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鍼灸師になるための資格や大学|就職先やキャリアプランも

2022.12.26

カテゴリー:
治療をする鍼灸師の女性

鍼灸師(しんきゅうし)は東洋医学の「鍼(はり)」や「灸(きゅう)」などの専門家で、体の不調を抱えた患者さんを治療する仕事です。「スポーツの世界で活躍する選手の力になりたい」「東洋医学を使って人の役に立ちたい」と考えている人にとっては、とてもやりがいのある職業といえます。鍼灸師になるためには、どんな勉強をすればいいのでしょうか?

今回は、鍼灸師の仕事内容や就職先などをご紹介します。鍼灸師になるために必要な資格や、資格取得を目指せる大学についてもお伝えするので、ぜひ参考にしてみてくださいね。


鍼灸師とは?

真剣な表情で鍼を刺す鍼灸師の男性

鍼灸師はどんなことをする職業なのでしょうか。まずは、鍼灸師の基本的な仕事内容や、やりがい、想定年収などをご紹介します。

鍼灸師の仕事の内容

鍼灸師とは「はり師」と「きゅう師」の資格を両方とも持っている人のことです。痛みや凝りを抱える人の症状をやわらげたり、病気を予防したりすることなどが主な仕事。ほかにも、体を激しく動かすスポーツ選手のケアや、美容サロンでのリラクゼーションなども行うことがあります。

鍼灸師は「鍼(はり)」や「灸(きゅう)」と呼ばれる治療方法を使います。鍼治療では、注射針よりも細く、先端が丸い鍼を使って体のツボを刺激します。灸治療では、薬草でつくられた「もぐさ」を体の上で燃やし、熱で刺激することが特徴です。こうして鍼灸治療をすることで、血のめぐりが良くなったり、自然治癒力を高めたりする効果が期待できるといわれています。

また、鍼灸師は、患者さんの状態に合わせて鍼や灸などの治療を行います。そのために、患者さん一人ひとりの悩みをしっかりと聞いて症状を把握し、不調の原因を見極めることも大事な仕事。健康や美容の悩みについてアドバイスすることもあります。

鍼灸師の仕事のやりがい

鍼灸師は、体にさまざまな問題を抱えた人を癒やすことが仕事です。患者さんが自分の治療で元気になれたときは、大きなやりがいを感じられるでしょう!

また、鍼灸師は目の前の患者さんとコミュニケーションをとりながら治療します。さまざまな人とかかわっていけることも、鍼灸師の魅力の一つです。不調が改善した患者さんからは、感謝の言葉を直接もらえることも。人の役に立てたことを実感しやすいのも、やりがいにつながりますね!

鍼灸師の想定年収

鍼灸師の想定年収は423.4万円といわれています。経験を積んでスキルアップすることで、収入を上げられることも。また、働く場所によっても年収は変わります。たとえば歩合制の鍼灸院で働くなら、たくさんの患者さんを治療することで、給料の金額も増えていきます。

【参考】職業情報提供サイト(日本版O-NET)
URL:https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/175


鍼灸師に必要な資質

お客様の悩みを聞く鍼灸師の男性

鍼灸師には、どんな人が向いているのでしょうか。ここでは、鍼灸師に必要とされる資質についてお伝えします。

コミュニケーション能力

鍼灸師は患者さんへさまざまなことを質問して、どんな治療をするかを判断します。ただ、プライベートのことを話すのは抵抗がある患者さんも少なくありません。適切な治療をするためには、会話の相手に心を開いてもらえるようなコミュニケーション能力が必要です!

また、病院で働く場合は医師や看護師と、介護施設で働く場合はスタッフやご家族との協力が不可欠です。さまざまな立場の人とコミュニケーションをとれることも、鍼灸師に必要なスキルといえますね。

観察力

鍼灸師は、患者さんの話す内容はもちろん、表情や姿勢、動きなども観察して、体の状態をチェックします。小さな違和感にも気付いて治療に生かせる観察力が大切です!

人の役に立つことを喜べる気持ち

鍼灸師の仕事は、病名を診断して治療する医師の仕事とは異なります。患者さんの症状を改善するには、一人ひとりの相談を聞きながら、鍼灸でその人のためにできることを考え、精一杯サポートしていくことが重要です。鍼灸院に通う目的は、患者さんによってさまざま。痛みや凝りをやわらげたい人もいれば、リラクゼーションや美容のために通う人もいます。多様なニーズに寄り添い、誰かを助けることに喜びを感じられる人なら、鍼灸師の仕事に全力で取り組めるでしょう!


鍼灸師になるための資格と学べる大学

お客様の悩みを聞く鍼灸師の男性

鍼灸師になるためには「はり師」と「きゅう師」の国家資格を取る必要があります。それぞれの資格の特徴や、取得を目指せる大学についてチェックしてみましょう!

鍼灸師に必要な資格

・はり師
「はり師」の免許を持っていると、職業として鍼治療を提供できます。鍼灸師として働くなら必須の資格です!はり師の国家試験は、毎年2月に行われます。筆記試験のみで、実技試験はありません。

試験を受けるためには高校卒業後に養成施設へ3年以上通い、卒業することが必要です。養成施設には専門学校や4年制大学などがあります。

・きゅう師
もう一つ、鍼灸師に不可欠な資格が「きゅう師」です。灸治療を仕事として行う場合は「きゅう師」の免許が必要とされます。受験資格もはり師と同じで、養成施設を卒業することが求められます。

きゅう師の国家試験は、はり師の試験と同じ日に行われます。試験内容の一部は、はり師と共通です。そのため、はり師・きゅう師の試験を両方とも受ける場合は、申請することで片方の共通科目の試験が免除されます。

鍼灸師になるために学べる大学

鍼灸師を目指すことができるのは保健医療系の学部です。鍼灸学科などで、必要なカリキュラムを学べます。スポーツトレーナーの資格や、保健体育の教員免許などを取得できるところもありますよ。鍼灸師の勉強をしながら将来の選択肢を増やしておきたいという人は、はり師・きゅう師以外にどんな資格を取れるのかについても調べることがおすすめです。


鍼灸師の就職先とキャリアプラン

鍼灸師の手元

はり師・きゅう師の試験に合格できたら、どんな職場に勤務できるのでしょうか。最後に、鍼灸師の主な就職先や、将来のキャリアについてチェックしてみましょう。

鍼灸師の就職先

鍼灸師の代表的な就職先の一つが鍼灸院や鍼灸整骨院です。鍼灸治療を専門的に行いますが、治療院の方針によって特徴はさまざま。たとえば、スポーツ系の部活生向けの治療がメインのところもあれば、高齢の方への治療が多いところもあります。

病院・クリニックなどにも、鍼灸師を募集しているところがあります。医療関連の施設では、医師や看護師と一つのチームとして協力し合いながら、患者さんをサポートしていきます。

介護福祉施設やリハビリテーションセンターなどでも鍼灸師が活躍しています。鍼灸院へ通えない高齢の方の自宅に訪問して、鍼灸治療をすることも珍しくありません。

また、鍼灸師は美容分野にも活躍の場が広がっています。エステサロンや美容サロンなどで、アンチエイジングやダイエットなどをサポートするために、鍼灸師の腕が求められることも。

ほかにも、スポーツ施設で選手の体の調子を整えるため、鍼灸治療が必要とされることがあります。そういった現場では、鍼灸師の資格を生かしながらスポーツトレーナーとして働く人もいます。

このように、鍼灸師は幅広い職場で働くことができます。選択肢が多い分、就職先に迷ってしまうこともあるかもしれませんね。そんなときは、自分はどんな悩みを持つ人をサポートしていきたいのかを考えていくと、働きたい職場をイメージしやすくなるでしょう。

鍼灸師のキャリアプラン

鍼灸師の資格を取った後は鍼灸院などに就職し、スキルを生かして働いていくことが一般的です。職場によっては、経験を積んで院長や店長を目指せることも。また、はり師・きゅう師の国家資格を持っている人は、自分で鍼灸院などを開業することもできますよ。独立開業する道を選びやすいのも、鍼灸師の魅力といえるでしょう。


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