結婚式は、愛し合って結ばれた二人が大切な家族や友人とともにお祝いをする、人生の一大イベントです。幸せな挙式をお手伝いするブライダル業界の仕事に憧れている人も多いのでは？婚礼衣装のコーディネートやヘアメイクをはじめとして、自分の得意なことを活かして主役である新郎新婦を輝かせることができるのは、この業界ならではの魅力ですね。この記事では、そんなブライダル業界の仕事や、将来ブライダル業界で活躍するための進学先などを解説します！

ブライダル業界とは

ブライダル業界には、結婚式に関連する企業が集まっています。代表的なのは、結婚式や披露宴を開催する会場となる結婚式場・ホテル・ゲストハウス（宿泊施設）などを運営する企業です。また、婚約指輪や結婚指輪、新郎新婦の衣装などに関するサービスを提供する企業もあります。ほかにも、引き出物やプチギフトを製造・販売する企業や、披露宴のための動画制作を担う企業、二次会用の会場を運営する企業などもありますよ。

ブライダル業界で働く魅力

ブライダル業界の仕事では、愛する人と結ばれた新郎新婦に寄り添い、幸せな結婚式を挙げるお手伝いをします。さまざまな職種のスタッフと協力しながら、一つの結婚式を作り上げて成功へ導くことに、大きな喜びと達成感を味わえるでしょう。

ブライダル業界の売上ランキング

「ブライダル業界の大手はどこ？」と気になる人も多いでしょう。ここでは、2023年のブライダル業界の売上高ランキングを紹介します。

順位	企業名	売上高（億円）
1位	株式会社ツカダ・グローバルHD	516
2位	株式会社テイクアンドギヴ・ニーズ	455
3位	株式会社BP	257
4位	株式会社エスクリ	241
5位	ワタベウェディング株式会社	196
6位	アイ・ケイ・ケイ ホールディングス株式会社	190
7位	株式会社ディアーズ・ブレイン	172
8位	株式会社ブラス	114
9位	株式会社クラウディア ホールディングス	95
10位	株式会社AOKIホールディングス	94

上記の企業の中から、いくつかピックアップして紹介します。

・株式会社テイクアンドギヴ・ニーズ

株式会社テイクアンドギヴ・ニーズは「T&G」の略称で知られ、｢アーカンジェル代官山｣や｢麻布迎賓館｣など、全国で100件以上の結婚式場を運営しています。

ゲストハウス一棟を貸し切り挙式や披露宴を行う「ハウスウエディング」の先駆けで、お客さまの希望やニーズに合った結婚式をプロデュースしています。「一顧客一担当制」をとっており、一人のウエディングプランナーが企画・打ち合わせから挙式当日まですべてを担当。お客様の夢を細部まで実現する、完全オリジナルの式を提供していることから、女優の安田美沙子さんや、俳優の吉沢悠さんとモデルの桐山マキさんご夫妻など、芸能人や有名人にも選ばれています。

参考：テイクアンドギヴ・ニーズ 企業サイト (tgn.co.jp)

・ワタベウェディング株式会社

ワタベウェディング株式会社は、海外挙式（リゾートウエディング）でその名を知られる企業です。海外で挙式をすることが一般的ではなかった1970年にハワイへ進出。「リゾ婚」という新たなスタイルを確立しました。1990年には、ヨーロッパやオーストラリアへと海外拠点を拡大、2000年から沖縄、北海道、京都などの国内リゾート地での挙式サービスを開始しています。将来、海外で活躍したい人には魅力的な企業ですね。参考：ワタベウェディングの新卒・中途採用情報 (watabe-wedding.co.jp)

・株式会社ＡＯＫＩホールディングス

「AOKI」といえば、スーツの会社として名前を知っている人も多いかもしれませんね。ブライダル事業では、結婚式場「アニヴェルセル」の運営、婚約指輪や結婚指輪の販売などを行っています。結婚式場はゲストハウスウエディング（一軒の邸宅を貸し切って行うスタイル）を提案しており、「アニヴェルセル みなとみらい横浜」を含め、10施設の結婚式場を展開しています。アニヴェルセルでは、全式場にプロポーズプランナーを導入しており、お客様の要望に沿ったプロポーズプランを提案。忘れられない記念日のお手伝いをしています。サプライズ好きな人や、非日常な演出を考えるのが好きな人に向いていそうな職種ですね。

参考：アニヴェルセル・ブライダル事業 | AOKIホールディングス (aoki-hd.co.jp)

・株式会社エスクリ

株式会社エスクリは、結婚式場「ラグナヴェール」などを運営する企業です。式場のスタイルが幅広い点が特徴で、ホテル・レストラン・ゲストハウス・専門式場と、お客様のニーズにマッチした式場を全国展開しています。働きやすい環境作りにも力を入れており、研修制度やキャリア形成支援が充実している点も魅力的です。

参考：株式会社エスクリ (escrit.jp)

・アイ・ケイ・ケイホールディングス株式会社

アイ・ケイ・ケイホールディングス株式会社は、「ララシャンス」を中心に、国内に20店舗、インドネシアに5店舗の結婚式場を展開しています。（2024年4月現在）国内では九州地方を中心として、全国にゲストハウスウェディングを提案しています。

フォト事業として、Ambihone（アンビオーネ）株式会社も展開しており、前撮りやフォトウエディングのプロデュースも展開。スタジオは大阪と名古屋にあり、コンテストの受賞実績があるカメラマンとブライダルコーディネーターが在籍しています。

参考：感動のハウスウェディングをプロデュースするアイ・ケイ・ケイホールディング株式会社 (ikk-grp.jp)

ブライダル業界の主な職種

ブライダル業界では、主にこんな職種が活躍しています。

結婚式に関する職種

・ウエディングプランナー
結婚式の開催を全面的にサポートする職種です。新郎新婦とともに結婚式の計画を立てて、当日は進行の確認やトラブル対応などを行います。

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・神主・牧師・僧侶
結婚式の儀式を執り行う職種です。神前式（神道）なら神主、キリスト教式なら牧師、仏前式（仏教）なら僧侶といった形で、宗派によって式を執り行う職種が異なります。

新郎新婦の装いの準備に関する職種

・ドレスコーディネーター
新郎新婦の衣装のコーディネートを担当する職種です。花嫁さんのドレスや着物（白無垢や色打掛）、花婿さんのタキシードや着物（黒紋付）を選ぶお手伝いをするほか、当日の衣装をレンタルする手続きを行います。

・ジュエリーコーディネーター
ジュエリーの販売店などに在籍して、婚約指輪や結婚指輪を販売する職種です。お客様が生涯使う大切な指輪を選んでいただくために、高価な品物を取り扱うのにふさわしい接客スキルを求められます。

・メイクアップアーティスト
ブライダル業界で活躍するメイクアップアーティストは、結婚式当日に花嫁さんのメイクを担当します。花嫁さんが選んだドレスや着物、髪型に似合うメイクを提案する力が欠かせません。

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・ネイリスト
ブライダル業界で活躍するネイリストは、結婚式を直前に控えた花嫁さんのネイルを担当します。結婚式にふさわしい清楚で上品なデザインを考えるのが得意な人に向いています。

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・ヘアメイクアーティスト
ブライダル業界で活躍するヘアメイクアーティストは、結婚式当日に新郎新婦のヘアスタイルを担当します。着付け師の資格を持ち、新郎新婦の和装の着付けを担当するケースもあります。

披露宴の進行や演出に関する職種

・司会者
披露宴の司会進行を担う職種です。二人の馴れ初めをアナウンスしてゲストを微笑ましい気持ちにさせたり、「ファーストバイト」などの見せ場で演出を盛り上げたりと、トークの技術が求められます。

・ウエディングアテンダー（介添人）
披露宴で常に新郎新婦の近くに控えて、進行の案内を行う職種です。花嫁さんの衣装の裾を持って移動を手伝ったり、おじぎや起立のタイミングを指示したりと、あらゆる身の回りのサポートを行います。

・バンケットスタッフ
結婚式場に所属して、披露宴会場での飲食の提供に関するサービスを担う職種です。ゲストのテーブルに食器を並べたり、料理や飲み物を運んだり、速やかに片付けたりすることで、食事の場面を支えます。

・シェフ・調理スタッフ
結婚式場に所属して、披露宴会場でふるまう料理を担う職種です。責任者であるシェフ（総料理長）が考案したメニューに基づき、仕込みから当日の調理まで複数人の調理スタッフが行います。通常のレストランとは異なり、大量の調理や盛りつけを一斉に行い、披露宴の進行に合わせて提供します。

・ブライダルパティシエ
結婚式場に所属して、ウエディングケーキやデザートを作る職種です。ウエディングケーキは披露宴会場を華やかに彩る大切な存在。見た目も美しく人目を引くケーキに仕上げるには、パティシエの腕がかかっています。
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・フラワーデザイナー
披露宴の会場を飾る花を担当する職種です。披露宴では新郎新婦が座る席や、ゲストが座るテーブルなどに生花を飾ります。仕上がりのイメージを新郎新婦と打ち合わせして、当日は披露宴会場に装飾を施します。

・音響スタッフ
音による演出で披露宴を支える職種です。たとえば、花嫁さんが両親への手紙を読む場面では感動をさそう曲を控えめな音量で流すなど、その場にふさわしい選曲や音量を調節して演出を行います。

・照明スタッフ
光による演出で披露宴を支える職種です。たとえば、新郎新婦が入場するタイミングに合わせて会場をぱっと明るくすると、主役の存在感が強調されます。照明の力によって効果的な演出を実現します。

・カメラマン
写真や動画を撮影する職種です。ブライダル業界では、結婚式場や披露宴会場で式の様子を撮影するカメラマンのほかに、写真スタジオで記念写真を撮影するカメラマンも活躍しています。当日の撮影だけでなく、前撮り・後撮りのように別日程で撮影するケースも少なくありません。

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ブライダル業界の年収

ブライダル業界の年収は、300～400万円と言われています。ここでは、大卒の初任給を企業別にまとめました。

企業名	初任給
株式会社テイクアンドギヴ・ニーズ	258,100円 ※昇給・賞与は年2回
ワタベウェディング株式会社	230,900円 ※賞与は年2回
株式会社AOKIホールディングス	217,000円 ※昇給・賞与は年2回
株式会社エスクリ	200,000円 ※昇給・賞与は年2回
アイ・ケイ・ケイホールディングス株式会社	252,000円 ※賞与2回・決算賞与1回 ※昇給は年6～12回

ブライダル業界の年収は、職種によっても変わります。主な職種と年収についてまとめました。

職種	年収
ウエディングプランナー	381.9万円
メイクアップアーティスト	330.1万円
ネイリスト	322.8万円
パティシエ	344.8万円
カメラマン	466.7万円

参考：ブライダルコーディネーター – 職業詳細 | job tag（職業情報提供サイト（日本版O-NET）） (mhlw.go.jp)

メイクアップアーティスト – 職業詳細 | job tag（職業情報提供サイト（日本版O-NET）） (mhlw.go.jp)

ネイリスト – 職業詳細 | job tag（職業情報提供サイト（日本版O-NET）） (mhlw.go.jp)

洋菓子製造、パティシエ – 職業詳細 | job tag（職業情報提供サイト（日本版O-NET）） (mhlw.go.jp)

商業カメラマン – 職業詳細 | job tag（職業情報提供サイト（日本版O-NET）） (mhlw.go.jp)

ブライダル業界の現状と将来性

少子化による市場の縮小に加え、未婚率の増加やナシ婚（入籍はしても、挙式・披露宴を行わない）の増加により、厳しい状況にあったブライダル業界。2019年には「令和婚」で一時的に増加したものの、2020年の世界的なパンデミックにより、結婚式の延期や中止が相次ぎました。これにより、ブライダル業界は大きな打撃を受けましたが、近年では参列者数の増加とともに平均単価も回復し、徐々に売上を回復しています。

近年では、挙式や披露宴は行わず、ウエディングドレスやタキシード、和装などの写真だけを撮る「フォトウエディング」や、屋外でパーティー感覚で行える「ガーデンウェディング」、リゾート地で旅行を兼ねて行う「リゾートウェディング」など、新しい結婚式のスタイルが次々と登場し、多様化が進んでいます。

トレンドの変化に伴い、ブライダル業界はこれまでにない新しいビジネスチャンスが生まれる可能性があります。多様化が進んだことで、結婚式への関心が高まり、定番のスタイルに加えてオリジナリティあふれる式が増加しそうです。

人口減少により市場の縮小は逃れないものの、結婚式の形は増えて、新たなニーズが生まれています。よって、ブライダル業界は、今後も成長していく可能性が秘められていると言えるでしょう。

ブライダル業界に求められる経験と資格

ブライダル業界で働く上で必須の資格は基本的にはありません。ただし、先ほどご紹介した職種の中でも、ヘアメイクアーティストは国家資格の「美容師免許」を持って働くことも。ほかに国家資格を持って働くことがある職種の例として、調理スタッフの「調理師免許」、ブライダルパティシエの「菓子製造技能士」などが挙げられます。なお、資格が不要な場合であっても、すべての職種に共通しておもてなしのスキルが求められるので、この業界を目指すなら身に付けておきたいですね。

ブライダル業界に向いている人

ブライダル業界に向いている人の特長は、以下のとおりです。

• 行事を成功させる達成感が好き
• 想定外のトラブルにも前向きに行動できる
• 人の相談を親身になって聞くことができる

行事を成功させる達成感が好き

ブライダル業界の職種では、人生に一度の一大イベントである結婚式に携わります。一つひとつの結婚式がお客様にとっては生涯忘れられない大切な思い出になります。多くのスタッフと協力しながらイベントを盛り上げて、成功させることにやりがいを感じられる人にぴったりな仕事です。

想定外のトラブルにも前向きに行動できる

「友人代表スピーチを担当する方が遅刻してしまった！」「新郎新婦が結婚指輪を自宅に忘れてきてしまった！」など、結婚式当日には想定外のトラブルが発生することも。そんなときも、周りにいるスタッフは常に冷静に対処法を考え、前向きに行動できなければなりません。

人の相談を親身になって聞くことが得意

ブライダル業界の職種は、新郎新婦が思い描いた理想の結婚式を形にする仕事です。プロとしてより良い提案をするためにも、まずはお二人のご要望を親身になって聞くことが大切。聞き手として新郎新婦に寄り添い、結婚式へ向けた思いを引き出す力が欠かせません。

ブライダル業界で働くためにおすすめの学部

ブライダル業界には多種多様な職種がありますが、どの職種にも共通していえるのは、おもてなしのスキルが必須であるという点です。大学の経営学部や観光学部には、おもてなしのプロフェッショナルを目指せる「ホスピタリティコース（学科）」があります。ブライダル業界をはじめとしたサービス業のビジネスで求められる知識や技術を体系的に学び、現場で活躍するための学びができます。また、学校によっては経営学部にブライダル業界に特化した「ブライダルコース」が設置されていることも。ブライダル業界で働き、いずれ独立して経営者となることも考えるなら、ホスピタリティから経営までを幅広く学べる学科やコースを選ぶと良いでしょう。

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ここまでブライダル業界の仕事についてお伝えしました。憧れのブライダル業界で活躍するには、どんな大学を選べば良いのでしょうか？進路を考え始めたら、まず「JOB-BIKI」で調べてみましょう。検索画面の就職先検索で、「サービス」から「その他サービス」を選ぶと、ブライダル業界を含むさまざまな企業の情報をチェックできます。先輩たちの就職先がわかるので、ぜひ「JOB-BIKI」を活用してみてくださいね！

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