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通信業界とは?主な職種や将来性、目指せる大学の学部も紹介

2024.06.18

カテゴリー:
スマホを操作する女子高生

「通信業界ってどんな職種があるの?」「通信業界に就職するには、どういう学部を選べばいいの?」と思っている人もいるでしょう。

通信業界の職種は、事務系職種と技術系職種に大きく分けられます。目指す職種に関連した学部を選ぶことで、就活の際に専門性と仕事への適性をアピールできますよ。本記事では、通信業界の主な職種や将来性、向いている人の特長などを解説しているので、進路選びの参考にしてみてください。

通信業界の有名企業を知りたい人は「JOB-BIKI(ジョブビキ)」を活用してみてください!「業種から探す」→「IT・広告・マスコミ」→「情報通信・インターネット」の順に進んでいくと、通信業界の一覧が確認できます。また、その企業で働く人の出身大学も分かるので、進路選びの参考になるはずです!

通信業界とは

通信業界とは電波や通信を活用したサービスを提供する業界全般を指します。総務省の日本標準産業分類によると、通信業界は「情報通信業」に属しており、以下の3つの業種に細分化されます。

  1. 通信業:電波や通信回線などの通信インフラを提供する事業者
  2. 放送業:電波を利用して情報や番組を発信する事業者
  3. デジタルプラットフォーム事業:インターネット上でサービスやアプリケーションを提供する事業者

通信業界とは情報通信業の1を指します。本記事では、1の通信業に限定して解説します。通信業界の種類には、以下の3つがあります。

  • 固定通信業
  • 移動体通信業
  • ISP(インターネットプロバイダー)

それぞれ詳しく説明します。

固定通信業

固定通信は、従来の固定電話やインターネットなどを利用する際に必要な設備の設置・運用を行う企業です。家庭や職場など特定の拠点に通信回線を設置するため「固定通信」と呼ばれます。

固定通信の代表的な例として、今日広く普及している光回線(フレッツ光やドコモ光など)があります。光回線は、屋外から屋内に回線を引き込むことで、インターネット通信を可能にしています。
固定通信業の代表的な企業は以下のとおりです。

  • 東日本電信電話株式会社
  • 西日本電信電話株式会社

移動体通信業

移動体通信業は、携帯電話やスマートフォンなどの利用に必要な設備の設置や運用を行う企業です。移動体通信とは、携帯電話などの移動機器を使って、無線でインターネットに接続したり、通話やメッセージのやり取りをしたりする技術です。現在主流となりつつあるのは5Gで、4Gよりもさらに高速・大容量・低遅延の通信が可能になりました。

総務省によると、5Gが利用できる地域に住んでいる人の割合は2025年度末 で97%、2030年度末 で99%になる見込みです。2030年には6Gの商用化が期待されています。

移動体通信業の代表的な企業は、以下のとおりです。

  • 株式会社NTTドコモ
  • KDDI株式会社
  • ソフトバンク株式会社

ISP(インターネットサービスプロバイダー)

ISPは、インターネットに接続するためのサービス提供を行う企業です。自宅のWi-Fiでインターネットを利用する場合、電波が入ることでインターネットに接続できると思われがちですが、電波が入るだけではインターネットには接続できません。実際には電波を提供する通信キャリアとは別に、ISPとの契約が必要なのです。

代表的な企業は、以下のとおりです。

  • ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社(NURO光)
  • 株式会社オプテージ(eo光)
  • 楽天コミュニケーション株式会社(楽天ブロードバンド)

通信業界には、ほかにもいろいろな企業があります。気になる人は「JOB-BIKI(ジョブビキ)」で検索してみてください!「業種から探す」→「IT・広告・マスコミ」→「情報通信・インターネット」の順に進んでいくと、通信業界の一覧が確認できますよ!

通信業界とIT業界の違い

通信業界は、インターネットに接続するための回線や設備を提供することが仕事です。光ファイバーやモバイルデータ通信などのインターネット回線を引いて、アクセス可能な状態を保持します。つまり、通信業界はインターネットを使えるようにするための土台作りをしていると言えます。

一方、IT業界は、通信業界が作ってくれたインターネット環境を使うサービスやシステムを作ったり運用したりしています。たとえば、SNSやオンラインゲーム、動画配信サービスなどは、IT業界の会社が提供しています。

ITに関わる企業については、以下の記事で詳しく解説しています。

通信業界の主な職種

携帯ショップの店員

通信業界の職種は大きく以下の2つに分けられます。

  • 業務系職種
  • 技術系職種

それぞれ、どのような職種があるのか紹介します。

業務系職種

業務系の職種は、お客さまとの関係を作ったり会社の運営を支えたりする仕事です。
業務系の主な職種として、以下の4つを紹介します。

  • 営業(BtoC)
  • 営業(BtoB)
  • 企画・マーケティング
  • コーポレート

それぞれ解説します。

営業(BtoC)

営業のなかでもBtoC(Business to Consumer)は、携帯電話ショップや家電量販店で働く職種です。具体的な仕事内容は、以下のとおりです。

  • 携帯電話の販売
  • ブロードバンドの提案(フレッツ光など)
  • 故障や破損などのトラブル対応
  • 修理の受付
  • スマホ教室・イベントの開催

ショップ店員の仕事は携帯電話の販売だけでなく、故障対応などのアフターフォローやブロードバンドなどの付随サービスの提案など多岐にわたります。近年では、高齢者向けのスマホ教室を行う機会も増えているようです。相手に合わせてわかりやすく説明するのが得意な人は、重宝されるでしょう。

また、携帯電話は新しい機種やプランが次々登場するので、携帯電話が好きで知識を付けるのが好きな人には向いているでしょう。

営業(BtoB)

営業のなかでもBtoB(Business to Business)は法人営業と呼ばれ、個人ではなく企業や自治体に対して以下のようなサービスを提供します。

  • 通信回線サービス(固定回線・モバイル回線など)
  • ISP(インターネットサービスプロバイダー)
  • 通信機器(スマートフォンやタブレットなど)

法人営業は、お客さんの課題をヒアリングし、社内のエンジニアと共にその課題を解決するための提案を行います。法人営業は、市場調査を行って他社との差別化ポイントを洗い出し、サービスを提案する際に、自社のサービスを選んでもらえるよう強みをアピールします。
技術面での提案はSEが担当するので、営業はお客さんとの信頼関係を築き、お客さんのニーズを的確に捉えることが重要になります。

企画・マーケティング

企画・マーケティング職は、自社の製品やサービスをもっとたくさんの人に知ってもらい、利用してもらうための活動を行います。
マーケティング担当者は、そのサービスの良いところをCMやインターネット広告で伝えたり、キャンペーンを企画したりします。「こんなに便利だよ」「今なら安く使えるよ」といったように、サービスの魅力をさまざまな方法で伝えます。

また、企画・マーケティング職は、自社のイメージを良くすることも大切な仕事です。これを「ブランディング」と言います。「この会社の製品は高品質」「サービスが充実している」といった良いイメージを作ることで、より多くの人に選んでもらえることを目指します。たとえば、問い合わせに繋がる商品カタログページのデザインなどを変更して、見やすくするなどです。施策の結果、問い合わせの件数が増えたり受注に繋がったりしたときは、達成感を味わえるでしょう。

コーポレート

コーポレート職には、人事、経理、総務、法務などを指します。それぞれの主な仕事内容は以下です。

人事社員の採用や育成
経理財務や経費管理
総務社内の調整や施設管理
法務契約書の作成や法的トラブルの対応

それぞれの部門が会社の円滑な運営を支えています。
営業やエンジニアとは違って、表舞台に立つことは少ないかもしれません。しかし、コーポレート職なくして、通信会社の成長はありません。縁の下で会社を支え、社員の働きやすい環境を整えることにやりがいを感じられる人に向いている仕事です。

具体的な仕事内容について法務部を例に見てみましょう。
たとえば新しいサービスを立ち上げる際、内容に法律的な問題がないかチェックします。通信業界は、電気通信事業法や電波法など、行政庁からの規制も多いため、官公庁が発表している法令解釈をしっかりと確認する必要があります。ほかにも、お客さんに提示する利用規約や契約書の作成、サービスを宣伝するために制作した広告が、法的に問題ないかなどのチェックも法務部の仕事です。

技術系職種

基地局で作業をするエンジニア

技術系の職種として、以下の3つを紹介します。

  • システムエンジニア
  • ネットワークエンジニア
  • 研究・開発

それぞれ解説します。

システムエンジニア

通信業界のシステムエンジニアは、通信の設計・開発から運用までを行います。お客さんが求めるものを実現するために、システム設計・開発を行う仕事です。たとえば、店舗を運営する企業のネットワーク設備の設計などを行います。

設計・開発を行って終わりではなく、保守・運用といって、システムが正しく動くように見守ったり、古くなったシステムを新しくしたりします。

システムエンジニアの仕事については、以下の記事で詳しく解説しています。

ネットワークエンジニア

通信業界のネットワークエンジニアは、コンピューター同士をつなぐ通信網を設計し、維持・管理する仕事です。

たとえば、たくさんの人が同時にスマホを使っても通信速度が落ちないように、ネットワークの容量を調整します。また、通信障害が起きたらすぐに原因を特定して、復旧させるのも重要な仕事です。

私たちが毎日、スマホでネットサーフィンをしたり、友達とメッセージをやり取りしたりできるのは、ネットワークエンジニアの努力のおかげなんですね。

研究・開発

通信業界の研究開発職は、研究開発職は、今ある通信技術をもっと良くするために、次世代通信技術の6Gや、人工知能(AI)などの研究開発に取り組んでいます。

たとえば、KDDIが開発したKLA(KDDI Location Analyzer)というサービスがあります。KLAは、スマホのGPS機能を活用し、利用者の位置情報から人の流れを分析するサービスです。

このサービスを取り入れたのが交通事故の多かった愛知県です。愛知県警はKLAを導入し、高齢者の行動パターンを分析。それをもとに巡回警備の時間帯や場所を最適化することで、横断歩道での事故に巻き込まれる高齢者の数を大幅に減らすことに成功しました。2016年から2020年までは、毎年17~20人の高齢者が横断歩道で亡くなっていたのが、2021年にはその数が6人にまで減少したということです。

通信業界の研究開発職は、通信技術の分野で革新的なアイデアを生み出し、それを実現するために日々研究と開発に励んでいます。

参考:人流データ活用で交通事故が減少! KDDI Location Analyzerが開く無限の可能性

通信業界に向いている人

通信業界に向いている人の特長は、以下のとおりです。

  • 新しいことを学ぶのが好きな人
  • 物事を分かりやすく説明するのが得意な人

通信業界は変化の激しい業界です。携帯電話ひとつとっても、新しい機種やプランが続々と登場しています。また、2030年ごろには6G通信の実用化も期待されています。
通信業界では技術革新のスピードが非常に速いため、常に新しいことを学び、自ら率先して行動できる人が向いています。

物事を分かりやすく説明するのが得意な人も、通信業界に向いているでしょう。通信業界は、さまざまな職種やお客さんと関わりながらプロジェクトを進行するためです。
たとえば、エンジニア職や研究開発職に就いた場合、営業やお客さんにシステムの説明を行う場面もあります。専門知識がない人に、わかりやすく説明することで、納得してもらったり、サービスを選んでもったりする必要があるわけです。

通信業界を目指す人におすすめの学部

通信工学を学ぶ学生

NTTやソフトバンクの応募資格を見てみると、どの職種も学部・学科の制限はないようです。とくに業務系職種の場合は、学部関係なく挑戦しやすいでしょう。とはいえ、営業職やマーケティング職の場合、社内の技術者と話す際やお客さんに提案する際に、ITの知識があると役立ちます。ですので、ITについて学べる情報学部や、マーケティング職に就きたい場合は、経営学部や商学部のマーケティング学科に進むのもおすすめです。

【通信業界の業務系職種におすすめの大学・学部】

エンジニアや研究開発などの技術職を目指す場合は、工学部や理工学部などで通信工学や情報工学について学ぶのがおすすめです。
通信工学は、無線や光通信に関すること、情報の暗号化や、セキュリティなど通信業界に進んでから役立つ学びとなるでしょう。

【通信業界の技術系職種におすすめの大学・学部】

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通信業界は、私たちの生活に欠かせない通信インフラとサービスを提供する、重要な産業です。
通信業界への就職を目指している人は、今回紹介した学部を参考に大学進学を目指してみてください。大学で身に付けた専門知識は、通信業界での就職や活躍に大いに役立つでしょう。  

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