コンビニ業界の魅力はどのようなところ?主な職種とおすすめの学部
2024.03.21
コンビニは多くの人の生活を支えていて、とてもなじみ深い場所ですよね。そのため、就職先としてコンビニ業界に興味を持っている方も多いのでは?
コンビニ業界の仕事というと販売や店舗運営のイメージが強いかもしれませんが、本部に就職するとそれ以外にも多くの仕事があるんです。今回の記事では、コンビニ業界の魅力や職種、求められる人物像やおすすめの学部など業界研究に役立つ情報を解説します!
目次
コンビニ業界の魅力や代表的な企業の例
コンビニ業界には、どのような特徴があるのでしょうか。魅力や、代表的な企業を解説します。
コンビニ業界とは
通学の途中でよく見かけたり、買い物にふらっと立ち寄ったり、コンビニは身近な存在ではないでしょうか。ほとんどのお店が24時間営業で、食料品や日用品、嗜好品を販売しています。取り扱っている商品は、メーカー品やプライベートブランド品など多種多様です。またコピーや銀行ATM、公共料金の払い込みやチケットの発行など、利用できるサービスも年々増えていて便利ですよね。
同じ企業のロゴマークがついている店舗はすべて同じ形態で営業しているように見えますが、実は直営のレギュラーチェーン店とフランチャイズチェーン店の2種類があるんですよ!直営店は、企業の本部から店長と社員が配属されます。フランチャイズ店は、フランチャイズ契約をしたオーナーが運営をしています。オーナー自身が店長を務めることもあれば、他に店長を雇うこともあります。従業員の採用や教育もオーナーの仕事の一つです。
本部に就職すると、基本的に最初の数年間は店舗勤務ですが、その後は本部勤務になるのが一般的です。複数店舗の経営指導を担当するスーパーバイザーや、新店舗の出店場所を決める新規店舗開発・建設企画、商品の品質管理や物流ネットワークの最適化をする商品管理などさまざまな部署でキャリアを積んでいきます。
コンビニ業界の魅力
コンビニ業界で働くメリットは、小売業界に関するあらゆる仕事を体験できることです。例えば、商品開発に携わると自分がアイディアを出した商品が店頭に並ぶことも!お客様や商品に使用している材料の生産者から喜びの声が届くことも魅力的なポイントです。
新規出店の店舗開発に携わると、自分がここだ!と分析した場所に店舗が建設されます。特に都市部では、人の動きを変えていく実感が持てます。販売や店舗運営に携わると、どうやったら商品を手に取ってもらえるか、自分が考え出した陳列方法で商品を売り出し、実際に狙った商品が売れていく様子を自分の目で見届けられるのがやりがいです!
コンビニ業界の代表的な企業の例
・株式会社ファミリーマート
・株式会社セブン‐イレブン・ジャパン
・株式会社ローソン
・ミニストップ株式会社
・株式会社セコマ
コンビニ業界の代表的な企業は「株式会社ファミリーマート」「株式会社セブン-イレブン・ジャパン」「株式会社ローソン」です。コンビニを手掛ける企業はいくつもありますが、これらのコンビニ大手3社がシェアの9割を占めているんです。
また「ミニストップ株式会社」は、創業当初からコンビニエンスストア×店内加工のファーストフードというオリジナルスタイルで運営しています。特にホットスナックのXフライドポテトはテレビでも取り上げられ話題になりました。「株式会社セコマ」はセイコーマートを運営している、北海道に拠点を置くコンビニチェーンです。北海道ならではの新鮮食材を使った、ハイクオリティな商品を提供しています。
コンビニ業界の職種
コンビニ業界では、どのような仕事があるのでしょうか。コンビニにはフランチャイズ契約の店舗もありますが、ここでは本部に就職した場合の主な職種をご紹介します。一般的に、入社1年目は直営店に配属され、早ければ2年目に店長としてお店の運営に携われることも!その後スーパーバイザーを経て、それぞれの部署でキャリアを積んでいきます。
販売・店舗運営
コンビニ業界の企業に入社してはじめの仕事は直営店での販売・店舗運営です。他の従業員と同じようにレジや品出し、トイレ清掃などの日常業務を行います。店長になると売上高やコスト、在庫や発注の管理をしながら経営を担うことになります。販売・店舗運営の職種で重要な役割は、店舗と周辺の状況をふまえて売れる環境を整えていくことです。従業員の採用や育成にも携わり、細やかにコミュニケーションを取りながら理想的な店舗の実現を目指します。販売・店舗運営で経験を積んだ後、スーパーバイザーや商品開発などの部署に配属されるのがコンビニ業界で働く際の一般的な流れです。
スーパーバイザー
スーパーバイザーは、店舗の経営指導を行う仕事です。複数ある担当店舗の状況を管理し、実際店舗に足を運びながら売上高アップのためのサポートをします。スタッフの採用や育成方法、新サービスに関するレクチャーなど業務はさまざま。店舗ごとに課題をあぶり出し、必要な対策を考えていきます。
また、本部の施策を伝えるだけでなく、店舗の困りごとを本部に報告することもあり、店舗が気持ちよく営業を続けていけるようオーナーや店長、従業員の方々と細かくコミュニケーションを取りながら売り場をつくります。
商品開発
商品開発は、商品の企画と開発を行う仕事です。どのような商品なら人気が出るのか企画を立て、商品を生み出し、売り出し方を考えるところまで携わります。日頃からSNSや人気店などをチェックし、最新のトレンドや顧客のニーズを読み取って商品に反映させていくことが重要です。何度も試作を繰り返しながら、同時並行で原料調達や法務、広報など関係する部署との調整もしながら商品化に向けて進めていきます。例えばローソンのヒット商品「プレミアムロール」は、開発当時流行っていた一本物のロールケーキにヒントを得て一人用のロールケーキを作るべくスタートした企画です。試行錯誤の結果、本格的なクリームづくりに成功。横になった状態のひと切れをスプーンですくうという新たな食べ方の提案でも注目を浴び、ヒットへの道をたどることとなりました。このような多くの人に親しまれる商品を開発するのが商品開発の仕事です!
販売促進
販売促進は、多くのお客様に購入してもらえるような取り組みを考えて実行する仕事です。商品の基本的な情報や押し出したい特徴を店舗に伝えるのはもちろん、お客様がワクワクするようなキャンペーンを企画したり、POPなどの販促アイテムをつくったりもします。例えばクリスマスが近くなると、コンビニの入口や店内に「クリスマスケーキご予約受付中!」などと書かれているのぼりや垂れ幕がありますよね。店舗に来店されるお客様にしっかり伝わるような策を練るのが大事です。必要に応じて、販売促進担当が直接店舗に出向いて試供品の配布や販売の手伝いをする場合もあります。
広報
広報は、社内や社外に向けて自社商品やサービスなどの情報を伝える仕事です。社内に対しては、社内報をつくったりイベントを企画したりするなど、社内の活性化のための仕事をします。社員であっても、自社の情報をすべて把握できるわけではありません。自社の企業理念やビジョン、メディア掲載情報や各部署内のできごとを定期的に発信することで社内全体の活発化につながります。社外に対しては、プレスリリースの作成や取材対応、イベント企画がメインです。自社のHPやSNSの更新をすることもあります。例えばコンビニ業界は多くのフランチャイズ店で成り立っていますが、本部とフランチャイズ店の関係強化のためにオーナー会といった勉強会・懇親会を開催することがあります。こういったイベントを通して本部とフランチャイズ店の一体感を醸成するのも、広報の大事な仕事です!
マーケティング
マーケティングは、自社商品やサービスが売れやすい仕組みづくりをする仕事です。販売促進と混同されることも多いマーケティング。コンビニ業界では、特定の商品に対して策を練るのが販売促進、根本的な販売の仕組みを考えていくのがマーケティングと分けている場合が多いようです。例えばお客様が「おにぎりを買いたい!」と思ったときに、他社ではなく自社店舗を選んでもらうにはどうしたらよいかを考えます。店舗スタッフの作業がスムーズに進むよう発注のシステムを改善したり、お客様がスムーズに購入できるようセルフレジの導入を検討したりするのも仕事です。
商品管理
商品管理は、商品の品質や安全を守り、物流の形態を整える仕事です。関係部門と連携を取りながら法律や自社の定める基準に基づいた品質管理を徹底し、商品がスムーズにお店まで届くよう道すじを整えます。また、出店状況や、それに対する物流網が適切な状態になっているかどうかのチェックも、商品管理の仕事です。例えば、コンビニのロゴが描かれたトラックをよく見かけますよね。滞りなく各店舗に商品を届けられるよう、商品を製造する場所、配送ルート、配送車の仕様などに課題があれば改善していきます。
海外事業展開担当
海外事業展開担当は、海外でコンビニ事業を立ち上げ、成長させていく仕事です。現地のパートナー企業と一緒に、その国に合ったコンビニの形を作っていきます。国内事業を参考にしながらも、働くうえでのルールや人材育成方法などひとつひとつ決めていけるのがやりがいです。事業のベースづくりに加えて、販売する商品の企画や開発に関わることもあります。国内と同じ商品を作ろうと思っても、製造する場所や手に入る材料など環境が異なるため、そのなかでどう工夫して理想の商品に近づけていけるかを試行錯誤することが必要です。
新規店舗開発・建設企画
新規店舗開発・建設企画は、店舗の出店場所を吟味し、建設からオープンまでの工程を管理する仕事です。出店を考えている地域の情報を収集・分析し、土地や建物の所有者に出店の提案・交渉をします。特に都市部は人の流れや周辺の環境をよく分析しながら、デベロッパーや不動産仲介業者、建築会社などとの関係性を大事に築き上げていく必要があります。物件の最新情報を常にチェックしていなければいけません!
コンビニ業界で求められる人とおすすめの学部
コンビニ業界で求められるのはどのような人でしょうか。必要な経験や資格、おすすめの学部について解説します!
求められる経験や資格
一般的には入社前までに「普通自動車運転免許」の取得が必要です。スーパーバイザーとして複数の店舗を巡回するようになると、自動車での移動になるからです。他に必要な経験や資格はありませんが、あると役に立つ資格を3つ紹介します!
・販売士
販売士は、小売業に関する知識や技術があることを証明する資格です。日本商工会議所が実施しています。3級の基準は「販売員として小売りの基礎知識があること」、2級は「販売の専門知識を活かして管理業務や部下の指導ができること」、1級は「高度な専門知識を活かして管理業務や経営計画の立案ができること」です。
・食品衛生責任者
食品衛生責任者は、食品を扱う店舗ごとに1名必要です。店舗の中で、先頭に立って衛生管理を行います。年1回講習を受けて知識を更新し、法令遵守のため一緒に働く従業員にも情報共有していくのが義務です。1日で食品衛生学、公衆衛生学、食品衛生法に関する講義を受け、最後のテストに合格すると修了証が交付されます。各都道府県の食品衛生協会が実施しています。
・サービス接遇検定
サービス接遇検定は、接客において相手を満足させられるような行動がとれることを証明する検定です。サービス業務の心構えや対人心理に関する知識、話し方や振る舞い方が審査されます。準1級、1級になると面接試験を受けなければなりません。接客に使うフレーズを話したり、審査員相手にロールプレイングを行ったりします。公益財団法人実務技能検定協会が実施しています。
コンビニ業界に向いている人
・人とのコミュニケーションが得意な人
複数店舗の経営指導や商品の品質管理、海外展開など、どの業務でも多くの人と話しながらプロジェクト成功へと導いていく必要があります。コミュニケーションこそが仕事と言っても過言ではありません!部活やアルバイトなどで、周りの人とコミュニケーションを取りながら一緒に何かを成し遂げた経験がある人はコンビニ業界の仕事が向いています。
・人や組織の成長をサポートするのが好きな人
店舗を利用するお客様や店舗で働く従業員、部署内の困りごとを丁寧にあぶり出し解決に向けて寄り添う意識を持っていると企業の成長に貢献できます。ひとつひとつ、みんなで気持ち良い仕事環境を整えていくことが大事です。部活のマネージャーなどを経験していて、サポートにやりがいを感じたことのある人は向いている仕事です!
・自分で考え、前を向いて果敢に挑戦できる人
店舗の現状を分析したり、世の中の動きをチェックしたりして今後打ち出していきたい商品やディスプレイの仕方など自分の考えを持つことが大事です。ただ、同じ施策を試しても店舗によってうまくいかないことがあります。地域性なのか、近くにあるライバル店の影響なのか、すぐに原因の追及まで辿り着かないこともしばしば。そのようなときも、諦めずどんどん前に進むことが重要です!
コンビニ業界で働くためにおすすめの学部
コンビニ業界への就職を希望しているならば、経営やマーケティングを学べる学部に進学するのがおすすめです。
経営について学べる大学・学部
経営学部では、企業管理全般の知識を学べます。企業の財務や人事、生産工程など、企業を管理するのに必要な基本事項が履修内容です。実際の現場で働いてみる「インターンシップ」や、現役ビジネスパーソンを講師に迎えて行う講座など仕事をリアルに感じられる授業もあります!以下が経営学部がある大学の一例です。
・東洋大学(経営学部)
・法政大学(経営学部)
・日本経済大学(経営学部)
マーケティングについて学べる大学・学部
商学部では、マーケティングについて学べます。商品は、人やお金、情報とどのような関係を築いているのか、社会の動きを理解し、よりよい方向へと導けるよう考えながら学びます。実際にあるさまざまな企業のビジネスを取り上げるので、現場に近い学部です。
以下が商学部がある大学の一例です。
・中央大学(商学部)
・日本大学(商学部)
・北海商科大学(商学部)
コンビニ業界への就職を目指すあなたは「JOB-BIKI」で進路検索!
コンビニ業界は、販売や店舗運営の仕事だけではありません。本部に就職すると、商品開発や販売促進などさまざまな部署があります。コンビニに関するどのような業務にも役立つ、経営やマーケティングの知識を大学で身につけておくのがおすすめです。コンビニ業界への就職に興味をお持ちの場合は「JOB-BIKI」で自分に合う大学を探してみましょう!検索画面の就職先検索で「株式会社ファミリーマート」などと企業名を入れてみてください。表示された企業情報の中に「出身大学データ数」という箇所があります。クリックすると、その企業に就職した先輩たちの出身校が表示されます。大学選びの参考にご利用ください。