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家電量販店業界とは?主な企業や職種、就職するのに有利な学部も紹介

2024.02.27

カテゴリー:
家電量販店がひしめく秋葉原

家電量販店は、私たちが家電を購入する際に欠かせないお店です。
家電選びのサポートをしてくれる販売スタッフもいるため「家電製品は必ず量販店に買いにいく」という方も多いのではないでしょうか。

家電好きの方の中には「ぜひ家電量販店で働きたい」という方もいるでしょう。
実は、家電量販店には店舗の販売スタッフだけでなく、裏方から支えるスタッフなどさまざまな職種があります。

この記事では、家電量販店業界の特徴や「JOB-BIKI」で調べられる企業の例、主な職種、就職にオススメの学部などをご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

家電量販店業界とは?魅力と代表的な企業の例

家電売場

家電量販店業界には、どんな特徴があるのでしょうか。
ここでは、家電量販店業界の基礎知識や働く魅力、代表的な企業の例をご紹介します。

家電量販店業界とは?

家電量販店業界とは、お客様がどのようなものを求めているのかニーズを把握し、家電を販売・提供する業界をいいます。
また家電を販売するだけでなく、便利な家電について多くの人に知ってもらえるような企画を考えたりPR活動に力を入れたりすることもあります。
家電量販店では、私たちの身近にあるパソコンやスマートフォン、冷蔵庫、洗濯機など、生活に欠かせないさまざまな家電を取り扱っています。
皆さんも、家電を購入する際に足を運んだことがあるでしょう。

家電を販売する企業は、大きく「家電業界」として分類されています。
家電量販店業界は、家電業界の中でも私たち消費者へ向けて商品を販売する業務を担っているのが特徴です。
家電量販店には、郊外や駅前に大型の店舗を構えるものやインターネット販売に特化しているものなど、さまざまな企業があります。

次に、家電量販店業界の動向を見ていきましょう。
家電量販店業界は、2011年から比較すると、市場規模は減少傾向にあります。
家電の売り上げが伸びない原因は、日本の人口減少と世帯数増加です。
今後も人口の減少傾向は続いていく可能性が高く、一世帯当たりの人数も少なくなると予想されています。
そのため、家電などのより価値の高い商品の販売数も伸びず、業界の市場規模は微減少傾向が続くでしょう。

しかし、人が生活していくうえで家電は必需品のため、需要がなくなることはありません。
さらに今後は、IoT家電(インターネットなどに繋いで、より便利に使えるようにした家電)などの新機能を持った家電も普及するようになり、新たな家電の需要が生まれることも予想されます。
人々の需要がある限り、家電量販店業界では長く働ける可能性が高いでしょう。

家電量販店業界で働く魅力

家電量販店業界では取り扱う商品もさまざまなものがあります。
幅広い家電の知識を得られるため、最新のスマート家電や省エネ家電の知識を得たり自分の買い物に活かしたりすることも可能です。
こうした家電についての深い知識は、お客様の要望に応えられる商品を提案するためにも必要となります。自分の知識を活かすことでお客様に喜ばれた際には、やりがいを感じられるでしょう。
家電好きな方には、家電と深くかかわりながら仕事できることが最大の魅力です。

また、良い製品をお客様へ広めたり提供したりする手助けもできます。
家電量販店は、メーカーから商品を仕入れ、お客様へ販売することが仕事です。
そのため、仕入れる商品を探す業務を担当している部署もあります。
お客様に喜んでもらえるような商品を自分で選んで提供できることも、家電量販店業界で働く魅力のひとつでしょう。

さらに、多くのお客様に利用してもらうためには、お客様に店を知ってもらうことも必要です。
ほとんどの家電量販店では、インターネットを通じた販売でより多くのお客様に利用してもらったり、CMなどで宣伝したりするなどの方法を実践しています。
そのため、インターネット販売の分野や広報での仕事も重要です。
これらの業務では、実際に売り上げや知名度が目に見える機会もあるため、達成感を得られるはずです。

家電量販店業界の代表的な企業の例

株式会社ヤマダホールディングス
株式会社ビックカメラ
株式会社ヨドバシカメラ
株式会社ケーズホールディングス
株式会社エディオン
株式会社ノジマ

家電量販店を運営する企業には、展開しているサービスや販売戦略など、それぞれの特色があります。
しかし、取り扱っている家電商品に大きな違いはありません。
家電量販店業界への就職を考える際は、企業ごとのサービスや理念、販売戦略などに注目して選ぶとよいでしょう。

例えば「株式会社ヤマダホールディングス」は、家電量販店以外の事業にも力を入れていることが特徴です。
「暮らしまるごと、快適住空間」をコンセプトとし、家電販売以外にも生活雑貨、日用品、インテリア、住宅、不動産など、さまざまな事業を展開しています。

「株式会社ビックカメラ」は、もともとカメラ店から事業を始めている関係で、家電の中でもとくにカメラの販売に強みを持っているのが特徴です。
近年では個人のお客様向けだけでなく、法人のお客様向けの販売にも力を入れています。

「株式会社ヨドバシカメラ」は、公式通販サイトである「ヨドバシ.com」に力を入れており、着実にオンライン通販での売り上げを伸ばしているのが特徴です。
『月刊ネット販売』が実施した2022年度の売り上げ高ランキングによれば、アマゾンジャパンに次ぐ2位の売り上げを記録しており、オンライン通販の売り上げが好調であることが示されました。

「株式会社ケーズホールディングス」は、家庭用電化製品の販売に特化していることが特徴です。
あえて事業の幅を広げないことで経営のコストを削減し、従業員の専門性を保持できるようにしています。
「株式会社エディオン」は、リフォーム事業にも注力しているのが特徴です。
家電製品を、家電製品と関連しやすいキッチンなどのリフォームとセットにして販売することで、低価格設定を実現しました。

「株式会社ノジマ」は、オンライン通販よりも実店舗での接客販売を重視し、全国各地への店舗の展開を進めています。
対面での接客を重視し、顧客満足度を高めていくという戦略です。
以上のような経営計画や戦略などに注目すると、自分が就職したい企業もイメージしやすくなります。

家電量販店業界の職種

販売管理をする量販店の店員

家電量販店業界の仕事には、具体的にどのような職種があるのでしょうか。
ここでは、家電量販店業界の主な職種についてご紹介します。

店舗販売スタッフ

店舗にて、お客様へ商品の販売を行う仕事です。
具体的には、お客様からの問い合わせ対応や、お客様のご要望に合わせた商品の提案を行います。
また、店舗での販売企画や管理、販売促進なども店舗販売スタッフの担当です。
多くの家電量販店では、入社後はまず店舗販売スタッフに配属されます。
お客様の意見を直接聞けるポジションのため、重要視されている職種です。

店舗マネージャー・店長

店舗販売スタッフとして経験を積むと、店舗マネージャーや店長に昇格できる可能性があります。
店舗マネージャーや店長は、店舗全体のマネジメントが仕事です。
具体的には、店舗の売り場づくりや全体の在庫管理、店舗スタッフの教育などです。
もちろん、店舗販売スタッフとしてお客様と接する機会もあります。

法人営業

法人営業は、個人のお客様ではなく法人(企業)を対象として商品の販売を行います。
店舗販売スタッフとの違いは、商品の提案方法です。

店舗販売スタッフは、基本的に来店したお客様からの問い合わせに対応することが多いため、自分から商品を提案していくことはあまりありません。
個人のお客様を対象にする場合は、買いたいものが明確になっている方がほとんどです。
そのため、店舗販売スタッフは、基本的にお客様が明確に欲しいと思っているものを提供しています。

一方、企業をお客様にする場合は「すぐに欲しいと思っている商品はない」という場合もあります。
法人営業では、明確に欲しいものが決まっていないお客様へ対して聞き取りを行い、お客様の要望を見つける努力も必要です。

例えば「会社の掃除をする際、掃除機が便利だとは思うけれど、ほうきでも問題なく掃除できているから掃除機は不要だ」と思っているお客様がいたとします。
家電量販店の法人営業としては、そのようなお客様にできるだけ多くの掃除機を購入していただくよう提案することが仕事です。

例えば、経営されている全店舗・全オフィス分購入することで、各フロアの掃除時間の短縮につながり、かつ同じメーカーの掃除機を購入することで、掃除機のメンテナンスや消耗品に関する問い合わせも1か所で済むといったメリットが提案できるでしょう。

このように、お客様の「掃除の時間を減らしたい」という別の悩みを見つけた上で「掃除機なら時間短縮が可能」と伝えるなど、店舗販売スタッフとは違った提案をしなければいけません。
以上のような提案を行うには、お客様との強い信頼関係を築くことや丁寧な調査、お客様に対する分析など、さまざまな準備が必要です。
しかし、お客様に購入していただけた際は、時間をかけた分だけ大きな達成感も得られるでしょう。

EC事業担当

EC事業とは、インターネットを通じて商品を販売する事業のことです。
多くの家電量販店もEC事業に力を入れており、EC事業を担当する人材が求められています。
主な仕事は、インターネット上に掲載されている商品ページの作成や在庫管理、配送面の管理、メーカーへの納期の確認、お客様からの問い合わせ対応などです。
EC事業は今後ますます成長すると見込まれているため、新たな試みにチャレンジする機会も多いでしょう。

広告・広報

広告・広報は、企業の宣伝にかかわる業務を担当する仕事です。
具体的には、企業のCMやチラシなどの制作業務、新製品の宣伝情報の配信、取材対応、企業をプロモーションするためのイベント企画・SNS運営などを行います。

マーケティング

マーケティングは、世の中の要望を調査し、商品を販売するための営業戦略や宣伝手法を考える仕事です。
家電量販店業界でのマーケティング職は、主に市場調査・分析や営業企画を担当します。
具体的には、お客様にどのような家電が求められているかを調査し、今後売れると予想される商品を分析することが仕事です。
また、その調査結果を基に「どのエリアに新店舗を出店すべきか」「どのような企業に商品の提案をすべきか」などを考えます。

物流

物流は、注文された商品を素早く正確にお客様へ届けられるよう手配する仕事です。
基本的に家電量販店は、メーカーが作った商品を仕入れて売る役割を担っています。
そのため、家電量販店の物流担当は、注文された商品がメーカーや卸売り会社からお客様や店舗に届くよう手配することが主な業務です。

バイヤー

バイヤーは、商品の買い付けや商品管理を行う仕事です。
家電量販店では、メーカーから家電商品を買い付けてお客様へ販売しているため、まずバイヤーが商品を仕入れています。

バイヤーのとくに重要な仕事は、メーカーや卸売り業者との商談です。
この商談によって、商品の仕入れ値が変動します。
家電量販店の利益は、仕入れ値と販売価格の差額によって生まれているため、この仕入れ値をいかに低くするかが利益を左右する鍵です。
そのため、卸売り業者との綿密な関係を築くことも、バイヤーの大事な仕事となっています。
また、私たち消費者が安く家電商品を購入できるのも、バイヤーが以上のような商談を積み重ねてくれているおかげです。
メーカーと消費者を繋ぐ、やりがいのある仕事といえるでしょう。

家電量販店業界で求められる人とオススメの学部

最新家電を使う若者

家電量販店業界に就職するためには、どのような経験や資格が求められるのでしょうか。
ここでは、家電量販店業界に向いている人の特徴、オススメの学部などもご紹介します。

求められる経験や資格

家電量販店業界で働く場合、必須の資格はありません。
しかし「家電製品アドバイザー」という資格は、持っているとよいでしょう。
「家電製品アドバイザー」は、家電の購入や使用方法などについて適切なアドバイスができることを証明する資格です。
資格には、生活家電とAV情報家電の2種類があります。
家電量販店業界で店舗販売スタッフとして働くためには、生活家電の資格を持っておくと有利です。

また、家電量販店業界の企業では、インターンシップで実務経験をさせてもらえる場合があります。
就職活動をする際にも、こうした実務経験があると有利です。
家電量販店業界の実務を経験できる機会があれば、積極的に参加してみましょう。

家電量販店業界に向いている人

家電量販店業界に向いている人の特徴は、以下の5つです。
・相手の要望を読み取る能力が高い
・提案力がある
・チームプレーが得意
・マルチタスクが得意
・家電が好き

・相手の要望を読み取る能力が高い
お客様や企業へ商品を販売する際、積極的に会話して相手の要望を読み取る能力は必須です。
そのため、人と話すことが好きな人やコミュニケーション能力が高い人は向いています。
また、販売する際にはお客様と良好な関係を築くことも重要です。
日頃の問い合わせなどにうまく対応し、お客様との関係を深められる人は向いているでしょう。
お客様対応では、ときにクレーム対応も必要です。
そのような場合にも、上手に対応することが求められます。

・提案力がある
家電量販店業界で働くには、お客様が抱えている疑問を解決できるよう、提案できる能力も大切です。
質問に来られたお客様の考えや欲していることをくみ取り、解決策を提案したりおすすめの商品を紹介したりできるとよいでしょう。「自分の提案力を活かし、お客様を喜ばせたい」という方は向いているでしょう。

・チームプレーが得意
家電量販店での勤務では、他の人との連携が求められます。
同じ店舗のスタッフとはもちろん、裏側で支えている他の部署や本社のスタッフとも協力が必要です。
本社で勤務する場合でも同様に、同じ部署や各店舗のスタッフとの連携が求められます。
うまく連携して動くことで、素早い商品の手配や配達に繋がり、お客様の満足度の向上にも繋がるのです。そのため、他の人と連携して動くことが得意な方は向いています。
力を合わせてお客様に喜んでもらうことが好きな方には、とくにオススメです!

・マルチタスクが得意
家電量販店での業務は、職種にかかわらず多岐にわたります。
また、さまざまな業務を並行して行うことを求められる場面も多いです。
例えば店舗販売スタッフであれば、商品管理を行う間にお客様対応をしなくてはならないことがあります。本社スタッフであれば、複数の店舗からの問い合わせ対応や会社の中枢を担う仕事を並行して行う能力が必要です。
店舗に勤める場合も本社に勤める場合も、マルチタスクが得意な人は向いています。

・家電が好き
家電が好きなことは、家電量販店業界で働くにあたって最大の強みです。
家電に対する知識や、その家電を使った経験などは、お客様へ提案する際に役立ちます。

例えば、IoT家電などの最新の家電は、新しい技術や家電の流行を知らないと理解が深められないでしょう。
また、音の良さや料理の味なども、実際に使わないとお客様へ説明できません。
このように、商品をオススメする際はパンフレットに書かれているような内容だけでは不十分です。
その点、家電を好きな人は自ら進んで家電に関する情報を集めていけるため、向いているといえます。

家電量販店業界で働くためにオススメの学部

家電販売について研究する学生

家電量販店業界には、さまざまな学部の出身者が就職しています。
特別な資格も必要ないため、基本的にはどの学部を卒業しても就職のチャンスはあるでしょう。
ただ、家電や販売にかかわる仕事のため、商学や経営学、経済学、情報通信学などの勉強が役立つ場面もあります。
商学とは、商売の仕組みや企業経営のルールなどについて学ぶ学問です。
経営学は、商学よりも詳しく経営について学べるのが特徴で、企業や組織を経営するためのマネジメント方法など、経営理論について学びます。
経済学は、社会の全体的なお金の動きについて勉強する学問です。
また、情報通信学は、インターネットを駆使した技術について学びます。
家電量販店業界で活躍するために、大学ではこうした学部で学んでおくのもオススメです。

以上の学問は、店舗での販売やEC事業などに役立てることが可能です。
具体的な大学、学部には、以下のようなものがあります。

専修大学商学部
東京都立大学経済経営学部
大阪国際大学経営経済学部
城西大学経済学部
神戸学院大学経営学部

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