【2025年度新増設情報】データサイエンス、情報系の学部・学科が増加
2024.11.11
目次
2024年8月 文部科学省 2025年度開設予定の大学等の答申を公表
文部科学省は2024年8月28日、2025年度(令和7年度)開設予定の大学等の設置に係る答申について公表しました。
今回の発表では東京経営大学(大原学園)の大学新設をはじめ、学部の設置9校、短期大学の学科設置2校、学部の学科設置2校が認可されています。
また通信課程では、前出の東京経営大学のほか4校(大学3校、短大1校)の新設が認可されました。
2025年度開設予定の大学・学部等一覧 文部科学省 2024年8月公表分
大学新設
大学 | 学部 | 学科 | 定員 |
東京経営大学 | 経営学部 | 経営マネジメント学科(通信) | 350 |
学部新設
大学 | 学部 | 学科 | 定員 |
福井県立大学 | 恐竜学部 | 恐竜・地質学科 | 30 |
下関市立大学 | 看護学部 | 看護学科 | 80 |
植草学園大学 | 看護学部 | 看護学科 | 80 |
大妻女子大学 | データサイエンス学部 | データサイエンス学科 | 90 |
桃山学院大学 | 人間教育学部 | 人間教育学科 | 270 |
追手門学院大学 | 理工学部 | 数理・データサイエンス学科 機械工学科 電気電子工学科 情報工学科 | 30 50 50 70 |
安田女子大学 | 理工学部 | 生物科学科 情報科学科 建築学科 | 60 60 60 |
松山大学 | 情報学部 | 情報学科 | 120 |
別府大学 | 看護学部 | 看護学科 | 80 |
学部の学科新設
大学 | 学部 | 学科 | 定員 |
朝日大学 | 保健医療学部 | 救急救命学科 | 40 |
大阪樟蔭女子大学 | 学芸学部 | リベラルアーツ学科 | 40 |
短期大学の学科新設
大学 | 学部 | 学科 | 定員 |
仙台赤門短期大学 | 鍼灸手技療法学科 | 50 | |
日本歯科大学新潟短期大学 | 歯科技工学科 | 20 |
通信課程の新設
大学 | 学部 | 学科 | 定員 |
近畿大学 | 建築学部 | 建築学科 | 100 |
岡山理科大学 | 情報理工学部 | 情報理工学科 | 200 |
鎌倉女子大学短期大学部 | 初等教育学科 | 300 | |
名古屋産業大学 | 現代ビジネス学部 | 現代ビジネス学科 | 200 |
●文部科学省 令和7年度開設予定の大学等の設置に係る答申について(令和6年8月28日)
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/daigaku/toushin/attach/1420729_00015.htm
今回、文部科学省の答申で認可された大学、学部・学科は一部で、今後新たに認可される大学を含め、既に設置予定として情報を公表している大学もありますが、この他にも多くの新増設が予定されています。
2025年新増設の大きな特徴は、データサイエンス、情報系の増加
2025年度の設置予定をみると、近年続いている看護・保健系の新増設が引き続き多いことと、福井県立大学の恐竜学部など、新しい分野の学部が設置されていることが目立ちます。
その中でも特に際立っているのがデータサイエンス、情報系の設置予定が多くことで、2025年度新増設の大きな特徴となっています。
今回認可された大妻女子大学、追手門学院大学、安田女子大学、松山大学のほかにも多くの大学でデータサイエンス、情報系の学部・学科の新増設が予定されています。
主なデータサイエンス、情報系学部・学科の設置予定
学部の新設
大学 | 学部 | 学科 | 定員 |
秋田大学 | 情報データ科学部 | 情報データ科学科 | 100 |
神戸大学 | システム情報学部 | システム情報学科 | 150 |
北海道科学大学 | 情報科学部 | 情報科学科 | 100 |
敬愛大学 | 情報マネジメント学部 | 情報マネジメント学科 | 50 |
大妻女子大学 | データサイエンス学部 | データサイエンス学科 | 90 |
金沢工業大学 | 情報デザイン学部 メディア情報学部 情報理工学部 | 経営情報学科 環境デザイン創成学科 メディア情報学科 心理情報デザイン学科 情報工学科 知能情報システム学科 ロボティクス学科 | 60 40 140 60 120 120 80 |
清泉大学 | 人文社会科学部 | 情報コミュニケーション学科 | 40 |
人間環境大学 | 総合環境学部 | 環境情報学科 | 40 |
追手門学院大学 | 理工学部 | 数理・データサイエンス学科 | 30 |
追手門学院大学 | 情報工学科 | 70 | |
大阪産業大学 | 情報デザイン学部 | 情報システム学科 | 130 |
大阪電気通信大学 | 健康情報学部 | 健康情報学科 | 165 |
関西大学 | ビジネスデータサイエンス学部 | ビジネスデータサイエンス学科 | 350 |
安田女子大学 | 理工学部 | 情報科学科 | 60 |
松山大学 | 情報学部 | 情報学科 | 120 |
学科の新設
大学 | 学部 | 学科 | 定員 |
山口県立大学 | 国際文化学部 | 情報社会学科 | 40 |
東北工業大学 | 工学部 | 情報通信工学課程 | 120 |
城西大学 | 理学部 | 情報数理学科 | 80 |
帝京大学 | 理工学部 | データサイエンス学科 | 70 |
金沢工業大学 | 工学部 | 電子情報システム工学科 | 100 |
大阪工業大学 | 情報科学部 | 実世界情報学科 | 80 |
広島工業大学 | 工学部 情報学部 | 機械情報工学科 情報システム学科 情報マネジメント学科 | 120 80 80 |
九州栄養福祉大学 | 食物栄養学部 | 食環境データサイエンス学科 | 50 |
通信課程の新設
大学 | 学部 | 学科 | 定員 |
ZEN大学 | 知能情報社会学部 | 知能情報社会学科 | 5000 |
岡山理科大学 | 情報理工学部 | 情報理工学科 | 200 |
※掲載の一覧には申請中・設置構想中の内容も含まれており、今後変更等の可能性もあります。
主なデータサイエンス、情報系学科の定員増予定
大学の新しい学部・学科の設置以外でも、定員増を予定している大学も多く、特に既存のデータサイエンス、情報系学科を設置している国立大学で多く見られます。
定員 | |||
茨城大学 | 工学部 | 情報工学科 | 80→90 |
筑波大学 | 情報学群 | 情報科学類 情報メディア創成学類 | 80→86 50→54 |
横浜国立大学 | 理工学部 | 数物・電子情報系学科 | 287→310 |
岐阜大学 | 工学部 | 電気電子・情報工学科 | 170→194 |
名古屋大学 | 情報学部 工学部 | 自然情報学科 コンピュータ科学科 電気電子情報工学科 | 38→44 59→67 118→128 |
大阪大学 | 工学部 基礎工学部 | 電子情報工学科 情報科学科 | 162→190 83→101 |
奈良女子大学 | 生活環境学部 | 文化情報学科 | 45→57 |
広島大学 | 工学部 情報科学部 | 第二類(電気電子・システム情報系) 情報科学科 | 90→100 150→180 |
京都芸術大学 | 芸術学部 | 情報デザイン学科 | 180→240 |
大和大学 | 情報学部 | 情報学科 | 200→250 |
データサイエンス、情報系増加の背景
データサイエンス、情報系の分野が急激に拡大していることが分かると思います。この背景には何があるのでしょうか?
社会全体の動きとしてデジタル化が急激に進み、対応できる人材の育成が求められるようになっていることがあります。そして国が助成事業として「大学・高専機能強化支援事業」を実施し、デジタル・グリーン等の成長分野における学部等の設置を支援していることがもう一つの要因となっています。
文部科学省 大学・高専機能強化支援事業
文部科学省では「大学・高専機能強化支援事業」を推進し、成長分野をけん引する大学・高専の機能強化に向けた基金を設けています。
この事業では、「デジタル・グリーン等の成長分野をけん引する高度専門人材の育成に向けて、意欲ある大学や高等専門学校が成長分野への学部転換等の改革に予見可能性をもって踏み切れるよう、機動的かつ継続的な支援を行う」とし、以下の2つの支援を行っています。
・支援1:学部再編等による特定成長分野への転換等(公私立大学が対象)
・支援2:高度情報専門人材の確保に向けた機能強化
今回認可を受けた4校も2023年7月の初回公募にて選定された大学で、この他にも支援1では67件、支援2で51件が選定されています。また今年7月の第2回では支援1が59件、支援2で31件が新たに選定に加わっています。
この支援事業で選定された大学が、新設・定員増を行っているという流れになっていることが、データサイエンス、情報系が急激に拡大している要因となっています。
なお支援事業は継続が予定されていますので、データサイエンス系の学部・学科の新増設は今後も増えていくことが予想されます。
●文部科学省 成長分野をけん引する大学・高専の機能強化に向けた基金による継続的支援
https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/kinoukyouka/index.html
逆引き大学辞典で新しい学部・学科を調べてみよう
大学が行う新増設には学問の広がりや、時代の変化にあわせて教育内容をアップデートしていく側面と、社会のニーズにあわせ求められる人材育成に対応を目的とする側面があります。少子高齢化や医療・保健のあり方の変化、急激に進むデジタル化など、社会の変化が大学の新増設の傾向にも表れています。
今後広がっていくことが予想される分野で活躍する力を身につけるため、最新の情報を得て、専門知識を学ぶことができる新しい学部・学科について調べてみませんか。
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