ガクチカとは?就活で役立つ魅力的なガクチカの書き方や評価のポイントを紹介
2025.04.08

「ガクチカって何?」
「ガクチカが就職で役立つのは何故?」
就職活動を始めた人の中には、「ガクチカ」という言葉を耳にしたことのある人もいるでしょう。
ガクチカは「学生時代に力を入れたこと」の略称です。
企業の面接やエントリーシートで質問されることが多いため、充分に対策することで就活を有利に進めることができるでしょう。
この記事では、ガクチカの基本的な意味や必要性、企業に刺さるガクチカの書き方について解説します。
企業がガクチカに求めるポイントなどについても触れているので、参考にしてみてください。
目次
ガクチカとは

ガクチカは「学生時代に力を入れたこと」の略称です。
就活のエントリーシートや面接では必ずと言っていいほど聞かれる質問で、「学生時代に打ち込んだことは?」「熱心に取り組んだ経験はありますか?」などの質問で聞かれることが多いです。
単に活動内容を説明するだけではなく、活動に取り組んだ過程やエピソードを具体的に伝えることで、自身の人間性や価値観、能力をアピールできます。
ガクチカと自己PRの違い
ガクチカと自己PRは、自分のことを企業にアピールするという点では同じですが、伝える内容は若干異なります。
自己PRで伝える内容は、自身のスキルや長所、強みなどが中心です。自分の能力や特性を活かしてどのように企業に貢献するのかを具体的に説明します。
ガクチカで伝える内容は、自身の人間性や価値観が中心です。学生時代の経験を通じてどのような価値観を得たのか、何をモチベーションにして力を発揮できるのかを伝えるのがガクチカです。
ガクチカで企業が知りたいこと

就活の選考で、学生にガクチカを聞く企業は多いです。
企業がガクチカを聞く理由を知れば、就活に有利なガクチカをつくることができるでしょう。
ここでは、企業がガクチカで重視しているポイントについて解説します。
ガクチカが選考で聞かれる理由
企業が選考でガクチカを聞く理由は、主に二つです。
1.企業が求める人物像とマッチするかを確認する
企業は選考を通じ、自社の文化や業務に求める人物像と一致する学生を見つけようとしています。
例えば、「試行錯誤しながらレポートを作成し、期限通りに提出してきた」というエピソードであれば、丁寧に仕事をする人材であることやスケジュール管理能力を持つ人材であると判断できます。
部活動で具体的な成果を出していなくても「毎日休まず参加した」というエピソードなら、継続力のある人材であると判断できるでしょう。
応募した学生の性格や志向性が見えるガクチカを、自社の求める人材に合致しているかを判断する材料と考えている企業は多いです。
2.学生の価値観や人間性を知る
ガクチカを通じて、企業は学生の価値観や人間性を知ることもできます。
学生時代にどのようなことに挑戦し、どのような成果を出してきたのか、その過程で学んだことを企業でどのように活かせるか、を知りたいと考えています。
成果の大きさより、成果を出すために何を考え、どのように行動したのかを重視しています。
企業がガクチカで重視していること
企業が重視している点をガクチカに盛り込むことで、採用される確率は高くなるでしょう。
企業によって異なりますが、主に下記の3点を重視する傾向にあります。
エピソードに再現性があること
企業は、ガクチカで書かれている経験を入社してからも活かせるか、その経験を再現できるか、という点を重視しています。
たとえ学生が過去にどんなに素晴らしい成果を出していたとしても、企業としては採用後に業務で成果を出してもらわないと意味がありません。
成果を得るためにどんなことをしたか、どのように考えたのかをガクチカに書き、就職後も業務で同じような成果を出すために力を発揮できることをアピールしましょう。
企業で活かせる学びを得ていること
当然ですが、ただ経験から学んだことをアピールするだけでは就職に繋がるガクチカとは言えません。
経験から学んだことを、志望企業の業務でどのように活かせるかを伝えるようにしましょう。
人によっては、アピールできるような実績や経験がない、と悩んでしまうかもしれません。しかし、企業が重視しているのは結果ではなく過程です。たとえば資格を取るために苦手な分野の学習が必要になり苦労した経験やアルバイトで失敗してしまった経験などからも、学べたことがないか思い返してみましょう。
成果に繋がっていなくても、失敗の反省から学んだことを業務でも活かせるかもしれません。自分にはまだ伸びしろがあると企業に伝えることが大切です。
「思考力」「人柄」「行動力の源泉」を示せていること
企業はガクチカを通じて、思考力を持つ人材なのか、どのような人柄で何を軸に行動に起こせる人材なのかを判断します。
自身の経験を相手にもわかるように話せれば、「思考力」が備わっていることが伝わるでしょう。学生が「何を源泉に行動を起こしているのか」を知れば、実際の現場でも同様の行動力を発揮できる、と判断される可能性が高くなります。
何より採用担当者も人なので、どのような人柄の人物なら一緒に仕事をしたいか、も重要な指標のひとつと考えています。
自身の人柄や価値観をわかりやすく伝えるガクチカをつくることで、自分の力を最大限発揮できる職場への就職に繋がるでしょう。
ガクチカは企業によって変えるべき?
ガクチカは企業が求めている人材であるかを判断する材料となるため、選考企業に合わせて書き直すことが望ましいです。
例えば「ひとつのことに集中して取り組める粘り強さ」を求めている企業に対し、「常に新しいことに挑戦した」経験を盛り込んだガクチカでは、ニーズがマッチしません。その場合は「最後までやり遂げた経験」などを伝える必要があります。
ガクチカを書く時のポイント

企業に伝わるガクチカを書くためのポイントを解説します。
文章で伝わるガクチカを書ければ、面接で口頭で伝えるときにも活かせます。ここで紹介するコツを参考に、文章に書き起こしてみましょう。
ガクチカの基本的な構成
ガクチカの構成は、アピールポイントを下記の順番で並べるようにします。
- 経験、挑戦したこと:何に取り組んだのか
- 理由やきっかけ:何故取り組んだのか
- 目標と課題:どんな目標を掲げ、どのような課題があったか
- 課題解決に向けた行動:課題を解決するために実践したこと、考えたこと
- 結果、成果:どのような結果になったか
- 得られた学び:何を学び、社会でどのように活かすのか
まずは結論(経験、挑戦したこと)から伝えることで、聞いている企業側も何の話が始まるのか心構えができ、その先の内容も理解しやすくなります。
結論から述べる手法は、社会人になってからも相手に物事を伝える上で役立つので、ガクチカの作成で慣れておくと良いでしょう。
ガクチカを書くコツ
ガクチカを書くときは、下記のコツを意識してみてください。
企業が求める人物像を知る
基本ですが、企業が求める人物像は事前にリサーチしておきましょう。前述したとおり、ガクチカは企業が求める人物像に合致しているかを確認するためのものです。企業の採用ページや説明会などからどのような人材が求められているかを把握し、自身の経験からその人物像に合致するものを選んでガクチカに盛り込みましょう。
エピソードや具体性を交える
ガクチカは単なる事実の羅列ではなく、具体的なエピソードを交えて書くようにしましょう。
たとえば「部活動の県大会で優勝した」という事実のみを伝えるより、「前年まで地区大会止まりのチームだったが、顧問と連携しチームメイト達と試行錯誤を重ねてチームを立て直し、県大会で優勝した。苦労もあったが、優勝という目標を決めたことで毎日が楽しく乗り越えられた」といった具体的なエピソードのほうがより人間性が伝わります。
困難に直面した場面や、それを乗り越えるために自分が感じたこと、行動したことを具体的に描写することで、企業により深く伝わります。
客観的な事実に基づいて書く
ガクチカは、客観的な事実に基づいて書きましょう。ガクチカは自己PRと似ていますが、自己PRでは主観的な視点による長所や能力のアピール、ガクチカでは客観的な視点による人間性や価値観が求められます。
たとえば、「アルバイト先でSNSの運用を担当し、宣伝に貢献した」といった主観的な内容だけでは人間性までは伝わりません。「アルバイト先でSNSの運用を担当し、毎日投稿を心がけた結果、開始して1か月でフォロワーが100人増え、来店者数も20%増えた」というような客観的な数字や事実を盛り込むと、継続力がある、粘り強い人材であることが伝わるでしょう。
周りの人に評価されたこと、褒められたことなども思い出して盛り込んでみることで、企業は自己PRと合わせてより多角的な視点から判断できるようになります。
魅力的なガクチカを書くためには

魅力的なガクチカを書くためには、書き方も大切ですがアピールできる経験を積むことも大切です。
特にガクチカでは大学時代のエピソードを話すのが基本です。大学在学中に様々な経験を積んでおくと、魅力的なガクチカの作成に役立ちます。
早いうちからガクチカに書けるような経験を積んでおく
現在大学1年生、2年生の皆さんは、今からガクチカに書けるような経験を積んでおきましょう。ガクチカに盛り込みやすい経験と、ガクチカに活かしやすい視点を紹介します。
・サークル活動
成果を残すために努力したこと、創意工夫したことや、失敗したときの反省点など
・アルバイト
接客経験で学んだことや感じたことなど
・ボランティア
様々な人と関わる上で感じたこと、社会の仕組みについて考えたことなど
・留学
異文化に触れて考えたこと、言葉の壁を感じたときに苦労したこと、どうやって乗り越えたか、など
・ゼミ、研究室
ゼミの中でリーダーシップを発揮したことや、論文や研究成果をまとめるときに工夫したことなど
・インターン
インターンを通じて企業や仕事についての価値観がどう変わったか、自分の進路についてどのように考えたか、など
・資格の取得
資格を選んだ理由、資格を取得するために努力したこと、工夫したことなど
また、業界によっては起業経験のある学生を積極的に採用する企業もあります。
高校生の皆さんは、ガクチカに役立つ経験を積むことを意識して大学を選んでみても良いでしょう。自分が学びたい分野、将来の仕事に直結する分野を学べる大学を選ぶのは勿論ですが、留学の制度が整っている、インターン制度が充実している、なども視野に入れてみると良いかもしれません。
やりたいことをできる環境なのかという視点で探してみると大学選びの幅が広がるでしょう。
企業・業界の研究をする
前述したように、企業の求める人物像や企業の文化、その業界について知っておくことも重要です。
企業の採用ページで知ることもできますし、気になる業界や職業について調べれば業界に向いている人の特徴などを知ることもできるでしょう。
たとえばおもちゃメーカー業界では「流行に敏感な人」「粘り強い人」が向いている、新聞社には「チャレンジ精神がある」「新しいことを楽しめる」人が向いている、など、業界によって求める人柄は異なります。
こちらの記事でより詳しく紹介しているので、興味のある方は読んでみてください。
おもちゃメーカー業界とは?働く魅力や仕事内容・目指せる大学を紹介
業界の特徴を知れば、自分の経験や能力を活かせる場所が見つかるかもしれません。
事前準備をして企業に刺さるガクチカを書こう

ガクチカの必要性や書き方のコツについてご紹介しました。
ガクチカは、学生が自分の価値観や人間性をアピールするもので、企業が求める人物像と合致しているかを判断するために重要な要素です。
ガクチカでアピールできるような経験を重ねることは勿論、自分が志望する企業に合う人材であることを伝えるために、業界研究などの下調べも充分にしておきましょう。
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