データサイエンティストとは?仕事内容や年収、おすすめの大学と学部学科について解説
2022.11.15
今、社会の幅広い場面でデータ活用が注目されています。そんなデータ活用にかかわる代表的な仕事の一つが、データサイエンティストです。IT業界を中心として活躍する職種の中でも比較的新しい仕事で、興味を持っている方も多いのではないでしょうか。この記事では、データサイエンティストの仕事について紹介します!
目次
データサイエンティストとは?
まずは、データサイエンティストの仕事について基本から解説します。データサイエンティストとはどんな仕事なのでしょうか?仕事内容や平均年収をチェックしてみましょう!
データサイエンティストの仕事内容
データサイエンティストは、データ分析によって会社経営や社会問題の課題を見つけたり、解決策を提案したりする役割があります。データサイエンティストの働きによって、データから一定の特徴が読み取れるようになり、社会をより良くする発見ができるようになるのです。具体的な仕事内容には、データの収集・加工・分析のほか、データを取り扱う環境づくりや、仕組みづくりなどがあります。
データサイエンティストの仕事の進め方
データサイエンティストの主な仕事は、データの収集・加工・分析です。まず、お客様の課題について考えて仮説を立てたら、必要なデータを集めていきます。それから、集めたデータを分析できる状態にしていきます。その後、データを分析して、初めに立てた仮説を検証していくという流れです!
データサイエンティストの平均年収
データサイエンティストの平均年収は、全国平均で531.9万円と高くなっています。多くの人が住む都市部のデータを見てみると、東京都は平均554.1万円、大阪府は平均594万円、愛知県は平均571.6万円です。
また、ハローワーク求人統計データによれば、データサイエンティストの求人賃金は全国平均で月額25.8万円です。東京都は月額23.7~34.4万円、大阪府は月額21~30.2万円、愛知県は月額21.5~31万円となっています。
データサイエンティストをはじめとしたIT人材は、近年ますます活躍の場が広まっていて、多くの企業で必要とされているのです!そのため、幅広い業界に活躍の場が広がっており、条件の良い求人も見つけやすいでしょう。
【参考】職業情報提供サイト(日本版O-NET)
URL:https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/323
データサイエンティストのやりがい
データサイエンティストの仕事では、お客様が抱える難しい課題を解決することで、会社を経営する役に立ち、 大きな達成感を味わえます!たとえば、広告を出す費用の負担に悩んでいる会社があったとします。そこでデータを分析して、どんな場所にどんな広告を出せば効果的かわかれば、無駄な費用をかけずに最大限の効果が期待できるでしょう。
データ分析には、忍耐強く試行錯誤する厳しさもあります。それだけに、自分の能力を生かして難しい課題を解決へ導くことに、強いやりがいを感じられるでしょう。これまで活用されていなかったデータを役立てることで、社会をより良くするために貢献している実感が得られるのも魅力的ですね!
データサイエンティストと類似する仕事
データサイエンティストと似ている仕事として、以下の3つを紹介します。
AIエンジニアは、人工知能(AI)を応用したシステムの設計や構築を担当する技術者です。たとえば、音声アシスタントのアレクサやスマホの顔認証などは、AIエンジニアが開発したものです。一方、データサイエンティストはデータを調べ、統計学やデータ分析を使って問題を解決します。
エンジニアはAIを作り、サイエンティストはデータから有益な情報を引き出します。
・データアナリスト
データアナリストもデータサイエンティストに類似する職業です。どちらも、データ分析を行い、問題解決を図るという点はおなじです。両者の違いは、職務領域や用いる技術です。
データアナリストは主に統計的な技術を用いてデータを分析し、わかりやすく資料にまとめてお客さんに伝えます。分析したデータをビジネスに応用することがメインです。
一方、データサイエンティストは、統計的な技術のほかにも、機械学習(コンピューターがデータから勉強し、その経験を元に新しいことを予測する仕組み)やAI技術など複雑な技術を用いて、分析モデル(データを使って何かを予測する仕組みを作ること)を構築することが、メインになります。
・データエンジニア
データエンジニアは、データを分析するために、必要なデータの整理やデータ分析の土台作りを行います。一方、データサイエンティストは、整理されたデータを調べて、それをビジネスに使えるようにします。お互いが協力してこそ、企業がデータを有効に使って目標を達成できるようになるわけです。
データサイエンティストの将来性
データサイエンティストは、将来性のある仕事だといわれています。その理由は、社会の幅広い場面でデータ活用 が広まっているからです。多くの会社では、商品の購入履歴や顧客の位置情報をはじめとした、多種多様なデータが集められています。一方で、こうしたデータをまだ十分に事業へ役立てられていない企業も少なくありません。だからこそ、データサイエンティストの仕事が注目され、必要とされているのです!
ちなみに、皆さんが勉強している学校でも、データサイエンティストの育成が始まっています。文部科学省では、データサイエンスへの関心を集めるために「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度」を始めました。今後はますますデータサイエンスに触れる機会が身近に増えていくかもしれませんね!
データサイエンティストに必要なスキル
データサイエンティストに必要なスキルとして、以下の3つを紹介します。
- 統計学・数学の知識
- プログラミングスキル
- データベースのスキル
統計学、数学の知識
統計学と数学は、データサイエンスに必須の知識です。データサイエンティストの仕事では、機械学習という方法でデータを分析します。機械学習では、コンピューターにデータを学ばせることで、ある法則や傾向などを発見していきます。分析した結果を読み解くために用いる統計学の知識や、機械学習の理論を理解するために必要な数学の知識は欠かせません!
プログラミングスキル
データサイエンティストの仕事では、会社の業務で使うシステムを開発する場合があります。そこで必要となるのがプログラミングスキルです。データを集めたり、加工したりする環境を作るのに、プログラミング言語を使うことがあります。ぜひ習得しておきたいですね。
データベースのスキル
データサイエンティストが取り扱うデータは「ビッグデータ」と呼ばれます。ビッグデータは、含まれる情報の量や種類などがとても多いことから、人間にはその全体像が掴みにくい とされています。データサイエンティストの仕事では、こうしたビッグデータの取り扱いに関して、プログラミング・データベース・ビッグデータ処理などに関する知識も必要なのです。
データサイエンティストに向いている人5選
データサイエンティストに向いている人の特徴を5つ紹介します。
- 粘り強く作業ができる人
- 論理的思考ができる人
- コミュニケーション能力が高い人
- 人の悩みを解決するのが得意な人
- マネジメントが得意な人
粘り強く作業ができる人
データサイエンティストに向いているのは、地道な作業が苦にならない人です。データサイエンティストの仕事は、問題に対処するために仮説を立て、大量の情報を処理することです。多くの情報から共通点や法則性を見つけたり、未知の仮説を検証したりする作業は、地味でコツコツとした作業が必要です。何かに没頭した経験があり、探求心や好奇心が旺盛な人は、データサイエンティストに向いている可能性があります。
論理的思考ができる人
客観的な事実に基づいて、論理的な仮説や結論を導ける人も、データサイエンティストに向いています。さまざまなデータを扱うと、ときおり、直感や過去の経験に反する結果が出ることがあります。そうした場合でも、先入観にとらわれず、データを信じて結論を導き出すことが重要です。論理的に物事を考える論理的思考力は、文系・理系問わず、トレーニングで後天的に身に付けられますよ!
コミュニケーション能力が高い人
データサイエンティストの仕事では、専門知識を知らない人に物事を伝える場面が多くあります。お客様にデータ分析の結果をわかりやすく伝えたり、分析結果に基づいてお客様を納得させる解決策を提案したりするために、コミュニケーション能力は重要です。
人の悩みを解決するのが得意な人
データサイエンティストは、企業や社会が抱える課題を解決する役割を担います。そのため、論理的に考えて現状を改善する方法を導き出せる、能力が必要です。お客様の悩みを理解して寄り添いながら、信頼してもらえる状態を目指しましょう!
マネジメントが得意な人
場合によっては、データサイエンティストがチームを組んで、プロジェクトを管理する場合も。データサイエンスのプロジェクト運営では、予算や期間などの難しい制限がある中でデータの収集・加工・分析までを進めて、お客様の課題を解決するよう求められます。チームを管理するマネジメントの視点も身に付けたいですね。
データサイエンティストに役立つ資格
データサイエンティストとして働く上で、必須の資格はありません。しかし、統計学や数学などに関する専門知識と、プログラミングスキルをはじめとした技術が求められます。自分の知識とスキルを証明できる資格に挑戦してみましょう!
例えば、情報処理の基礎を身に付ける「基本情報技術者試験(FE)」は、IT業界への就職で取得する人が多い国家資格です。また、基本情報技術者からスキルアップして「応用情報技術者試験(AP)」の国家資格を取得する人もいます。
データサイエンティストの仕事に欠かせない、データベースの設計と管理に関する知識を身に付けるなら「データスペシャリスト試験(DB)」の受験も視野に入れましょう!こちらは応用情報技術者よりも上級の内容となり、さらに難しい内容になってきます。
データサイエンスに必須である統計に関しては「統計検定」で知識を証明できます。統計を扱う職業を目指すのであれば、目安として統計検定3級以上の合格を目指してみては?
データサイエンティストになるには?
データサイエンティストになるには、新卒で就職する方法と、別の職種で経験を積んでからなる方法があります。
データサイエンティストは新しい仕事なので、現在データサイエンティストとして働いている人の中には、別の仕事に就職して経験を積んでからデータサイエンティストになった事例もたくさんあります!
就職後にデータサイエンティストを目指す場合、システムエンジニア・情報処理技術者・通信技術者といった職種から転職する方法があります。また、研究者からデータサイエンティストになる道もありますよ。新卒採用だけでなく、中途採用でもデータサイエンティストを目指せるので、キャリアの可能性を広げて考えてみるのがおすすめです!
高校生の皆さんには、大学でデータサイエンスを学んでから、新卒でデータサイエンティストになるチャンスもあります。ぜひ挑戦してみてくださいね。
データサイエンスが学べる大学や学部
データサイエンティストに必要な知識を学ぶなら、統計学・数学・情報工学などを専攻できる理系の大学を視野に入れましょう。または、大学でデータの収集・加工・分析の経験を積む方法もあります。なかには「データサイエンス学部」や「データサイエンス学科」を設置している大学もあるので、ぜひチェックしてみてくださいね!
データサイエンティストの仕事には、大学や大学院での勉強を生かしやすいといえます。未経験で就職する場合には、卒業後にIT業界や製造業界の企業で働く流れが一般的です。
データサイエンティストの主な就職先
データサイエンティストの就職先としては、IT業界や製造業界の企業が代表的ですが、今後は活躍の場がさらに広まると考えられています。その理由は、業界や業種に関係なく、ビッグデータを扱える人が必要とされているためです。
例えば、不動産業界や金融業界、広告業界でもデータサイエンスが欠かせないものになっています。IT業界や製造業界のみに限らず、さまざまな分野で自分の能力を生かした働き方ができそうですね!
専門知識を身に付けてデータサイエンティストを目指そう!
データサイエンティストは、ビッグデータを分析して課題を見つけたり、解決策を提案したりします。社会に新しい価値を生み出せる可能性がある、チャンスにあふれた仕事です!データサイエンティストの仕事が気になったら、ぜひ進路の参考にしてみてくださいね。
データサイエンティストを目指せる大学に興味があるなら「JOB-BIKI」を使って調べてみましょう。データサイエンティストは幅広い業界で活躍していますので、ここではIT業界を例に検索方法をお伝えしていきます。検索画面では「IT・広告・マスコミ」の業種を選んで「ソフトウェア・SI」の項目でぜひ調べてみてください。 将来なりたい職業を考え始めたら、まずは気軽に情報収集からスタートしましょう!