制作のハードルが下がったからこそ、プロフェッショナルとして成長し続けていく必要があるのです。
これからのグラフィックデザイナーには、美しいデザインを作るだけでなく、そのデザインがどれだけ効果を上げたかを数字で示せる能力が求められるでしょう。デザインスキルに加えて、市場分析や効果測定の知識を持ち、クライアントの利益に直結する成果を出せるデザイナーが、今後ますます重宝されると考えられます。
グラフィックデザイナーに向いている人
グラフィックデザイナーに向いている人の特徴は、以下の5つです。
- 発想力がある
- 流行に敏感である
- デザインの技術・知識がある
- コミュニケーション力がある
- スケジュール管理能力がある
発想力がある
グラフィックデザイナーは、デザインを生み出す仕事。発想力は非常に重要な資質といえます。クライアントはコンセプトやイメージを曖昧な言葉で伝えることも多くあり、クライアントが表現したいこと、ターゲットに伝えたいことを具体的なデザインに変換するには、グラフィックデザイナーの発想力が欠かせません。
クライアントの意向をくむことは、グラフィックデザイナーとして必要な能力ですが、クライアントに言われたとおりに制作すれば満足してくれるとは限らないのが難しいところ。クライアントの目的を実現するためにさまざまな角度からアプローチして、クライアントをあっと驚かせるぐらいのデザインを提案する発想力が求められるのです。
流行に敏感である
グラフィックデザインにも、流行り廃りがあります。ある時期には斬新だと称賛されたデザインが、数年後には急に古く感じられることも少なくありません。グラフィックデザイナーは、常に最新の流行や時代の空気感をキャッチし、制作物に反映させていく仕事なのです。
例として挙げると、「昭和レトロ」「平成レトロ」の要素を取り入れるデザインです。数十年前の時代のデザインをあえて取り入れて、若者に新鮮さを感じさせるデザイン手法が用いられています。こうしたトレンドは時代とともに移り変わっていくので、常に流行に敏感であることがグラフィックデザイナーに求められているのです。
デザインの技術・知識がある
グラフィックデザインは好きなように構築すれば良いものではなく、押さえておくべき基本的な技術や知識があります。それは、「レイアウト」「色彩」「タイポグラフィ」の3つです。これらをきっちりと体得しておくことが、グラフィックデザイナーには求められます。
・レイアウト
要素を効果的にレイアウトすることで統一感が生まれたり、読みやすくなったりします。似た要素を近くに配置する「近接」やそろえて配置する「整列」、重要度に応じてサイズを変える「強弱」、同じ要素を繰り返し使用する「反復」といった基本原則を押さえておくことは、グラフィックデザイナーにとって必要不可欠です。
・色彩
色が与える印象は、デザインを決定付けることもある重要な要素。色の3要素は「色相」「明度」「彩度」ですが、これらを効果的に駆使して、狙いどおりのデザインを生み出す技術が求められます。
・タイポグラフィ
文字の体裁や装飾に関する技術は、タイポグラフィと呼ばれます。読みやすさや印象を大きく左右する要素のため、グラフィックデザイナーにとってタイポグラフィを使いこなす技術は非常に重要です。
コミュニケーション力がある
グラフィックデザインは、一人で完結できる仕事ではなく、チームやプロジェクト単位で動かしていくケースがほとんどです。企業によってはアートディレクターやプロデューサーといった役職者がグラフィックデザイナーを指揮していることも。
さらに、クライアントと直接打ち合わせをすることも少なくないため、適切にコミュニケーションを図る能力が求められます。
スケジュール管理能力がある
グラフィックデザイナーが手掛ける商業デザインの制作物には、クライアントが必ずいて、そして必ず納期があります。クライアントが設定した納期に間に合うよう計画的に制作を進め、クライアントに提案や納品をするためのスケジュール管理能力は欠かせません。
手掛ける制作物によっては、数ヵ月単位の長いプロジェクトになることもあります。いつまでに何をやるべきか、適切に進捗管理をしていくチカラが必要となるでしょう。
グラフィックデザイナーに向いていない人
グラフィックデザイナーに向いていない人の特徴は、以下の4つです。
- こだわりが強すぎる人
- 長時間のデスクワークが苦痛な人
- 数字で評価されたい人
- チームで仕事をするのが苦手な人
こだわりが強すぎる人
こだわりが強すぎる人は、グラフィックデザイナーに向いていません。グラフィックデザイナーの仕事は、「クライアントの要望に応えること」が前提にあるためです。
グラフィックデザイナーが担う商業デザインは、商品の魅力を伝えるという目的を達成するためのデザインでなくてはなりません。単に「きれいに見える」「美しく見える」ではなく、クライアントの企画や商品コンセプトをデザインでわかりやすく表現する必要があります。
また、デザインを目にするターゲットを意識することも求められます。
例えば、広告のデザインを手掛けるとき、ターゲットが20代までの場合と50代以降の場合ではデザインの仕方が大きく異なります。ビジネスパーソン向けのデザインか、ファミリー層向けのデザインかによっても、デザインの方向性を大きく変える必要があるでしょう。「誰に何を訴えるためのデザインなのか」を十分に考えてデザインすることが求められます。
このように、グラフィックデザイナーはデザインを複数の角度から捉えることが求められる仕事です。自分自身のデザインに対するこだわりを表現し、なおかつデザインの目的を突き詰める仕事なのですね!
長時間のデスクワークが苦痛な人
グラフィックデザイナーの仕事が向いていない人は、デスクワークが嫌いな人です。
この仕事はパソコンを使ったデザイン作業がメインなので、何時間も机に向かって作業する必要があります。
長時間机に向かってクリエイティブなアートやデザインを考え抜くことが求められます。もし黙々と作業することが苦手な場合は、適していない可能性があります。
数字で評価されたい人
仕事を数字で評価されたい人は、グラフィックデザイナーの仕事に向いていない可能性があります。
この職種では主にクリエイティブな表現やデザインセンスが評価され、数値的な成果が直接測定されることは少ないからです。
デザイナーの成功や才能の評価は主観的であるため、数字だけでパフォーマンスを示すことが難しいです。そのため、数字にこだわる人にはストレスを感じるかもしれません。
チームで仕事をするのが苦手な人
チームでの協力が苦手な人は、グラフィックデザイナーの仕事に向いていない可能性があります。
デザインプロジェクトでは、アイデアの共有やフィードバックの受け入れが重要なので、コミュニケーションが必須となります。また、デザイナーはクライアントや同僚とのコラボレーションを通じて最良の成果を生み出す必要があり、柔軟な協力態度が求められます。
もし協力やコミュニケーションが苦手なら、プロジェクトが円滑に進まない可能性があります。
グラフィックデザイナーになるための方法とは?
グラフィックデザイナーを目指すなら、以下の項目について押さえておきましょう。
- グラフィックデザイナーに必要な資格や受験すべき試験
- グラフィックデザイナーになるための勉強ができる大学・学部
グラフィックデザイナーに必要な資格や受験すべき試験
特別な資格がなくてもグラフィックデザイナーにはなれますが、取得しておくと役立つ資格は多くあります。
グラフィックデザイナーを目指す上では、下記の資格が役立ちます。
<グラフィックデザイナーを目指す上で有効な資格>
・DTPエキスパート
・アドビ認定プロフェッショナル
・Photoshop®(フォトショップ)クリエイター能力認定試験
・Illustrator®(イラストレーター)クリエイター能力認定試験
・色彩検定
資格を取得すればグラフィックデザイナーとして活躍できるとは限りませんが、実務において役立つ知識を体系的に学ぶことができるでしょう。
グラフィックデザイナーになるための勉強ができる大学・学部
グラフィックデザイナーになるための勉強をするには、大きく分けて2つの方法があります。ひとつは、グラフィックデザインのスキルそのものを習得する方法、もうひとつは、デザイン全般の知識を学ぶ方法です。どちらが良いというものではありませんが、一般的に前者は専門学校、後者は芸術・美術系の大学・学部で学ぶケースが多いでしょう。
例として、グラフィックデザイナー向けの学部・学科、大学には、下記のようなものがあります。
<グラフィックデザイナーになるための勉強ができる学部・学科>
・芸術学部デザイン学科
・芸術学部デザイン・工芸学科
・芸術工学部ビジュアルデザイン学科
・情報メディア学部メディアデザイン専攻
・デザイン学部
・デジタルコミュニケーション学部
・人間文化学部生活デザイン学科
<グラフィックデザイナーになるための勉強ができる大学の一例>
- 多摩美術大学 美術学部 グラフィックデザイン学科(東京都)
- 東京造形大学 造形学部 デザイン学科(東京都)
- 日本大学 芸術学部 デザイン学科(東京都)
- 共立女子大学 文芸学部 文芸学科(東京都)
- 京都芸術大学 芸術学部 情報デザイン学科(京都府)
- 九州産業大学 芸術学部 ビジュアルデザイン学科(福岡県)
ほかにもグラフィックデザイナーを目指せる大学を知りたい人は「JOB-BIKI(ジョブビキ)」の人物検索を活用してみてください。職業名を入れて検索すると、その職業で活躍している人の出身大学がわかりますよ!
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有名なグラフィックデザイナーと出身大学
下記は、活躍中のグラフィックデザイナーの出身校です。有名なグラフィックデザイナーは美術大学・学部出身の人が多いようですね。
<有名なグラフィックデザイナーの出身大学>
デザイナー | 出身大学 | 主な作品 (シンボルマークやロゴ、広告など) |
大貫卓也 | 多摩美術大学 美術学部 デザイン科グラフィックデザイン専攻 | ・日清カップヌードル ・ペプシマン ・TSUBAKI |
佐藤可士和 | 多摩美術大学 美術学部 デザイン科グラフィックデザイン専攻 | ・ユニクロ ・GU ・セブンイレブン |
佐藤卓 | 東京藝術大学 美術学部デザイン科 | ・ロッテ キシリトールガム ・明治おいしい牛乳 ・金沢21世紀美術館 |
永井一正 | 東京藝術大学 美術学部彫刻科中退 | ・アサヒビール ・JA ・富山県美術館 |
長嶋りかこ | 武蔵野美術大学 造形学部 視覚伝達デザイン学科 | ・東北ユースオーケストラ ・札幌国際芸術祭 ・ラフォーレ |
原研哉 | 武蔵野美術大学 造形研究科大学院 デザイン専攻 | ・無印良品 ・愛知万博 ・長野冬季オリンピック |
松永真 | 東京藝術大学 美術学部デザイン科 | ・カルビー ・ベネッセコーポレーション ・UNO(資生堂) |
森本千絵 | 武蔵野美術大学 造形学部視覚伝達デザイン学科 | ・Mr.Childrenのアルバム「HOME」 ・niko and… ・Pray for Japan |
吉田ユニ | 女子美術大学 芸術学部デザイン科 | ・Zoff ・Afternoon Tea ・Shibuya Hikarie |
※50音順・敬称略
グラフィックデザイナーの就職先
グラフィックデザイナーとして働ける主な職場は、以下のとおりです。
- ゲーム会社
- 広告代理店
- 広告制作会社
- デザイン事務所
- 印刷会社
- 一般企業(インハウスデザイナーとして)
就職先によって手掛けるデザインの分野が異なるため、携わりたい制作物に応じて就職先を選びたいですね。
ゲーム会社
グラフィックデザイナーの就職先として、ゲーム会社が挙げられます。ゲームグラフィックデザイナーは、キャラクターから背景、アイテムなど、すべてのデザインを幅広く手がけます。キャラクターをデザインする人、背景をデザインする人など、それぞれ得意なポジションで仕事を分けていることが一般的です。
広告代理店
広告代理店は広告を取り扱う会社で、グラフィックデザイナーを直接雇用していることがあります。グラフィックデザイナー志望者は制作部に配属されるケースが多く、プロデューサーやディレクター、プランナー、コピーライターなどと協力して広告デザインを手掛けるのが一般的。大規模な案件に関わるチャンスを得られる場合もあります。
広告制作会社
広告制作会社は、広告代理店の外注先として広告制作を専門に手掛ける企業です。さまざまなジャンルの広告を幅広く手掛けている制作会社や、特定のジャンルに絞って受注している制作会社があります。広告制作のプロフェッショナル集団のため、グラフィックデザイナーとして実績を築くには適した環境といえるでしょう。
デザイン事務所
デザイン事務所は、グラフィックデザインを専門に請け負う企業です。複数のグラフィックデザイナーが在籍しているケースが多く、ベテランのグラフィックデザイナーから教えを乞うチャンスも豊富にあります。ただし、少数精鋭のデザイン事務所も少なくないため、就職するにはグラフィックデザイナーとしての実績を積んだり、デザインについてしっかり学んだりしておくことが大切です。
印刷会社
印刷会社で、社内にグラフィックデザイナーを抱えているケースもあります。印刷会社ではさまざまな企業から依頼を受けて、パンフレットやポスター、チラシなどのデザイン制作を手掛けます。紙の印刷物に関する仕事が多いですが、デザインしたものを形になるまで見届けられるのは印刷会社所属のグラフィックデザイナーのメリットといえるでしょう。
一般企業(インハウスデザイナーとして)
社内にデザイン部門を持つ大手企業では、インハウスデザイナーとして働く機会があります。インハウスデザイナーは、企業のブランドイメージに沿ったデザインを一貫して作成することが求められます。自社の製品やサービスへの深い理解をもとに、それらを視覚的に表現することがインハウスデザイナーの役割です。
主な仕事は自社製品のパッケージや広告物のデザイン制作です。通常、広告宣伝部や商品開発部に所属します。
少人数のチームで働くことが多いため、自己解決能力や継続的なスキルアップが重要です。また、デザイン以外の業務を担当することもあるため、柔軟性と幅広い知識が必要とされます。
グラフィックデザイナーになった後のキャリアプラン
グラフィックデザイナーになった後は、デザインスキルを極めてエキスパートを目指すほか、次のようなキャリアプランが想定できます。グラフィックデザイナーのキャリアプランについてご紹介しましょう。
アートディレクターを目指す
広告代理店などでは、制作物のデザイン面を統括するアートディレクターという役職が存在します。アートディレクターはデザイン部門の責任者として、グラフィックデザイナーはもちろん、フォトグラファー(写真家)やイラストレーターなどへの制作・修正指示や仕事の進捗管理、クライアントとのやりとりを行います。デザインの実務を熟知していなければ現場を統括できないため、グラフィックデザイナーからキャリアをスタートして、アートディレクターへと昇進するケースも珍しくありません。グラフィックデザイナーとしての経験を存分に活かせるポジションです。
デザイン事務所を設立する
グラフィックデザイナーとしての実績が豊かになっていくにつれて、デザイン事務所を設立して経営者になる道も開けるでしょう。グラフィックデザイナーを育成・指導していく立場となり、グラフィックデザイン業界に貢献することも可能です。
フリーランスとして活動する
グラフィックデザイナーの中には、フリーランスとして活動する人も多くいます。個人的に指名されて仕事を受注できるようになれば、フリーランスとして活躍していくことも十分に可能な職業です。
ただし、フリーランスとして生計を立てるには、実績や人脈が欠かせません。まずは企業やデザイン事務所でグラフィックデザイナーとして勤務し、着実に実績を積み重ねていくことをおすすめします!
グラフィックデザイナーへの道を「JOB-BIKI」で検索しよう
グラフィックデザイナーはさまざまなデザインを生み出し、デザインを通じて世の中にメッセージを伝えられる魅力的な仕事。プロフェッショナルとして求められる知識や技術のレベルは非常に高度ですが、じっくりと実力をつけて、グラフィックデザイナーへの道を着実に歩んでいきましょう。
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