ケアマネージャー(介護支援専門員)とは?必要な資格や目指せる大学の学部も紹介
2022.10.17
高校生の皆さんにも、介護福祉士のケアを受けている高齢のご家族がいるかもしれませんね。実際に介護するのは介護福祉士ですが、そのマネジメントを行い、介護サービスの利用者のケアプランを作成したり、役所や介護サービス事業者との調整を行ったりするのがケアマネージャー(介護支援専門員)です。
この記事では、ケアマネージャーの仕事内容や求められる資質や能力のほか、ケアマネージャーを目指すための進路について解説します。介護や福祉に興味がある人は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね!
目次
ケアマネージャー(介護支援専門員)とは?
ケアマネージャー(介護支援専門員)は、高齢者や障害を持つ人のケアプラン(介護サービス計画書)を立てる職業です。
ケアプランは、介護を必要する人の希望を聞いたり、心身の状態を確認したり、あるいは介護サービスの利用者だけでなく、その家族の相談にものった上でケアプランを決定します。また、介護サービス事業者(介護施設)を紹介し、医療機関や自治体と調整するのもケアマネージャーの仕事です。
受け入れ先の施設が決定して介護サービスが始まった後も、ケアマネージャーは介護サービスが適切に行われているかをチェックする、「モニタリング」を定期的に行います。
ケアマネージャーと介護福祉士の違い
ケアマネージャーは介護を必要とする人が、最適なサービスを受けられるように介護現場をマネジメントするのが仕事です。介護サービスの利用者やその家族との面談のほか、介護保険サービスの利用に伴う介護給付費の計算や連絡調整などデスクワークが主な業務になります。
一方で、介護士は介護に携わる仕事を行う人の総称ですが、その中でも介護福祉士は介護分野の仕事で唯一の国家資格保有者。利用者に対し、食事や入浴の介助や家事の手伝いを行うのが仕事です。
ケアマネージャーと社会福祉士(ソーシャルワーカー)の違い
介護を専門分野とする都道府県管轄の公的資格がケアマネージャーですが、児童福祉やひとり親家庭に対するサポートなどを行うのが社会福祉士(ソーシャルワーカー)です。
ケアマネージャーは介護分野に限られた仕事ですが、社会福祉士は範囲がより幅広く、医療や教育分野といった面で困っている人の生活状況などをヒアリングし、公的支援や福祉サービスを紹介するのが主な仕事です。
ケアマネージャーと社会福祉士は、業務上の関わりがあります。ケアマネージャーがケアプランを作成し、社会福祉士が関係施設との調整などで連携することもあるのです。
ケアマネージャー(介護支援専門員)の種類
ケアマネージャー(介護支援専門員)の種類は、大きく以下の2つに分けられます。
- 住宅ケアマネージャー
- 施設内ケアマネージャー
それぞれの違いについて解説します。
・居宅ケアマネージャー(居宅ケアマネ)
居宅ケアマネージャー(居宅ケアマネ)は、要介護認定を受けた高齢者の自宅を訪問するケアマネージャー。介護サービスの利用者が自宅で安心して暮らせるようにサポートを行います。
居宅ケアマネージャーは通常、居宅介護支援事務所に籍を置いていますが、1日にサービス利用者の自宅を複数箇所も訪問するため、実質的な職場は「サービス利用者の自宅」です。役所や地域包括センターに出向くことも多いため、フットワークの軽さやスケジュール管理能力が求められるのです。
主な仕事内容は、介護サービスの利用者一人ひとりに合ったケアプラン(居宅サービス計画)を立てること。自宅で生活する利用者は、生活環境や心身の状態もそれぞれ異なりますので、作成するケアプランもさまざまです。利用者の自宅などへの移動時間が必要なことから、居宅ケアマネ―ジャー一人が担当する利用者は、35人までと定められています。
・施設内ケアマネージャー(施設内ケアマネ)
施設内ケアマネージャー(施設内ケアマネ)は、介護老人保健施設や特別養護老人ホームなどで利用者のケアプランを作成するケアマネージャーのこと。ですので、ケアの対象は施設の利用者に限られます。施設のスケジュールに合わせて業務を行うため、居宅ケアマネージャーが行うような訪問スケジュールの調整はありません。
施設内ケアマネージャーは施設の利用者のみを担当することから、利用者の担当件数は最大100と居宅ケアマネージャーの約3倍です。在籍施設によっては、ケアプランの作成など基本的な業務だけでなく、食事の介助などの介護業務を行ったり、夜勤をしたりすることもあります。
ケアマネージャー(介護支援専門員)の仕事内容
ケアマネージャーの仕事内容は、大きく分けて以下の3つです。
- ケアプランの作成
- 介護事業者との調整
- 介護給付費の管理
それぞれ詳しく解説します。
ケアプランの作成
ケアマネージャーの仕事には、ケアプランの作成があります。ケアプランとは、介護の計画書のようなもので、介護の必要な人が適切なサービスや支援を受けるために作ります。
ケアプランは、介護される人やその家族の意向になるべく沿うように作成するのが基本です。理想の暮らしやの目標、趣味など、まずは情報収集を行い、ケアプランに落とし込みます。たとえば「介護施設はこじんまりしていて、将棋ができるところがいい」「孫の結婚式に出席したい」などです。利用者の要望をしっかりヒアリングし、気持ちに寄り添うことが求められるので、本音を聞き出すテクニックや心理学を学ぶことも重要です。
ケアプランは半年に一度ほど見直すのが一般的です。介護される人の状態や要望に合わせて変更することもあります。
介護事業者との調整
実際に介護を行う事業者との調整もケアマネージャーの仕事です。ケアマネージャーは、ケアプランの大枠を作成したあと「サービス担当者会議」を行います。会議には、ケアマネージャーのほか、利用者とその家族、サービスを提供する事業者、主治医などの関係者が出席し、作成したケアプランに問題がないか確認・調整を行います。
実際にサービスが開始したあとも、適切な援助が受けられているか定期的に確認します。利用者の困りごとを聞いて事業者と共有したり、入退所の支援をしたりなど、適切なサービスが提供されるよう努めます。
介護給付費の管理
介護給付費の管理もケアマネージャーの大事な仕事です。介護給付費とは、介護サービスを利用した際に介護保険から支払われる費用のことです。日本では、介護サービスを受けた際、利用者が負担するのは1~3割程度で、残りは介護保険から払われます。
介護給付費が支払われる流れは、以下のとおりです。
- 介護サービス事業者が国民健康保険団体連合会(国保連)に対し介護給付費を請求する
- ケアマネージャーが「給付管理表」を作成し、国保連に提出する
- 国保連は、1と2を照らし合わせ内容を審査し、介護給付金を支払う
ケアマネージャーが作成する給付管理票では、利用者がケアプラン通りにサービスが受けられているかや、サービス内容の満足度などを記載する必要があります。また、国保連への提出期限もあり、遅れると事業者への給付が遅れてしまいます。内容に誤りがないことはもちろん、期限に間に合うよう作成することが求められます。
ケアマネージャーの仕事のやりがい
ケアマネージャーは、利用者の心身の状態や生活環境に応じて、利用者一人ひとりに合ったケアプランを作成する重要な仕事です。
ケアマネージャーの仕事によって、利用者やその家族が「あなたが作ってくれたケアプランのおかげで健康に生きていけるという希望がわいてきた」と笑顔になったり、「あなたのようなケアマネさんに出会えて良かった」と信頼関係を構築できたりしたとき、大きなやりがいを感じるでしょう。そして、「これからも人のためにがんばろう」とモチベーションも上がるはず!
ケアマネージャーの大変さ
ケアマネージャーは仕事量が多く大変に感じる人もいるようです。ケアプラン作成ひとつとっても、利用者やその家族への聞き取り、介護事業者や医療機関などを含めた会議、介護サービス開始後のモニタリングなど、関連業務は多くあります。
また、ケアマネージャーの資格は永久ではなく、5年に1度の更新が必要です。更新には数十時間の研修を受ける必要があり、多忙な仕事と両立しながら免許更新をするのは大変に感じるかもしれません。ただ、介護保険や介護制度の仕組みは頻繁に改定されるため、知識をアップデートする良い機会になるはずです。
ケアマネージャー(介護支援専門員)の仕事の流れ
ケアマネージャー(介護支援専門員)の仕事は、以下の流れで行われます。
- インテーク(初回面接)
- アセスメント
- ケアプラン作成
- モニタリング(定期訪問)
それぞれの仕事内容を詳しく見ていきましょう。
1. インテーク(初回面接)
ケアマネージャーは、介護サービスを必要とする利用者と最初の面接を行います。ケアプランを立てるには、利用者の心身の状況はもちろん、本人や家族の希望を確認する必要があるからです。利用者に最適なケアプランを立てるためには、インテークの次のステップ(アセスメント)で、利用者の声をいかにヒアリングできるかが重要になります。
そのために、ケアマネージャーが初回訪問のインテークで重点的に行うのは、利用者との信頼関係を構築すること。利用者は、初対面の人との面接で緊張しているので、1時間を目安に、自己紹介では事務的に話をするのではなく、これまでどのような仕事をしてきたかなど自身の人柄が伝わるように話します。雑談で話しやすい雰囲気を作るようにし、また一方的に話さず、利用者の話を傾聴するのがポイントです。
2. アセスメント
ケアプラン作成に必要なのがアセスメントです。アセスメントは、「特性を把握し、客観的に評価する」という意味があります。
介護におけるアセスメントとは、介護サービスの利用者と家族に、心身や生活の状況、希望などを聞き取りすることです。これは、より良いケアプラン作成に必要なため、丁寧なヒアリングを行います。
アセスメントのために、事前に利用者を紹介してくれた病院などの施設から情報を集めるなど、細かい準備も欠かせません。
一般的にアセスメントでは、下記の項目についてヒアリングします。
出典:厚生労働省「(主として介護支援専門員による) アセスメントについて」
3. ケアプラン作成
ケアマネージャーはアセスメントの内容をもとに、ケアプランを作成します。
ケアプランには、利用者の生活課題や最終的な目標、支援内容のほか、紹介しようとしているデイサービスやホームヘルパーなど、介護サービス事業者のサービス内容や利用料金なども記載します。
このケアプランの原案ができたら「サービス担当者会議」を開催して、介護サービス事業者の担当者や医師など同席のもとで利用者と家族に説明を実施。利用者の同意が得られたらケアプランが決定となり、介護サービスが開始されることになるのです。
4. モニタリング(定期訪問)
ケアプラン作成後に介護サービスが始まった後も、ケアマネージャーの仕事は続きます。ケアマネージャーは月1回程度、利用者を定期的に訪問するのです。これは、介護サービスの利用状況を確認するのが目的です。当初立てたケアプランには問題がないか、介護サービス・支援が適切に行われているのかなどを確認し、もし不具合があった場合にはケアプランを見直します。
ケアプラン作成から日が経てば利用者の状況が変わることもあるため、モニタリングで利用者がいつまでも適切な介護サービスを受けられるようにチェックするのです。
ケアマネージャー(介護支援専門員)の年収
厚生労働省の職業情報提供サイトによると、ケアマネージャー(介護支援専門員)の令和4年度の平均年収は405.8万円、月給でいうと約33万円です。金額はあくまで平均額のため、勤務先によって金額は変わります。
一方、現場で介護を行う介護福祉士の令和4年度の平均年収は約399万円、月給でいうと約33万円です。同じ介護の現場でも、介護福祉士よりもケアマネージャーは年収で約6万円程高いようです。
参考:介護支援専門員/ケアマネジャー – 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET)) (mhlw.go.jp)
令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要p18|厚生労働省
ケアマネージャー(介護支援専門員)に必要な資質と能力
ケアマネージャー(介護支援専門員)に必要な資質や能力の一例を挙げてみました。介護職に興味がある高校生の皆さんは、ぜひ参考にしてみてください。
- 傾聴力
- 強いメンタル
- スケジュール管理能力
- 観察力・洞察力
順番に解説します。
ケアマネージャー(介護支援専門員)には、どのような資質や能力が求められるのでしょうか。介護職に興味がある高校生の皆さんは、ぜひ参考にしてみてください。
傾聴力
ケアプランを立てる前に行うインテークやアセスメントのほか、介護サービス利用後の定期訪問においても、利用者や家族に寄り添ったヒアリングは欠かせません。利用者に最適な介護サービスを受けてもらうためには、ヒアリングで生活の状況や課題、希望をいかに引き出せるかがポイントになってきます。
利用者が話しやすい雰囲気を作ることで、多くの情報を把握するためにも、ケアマネージャーには丁寧に細部まで聞き取る姿勢が重要なのです。
介護サービスを初めて利用する人やその家族は、介護用語についても知らないことばかり。ケアマネージャーは傾聴しつつも、利用者の目線に立って、できるだけわかりやすく説明していく姿勢が求められるでしょう。
強いメンタル
介護を必要とする利用者とその家族は、介護サービスの利用について不安な気持ちを抱いていることが多いもの。「できるだけ良い介護を受けたい・受けさせたい」という想いから、ケアプランの検討段階やサービス利用中に過度の要求をされることもあるでしょう。
介護支援の専門家として利用者の希望を叶えるため尽力することは必要ですが、費用などの面からできること・できないこともあります。それを丁寧に説明しても納得してもらえない場合もあり、時には厳しい言葉をぶつけられる場面や、利用者と介護サービス事業者の板挟みになることも。
それでも各方面に頭を下げながら、調整役として仕事を続ける強い心が、ケアマネージャーには求められます。
スケジュール管理能力
ケアマネージャーは、利用者や家族へのヒアリングやケアプラン作成、モニタリング、さらに役所や事業者などへの書類の手続きなど、さまざまな業務を抱えています。その中でスムーズに業務を進めるためには、スケジュールをしっかりと管理する能力が欠かせません。
ケアマネージャーが忙しさにかまけて仕事を後回しにしたり忘れたりすれば、利用者や関係者に大きな迷惑がかかってしまうのは明白。スケジュール管理能力が備わっていれば、利用者の面接やモニタリングにも十分な時間を割けるため、コミュニケーション不足から起きるクレームの防止にもつながるはずです。
観察力・洞察力
介護サービスの利用者の中には、ケアマネージャーに自分の悩みやつらさを相談したくても、自分でうまく伝えられない人もいます。利用者が伝えたいことを言語化できない場合でも、ケアマネージャーのほうから話を掘り下げたり、利用者の言動から仮説を立てつつヒアリングしたりする工夫が必要になるのです。
ケアマネージャーが利用者と接するときに表情や言動からさまざまな推測をしながら観察をしていくと、利用者がなかなか言い出せなかった悩みに気づいてあげられることもあるでしょう。
ケアマネージャー(介護支援専門員)になるための方法とは?
ケアマネージャー(介護支援専門員)になるためには、どのような進路へ進むべきなのでしょうか。ここでは、ケアマネージャーの世界の現状と併せて見ていきます。
ケアマネージャーの世界の現状
2021年9月に発表された「統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで-」(総務省)によると、日本の高齢化率は29.1%で、世界で最も高齢化が進んだ超高齢社会です。近年では医療技術の進歩により長寿化し、その分介護を必要とする人は増えているため、同時にケアマネージャーの需要は高くなっています。各事業者は高待遇の求人を出し、採用活動を強化しているのが現状です。
一方で、ケアマネージャーの業務は非常に多岐にわたること、利用者の自宅訪問などへの移動が多いことなど、まだまだ業務内容に対して給料や待遇が見合っていないと感じられることもあるようです。今後、人手不足がさらに進んでいくことによって、働く条件がもっと良くなっていく可能性も秘めているといえるでしょう。
ケアマネージャーになるための勉強ができる大学・学部
ケアマネージャーになるためには、まずは国家資格である介護福祉士の資格を取得して5年以上の実務経験を積むこと、あるいは生活相談員などの相談援助業で5年以上の実務経験を積むことが条件になります。
高校生の皆さんは、まずは介護福祉士の資格取得を目指して進学するといいでしょう。介護福祉士の資格取得方法はさまざまありますが、将来的にケアマネージャーを目指すために、介護福祉士の養成施設として登録されている福祉大学、または福祉系の学部に進学するのがおすすめ!下記はその一例です。
<ケアマネージャーになるための勉強ができる学部・学科>
・医療福祉学部保健福祉学科
・家政学部生活福祉学科
・健康福祉学部総合福祉学科
・現代人間学部人間福祉学科
・現代ライフ学部人間文化学科
・経済学部臨床福祉コミュニティ学科
・社会福祉学部社会福祉学科
・人間生活学部人間生活学科
ケアマネージャーに必要な資格や受験すべき試験
ケアマネージャーになるには、「介護支援専門員実務研修受講試験」合格後に「介護支援専門員実務研修」を修了することが条件です。それぞれについて解説します。
・介護支援専門員実務研修受講試験
介護支援専門員実務研修受講試験の受験には、下記の2つのうち、いずれかを満たす必要があります。
<介護支援専門員実務研修受講試験の受験条件>
(1)指定の国家資格にもとづく業務(※1)に通算5年以上(かつ900日以上)従事
(2)施設などで相談援助業務(※2)に通算5年以上(かつ900日以上)従事
※1 医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、視能訓練士、義肢装具士、歯科衛生士、言語聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、ハリ師、きゅう師、柔道整復師、栄養士、管理栄養士、精神保健福祉士
※2 生活相談員、支援相談員、相談支援専門員、主任相談支援員
・介護支援専門員実務研修
ケアマネージャーになるには、介護支援専門員実務研修受講試験に合格した後、介護支援専門員実務研修を受講する必要があります。
介護支援専門員実務研修では、ケアプラン作成に関する講義や演習があり、基本的には前期講習8日間、実習3日間、後期研修7日間のスケジュールです。合格して研修修了書が交付されてから3ヵ月以内に、ケアマネージャーの登録申請と介護支援専門員証の交付申請を行うと、晴れてケアマネージャーとして働けるようになるのです。
このほか、居宅介護支援事業所など、利用者の自宅などを訪問する仕事は、自動車で移動するため普通自動車免許が必要になることもあります。
ケアマネージャー試験の合格率
令和5年度に行われたケアマネージャー試験の合格率は21%でした。過去5年間の平均を見ても20%をきっています。ちなみに、介護福祉士試験の合格率は70%、看護師試験の合格率は90%程度なので、同じ福祉医療系の資格と比べても難易度は高いです。
参考:第26回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について|厚生労働省
ケアマネージャーになるために目指すべき就職先
ケアマネージャーとして仕事をするためには、まずは介護福祉士などとして実務経験を5年以上積むことが前提です。ここでは、最初に介護福祉士として就職すべき施設をご紹介します。
<ケアマネージャーを目指せる就職先の一例>
・居宅介護支援事業所(ケアマネ事業所)
・介護付有料老人ホーム
・介護老人保健施設
・特別養護老人ホーム
・通所介護(デイサービス)事業所
・訪問介護(ホームヘルプ)事業所
ケアマネージャー(介護支援専門員)になった後のキャリアプラン
ケアマネージャー(介護支援専門員)となった後のキャリアプランには、以下があります。
- 認定ケアマネージャー
- 主任ケアマネージャー
- 社会福祉士(ソーシャルワーカー)
それぞれの資格について解説します。
認定ケアマネージャー
ケアマネージャーの資質向上を目的に、2004年に一般社団法人日本ケアマネジメント学会により民間資格として創設されたのが「認定ケアマネージャー」です。受験にはケアマネージャーとして3年以上の実務経験が必要ですが、この資格取得によりケアマネージャーとしての一定のスキルを持っているという証明になります。ケアマネージャーの上位資格である「主任ケアマネージャー」へのチャレンジがしやすくなるといったメリットも。
主任ケアマネージャー
ケアマネージャーの上位職が「主任ケアマネージャー(主任介護支援専門員)」です。主任ケアマネージャーには、専任のケアマネージャーとして通算5年以上勤務したなどの条件をクリアした人が、各都道府県で開催される「主任介護支援専門員研修」を受けることで資格を取得できます。地域における「住まい」「医療」「介護」「予防」「生活支援」を担う地域包括支援センターでは、主任ケアマネージャーもしくはそれに準じる人の配置を義務付けられており、民間事業所で配置を義務付けられているケースも。
主任ケアマネージャーの仕事は、ケアマネージャーのリーダーとして指導や育成などを行うこと。また、地域の特徴や課題を把握した上で、最適な介護サービスのシステム構築なども求められます。主任ケアマネージャーは、ケアマネージャーが対応できないケースの調整を行うこともあり、さまざまな経験や知識が必要ですが、その分、ケアマネージャーより高待遇となることも多いようです。
社会福祉士(ソーシャルワーカー)
高齢者や障害者、ひとり親家庭などを対象に、日常生活の支援を行うのが社会福祉士(ソーシャルワーカー)です。社会福祉士もケアマネージャーと同じように利用者や家族の相談を受けるため、ケアマネージャーでの経験が活きるでしょう。
社会福祉士の勤務先は介護施設だけでなく、医療施設や学校、福祉施設と幅広く、勤務先の選択肢がより多くなるのもメリットです。
介護職への道を「JOB-BIKI」で探してみよう
ケアマネージャー(介護支援専門員)は、介護を必要とする人やその家族にヒアリングをしたり相談にのったりするだけでなく、介護サービス事業者などと調整をする重要な仕事です。大変な仕事ではありますが、利用者から感謝されて大きなやりがいを得られる仕事なのは間違いありません。
ケアマネージャーの仕事に興味がある人は、今から情報収集してみてはいかがでしょうか。「JOB-BIKI」で「介護」と検索してみると、介護関連の企業やそこに進学した人の出身大学・学部などが見つかるので、ぜひ参考にしてみてくださいね。