プロスポーツ業界とは?働く魅力や仕事内容・目指せる大学を紹介
2024.11.15
目次
プロスポーツ業界の魅力や代表的な企業の例
球団やチームの運営に関わる職員は営業・広報・経理など、さまざまな仕事を担当します。運営と聞くと「難易度が高いのではないか」と、思う人もいるでしょう。しかし、球団やチームを勝利に導くために優れた選手をスカウトしたり、ファンサービスのイベントを企画したりと、やりがいのある仕事です。次に、プロスポーツ業界の特徴・魅力・代表的な企業の例をご紹介します。
プロスポーツ業界とは?
プロスポーツ業界とは、野球球団やサッカーチームなどを運営する企業のことです。運営にはファンの存在とスポンサーの支援が欠かせません。そのため、運営の仕事に関わる職員は、以下のような業務を担当します。
- イベントの企画・開催
- 新規スポンサーの確保
- 球団やチームの強化
プロスポーツ業界では、ファンの獲得が何より重要です。例えば、サッカーの試合では選手がゴールを決めるたびに、応援席でスタンディングオーベーションが巻き起こります。スタジアムに響くファンの声援を聞いた選手は、その気持ちに応えるために全力でボールを追いかけます。もし、ファンのいない試合であれば、選手のモチベーションは下がってしまうでしょう。収入面においても、チケットやグッズの売上は低下します。収入の少ない状態では、チームの存続も危ぶまれます。ファンの獲得は、チーム存続において欠かせない要素であるため、イベンの開催などを通じてファンの心を掴みます。例えば、Jリーグのアスルクラロ沼津では、脳性まひの子どもたちがサッカーを通じてチャレンジ精神を持てるようにサッカースクールを開催し、サッカー・ダンス・スポーツダーツなどに挑戦できる場を提供しています。また、同じくJリーグの川崎フロンターレでは、ホームタウンの川崎市でサッカー教室とスナッグゴルフ教室を開催しました。それぞれのプロコーチによる直接指導を受けながら、子どもたちはサッカーとゴルフを楽しみます。スナックゴルフとは、テニスボールよりも一回り小さなボールを使用する簡易的なゴルフです。サッカーよりも手軽であり、スポーツが苦手な方でも楽しみやすいため、ファミリー層や普段サッカーに馴染みのない人が川崎フロンターレに興味をもつきっかけになっているようです。
新規スポンサーの獲得は、球団やチームを運営するうえで重要な業務です。どの球団やチームもスポンサーの支援がなければ、運営を続けるのは困難でしょう。スポンサーとは、球団やチームを経済的に支援する企業のことで、自社の宣伝や認知度を上げる目的もあります。身近な例では、サッカー選手が試合で着用するユニフォームに記載されているメインスポンサーのロゴが宣伝材料になります。ロゴがテレビや新聞などに映ることにより、大きな広告効果をもたらす仕組みです。球団やチームを支援してくれるスポンサーが多ければチームの運営は安定します。そのため、運営に関わる職員は、新規スポンサーの獲得にも注力します。
球団やチームの強化も運営に必要な業務です。例えば、野球界では、レーダーで投球や打球を計測・分析する技術を用いて、選手のパフォーマンスを分析します。分析により、選手の理想的なフォームや改善点が明確になるため、コーチと連携しながら、球団を勝利へ導くためのフォームや打球などの改善を提案するのも運営に関わる職員の仕事です。球団やチームの運営に関わる仕事は、注力した分だけ結果が返ってきます。そのため、大いにやりがいを感じられるでしょう。
プロスポーツ業界で働く魅力
プロスポーツ業界で働く魅力は、選手と一丸になってファンへ夢と感動を与えられることです。また、球団やチームが試合やイベントを開催することで、近隣の商業施設や交通への経済的効果をもたらします。例えば、野球のリーグで西武ライオンズが優勝した際は、西武百貨店やイトーヨーカドーなどでセールが開催されました。また、阪神タイガースが優勝した際は、阪神電車が記念の磁器プリペイドカードを発売しています。球団やチームが優勝することで、地域活性化にもつながるうえに、ファンへ恩返しもできます。
プロスポーツ業界の代表的な企業の例
プロスポーツ業界には、さまざまな企業が存在します。本記事では、数ある中から以下4つの企業をご紹介します。
*株式会社楽天野球団
株式会社楽天野球団は、プロ野球チーム「東北楽天ゴールデンイーグルス」を運営している企業です。球団の強化はもちろん、イベント開催やグッズ販売なども展開しています。また、日本初の完全キャッシュレススタジアムの実現・スタジアム内における観覧車の設置など、利便性の向上や野球のゲーム以外のエンターテインメントの提供にも注力することで、より野球を楽しんでもらえる環境作りに励んでいます。
*株式会社読売巨人軍
株式会社読売巨人軍は、プロ野球球団「読売ジャイアンツ」を運営している企業です。読売ジャイアンツは、1965年から1973年まで9年間連続、プロ野球日本シリーズを制覇した伝統ある球団です。また、長島茂雄さんや王貞治さんなど、野球界にその名を残す偉大な選手が所属していた球団でもあります。本拠地である東京ドームでは、スタンドに設置された125メートル幅のメインビジョンが、球場を盛り上げています。また、子どもたちへ野球の楽しさを提供する「わくわく野球教室」や、一軍コーチからノックを受けられる「体験会」などを開催することで、つねに子どもたちの野球活動を応援している会社です。
*株式会社ベガルタ仙台
株式会社ベガルタ仙台は、サッカークラブ「ベガルタ仙台」を運営している企業です。スタジアムに授乳室やオムツ替え場所、キッズスペースなどを設置することで、子ども連れのファンでもサッカー観戦を楽しめるように工夫しています。また、未来の日本代表選手を育てるために、小学生から入会可能なサッカー教室の運営にも力を入れています。
*株式会社ブラウブリッツ秋田
株式会社ブラウブリッツ秋田は、サッカークラブ「ブラウブリッツ秋田」を運営する企業です。サッカー・バレーボール・アイススケートなどのスポーツを通じて、秋田県の活性化に貢献しています。また、健康体操教室や大人のサッカー教室なども展開しており、高齢者社会における健康への取り組みも実施しています。多くのファンがスポーツを身近に感じられるよう、さまざまな工夫をこらしている企業です。
プロスポーツ業界の職種
プロスポーツ業界といっても、チームの強化戦略を立案したりWebサイト運営をしたり、仕事は多岐にわたります。どのような職種があるのか、それぞれ解説します。
営業
営業は球団やチームの収益基盤となるスポンサーへの営業を中心に、放送コンテンツの制作・イベントの企画運営・チケット販売などを行います。スポンサー企業が主催するファンイベントの企画サポートや運営補助をしたり、ファン参加型のゲームや抽選会などを開催したりもします。スポンサーへ営業して契約を結び、球団やチームの安定的な運営を可能にする役割です。
マーケティング
マーケティングは、球団やチームの認知度拡大に加えて、新規ファンの獲得などを担う役割です。例えば、ファンは何を求めているのか、データを収集して分析することで戦略を練ります。人気の高い選手を把握してグッズの企画をしたり、球団やチームのブランドを活かしたイベントの企画をしたりします。これにより、ファンの求める魅力的なコンテンツやサービスの提供が実現し、新規ファンの獲得や球団・チームの認知度拡大につながるのです。また、球団およびチームの活動内容やイベント開催日などをファンへ知らせたり、選手のプロフィールなどを記載したりするWebサイト運営も担っています。
コーポレート
コーポレートとは、企業を支える管理部門のことです。チームの予算や支出の管理・新事業の企画・本社の総務や人事の仕事などを担当します。チームを強化するための選手獲得や施設の拡張、ファンサービスのためのイベント実施のためには、母体である本部の健全経営が不可欠です。コーポレート部門のスタッフはチームの土台を支えるという点で重要な役割を担っています。
チーム統括
チーム統括は、チーム強化の役割を担っています。具体的には、戦力になる選手の獲得や優秀なコーチの採用などをします。また、選手やコーチへの取材依頼を調節したり、試合データを分析して戦略を立てたりするのもチーム統括の仕事です。なお、監督やコーチはチームの現場を管理したり指導したりする仕事であるのに対して、チーム統括は監督人事をはじめとした運営全体を管理・コントロールする仕事です。
プロスポーツ業界で求められる人とおすすめの学部
プロスポーツ業界で働くために、何が求められるのでしょうか。また、おすすめの学部・大学について解説します。
求められる経験や資格
プロスポーツ業界への就職に求められる資格はありません。また、選手としてチームに所属する場合を除けば、スポーツにおける際だった成績や成果が必要とされることもないでしょう。ただし、選手を採用したり試合の分析を実施したりする場面においては、ご自身のスポーツでの経験やスポーツへの興味関心を活かすことは可能です。なお、海外のチームや選手との対戦や連携が多い企業では、TOEICテストで800点以上を取得していると採用率アップにつながる可能性があります。スポーツ経験は不要ですが、あったほうがよいでしょう。
プロスポーツ業界に向いている人
プロスポーツ業界の新卒採用では、就職生の特徴・性質が球団やチームに合っているかなどが見られます。プロスポーツ業界に向いている人の特徴を解説します。
球団およびチームへの愛情がある人
球団やチームへの愛情がある人も、プロスポーツ業界に向いています。運営には愛情も必要です。子どもの頃から大ファンである球団やチームの運営に携われたのなら、球団やチームの魅力を宣伝したりイベントを開催したりする業務も積極的におこなえるでしょう。また、サッカーや野球などのスポーツを通じて、地域貢献をしている企業が大半です。例えば、野球の試合やスポーツ教室などを開催することで、その地域にファンが集結するため周辺店舗の売上に貢献できます。球団およびチームへの愛情や地域貢献したい気持ちを持っている人であれば、運営職員として活躍できます。
チームワークを大切にできる人
チームワークを大切にできる人は、プロスポーツ業界に向いています。例えば、野球の場合は、チケット販売・会場運営・広報など、各部門の運営職員が連携し情報を共有することで運営を効率化できます。チケットの売上枚数の見込みを元にキャンペーンやイベントが実施されたり、グッズの仕入れを調整したりするなど、連携の取れたチーム運営をすることが、収益性やファンの満足度向上につながるのです。また、試合中に火災や地震などが発生した場合は、運営職員が協力してファンの安全を確保する必要もあります。普段からチームワークを大切にすることで、緊急時にもチームで冷静かつ迅速な対応が可能になります。
コミュニケーション能力の高い人
コミュニケーション能力の高い人も、プロスポーツ業界に向いています。運営職員は、メディア・監督・コーチ・スポンサー・ファンとコミュニケーションを取る場面も少なくありません。具体的には、選手や試合の情報をメディアへ提供し、球団のイメージを向上します。また、監督やコーチとコミュニケーションを取り、チームの方針や戦略を把握したうえで、適切な運営を実現します。スポンサーの獲得やファンイベントの開催なども、球団およびチーム存続に欠かせない業務です。コミュニケーション能力の高い人であれば、運営職員として活躍できるでしょう。
プロスポーツ業界で働くためにおすすめの学部
プロスポーツ業界への就職を視野に入れた進路決定をするのであれば、スポーツ・観光・経済について学べる学部を選択するのがおすすめです。例えば、スポーツ学部では、スポーツに関する知識やコーティングなどを勉強できます。観光学部であれば、地域の文化や観光経済学などをマスターできます。チームの本拠地やイベント会場などの地域性や特性に合ったイベントを企画・開催することで、より多くのファンを獲得できるでしょう。国際学部においては、国際的な経済が学べるでしょう。スポーツ学部・観光学部・国際学部を選択すれば、プロスポーツ業界への就職に役立ちます。
スポーツ・観光経済学・国際経済学などが学べる大学の一例をご紹介します。
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