医師(医者)になるためにはどのような学部を選ぶ?向いている人ややりがい
2023.02.20
私たちの心身に病気やケガがないか調べたり、治したりしてくれるお医者さん。たとえ大きな病気やケガを経験したことがなくても、高校生の皆さんも健康診断や予防接種、ご家族の病気やケガで医師にお世話になったことがあるはず。あるいは、テレビで人気の医療ドラマを見たり、歴史に名を残す医師の伝記を読んだりして、この仕事に憧れている人もいるでしょう。この記事では、そんな医師の仕事や、医師になるための方法をお伝えします!
医師の仕事内容ややりがい
初めに、医師の仕事内容ややりがいについてお伝えします。医師の仕事に興味をもったら、ぜひ読んでみてくださいね。
医師の仕事の内容
医師の主な仕事内容は「診療」です。診療とは、患者さんの心身を調べて病気の有無や状態などを調べる「診察」と、お薬を出したり手術したりして病気やケガを治す「治療」のことを指します。医療現場では、医師のほかに看護師や薬剤師などのスタッフも働いています。そこで、看護師に患者さんの採血を任せたり、処方せんを出して薬剤師にお薬を用意してもらったりと、スタッフに指示を出すのも医師の役割です!それぞれの医師には、専門とする診療科があります。たとえば、内科・外科・精神科・小児科・産婦人科などはその一例です。医師の仕事内容は、診療科によっても違いがあります。
・内科:病気やケガを診断し、主に処方による治療を行います。
・外科:手術によって病気やケガを治療します。複数人で数時間かけて行う大きな手術も担当します。
・精神科:うつ病や不眠症といった心の病気の診断、心理療法や処方による治療を行います。
・小児科:子どもの病気の診断や治療を行います。
・産婦人科:妊娠や出産に必要な医療を提供するほか、女性特有の病気の診断や治療も行います。
医師の仕事のやりがい
医師の仕事は人の命に関わり、大きな責任をともないます。病気やケガで苦しむ患者さんにとって、専門家である医師は頼りになる存在。たくさん勉強して身に付けた医学の知識や技術や、仕事で培った経験を生かして患者さんを助けられたときは、大きなやりがいを感じられるでしょう。自分が病気を発見して助かった患者さんや、難しい手術で大きな病気やケガを乗り越えた患者さんの元気な姿を見ることが喜びにつながります!
医師の想定年収
医師の年収は、全国平均で1378.3万円、月額の求人賃金は全国平均で109.8万円です。患者さんの命を預かる医師の仕事は難易度が高く、年収が高い傾向にあります。ただし、こちらのデータは医師全体の想定年収です。病院や診療所に就職するか(=勤務医)、あるいは自分で病院や診療所を経営するか(=開業医)、働き方によって年収に違いがあります。一般的に、年収は開業医のほうが高い傾向にあります。また、診療科ごとに年収に違いがあるので、自分が目指す働き方に合わせて確認してみてくださいね。医師の働き方について、詳しくは「医師が働く場所とキャリアプラン」の見出しでも解説するので、ぜひお読みください。
【参考】職業情報提供サイト(日本版O-NET)
内科医
URL:https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/404
外科医
URL:https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/402
精神科医
URL:https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/405
小児科医
URL:https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/403
産婦人科医
URL:https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/406
医師に向いている人
どんな人が医師に向いているのでしょうか?ここでは、医師に欠かせない素質をご紹介します。
責任感が強く、リーダーシップがある
医師は人の命を預かる重要な仕事です。患者さんを助けるために、責任をもって診療を成し遂げられる人でなければ務まらない仕事だといえます。また、医療チームの責任者である医師は、看護師をはじめとしたスタッフと協力しながら診療にあたる上でも、責任感とリーダーシップが欠かせません。
思いやりがある
病気やケガで医療機関を訪れる患者さんは、大きな不安や悩みを抱えていることも。日々の多忙な業務のなかでも、一人ひとりの患者さんに思いやりをもって向き合い、診察中や治療中に優しい言葉がけができる人が医師に向いています。たとえば、自分が経営している診療所で患者さんとの信頼関係が生まれると、健康についてなんでも相談できる「かかりつけ医」として頼られるようになるでしょう!
体力がある
医師の仕事では一定の体力が求められます。病院に勤務する医師の場合は、通常の勤務時間以外で働く当直や、緊急の手術など、疲れが溜まりやすい仕事もあります。夜間や早朝の分娩に対応する産婦人科医や、長時間にわたる手術をこなす外科医など、診療科によってはハードな仕事も。体力に自信があることも大切です。
医師になるための方法や進むべき学部
将来、医師になるにはどんな進路を選べばよいのでしょうか?医師になるまでのステップや、進学先などを解説します。
医師になるための方法
医師として働くには、医師国家試験に合格し、医師免許を取得することが必須です。受験資格を得るためには、大学の医学部(6年制)を卒業または卒業見込であることなどが条件となっています。国家試験に合格しても、すぐに医師になれるわけではありません。その後は研修医となり、初期研修で2年間、後期研修で3~5年間にわたり、医療現場で経験を積む必要があります。こうして、医師に必要な診療の基礎をしっかりと身に付けてから、いよいよ医師として働き始めるのです。
医師になるための学部
医師を目指すなら、大学の医学部へ進学します。医学部の受験は、国立大学と私立大学のいずれも難易度が高く、ほかの学部と比べて倍率も高い傾向にあります。そのため、これから医師を目指すなら、まずは志望大学の医学部に合格することが重要です。大学によって、得意とする研究分野や医学生の教育で力を入れている部分が異なります。進路選びで学校の情報をチェックするときは、自分がどんな診療科に興味があるのか、将来どんな働き方がしたいかをイメージしながら、大学ごとの違いを調べてみてくださいね。
医師が働く場所とキャリアプラン
最後に、医師が働く場所や、キャリアプランをご紹介します!どんな場所で活躍できるのかを知り、将来をイメージしてみましょう。
医師が働く場所
医師は、基本的に病院や診療所などの医療機関で働きます。病院とは入院できるベッドが20床以上ある医療機関のことで、ベッドが19床以下の医療機関は診療所やクリニックと呼ばれます。病院は医療機関の中でも中規模~大規模で、多くの患者さんがいたり、複数の診療科があったりするのが特徴です。その際、医師の働き方は医療機関に就職する「勤務医」と、自分で医療機関を経営する「開業医」に大きく分けられます。
勤務医は、病院などで組織の一員として働き、主に患者さんの診療を担うのが特徴です。仕事で経験を積み、責任ある役職に就いたら、複数の医師を率いるリーダーとしての仕事も担うようになります。一方、開業医は医師自身が医療機関の経営者になるのが特徴。診療だけでなく、自分の医療機関の患者さんを増やしたり、看護師や事務員などのスタッフを管理したりする仕事まで担います。
一般的な病院や診療所以外で医師が働く場所として挙げられるのは、大学病院です。大学病院には研究や教育の役割もあります。最先端の治療や手術の研究が行われる場所で、研究医として自分の専門分野の研究を続ける医師もいます。また、医療現場の責任者となり、研修を受ける実習生の指導や監督を務めることもあるでしょう。
ほかにも、介護施設で高齢者の健康を管理する医師や、都道府県の保健所で働く公衆衛生医師もいます。また、製薬会社で医薬品の研究開発を行うメディカルドクター、企業で働く従業員の健康を管理する産業医、生命保険会社で保険加入者の健康状態をチェックする診査医など、民間企業で働くという選択肢も。医療機関以外にも、医師には幅広い活躍の場があるのです!
医師のキャリアプラン
医師として一定の経験を積んだら、勤務医として医療機関で上位の役職を目指す道や、開業医になり自分で医療機関の経営をはじめる道があります。病院で働く勤務医の場合、上位の役職は院長・副院長・部長など。大学病院では、教授・准教授・講師などが上位の役職です。
また、専門分野の高度な知識や技術を身に付けて、スペシャリストを目指す道もあります。たとえば、特定の診療科や分野で経験と実績を積み、学会で定められた条件を満たした医師は、「認定医」を名乗れるようになります。さらに、認定医より上位の専門家である「専門医」や、認定医・専門医を指導する立場にある「指導医」を目指す道もありますよ!
医師になりたいあなたは「JOB-BIKI」で進路検索!
今回は、医師の仕事や目指す方法をお伝えしました。医師になるには大学の医学部を卒業して、医師国家試験に合格することが必須。進路を考え始めたら、ぜひ「JOB-BIKI」で医師を目指せる大学を調べてみましょう。検索画面の「病院・福祉・介護」から「病院」を選ぶと、大きな病院や大学病院へ就職した先輩たちの進路がわかります。また、人物検索で著名な医師の名前を入力すれば、出身大学がわかります。ぜひ活用してみてくださいね。