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一般消費財業界とは?働く魅力や仕事内容、目指せる大学を紹介

2024.04.17

カテゴリー:
石鹸やシャンプーなどの一般消費財

一般消費財は、せっけんや洗剤、シャンプーなど、私たちの生活に欠かせないものを指します。一般消費財業界は、そのような商品の製造・販売を担う業界です。私たちがCMや店で見かける企業も多いため「一般消費財メーカーへ就職したい」と考えている方も多いでしょう。
一般消費財業界の仕事には、商品を生み出す製造職や商品を売る営業職以外にも、さまざまな仕事があります。この記事では、一般消費財業界の特徴や「JOB-BIKI」で調べられる企業の例、主な職種、おすすめの学部などをご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

一般消費財業界の魅力や代表的な企業の例

一般消費財業界には、どんな特徴があるのでしょうか。ここでは、一般消費財業界の基礎知識や働く魅力、代表的な企業の例をご紹介します。

一般消費財業界とは?

一般消費財とは、日常生活で使われる洗剤やせっけん、スポンジ、ゴミ袋、ボディタオルなどのことです。基本的には、日常生活に必要な消耗品が一般消費財と呼ばれます。その他、ボディケア用品や化粧品など、美容に関する消耗品も一般消費財です。一般消費財業界は、こうした日常生活に不可欠な消耗品の製造・販売を担っています。

一般消費財業界で働く魅力

日常生活に欠かせない洗剤

一般消費財は、私たちの日常生活に欠かせないものです。例えば洗濯洗剤であれば、ほとんどの方が洗濯する際に使うでしょう。洗濯洗剤が今あるものより汚れが落ちやすい洗剤になった場合、多くの人に「洗濯時間が短くなって、楽になった」と思ってもらえるはずです。このようにお客様の悩みを解決できた際には、大きな達成感を得られます。
また、日常生活をより良くできる商品の企画・開発に携われることも魅力です。例えばシャンプーなどには、泡立ちや保湿性を良くするためにタンパク加水分解物というものが多く使われています。タンパク加水分解物のような物質の発見や応用には、研究が不可欠です。一般消費財メーカーには自社でこのような研究を自社で行う会社も多いため、研究職に携わると「泡立ちや保湿性の良いシャンプーを作るためには、どうするべきか」という観点から研究や商品開発を行えます。そのような仕事では「世の中に求められるものを生み出せる」という部分にやりがいを感じられるでしょう。

一般消費財業界の代表的な企業の例

花王株式会社
シャボン玉石けん株式会社
サラヤ株式会社
株式会社アルボース

一般消費財の種類は幅広いため、得意とする商品の種類や分野などで企業ごとの特徴は異なります。
「花王株式会社」は、高い研究開発力を持ち、化学工業品の原材料などの製造・販売を行う事業も展開している企業です。化学工業品の製造・販売にて得た技術や知識を一般消費財にも活かせるため、幅広い商品展開を実現しています。例えば不織布を製造する技術も、日常生活の行動や悩みと掛け合わせることで、化粧を拭くだけで落とせるコットンや床掃除が楽になるシートなどに活用可能です。花王では、研究開発力の高さを活かし、あらゆる種類の便利な一般消費財を製造・販売しています。


「シャボン玉石けん株式会社」は、洗剤やせっけんに特化して商品を展開している企業です。化学物質や合成添加物を一切含まない、無添加のせっけん作りにこだわって製造・販売しています。2017年には、無添加化粧せっけんのシェア率で1位を獲得した実績も。商品の幅が広い一般消費財業界において、扱う商品を特化することで差別化している例だといえます。


「サラヤ株式会社」は、家庭用の台所用品や洗濯用品、ボディケアやヘアケア用品などを展開している企業です。「衛生」「環境」「健康」を事業の柱とし、衛生面に必要な一般消費財だけでなく、生活習慣病予防への貢献を目指した自然派甘味料「ラカント」の開発なども行っています。


「株式会社アルボース」は、日本で初めて手洗用消毒石鹸液を開発した企業です。現在も手指の消毒剤やハンドソープなどの製品を中心に事業を展開しています。学校や病院などで使う、業務用製品を製造・販売していることも特徴です。


「一般消費財業界に興味はあるが、どのような大学に行けばいいのかわからない」という場合は「JOB-BIKI」を活用しましょう。「JOB-BIKI」の「就職先検索」で企業名を入力すると、その企業の情報や就職した先輩たちの出身大学を確認できます。就職までの具体的な進路を考えるためにも、ぜひチェックしてみてください。

一般消費財業界の職種

洗剤の研究開発

一般消費財業界の仕事には、具体的にどのような職種があるのでしょうか。ここでは、一般消費財業界のおもな職種についてご紹介します。

研究

商品を改良したり新たな商品を開発したりするため、新技術などの研究を行う職種です。研究職は主に「商品開発のための研究」と「基盤技術の研究」の2種類に分けられます。商品開発のための研究で行うのは、すでに発売されている商品の改良や新商品の開発です。例えば、すでに販売されている洗濯洗剤について「においや黒ずみを、さらに落とすにはどうすればいいか?」ということに注目し、においや黒ずみの発生源の特定、それらを落とすための方法の発見するための研究を行います。一方、基盤技術の研究で行うのは、素材や生物、安全性、感性など、商品単位ではなく、幅広くさまざまなものへ活用できる技術などの研究です。例えば、界面活性剤のような素材について研究を行います。界面活性剤は、一般消費財であるせっけんやシャンプーなどに広く使われている素材です。このように基盤技術の研究では、商品化に繋がる基盤となるものの研究を行います。

商品開発

商品開発は、お客様が「どういう商品を求めているのか?」を調査し、商品の改良や新商品の開発などを行う仕事です。一般消費財は日常生活で使うもののため、お客様が「日常生活で困っていることは何か?」を考える視点が必要となります。そのため、お客様の求めるものや市場の動きなどを日々調査・分析する業務が重要です。しかし、新たな視点やアイディアを取り入れる必要もあります。例えば、お風呂用の掃除用品を考えるにあたり「掃除が楽しくなる」という観点から、誰でも簡単に使える使用感の改良を行うようなことも大切です。

クリエイティブ

クリエイティブとは、コピーライターやパッケージデザイナーなどの仕事の総称です。一般消費財には家庭向けの商品が多いため、広告・宣伝に使われるキャッチコピーや手に取ってもらえるようなパッケージデザインも重要となります。なぜなら、売上に繋がる部分だからです。一般消費財は、主に店で他の企業の商品とも一緒に並べられています。そのため、購入してもらうには、汚れの落ちやすさや使用感などだけではなく、耳に残るようなキャッチコピーや買いたくなるデザインも重要となるのです。クリエイティブは、商品の売上を伸ばすことに大きく関わることが可能な職種だといえます。

購買

製品を作るための材料を購入・調達する仕事です。一般消費財と呼ばれる商品は幅広く、さまざまな商品を扱っている企業も多いため、購買担当が購入・調達する材料も多岐にわたります。また、商品の製造に使う材料は、一定の基準を満たしていなければいけません。基準を満たしていないと、商品の安全性や信頼性を保つことができなくなる恐れがあるからです。購買担当は、社内の各部門と連携をとり、基準を満たしている材料を世界中から探す役目を担っています。
また、一般消費財を店などで販売するためには、商品を入れる箱やボトルなども必要です。このようなパッケージの材料の調達も、購買部門が担当しています。

生産技術

生産技術は、製品を安定して製造・供給するために、製造機械の開発やメンテナンスなどを行う業務です。一般消費財を生産するためには、例えば柔軟剤や洗剤の原料となる基剤を作ったり、洗剤に使う酵素を製造したりする必要があります。その際、人の手で大量に製造することは不可能なため、製造機械が必須です。しかし、製造機械が安定的に動くためには、人によるメンテナンスは欠かせません。そのため、生産技術担当が定期的に検査やメンテナンスを行っています。また、生産性をより高めるために、新たな生産技術や製造機械の開発も必要です。例えば日焼け止めを生産する場合、日焼け止めに含まれる粉体粒子の分散状態が異なるだけで感触や性能が変わってしまうため、全く同じ分散状態で量産できるような機械が必要となります。このような機械の開発、試作なども、生産技術の業務です。

品質保証

品質保証は、製品がお客様に届く前に「製品の品質や安全性などが基準に達しているか?」を確認する業務です。特に一般消費財は、せっけん基剤やクリームに含まれる乳化安定剤など化学物質を含むことも多いため、さまざまな試験を行って品質を担保しています。例えば、製品に無機物が含まれていないかを確認する検査では、蛍光エックス線装置を用いた元素分析や複数の試薬を用いた試験などが必要です。品質保証では、あらゆる環境や状況を想定し、このような試験を行っています。製品の安全性や企業の信頼性にも繋がる、重要な業務です。

営業

営業は、製品を販売するために製品や技術の紹介、提案を行います。一般消費財メーカーの場合、個人のお客様を相手にすることは基本的にありません。一般消費財メーカーの営業は、一般消費財を並べて販売してくれるスーパーなどの企業を相手に、製品の販売を行います。また、一般消費財を製造・開発するための技術を売り込む営業担当もいるのが特徴です。このような技術を売り込むことで、一般消費財に限らず、例えばアスファルトなど全く別のものと技術を掛け合わせた新たな商品も生み出せます。

一般消費財業界で求められる人とおすすめの学部

ボディケアアイテムに詳しい男子

一般消費財業界に就職するためには、どのような経験や資格が求められるのでしょうか。ここでは、一般消費財業界に向いている人の特徴、おすすめの学部などもご紹介します。

求められる経験や資格

一般消費財業界の企業へ応募する際に、必須の資格はありません。ただし、クリエイティブ職を目指す場合には美術系の学校・学部の卒業が必須となるケースもあるため、事前に企業のサイトなどを確認しておくとよいでしょう。

一般消費財業界に向いている人

一般消費財業界に向いている人の特徴は、以下の2つです。
・人々の生活に役立つものを提供することが好き
・取り扱う商品に強い興味がある

人々の生活に役立つものを提供することが好き

一般消費財は、人々の生活に欠かせないものです。そして、人々の生活をより豊かに、快適にすることもできます。そのため、人々の生活に役立つものを提供したり、生み出したりすることが好きな方には向いています。日々の生活の中で「この商品は、もっとこうしたら良くなるだろう」というアイディアが生まれるという方にもおすすめです。

取り扱う商品に強い興味がある

取り扱っている商品や一般消費財に強い興味があるという方にも、一般消費財業界の仕事は適しています。一般消費財業界で扱う商品や技術は日々進化しているため、常に新しい情報を追っていかなくてはいけません。その際、商品が好きで興味を持つことができる方であれば、熱意を持って学び続けることができるでしょう。

一般消費財業界で働くためにおすすめの学部・学科(コース、専攻)

石鹸を作る大学生

一般消費財業界で研究や生産などの技術職へ携わりたい場合は、理系の学部で学ぶのがおすすめです。特に、理学部に進むとよいでしょう。理学では、数学、物理学、化学、生物学などを用いて、自然科学の基礎法則や仕組み、理論などを研究できます。そのため、一般消費財の研究や開発に関わる分野についても幅広く学ぶことが可能です。一般消費財業界においては、特に化学分野を学んでおくとよいでしょう。
また、購買や営業といった事務系職種の場合は、理学部以外の学部でも目指せます。学部は不問となっているケースが多く、文系の学部でも応募可能です。
クリエイティブ系の職種を目指す場合は、美術系の学部に進むとよいでしょう。
化学分野について学べる大学、学部には、以下のようなものがあります。


大阪大学理学部化学科
東京都立大学理学部化学科
学習院大学理学部化学科
千葉大学理学部化学科
城西大学理学部化学科

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一般消費財業界の仕事では、人々の生活に密接に関わるせっけんや洗剤、美容用品などの製造・販売に携われます。店で目にする商品も多く「人々の生活に役立つ商品を生み出している」と感じられるため、大きなやりがいを感じられるでしょう。
一般消費財業界へ就職するための大学選びに悩んだら「JOB-BIKI」の活用がおすすめです。「JOB-BIKI」の「就職先検索」にて、一般消費財業界の企業情報を調べられます。「就職先検索」の「業種から探す」から「製造・機械」の「油脂加工・洗剤・塗料」を選択しましょう。一般消費財業界の企業や、その企業に就職した先輩たちの卒業した大学・学部が一覧でわかります。一般消費財業界への就職を目指す際の進路選びに、ぜひ役立ててみてください。

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