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保育士資格を目指す高校生必見!大学・学部学科の選び方

2024.06.24

カテゴリー:
保育所でお絵描きを楽しむ子供たちと保育士

「保育士になるにはどうしたらいい?」
「保育士になるために必要な資格を知りたい!」

保育士の仕事に興味を持ち、このように考えている人もいるでしょう。

保育士は、教育分野などの幅広い専門知識や技術を使って、子どもを預かる仕事です。
「保育」とは、養護と教育を一体的に行うことを意味します。子どもたちを預かってお世話をするだけではなく教育の視点も踏まえた専門性を持っていることが求められ、保護者へのサポートも保育士の仕事になります。

無資格でも保育の仕事に携われます が、資格をとると保育士としての仕事やキャリアアップに有利になるでしょう。

この記事では、保育士資格の取り方や資格取得に有利になる大学、学部学科の選び方について解説します。
保育士資格のメリットや保育士の将来の展望についてもまとめているので、進路選択の参考にしてみてください。

保育士資格の重要性

保育士の資格を自分の子育てに役立ている主婦

保育士資格のメリットや必要な条件について解説します。

保育士資格を持つことのメリットとは

保育士資格を持つメリットは、主に下記の4つです。

1.キャリアアップに役立つ
保育士資格があると、資格がない人より知識が豊富とみなされより多くの仕事を任される可能性が高くなります。また、保育士資格があると無資格の場合より就職先も多いため、保育だけでも幅広い業務に触れる機会が多くなります。様々な現場で保育士としての経験を積むことができ、キャリアアップに繋がるでしょう。

2.仕事や子育てに活かせる知識が身につく
保育士資格を取得する過程で、保育の基本知識が身に着きます。学んだ知識は保育士としての仕事ではもちろん、自分や身近な人が子供を持ったときの子育てにも活かすことができるでしょう。
共働き家庭のお子さんの預かりや障がい児の支援など、困りごとのある家庭のサポートをする仕事でもあるため、世間的な評価が高いのも魅力といえます。

3.幅広い職場で活躍できる
保育士の就職先は保育園だけに限りません。保育の対象年齢は0~18歳と幅広いため、児童養護施設や児童自立支援施設のような児童福祉法によって定められた施設や、託児所を設置している一般企業などでも働くことができます。
また、保育士資格を持っていると保育士以外の職業で有利になる場合もあります。

4.一生モノの資格
保育士資格は更新の義務がないため、一生涯有効な資格です。産休・育休から復帰もしやすく、転居で勤務先が変わっても柔軟に対応できます。
保育士を目指す人は取得しておいて損はないといえるでしょう。

保育士資格を取得するために必要な条件とは

保育士資格を取得するための条件は、主に下記の2つです。

1.指定保育士養成施設を卒業する
厚生労働大臣が指定する「指定保育士養成施設」という、学校その他の施設(大学・短大・専門学校など)で学んで卒業すると、保育士試験を受けなくとも保育士資格を取得できます。
指定保育士養成施設は施設によって年数が異なり、2年制の短大や専門学校なら2年、3年制の大学や専門学校なら3年で保育士資格を取得できます。座学だけでなく実習などの実践的なカリキュラムが組まれています。
学校によっては通信教育や夜間学部を設けているので、就職してからも働きながら学ぶことも可能です。

2.保育士試験を受験する
指定保育士養成施設以外でも、大学・短期大学を卒業していれば保育士試験を受験できます。
専門学校の場合は「学校教育法に基づいた専修学校であること」「修業年限2年以上の専門課程であること」が受験の条件となります。
高校・中学卒業でも「児童福祉施設で実務経験2年以上かつ総勤務時間数2,880時間以上従事した者」などの条件を満たせば受験できます。

保育士資格の試験は前期・後期の年2回に分かれており、試験は「筆記」と「実技」の2種類があります。
筆記試験の試験科目は下記の9科目すべてに合格する必要があります。
1.保育原理
2.教育原理
3.社会的養護
4.子ども家庭福祉
5.社会福祉
6.保育の心理学
7.子どもの保健
8.子どもの食と栄養
9.保育実習理論
9科目で合計160問が出題され、各科目100点満点中60点が合格ラインです。筆記試験に合格できた人だけが、実技試験を受けることができます。

実技試験は音楽表現、造形表現、言語表現から2種類を選択します。1分野につき50点満点中30点以上得点し、2分野で合計60点以上得点すれば合格です。なるべく自分の得意分野から選ぶのがポイントです。

保育士資格試験の合格率は20~25%と比較的難易度が高いため、過去問や予想問題などで入念に準備をしてから試験に臨みましょう。

保育所、幼稚園、こども園の違い

保育士の勤務先として、保育所(保育園)、幼稚園、こども園を耳にすることも多いでしょう。それぞれの違いについて簡単にご紹介します。

 保育所幼稚園こども園
特徴長期休暇がなく、保護者の仕事や介護などに影響が出にくい小学校入学を見据えた学習をおこなう保育を受けながら教育・学習も取り入れる
利用できる年齢0歳~就学前3歳~就学前0歳~就学前
標準的な保育時間8~11時間4時間4~11時間
管轄省庁厚生労働省文部科学省内閣府
施設の位置づけ児童福祉施設教育施設園により異なる
保育者の資格保育士幼稚園教諭保育教諭 保育士 幼稚園教諭

大学選びのポイント

保育士を目指して実習に臨む男性

保育士資格を取得するための、大学選びのポイントをまとめました。

保育士の資格取得を目的とした場合の考え方

保育士資格取得を目的として大学を選ぶ場合、前述したとおり厚生労働大臣が指定する「指定保育士養成施設」の大学を選ぶのがおすすめです。

カリキュラムに保育に関する座学や実習が組み込まれており、卒業と同時に保育士資格を取得できるためです。

特に4年制大学の場合は、2年制の専門学校や短期大学に比べて幅広い知識や経験を得る機会があります。保育士資格取得のための科目だけではなく、子どもの心理や障がい児、語学について学べる科目もあるため、多種多様な家庭や子どもに対応できる力が身につくでしょう。

大学選びの際に注意すべき点

保育士になるための大学を選ぶうえで、注意すべき点を大きく3つに分けて解説します。

1.学費
保育士に限らず、大学への通学は学費がかかります。大学の平均学費は年間120~160万程度なので、なるべく学費を抑えたいという場合は予算を決めて大学を選ぶと良いでしょう。短期大学や通信制の大学は比較的学費を抑えられるので、学費が厳しい場合は短期大学や通信制の大学を選ぶのもおすすめです。

2.卒業率
大学の卒業率がわかる場合はチェックしておきましょう。何らかの理由で大学を中退してしまうことはありますが、あまりにも中退者が多い場合は大学のカリキュラムや教育のサポート環境に原因がある可能性もあります。可能であればオープンキャンパスにも行って、卒業まで学べる環境であるかを実際に目で確かめるのも良いでしょう。

3.就職率
卒業すれば保育士資格を得ることはできますが、すぐに保育士として働けるとは限りません。保育園・こども園に就職してはじめて保育士として働くことができます。大学を選ぶときは就職率も確認しておきましょう。就職率が高い大学ほど就職サポートが手厚く、早く社会で保育士として活躍できる可能性が高くなります。

保育士資格取得におすすめ!タイプ別大学7選

保育士になるために学習中の女性

保育士資格を取得するのにおすすめの大学や学部をご紹介します。

保育士を目指す学生におすすめの学部学科

保育士資格は試験を受ければ誰でもなれるので、基本的にはどんな学部・学科でも保育士にはなれます。
指定保育士養成施設への進学を考えている場合は、小学・幼稚園課程が設置されている大学や、 児童学を学べる大学を選ぶのがおすすめです。

小学・幼稚園課程
保育士資格の他、特別支援学校教員や幼稚園教員などの免許も取得可能なコースです。人文学部や教育学部に設置されていることが多いです。小学・幼稚園課程を設置している大学で必ず保育士資格を取得できるとは限らないため、事前にきちんと調べておきましょう。特に教員養成を主な目的としている大学・学部の場合は取得できる資格の種類が多いため、調べるときの参考にしてみてください。

小学・幼稚園課程について、詳しくはこちらを参照してください。

児童学
保育や教育について研究する分野です。児童学を学べる大学の多くが保育士や幼稚園教諭を目指す人向けのカリキュラムを導入しています。大学によっては、子どもの心や身体の発達と子どもを取り巻く環境への理解に努める内容や、実際に子どもと接することを重視した内容が組み込まれているため、保育士の現場で活かせる知識や経験を身につけることができるでしょう。
学科の名称は、大学によって「児童学科」「保育学科」など異なります。「子ども教育学科」といった「子ども」を名称につけている学科も多いので、参考にしてみてください。

児童学について、詳しくはこちらを参照してください。

タイプ別オススメの大学7選

タイプ別におすすめの大学の一例を7つピックアップしました。

就職に強い大学に進学したい人におすすめの4年制大学
就活のサポートが手厚い大学の一例です。就職後の仕事に直接活かせる実践的なカリキュラムも特徴です。

帝京科学大学(教育人間科学部/幼児保育学科)
群馬医療福祉大学(社会福祉学部/ 社会福祉学科/子ども専攻【児童福祉コース・初等教育コース】)
育英大学(教育学部 教育学科/児童教育専攻)

学費を抑えて保育士資格を取得したい人におすすめの通信制大学
4年制大学に比べて学費が安く、継続しやすい通信制大学の一例です。

明星大学(教育学部/教育学科)
聖徳大学通信教育部(教育学部/児童学科/幼稚園教員養成コース・保育士養成コース)

短期間で保育士資格を取得したい人におすすめの短期大学
短期大学は2年制なので、短期間で保育士資格を取得したいという人におすすめです。

川口短期大学(こども学科)
神戸女子短期大学(幼児教育学科)

保育士を目指す高校生へのアドバイス

保育士を目指す高校生のみなさんに、知っておいてほしいことを簡単にまとめました。

自分に合った大学と学部学科を見つけるための方法

保育士資格を得るために大学に通う場合、指定保育士養成施設でもそれ以外の大学でもきちんと最後まで履修して卒業することが肝心です。最後まで通えるよう、自分に合った大学を見つけましょう。

自分に合った大学と学部学科を見つけるには、まず「どのような保育士になりたいか」を考えてみましょう。勤務先の選択肢を増やして保育のスペシャリストになりたいのか、多種多様な家庭環境に対応できる保育士になりたいのか、など、自分の理想とする保育士になるために何が必要なのかを考えるのがポイントです。

1.取得できる資格で選ぶ
保育所に限らず勤務先の選択肢を増やしたい、という場合は、取得できる資格の種類で選ぶと良いでしょう。例えば認定子ども園で働くには保育士資格だけでなく幼稚園教諭の免許も必要になります。保育士資格と幼稚園教諭の免許を両方取得できるのはもちろん、他の教員免許を取得できる学部や学科もあります。

2.学びたい内容で選ぶ
心理学や法律、音楽や美術なども保育士の仕事に役立ちます。近年では語学ができる保育士を重宝する保育園も増えてきています。心理学を学べば子どもの心に寄り添える保育士になれますし、語学を学べば外国人の子どもの保育も担当できるようになるでしょう。
興味関心のある学問であれば、卒業まで継続して学べます。保育士資格取得に繋がる学部・学科ではなくとも、自分が学びたいと思える学問を基準に大学を選ぶのも1つの手です。

保育士資格を取得するために必要な勉強方法

保育士資格の取得に役立つ勉強方法は、主に下記の2つです。指定保育士養成施設以外の大学を選んで保育士試験を受験したいと考えている人は、参考にしてみてください。

最新の過去問や予想問題をもとに勉強する
どんな試験でも過去問や予想問題をもとに勉強するのは有効な手段ですが、必ず最新のものであるか確認したうえで勉強しましょう。
特に保育士試験の出題範囲は法改正によって変更されることがあり、出題範囲が変更される前の過去問や予想問題で勉強してしまうと出題範囲が外れてしまう可能性があるためです。
特に筆記試験の「社会福祉」「子ども家庭福祉」「保育原理」「教育原理」「社会的養護」は出題範囲が変更されやすい傾向にあるため、注意しましょう。

合格に必要な勉強時間を確保する
一般的に、保育士試験の合格に必要な勉強時間は100~180時間といわれています。1日1時間勉強すれば3~6ヵ月で必要な勉強時間に到達できるでしょう。
特に筆記試験は9科目あるため、テキストを読み込むだけでも大変な作業になります。保育士試験は半年に1回のペースでおこなわれるため、試験日から逆算して勉強をスタートさせることが大切です。

保育士としての将来の展望

子供と一緒に工作する保育士の女性

保育士としての今後の将来性やキャリアパスの可能性について、解説します。

保育士の需要や就職環境について

保育業界は常に人手不足で、多くの求人情報が掲載されています。自分の条件に合った勤務先を選びやすいといえるでしょう。また、保育所など子育ての大変さを理解している職場に就職する機会が多いため、自身が子育てを始めたときも理解を得やすく働きやすい職場環境といえます。

加えて、保育士資格は短時間勤務や派遣など、働き方を柔軟に選べることが多いです。将来的に自分の家庭を持ちたいという人や、ワークライフバランスを大切にしたいという人に向いている職業といえます。

保育士資格を活かしたキャリアパスの可能性

保育士には役職が少なく、キャリアアップがしにくいと言われてきました。そこで近年、厚生労働省によって処遇改善等加算制度(処遇改善Ⅱ)がつくられ、新しい役職が追加されています。
キャリアアップのためには保育士の仕事を継続すること、対象の研修を受けることが条件となるため、保育士としてのキャリアアップを目指す人は参考にしてみてください。

役職内容条件備考
園長保育園の経営や運営を担う保育園の総責任者経験年数10年以上 
主任保育士現場の最高責任者経験年数8年以上 
副主任保育士園長や主任保育士のサポート、若手中堅保育士の指導・経験年数7年以上
・マネジメント研修と3つ以上の専門研修を修了している
・副主任保育士の役職が発令されている
処遇改善等加算制度(処遇改善Ⅱ)で追加
専門リーダー保育のスペシャリスト・経験年数7年以上
・4つの専門研修を修了している
・専門リーダーの役職が発令されている
処遇改善等加算制度(処遇改善Ⅱ)で追加
リーダークラス運営における業務の責任者経験年数3年以上 
職務別リーダー専門分野ごとに就任できる保育士・経験年数3年以上
・マネジメント研修と保育実践研修のほか、該当する専門分野の研修を修了している
・修了した分野のリーダーとして発令されている
処遇改善等加算制度(処遇改善Ⅱ)で追加
クラス担任新任保育士の育成や指導、保育指導計画の立案や評価経験年数1年以上 
初任者日常の保育業務をおこない、職場理念や保育指導計画への理解を目指す初任から1年程度 

保育士の資格がなければキャリアアップできない、ということはありませんが、保育士の資格があれば仕事を任され経験を積めるチャンスはあるので、キャリアアップにも活かしやすいでしょう。

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