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ゲーム関係の仕事のやりがいとは?就職先の種類や必要な資格を解説

2023.04.28

カテゴリー:
ゲームデベロッパーで働くビジネスパーソン

多くの人を夢中にさせる娯楽、それがゲームです。将来、ゲームに関する仕事をしたいと考えている高校生の皆さんも少なくないのでは?
近年、国内外のゲーム市場は拡大し、2021年のゲーム世界市場は21兆円を超え、日本市場も2兆円台を維持しています。今後はVR(仮想現実)を使ったよりリアリティの高いゲームの開発も盛んになるでしょう。ゲーム関係の仕事に就けば、より新しいチャレンジもできるかもしれません。
また、ゲーム関係の会社は、家庭用ゲームやスマホゲームだけではありません。PCゲームを中心に運営する会社もあれば、ゲームセンターやアミューズメント施設などに設置されるアーケードゲームを手掛けている会社もあります。eスポーツ競技場の運営を行う会社もゲーム関係の会社に含まれるでしょう。
この記事では、そんなゲーム関係の仕事ができる就職先の種類や仕事のやりがいのほか、必要な資格などについてご紹介します。

出典:角川アスキー総合研究所「ファミ通ゲーム白書 2022」(2022年2月)

ゲーム関係の仕事とは?

ゲーム関係の仕事とは、ゲームの企画や開発、販売をする仕事のことを指しています。ひとつのゲームが出来上がるまでには、さまざまな工程を経ていきますが、ゲームの企画職やプログラミング職、デザイナー職、サウンドクリエイター職など、実に多くの人が携わっています。
また、ゲーム制作を行う会社の営業や広報などの職種も、ゲームを多くの人に広める役割として重要です。

ゲーム関係の仕事の種類

ゲーム開発に取り組むビジネスパーソン

 
ゲーム関係の仕事には、ゲームを開発する職種だけでなく、さまざまな種類があります。ここではいくつかの職種をピックアップして、その特徴について紹介していきましょう。

総合職(ビジネス職)

ゲームパブリッシャーやゲームデベロッパーに総合職(ビジネス職ともいう)として採用されると、ゲーム開発に携わる仕事を支える広報、人事、経理、法務、営業、生産管理など、さまざまな職種に就くことが可能です。文系学部出身者の場合、こちらの職種に採用されることが多いでしょう。また、他部署への異動や転勤もありえます。
出版社やゲーム関連メディア運営会社での総合職は、編集者やプロデューサーとして配属されるのが一般的です。

企画職

企画職はゲームプランナーとも呼ばれ、ゲームのコンセプトや内容を企画し、仕様書を作成することが仕事です。企画職はゲームのコンセプトをもとに、ゲームプロデューサーやゲームディレクターと、ゲームのルールやキャラクターなどを細部まで決めていきます。

デザイナー職

デザイナー職は、ゲームに登場するキャラクターや、背景やアイテムなどを制作する仕事です。ビジュアルによってユーザーの没入感や高揚感が左右されるため、高いスキルが求められます。デザイナーはデッサン力をはじめ、グラフィックに関する基礎的な知識に加えて、グラフィックソフトを使うスキルも必要です。

プログラマー(エンジニア)職

設計書にもとづいてゲームの開発を行うのがプログラマー(エンジニア)職です。ゲームシナリオの構築やシナリオ動作、サウンドの設定のほか、ネットワーク構築などを行います。サウンドプログラマーやネットワークプログラマーなどが分業することも多い仕事です。優秀なプログラマー(エンジニア)になるためには、プログラミングの技術や知識をしっかり身につけておく必要があります。

サウンドクリエイター職

サウンドクリエイター職は、BGMや効果音など、ゲーム内で流れるすべての音を制作します。ゲームの世界観に入り込ませるために、ゲームのテーマに合った音の制作が欠かせません。サウンドクリエイターになるためには、作曲・編曲の基礎を身につけておく必要があります。

ゲーム関係の仕事の特徴とやりがい

スマホでゲームを楽しむユーザー

 
ゲーム関係の仕事は、ゲームの完成時と発売時に、大きな達成感を得られる仕事です。多くの時間と労力がかかった作品が大ヒットしたり、YouTuberがゲーム配信で取り上げたり、SNSで「この新作がおもしろい!」と話題になったりすると、「この仕事に就いて良かった」と思うことでしょう。

ゲームは子供の頃から慣れ親しむことができるエンターテインメントだけに、子供に夢を与え、次に続く世代を生み出せるやりがいがあるともいえます。

ゲーム関係の仕事の年収

ゲーム関係の会社は業界平均年収で400万~600万円ですが、大手の会社では平均年収が800万~1,000万円以上になるといわれています。
小さな会社から世界的な会社まで、規模もさまざまなので、平均年収は異なってくるのが現状です。

また、職種によっても異なり、ゲームプロデューサーやゲームディレクターになると、平均年収が高くなる傾向があります。

ゲーム関係の仕事に必要な資格や受験すべき試験

プログラミング職やデザイナー職など、ゲームに関わる仕事に就くには、専門スキルが欠かせません。入社する会社や職種によって利用するツールは異なりますが、さまざまなツールを使いこなせると有利になるはず。下記のような資格の取得を検討してみてくださいね。

<ゲーム関係の仕事に就くために有効な資格試験>
・プログラミング職:Oracle認定Javaプログラマ、基本情報技術者試験、Unity認定プログラマー試験
・デザイナー職:CGクリエイター検定、Illustratorクリエイター能力認定試験
・サウンドクリエイター職:MIDI検定

ゲーム関係の仕事に興味がある高校生にオススメの大学や学部・学科

ゲームの仕事に就くために、会社から大学・学部が指定されることは基本的にありません。一般的には、理系の学部がゲーム関係の会社への就職に適しているといわれますが、ここでは文系も含めて紹介します。

情報学・情報工学系の学部・学科

ゲームのプログラミング職として活躍するために、コンピューター関連、通信、ネットワークなどを学ぶ情報学・情報工学系の学部・学科がオススメです。情報の基礎知識やプログラミングの知識を身につけられるため、ゲーム開発の仕事に役立つでしょう。また、オンラインゲームを楽しむためは、安定したネットワーク環境が不可欠。そのためのITインフラ構築ができる仕事も必要です。
「インフラエンジニアになりたい」という人は、下記のコラムをぜひ読んでみてください。
インフラエンジニアになるには?仕事内容や必要な資質・能力を紹介

数学・応用数学系の学部・学科

3Dゲームのプログラミングでは、高度な数学の知識が必要になるケースがあります。数学科・応用数学系の学部・学科で情報やIT、コンピューターなども学べるため、ゲームデベロッパーなどの制作会社に就職したい人に適しています。

文学系の学部・学科

RPGなどストーリーをベースとするゲーム制作には、才能ある脚本家(ゲームシナリオライター)が必要です。文学部で文学の歴史を学んだり文章力を培ったりすることによって、ゲームのシナリオ作成に携わることができるかも。

外国語系の学部・学科

海外で発売するゲームも多くなり、ゲームパブリッシャーの中には海外とのコミュニケーションに長けた人材を求めている会社もあります。留学経験などがあると、就職活動で有利になるでしょう。

法学系の学部・学科

ゲームパブリッシャーやゲームデベロッパーなどの会社には、ゲームの特許や知的財産権など、権利に関する仕事を行う人が必要です。つまり、法律を学ぶことでゲームに関する権利を守り、ゲーム業界に貢献することも可能なのです。

ゲーム関係の会社の種類

海外販売についてのMTGをするゲームパブリッシャーのビジネスパーソン

 
ゲーム関係の会社は、ゲーム発売元の「ゲームパブリッシャー」とゲーム開発を担う「ゲームデベロッパー」のほか、ゲーム業界を盛り上げる「ゲームメディア」の大きく3つに分類できます。ここでは、それぞれの会社の特徴と主要な会社をご紹介します。

ゲームパブリッシャー

ゲームパブリッシャーは、「どのようなゲームが売れるか」を調査して新しいゲームを企画し、ゲームデベロッパーへ開発を依頼します。出来上がったゲームをテレビCMやウェブなどで宣伝、販売していくのです。ゲームパブリッシャーの中には、自社でゲーム開発をするところもあります。

・任天堂株式会社
京都に拠点を構える任天堂株式会社は、日本を代表するゲームパブリッシャー・ゲームデベロッパーのひとつです。Nintendo Switchなどの家庭用ゲーム本体の開発・製造・販売のほか、トランプや花札など玩具の製造・販売も行っています。近年は「どうぶつの森」や「スプラトゥーン」など、多くの人気ゲームソフトを手掛けています。

・株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント
ソニーグループの中で、家庭用ゲーム機PlayStation本体や、ゲームソフトなどの企画・開発・販売を行うのが株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)です。SIEもゲームデベロッパーとしての側面を持っています。

・株式会社スクウェア・エニックス
株式会社スクウェア・エニックスは、「ドラゴンクエスト」「キングダムハーツ」といったRPGゲームを得意とするゲームパブリッシャーです。出版事業やグッズ販売、直営カフェも展開しています。

・株式会社コロプラ
スマートフォンゲームを中心にゲームの開発、運営を行っている株式会社コロプラ。「ドラゴンクエストウォーク」「ディズニー ツムツムランド」など、一回はプレイしたことがある人も多いのでは?

ゲームデベロッパー

ゲームパブリッシャーが考えたゲームの企画を、ゲームソフトのカタチにするのがゲームデベロッパーの役割です。企画内容をもとに、シナリオ制作やキャラクターデザイン、CG・アニメーション、効果音を作っています。

・株式会社モノリスソフト
2007年に任天堂株式会社の子会社となった株式会社モノリスソフトは、「どうぶつの森」「スプラトゥーン」「大乱闘スマッシュブラザーズ」シリーズの制作を部分受託している会社です。任天堂株式会社の企画構想を受けて、モノリスソフトのデザイナーがスケッチを作成し、プログラマーが開発に取り組みます。

・株式会社ゲームフリーク
「ポケットモンスター」シリーズのゲームデベロッパーである株式会社ゲームフリーク。常に新しい作品にチャレンジをすることで、多くのユーザーから支持を集めています。

・株式会社レベルファイブ
株式会社レベルファイブは、「ダーククロニクル」などの開発を担当した会社です。2007年からは「レイトン教授」シリーズでゲームパブリッシャーとして企画、開発、販売を行っています。

・ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社
ゲームデベロッパーであるガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社。「パズル&ドラゴンズ」や「ラグナロクオンライン」などのヒット作においては、ゲームパブリッシャーでもあります。

ゲーム関連メディア

ゲームを愛する人向けに、ゲームの最新情報などを提供するゲーム関連メディアも、ゲームに関わる仕事のひとつです。ここでは、出版社やウェブメディア運営会社をご紹介します。

・株式会社KADOKAWA
エンターテインメント系会社大手の株式会社KADOKAWAは、出版事業を古くから展開しています。株式会社KADOKAWAが発行する「週刊ファミ通」は、老舗のゲーム雑誌です。最新のゲーム情報や攻略法だけでなく、ゲーム業界の動向も掲載されることから、ゲーム好きだけでなく、ゲーム業界人にも読まれています。

・株式会社アプリスタイル
株式会社アプリスタイルは、スマートフォンゲームの情報を扱う専門雑誌「アプリスタイル」を刊行する出版社です。現在は3月・6月・9月・12月の年4回刊行される季刊誌となっています。

・Aetas株式会社
ゲーム情報サイト「4Gamer.net」を展開しているのは、Aetas株式会社です。国内ゲームデバッグシェア首位の株式会社デジタルハーツと同じ株式会社デジタルハーツホールディングスの傘下にあります。

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皆さんが自宅やスマートフォンで楽しんでいるゲームは、実に多くの人が携わり、膨大な時間をかけて作られています。ゲームに関係する会社は、非常にたくさんあるのです。文系・理系を問わずゲームに関わる仕事があることが、この記事を読んでわかっていただけたのではないでしょうか。

ぜひ「JOB-BIKI」でゲームに関する会社を検索してみてください。「ここで働いてみたい!」と思う会社が見つかるかもしれませんよ。

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