音楽関係の仕事のやりがいとは?仕事の種類や年収、就職先などを解説
2023.05.10
最近、音楽をスマートフォンで聴いたり、自分で楽器を演奏したり、あるいはライブやコンサートに足を運んだりしていますか?音楽が好きな高校生の皆さんにとって、「ずっと音楽に関わっていたい」「できれば音楽関係の仕事に就きたい」と考えることもあるでしょう。では、音楽関係の仕事には、どのようなものがあるのかご存じでしょうか。
この記事では、音楽関係の仕事の特徴とやりがいのほか、年収や音楽関係の会社の種類についてご紹介します。ぜひ参考にしてくださいね!
目次
音楽関係の仕事とは?
音楽関係の仕事には、皆さんのようなユーザーに向けて音楽を作る仕事や、音楽を届ける仕事があります。J-POPやK-POPなど、さまざまな音楽がユーザーの手元に届くまでには、レコード会社や音楽プロダクション、イベント会社、配信・流通会社など、さまざまな会社の仕事が関わります。
また、アーティストをはじめ、習い事や学校の授業で音楽を演奏する人のために、楽器や音響機器が必要なのは言うまでもありません。この楽器や音響機器を製造・販売する仕事や、楽器を使って演奏の仕方を教える仕事もあります。
さらに、音楽はひとつの作品なので、著作権が生じるもの。アーティストが作った音楽が不正に使用されることがないように、レコード会社では著作権などの法律に関する仕事もあります。ライブやコンサートなどのイベントを告知したり、チケット販売システムを作ったり、メンテナンスしたりする人の仕事も重要ですよね。
このように、音楽関係の仕事は作曲などクリエイティブな仕事だけでなく、それを裏で支える人の仕事もたくさんあるのです。
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音楽関係の仕事の種類
音楽関係の仕事には、さまざまな会社があります。大学を卒業して会社に入る際には「総合職」としての採用が一般的ですが、それ以外にも、専門職として採用されることがあります。ここでは、それぞれの仕事の特徴について見ていきましょう。
総合職
総合職は、将来的に管理職などのポジションに就いて会社の中心的な役割を担うため、さまざまな仕事を経験することが可能です。レコード会社のプロデューサーは企画・プロデュースを行う仕事が、音楽プロダクションのマネージャーは担当アーティストのマネジメントを行う仕事がまず挙げられるでしょう。 音楽プロダクションのマネージャーは、担当アーティストのギャランティの交渉も業務のひとつです。
また、アーティストの作品の著作権や契約を管理するための法務の仕事や、経理や人事といった会社を支える部署に配属される可能性もあります。
制作職
レコード会社などの制作職には、アーティストの音楽制作に携わったり、新人アーティストを発掘したりするディレクターの仕事があります。 このディレクターはA&R(アーティスト・アンド・レパートリー)とも呼ばれます。
ディレクターは曲のコンセプトを決めて、作曲家や作詞家、アレンジャーと相談しながら、レコーディングを行ったり、CDジャケットの撮影やMV(ミュージックビデオ)の撮影の段取りをしたりします。宣伝のため、マスコミとの接点が多いのも特徴です。
技術職
楽器メーカーでは、楽器や音響機器、ソフトウェアの研究開発に携わる技術職が必要とされます。材料工学やプログラミング、電気・電子系などの理系学部出身者が採用されることが多いでしょう。また、ライブやコンサートの歌や演奏がどの席にも届くように、マイクやスピーカーなどの音響機材をセッティングし、調整する音響スタッフの仕事もあります。
営業・販売職
レコード会社ではCDやDVDをより多く販売するために、プロモーションを企画・実施し、同時にCDショップや流通業者に対して営業活動を行います。楽器販売店では楽器を求めてやって来るお客に対し、ニーズに合った楽器を販売します。音楽教室を展開している場合は、その運営などの仕事も。
編集職、コンテンツ制作職
音楽関連メディアの編集職は、アーティストをインタビュー取材して生の声を届けたり、最新の音楽情報をユーザーのニーズに合わせて編集し、さまざまな手段で伝えたりすることが仕事です。
ラジオ局や音楽専門チャンネルでは、音楽番組やPodcast(保存型音声コンテンツ)を制作します。音楽だけでなく「聴く」ことに特化し、オーディオブックやラジオCM用の音声コンテンツを制作する会社もあります。
音楽関係の仕事の特徴とやりがい
音楽の仕事のやりがいは、なんといっても好きな「音楽」に関わって、アーティストの成功やユーザーの笑顔を見られることです。
あなたがレコード会社で、ある新人アーティストの楽曲制作やプロモーションを担当したとします。このとき、自分の意見が反映され、それによってSNSで大きな話題となったり、有名な音楽番組に出演できたりしたら、大きな喜びを感じるはず。
音楽フェスなどのイベント企画制作会社では、数万人の観客が生のパフォーマンスに盛り上がる姿を見て、大きな達成感を感じるでしょう。楽器を製造するメーカーの仕事で、日夜研究・開発を重ね、満足のいく品質の楽器が商品化できたときの喜びもまたひとしおです。
ただし、これらの仕事は、実際には事務的な仕事やさまざまな関係者との調整、お金の管理など、地道で骨が折れる仕事が多いもの。しかし、このような仕事を丁寧に積み重ねていくことで、やりがいや達成感を感じられるのです。
音楽関係の仕事の年収
音楽に関係する仕事の年収は、レコード会社や音楽プロダクション、イベント企画制作会社など、業種や会社によって大きく異なります。
例えば、大手レコード会社の平均年収は、400万~1,000万円で、役職によっては1,000万円以上になることも。レコード会社などに所属する音楽プロデューサーは高給に思えますが、平均年収は400万~500万円で、一般的な会社員と大きくは変わらないようです。イベント制作会社でイベントを企画・運営するイベントプランナーの平均年収は、300万~400万円。会社によっては1,000万円を超えることも。楽器メーカーは400万~800万円、楽器販売関係の仕事は平均年収300万円以下となっています。
音楽関係の仕事に必要な資格や受験すべき試験
音楽関係の仕事に就くために、必ず取っておかなければならないという資格はありません。ただし、下記の資格があると有利になる可能性があります。
<音楽の仕事の就職に有効な資格>
・楽曲制作:MIDI検定
・レコーディング:サウンドレコーディング技術認定試験
・音楽の権利関係:知的財産管理技能士
音楽関係の仕事に興味がある高校生にオススメの大学や学部・学科
音楽関係の仕事に就くときには、どのような大学や学部・学科を目指せばいいのでしょうか。ここでは学部・学科ごとに、音楽関係の仕事に求められるスキルや傾向についてご紹介します。
音楽系の大学・学部
音楽系の大学・学部では、演奏・歌唱技術を学ぶだけではありません。レコーディングや最新音楽技術の習得、音楽コンテンツ制作、音楽プロデュースの理論など、音楽に関する仕事について学ぶ学部やコースもあります。
経営・情報系の学部・学科
レコード会社や音楽プロダクションの仕事では、音楽プロデュースのほか、マネジメントに関する知識やスキルが必要です。また、芸術・経営・情報系の学部・学科では、音楽を含むエンターテインメントビジネスの仕組みについての学びを得ることができます。
法学系の学部・学科
近年の音楽関係の仕事においては、アーティストの著作権など、法律の知識が不可欠です。法学部で契約の実務や知的財産権などについて学ぶことによって、レコード会社や音楽プロダクションなどにおける法務の仕事を行うことができるでしょう。
電気・電子系、機械系、化学系の学部・学科
楽器メーカーの技術職では、研究開発などのため、電気・電子系や機械系、化学系などの理系学部で学んでいることが必要です。また、音響エンジニアになりたいと考えている人には、電子工学科や情報通信工学科などがオススメ です。
音楽関係の会社の種類
音楽関係の仕事といっても、会社の種類によって仕事内容はさまざまです。ここでは、会社の種類とその仕事内容、主な会社について確認していきましょう。
レコード会社、音楽プロダクション
アーティストは、レコード会社や音楽プロダクションに所属します。レコード会社ではCDやDVDの制作を行ったり、ヒット作にするためのマーケティング戦略を立てたりします。音楽プロダクションでは、アーティストのマネジメントを担当して宣伝やマスコミへの売り込みなど、さまざまな調整を行うのです。
・株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント
ソニーグループ株式会社の100%子会社の株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメントは、業界の中でも大手として有名です。アーティストや俳優、お笑い芸人、声優のマネジメントだけでなく、CD・DVDの企画・制作・宣伝、音楽出版のほか、ライブやイベントの企画・制作など、幅広い事業を展開しています。
・エイベックス株式会社
エイベックス株式会社は、アーティストやタレント、俳優、モデルなどのマネジメントのほか、ライブの企画・制作・運営、音楽コンテンツの企画・制作・販売、音楽出版など、事業は多岐にわたります。
・株式会社ポニーキャニオン
株式会社ポニーキャニオンは、株式会社フジテレビジョンが属するフジサンケイグループに所属するレコード会社です。アーティストのマネジメントやライブの企画・運営も行っています。
・ユニバーサル ミュージック合同会社
ユニバーサル ミュージック合同会社は、アメリカのユニバーサル ミュージックグループの日本法人です。総合職として採用されると、所属アーティストの育成を行うA&R や、マーケティングプランナー、宣伝の仕事に従事します。
音楽配信・流通会社
レコード会社が制作した音楽は、音楽配信会社や流通会社によって、音楽配信サービス、あるいはCD・DVD・ブルーレイを介しファンに届けられています。CDやDVD・ブルーレイは、 レコード会社が流通会社に販売し、さらに流通会社がレコードショップに販売することでユーザーの手元に届く仕組みです。
ここでは、音楽配信サービスを運営する音楽配信会社と流通会社をいくつかご紹介します。
・スポティファイジャパン株式会社
スポティファイは、180以上の国と地域で音楽配信サービスを展開中です。本社はスウェーデンにあり、日本ではスポティファイジャパン株式会社が運営しています。
・Apple Japan合同会社
iPhoneやiPadなどのメーカーであり、音楽配信サービス「Apple Music」を運営するのがアップル。日本法人であるApple Japan合同会社では、エンジニア職やセールス職を採用しています。
・株式会社USEN
株式会社USENは、1961年に店舗へBGMを流す「有線放送」から始まった会社です。動画配信サービスを行う株式会社U-NEXTも、同じUSEN-NEXTグループにあります。
CD・チケット販売会社
音楽CDを販売する会社や、ライブ・コンサートなどのチケット販売会社もあります。皆さんもご存じの会社の特徴を見ていきましょう。
・タワーレコード 株式会社
タワーレコード株式会社は、世界各国で展開するCD販売チェーン。「NO MUSIC, NO LIFE.」というキャッチフレーズを見たことがある人も多いのでは?タワーレコード株式会社は、2002年にアメリカ法人から独立し、2023年3月現在で日本に74店舗を展開しています。店舗での販売スタッフや広報担当などの仕事があります。
・ぴあ 株式会社
1972年創業のぴあ株式会社は、ライブやコンサート、舞台などのチケット販売を行う会社で、「チケットぴあ」は日本最大級のチケット販売サイトです。チケット販売会社の中で唯一の上場企業で、オリンピックなどのチケット販売も行った実績を持っています。
・株式会社ローソンエンタテインメント
株式会社ローソンの子会社である株式会社ローソンエンタテインメントは、1992年に設立されたチケット販売会社。全国のローソンやミニストップ、約1万5,000店舗でチケット発券が可能です。エンタメツアーといった旅行事業も行っています。
・株式会社イープラス
株式会社イープラスが運営する「イープラス」は、会員数1,900万人以上(2023年3月時点)のチケット販売サイトです。チケット購入ができる「イープラスアプリ」や、電子チケット「スマチケ」も展開中。
音楽関連メディア会社
音楽関連メディア会社は、雑誌やウェブメディア、番組配信を通して、アーティストの最新情報や魅力を届けることが仕事です。音楽好きなら、下記の会社をひとつは目にしたことはあるはず!
・オリコン 株式会社
全国の音楽関係販売店の売上データを集計してつくられているオリコンランキングは、オリコン株式会社の子会社であるオリコン・リサーチ株式会社が制作しています。また、ウェブメディア「ORICON NEWS」でもオリコンランキングや音楽・芸能情報を発信していますが、これを運営しているのは同じく子会社の株式会社oricon MEとなります。
・株式会社ロッキング・オン
ウェブサイト「rockinon.com」の運営や「rockin’on」「ROCKIN’ON JAPAN」などの音楽雑誌を刊行している株式会社ロッキング・オン。音楽フェス「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」を主催する株式会社ロッキング・オン・ジャパンと同じ、株式会社ロッキング・オン・ホールディングスのグループ会社です。さまざまな方法で、音楽の魅力をファンに届け続けています。
・株式会社エフエム東京
株式会社エフエム東京は、音楽メディアのひとつであるFMラジオ放送局です。株式会社エフエム東京が運営する「Tokyo FM」は、東京都を放送対象地域とするラジオですが、全国に番組を配信する唯一の民放FM局でもあります。実は、学校法人東海大学が母体で、現在も大株主なのです!
・バイアコム・ネットワークス・ジャパン株式会社
音楽とエンターテイメントの専門チャンネルとして有名な「MTV Japan」。運営会社はバイアコムCBS(ViacomCBS)グループの日本法人バイアコム・ネットワークス・ジャパン株式会社です。
・株式会社シンコーミュージック・エンタテイメント
株式会社シンコーミュージック・エンタテイメントは、ハード・ロックやヘヴィ・メタル、ジャズなど、さまざまな音楽ジャンルのファンに音楽情報を提供しています。また、映画やファッション、サブカルといった雑誌や関連書籍も発刊している出版社です。
・株式会社ナターシャ
株式会社ナターシャは、ウェブサイト「ナタリー」や「音楽ナタリー」を運営する2005年設立の会社です。自社にイベント関連の部署を構え、ライブやトークイベントなど、各種イベントを企画、主催しています。
コンサート・ライブイベント企画制作会社
ライブやコンサート、音楽フェスは、イベント企画制作会社が企画・運営します。アーティストのキャスティングや集客、会場設営・運営も行うため、仕事内容は非常に多岐にわたるのが特徴。主なイベント会社には、下記のような会社があります。
・株式会社ソニー・ミュージックコミュニケーションズ
株式会社ソニー・ミュージックコミュニケーションズは、株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメントの100%子会社。イベント制作・運営のほか、コンサート物販やファンクラブ運営などを行う会社です。イベントを世間に広く知らせる仕掛けづくり(プロモーション)を得意としています。
・株式会社シミズオクト
「SUMMER SONIC」「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」などの、野外フェスイベント制作の実績がある株式会社シミズオクト。1932年から培ってきた豊富なノウハウで、コンサートイベントの企画から会場設計・製作、運営・警備、撤去まで、すべてを担える会社です。
・株式会社ウドー音楽事務所
株式会社ウドー音楽事務所は、1967年から海外の大物アーティストを招いてコンサートを開催する企画制作会社です。海外アーティストのアテンド業務には、当然ながら英語力が求められます。
楽器メーカー、楽器販売店
楽器メーカーは、皆さんも音楽の授業でふれてきたピアノやギターなどの楽器を製造する仕事です。中には、音楽教室を運営したりする楽器メーカーもあります。また、楽器販売を専門としている会社もあります。ここで取り上げるのはごく一部ですが、確認してみてくださいね。
・ヤマハ株式会社
ヤマハ株式会社は、ピアノ・電子ピアノや弦楽器、管楽器などの楽器をはじめ、アンプやホームシアターなどの音響設備を製造する世界的な楽器メーカー。楽器の研究開発や資材調達、マーケティングの仕事があります。株式会社ヤマハミュージックジャパンはその子会社で、楽器販売店に楽器の卸売営業をしたり、ヤマハ音楽教室事業の運営を行ったりしています。
・株式会社河合楽器製作所
ピアノ・電子ピアノのような鍵盤楽器を製造するのが株式会社河合楽器製作所です。総合職(営業系)として入社すると販売や音楽教室などの教室運営に、技術職だと研究開発やソフトウェア開発に携わります。
・島村楽器 株式会社
島村楽器株式会社は、楽器・楽譜の販売と音楽教室、ミュージックサロンなどの運営を展開している会社です。全国の店舗で楽器販売をする仕事のほか、講師/インストラクターとして教室で教える仕事も!
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