新聞社の仕事とは?働く魅力や職種・求められる人材をご紹介
2024.11.20
新聞社といえば、現場を取材し記事を書く記者の仕事が思い浮かぶでしょう。しかし、新聞は記者以外にも、さまざまな職種のプロが活躍しています。
そこでこの記事では、新聞社で働く魅力や職種・仕事内容に加え、どのような人材が求められているのか、就職するならどのような学部や大学が向いているのかについてご紹介します。マスメディアの世界に興味のある方や、新聞記者になりたいと考えている方はぜひ参考にしてください。
目次
新聞社の魅力や代表的な企業の例
マスメディアの1つである新聞社には、さまざまな魅力があります。
まずは新聞社で働く魅力や、代表的な企業を確認しておきましょう。
新聞社とは?
新聞社とは、新聞媒体に文章や写真を使って情報を届ける会社です。マスメディアの中でも、新聞は非常に信頼性が高く、影響力もあります。
新聞といっても、その種類はさまざまです。「全国紙」と呼ばれる知名度が高く販売数の多い媒体や「地方紙・ブロック紙」と呼ばれる各地域・地方で信頼度の高い媒体、ほかにもスポーツ紙や産業紙、業界紙などがあります。どのようなニュースを得意とするかは媒体によって異なりますが、信ぴょう性が高く信頼されている点では、どの媒体も共通しています。
近年は、紙のみならずパソコンやスマートフォンでも読める「電子版」を配信する新聞社も増え、新聞記事を自宅や会社だけでなく、いつでもどこでも読めるようになりました。
新聞社で働く魅力
新聞は、社会や環境の変化をいち早く読者に伝え、注意や警告を促すことができます。例えば選挙前には、多くの読者が新聞を参考に投票先を決定する、重大な役割も担うでしょう。このように、多くの読者に影響を与え、社会を変える力もあることは、新聞社で働く大きな魅力といえます。
日々知識が身に付き、新しい発見があることも、魅力の1つです。他社よりも速くスクープを届けるにはスピードが要求されますが、最新の情報に最前線で触れられ、臨場感も味わえる仕事です。
また、新たな情報をどうすれば読者により分かりやすく伝えられるか、試行錯誤しながら作った記事に、読者からの反応があった際は、このうえないやりがいも感じられるでしょう。
新聞社の代表的な企業の例
新聞社には、ニュース全般を扱う新聞や、専門分野を扱う新聞などさまざまな媒体があります。
「株式会社日本経済新聞社」は、5大全国紙の一翼を担っている日本経済新聞を発行する新聞社です。国内のみならず世界中の景気や企業の業績といった、経済情報を報道する国内の経済新聞の代表格でもあります。
また、日本経済新聞の強みの一つが、電子版も充実していることです。日本経済新聞の電子版だけでなく、デジタル専門メディアとして6種類のNIKKEI Primeと、金融関連のNIKKEI Financialを運営しています。
「株式会社中日新聞社」は、東海・中部地方を中心にさまざまなニュースや生活情報を提供する新聞社です。全国紙とは異なり、地方の生活に密着した情報を入手できます。
中でも中日新聞は愛知県・岐阜県・三重県の東海3県の購読者率は52%以上と、高いシェアを誇ります。
また、中日ドラゴンズとタイアップした企画の実施なども、株式会社中日ドラゴンズを子会社にもつ中日新聞社だからこそできることです。
「一般社団法人共同通信社」は通信社という会社で、新聞社やテレビ局などに対して情報提供をしており、新聞社の「新聞」のような媒体はもっていません。しかし海外ニュースのように、新聞社が独自に記者を派遣できないような場合などには、共同通信社の出す詳細な記事が大きな影響力をもちます。一般の新聞社を陰から支えることにより、結果的に「新聞読者に正しい情報を伝える」ことにつながります。
「株式会社スポーツニッポン新聞社」は、2024年で創刊から75周年を迎えました。
「スポニチ」で知られるスポーツ紙「スポーツニッポン」の発行をしています。
ほかにも、マラソンやゴルフなどのスポーツイベントの開催、スポーツチームのPR活動など、スポーツの発展に寄与する活動を積極的に行っています。スポーツ新聞は一般紙と比較するとエンターテインメント性が高く、スポーツ・芸能・流行などを幅広く取り扱います。
新聞社の職種
新聞社の中にはどのような職種があるのか、詳しく知っている人はそれほど多くないのではないでしょうか?
新聞社には、記者職以外にもさまざまな職種があり、それぞれの仕事が滞りなく進んで初めて新聞ができます。
新聞社によって職種の名称は異なりますが、ここでは、新聞社の職種の一部をご紹介します。
記者
新聞社の仕事でもっともイメージしやすいのが「記者」の仕事です。
記者といってもさまざまな種類の記者があります。
・一般記者
・写真映像記者
・校閲記者
この中でもポピュラーなのは、一般記者でしょう。
あらゆる場所へ直接取材に行き、政治部や経済部・社会部・運動部など、配属された分野に関連する記事を執筆します。
ほかにも、写真や映像を撮影する写真映像記者や、一般記者や写真映像記者の作成した記事や写真に間違いがないか、発信する前のチェックを行う校閲記者が活躍しています。
デザイナー
新聞を作るうえで、記事内容をより分かりやすく読者に伝えるために働いているのが「デザイナー」です。デザイナーの仕事は、記事内の地図やグラフ・イラストなどを作成し、内容を理解しやすくすることです。
ときにはダイナミックに、ときには繊細に、新聞の締め切りギリギリまで、分かりやすい紙面を意識して再考を重ねます。
近年は、デジタル版を作る新聞社も多く、動画やアニメーション、新聞社が誇る情報のアーカイブなどを活用し、紙面とは異なる切り口で、読者に最新の情報を伝える業務も行っています。
エンジニア
新聞社に勤務する「エンジニア」の仕事も多種多様です。Webエンジニアは、記者が投稿するためのシステムの作成・改修、ほかのシステムとの連携などが主な業務です。
新聞社のインターネット部門を支える重要な職種といえます。ほかにも、新聞紙面を印刷するための印刷工場へのデータの送信、輸送の管理、社内の運用管理システムの構築などを行う総合ITエンジニアも、新聞社を支える重要なポジションです。
営業
新聞の売り上げを左右する重要な職種が「営業」です。
営業といっても、さまざまな種類があります。
販売局(販売エリアマネジャー)
「販売局」は、新聞の販売店と協力して購読者を増やす戦略をたてることが主な仕事です。
販売エリアマネジャーが各エリアを担当し、販売活動のサポート、販売スタッフの育成や販売店の業務改善なども行います。
現在新聞の販売店は、高齢者の見守り・地域の防犯や、小・中学校での出前授業、イベントの開催といったその土地に密着した活動も行っています。これらの活動も、販売エリアマネジャーが支えているのです。
広告営業
「広告営業」の仕事は、広告代理店と協力して新聞紙面の一部を広告面として販売することです。
この際、広告主と直接やり取りを行うのは、基本的に広告代理店ですが、新聞社の系列会社に広告代理店があるケースもあります。
広告営業担当者は、複数の企業を担当し、広告のみならずさまざまなアプローチ法を考え提案することも重要な仕事の1つです。新聞社の行うさまざまなイベント事業に協賛する企業とのやり取りや、特集記事の企画・スポンサー探しなどを行うこともあります。ほかにも広告関連の仕事として、代理店から上がってきた広告原稿の審査校閲や料金の請求などを行う部署もあります。
サイトビジネス
電子新聞読み放題のサブスクリプション、SmartNewsやYahoo!などへニュースコンテンツの販売など、デジタル部門を担っているのが「サイトビジネス」です。新聞は今や紙媒体だけではありません。
エンジニアとも連携しながら、いつでもどこでも読める良質なニュースを提供できるよう新しいサービスの立ち上げや、既存サービスの改善を行います。
イベント・宣伝企画
転職フェアやスポーツの全国大会といったイベントや展示会などを企画立案・運営するのが「イベント・宣伝企画」の仕事です。
マニュアルや会場レイアウト・装飾品などの検討・作成、出展者とのやり取り、オンラインシステムの構築などの業務があります。大規模なイベントを開催することもあり、長い場合は1年以上の月日をかけて準備することもあります。新聞社の特性を活かし、人と人、企業と企業をつなぐ、懸け橋になることのできる職種です。
印刷部(印刷工場)
新聞を作るうえでなくてはならない業務が、印刷工場で新聞を印刷する仕事です。印刷工場で印刷業務が滞れば、読者の元へ届けられなくなってしまいます。印刷部は、決まった時間に届くことが当たり前の新聞を支える、重要な業務を担っています。
印刷部の具体的な仕事は、新聞の印刷・梱包・発送や、印刷機械(輪転機)の整備です。新聞の印刷は、空調の具合によっても変わる繊細なもので、写真を見本どおりの色に再現するだけでも、技術が必要です。印刷部の高い技術が新聞紙面を支えています。
新聞社で求められる人とおすすめの学部
新聞社はどのような人材を求めているのでしょうか?
ここでは、新聞社に入社するために求められる経験や資格・向いている人・おすすめの学部をご紹介します。
求められる経験や資格
新聞社に入社するために、特別な経験や資格は不要です。ただし記者には、ある程度の文章力が必要となります。また、入社後どのような部署の配属となるかは分からないため、さまざまな分野の知識を身に付けておいて損はないでしょう。必須ではありませんが次のような資格があると、業務をするうえで役立つ可能性があります。
・普通自動車免許
・TOEIC
・簿記検定
・校正士
新聞社に向いている人
新聞社に向いているのは、次のようなタイプの人です。
・チャレンジ精神がある
・新しいことを楽しめる
・チームプレーが得意
・フットワークが軽い
・社会に関心がある
新聞社といっても、今は新聞だけを作るメディアではありません。そのため、さまざまなことにチャレンジし、新しく開拓していける人が求められています。
また新聞は、ジャンルによって特徴が異なります。地方紙であれば、生まれ育った地域に貢献したいと考えている人も向いているといえますし、専門紙であれば専門ジャンルに興味がある人や詳しい人が向いているでしょう。
新聞社で働くためにおすすめの学部
新聞社で働くために、必ず学ばなければならない学問はありません。新聞記者を目指すのであれば、法学部・経済学部・社会学部などで、就職後に役立つ勉強ができる可能性があります。新聞社のようなマスメディアで役立つ知識を得られるのは次のような大学の学科です。
専門紙を扱う新聞社であれば、類似する専門分野の学びができる大学・学部で知識を身に付けることで、就職に有利になる可能性もあります。
エンジニアなどの専門職を目指す場合は、理工学部や情報学部・工学部などもおすすめです。
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新聞社の仕事は、記者だけでなくエンジニアやイベント・広告営業など多岐にわたります。
これらすべての仕事が新聞作りに深くかかわっています。
新聞は読者に与える影響も大きく、反響を得られたときには、大きなやりがいを感じられるでしょう。
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