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大工の仕事内容や年収を解説!資格や大学で選ぶ学部・学科についても紹介

2023.02.22

カテゴリー:
屋根を作る大工の男性

皆さんがいつも暮らしている街を見渡すと、近所や学校の周りには、数え切れないほどたくさんの建物が建っているでしょう。これらの住宅の一つひとつが、大工さんたちが一生懸命に工事をして建てたものです。この記事では、私たちの社会に欠かせない、大工の仕事についてご紹介します。また、大工を目指すためにおすすめの大学の学部など、役立つ情報もお伝えします。進路について考え始めたら、ぜひ読んでみてください!

大工の種類3つ

  • 木造建築をつくる「家屋大工」
  • コンクリートの建物をつくる「型枠大工」
  • 寺社仏閣の修繕をする「宮大工」

木造建築をつくる「家屋大工」

木材を使った建物を扱う大工を「家屋大工」と言います。家屋大工は町大工とも呼ばれ、

戸建住宅(=集合住宅ではない、一般的な一軒家のこと)を建築します。ほかにも、規模の小さな店舗やアパートなどを木造で建てることもあります。

コンクリートの建物をつくる「型枠大工」

型枠大工とは、ビルなどの鉄筋コンクリートの建築に携わる大工です。鉄筋コンクリートの建築は、まず、建物の土台や柱、壁の形を決めるための「型」を作ります。これは、木や鋼材を使って、コンクリートを流し込む前に建物の形を作る枠組みのことです。

型枠大工は建築図面を見て、正確な寸法や形状を考え、その通りに型を組み立てます。コンクリートが硬くなると、その形に建物ができあがります。

寺社仏閣の修繕をする「宮大工」

宮大工は、お寺や神社などの建物を作る職人さんです。彼らは特別な技術で、美しい木造建築を生み出します。まず、建物の設計図を見て、どんな形になるか考えます。そして、厳選された木材を使って柱や梁、屋根などの部分を丁寧に作り上げます。

宮大工の技術は、建物の耐久性と美しさを守るために欠かせません。お寺や神社の建物は宗教的に重要なので、宮大工の仕事はとても尊重されています。

大工の主な仕事内容3つ

内装工事をする大工の男性

大工の主な仕事内容3つは、以下のとおりです。

  • 建築に使う材料の加工
  • 現場での組み立て
  • 事務作業

建築に使う材料の加工

大工は、建築士がデザインした設計図をもとに、必要な建材とその数量を確認し、材料の加工を行います。加工とは、木材の切断や寸法の調整、表面の仕上げ作業のことで、のこぎりやかんななどの道具を使用します。

また、異なる木材を巧みに組み合わせ、建物の骨組みを構築する「接合」も担当します。近年では、これらのプロセスの一部を工場で行う「プレカット」が一般的になりつつあり、これにより作業の合理化や精度向上が実現されています。

現場での組み立て

運び込まれた建材を検査し、品質確認や微調整を施した後、骨組みの組み立てが始まります。工程は現場により異なりますが、通常は建物全体の骨組みから始め、その後に外壁の下地を作ります。

建物の基礎部分は雨水の侵入を防ぐため、全体の骨組みを1〜2日で組み上げ、その後に外壁下地の施工を一気に進めることが求められます。組み立て作業は、スピードと正確性が重要です。

事務作業

大工の仕事は、単に手を動かすだけでなく、設計図の理解や工程管理、施主とのコミュニケーションなど、デスクワークも含まれます。

建築業界ではIT技術の進化が進んでおり、大工がCAD(コンピュータ支援設計)ソフトを利用して業務を行うケースも増えています。このため、ITスキルを身につけることは大きなアドバンテージです。

設計支援ソフトを使って設計作業を行うことで、より効率的で正確な作業が可能になります。大工の仕事は多岐にわたり、技術と知識だけでなく、デジタルツールの活用も重要なスキルとなっています。

大工の想定年収

大工の年収は全国平均で405.5万円、月額の求人賃金は全国平均で26.7万円となっています。大工の仕事では、高度な知識や技術を持つ職人になると収入が高くなります。そのため、見習いとして働き始める20代はもっとも年収が低く、40代後半のピークへかけて徐々に年収が高まっていくのが特徴です。

【参考】職業情報提供サイト(日本版O-NET)
URL:https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/26

大工のやりがい

自分の働きによってお客様の住まいを形にできるのは、大工の仕事のやりがいだといえます。仲間と協力して運んだり組み立てたりしたものが、最終的に一つの住宅という形で完成したときは、大きな達成感を得られるでしょう。ときには、工事中の現場へ見学に来たお客様が、建物が出来上がっていく様子に感動する姿を見て、誇らしくなることも!自分たちの頑張りが数十年以上にもわたり形に残り、人から感謝されることも多い仕事です。

大工に向いている人

高所で軒天の取り付けを行う大工

大工の仕事にはどんな資質やスキルが必要なのでしょう?向いている人の特徴をお伝えします。

大工に向いている人の特徴として、以下の4つを紹介します。

  • 学ぶ意欲が強い
  • 協調性がある
  • 体力がある
  • 空間認識能力が高い

学ぶ意欲が強い

大工の仕事では身に付けるべき知識や技術が多くあります。見習いの頃は、親方(=指導や監督をする職人のこと)や先輩の仕事を目で見て覚えなければならないことも多々あるでしょう。大工として技能の上達を目指して学び、いち早く仕事を覚えて一人前になれる人は、職場で歓迎されるはず!

協調性がある

住宅が完成するまでには非常に多くの工程があり、基本的には複数人で協力しながら作業を行います。高所での作業や危険な機材を使用する作業もあるため、安全のためにもコミュニケーションは必須。それに、電気・ガス・水道の工事業者や、建材や建築重機の業者をはじめ、ほかの業者とも連携しなければなりません。現場では人と協力しながら、ミスなく安全に仕事を進めていく意識も求められます。

体力がある

長時間にわたり屋外で作業を続ける大工には、体力が不可欠。真夏や真冬、悪天候などの状況下でも作業をこなせるだけの体力がなくてはなりません。重たい資材や道具を安定して持ち運んだり、高所や足元が不安定な場所を行き来したりできる、運動能力の高さも求められます。

空間認識能力が高い

平面の設計図を見て立体的な構造物を作る大工の仕事には、空間認識能力に優れている人が適しています。設計図から速やかに立体をイメージして、正確な完成形を目指すことができると理想的です!

大工になるには?

大工になるため建築について学ぶ大学生の男性

大工になるための方法は、以下の2つです。

  • 工務店やハウスメーカーに就職する
  • 経験豊富な大工の親方に弟子入りする

具体的な求人情報は、インターネットで検索したり、ハローワークに登録して求人情報を探したりするなどの手段があります。自身の希望や目標に合った方法で、大工としてのスタートを切ることができます。

大工に必要な資格

大工になるために必須の資格は基本的にはありません。ただし、知識力や技術力で信頼を勝ち取り、安定して仕事を得られる大工を目指すなら、資格を取得することで有利になります。

難易度の高い資格を持っていると、専門性の高い知識や技術の証明になりますよ。また、仕事では現場へ工具や資材を運ぶ際などに運転免許が必要なことが多いので、取得を目指すと良いでしょう。

大工の資格として挙げられるのは、国家資格である「建築大工技能士」です。こちらの資格には、難易度の高い順に1級・2級・3級のレベルがあります。2級以上では受験資格が設けられているため、取得を目指すならチェックしておきましょう。

特に、もっとも上位の1級では、大学・短大などの卒業者は実務経験の条件が優遇されています。たとえば、学歴等の条件を満たさない場合、7年の実務経験で受験資格を得られます。それに対して、大学卒業者なら4年、短大卒業者なら5年の実務経験で受験資格を得られるのです!

大工になるためにおすすめの学部

大工を目指して大学で勉強するなら、建築学部・理工学部・工学部などで、建築に関する学問を修めるのがおすすめです。建築学科・建設学科・環境科・住宅環境科といった学科やコースを選択すると、大工の仕事で役立つものづくりの知識を、体系的に学ぶことができますよ。また、大学によっては実習に力を入れているので、学生のうちから充実した設備を利用して、現場で必要な技術をしっかりと習得できるのも魅力といえます。ものづくりを一から学べるだけでなく、社会で役立つ幅広い教養を身に付けた上で就職できますよ。なかには「建築大工技能士」をはじめとした資格の受験対策として、学内で講座を開催している大学もあります。学びたい人に手厚いサポートが用意されているのも、大学へ通うメリットの一つです。

大工が働く場所

大規模な木造建築の施工に携わる大工の男性

未経験から大工の仕事を始めたら、まずは工務店に就職するか、個人で仕事を請け負っている親方に弟子入りをして、見習いとして仕事の経験を積んでいくのが一般的です。多くの大工は、工務店で働いています。工務店では、新築住宅の建築や、既存の住宅のリフォームなどを担います。なお、大工のなかには神社仏閣を専門とする「宮大工」や、木造船を専門とする「船大工」などの特殊な職種も!その割合は非常に少ないものの、伝統的な技術を持つ職人に弟子入りする大工もいます。

大工のキャリアプラン

一人前の大工になったら、将来は親方になり独立を目指したり、家業を継いだりする道があります。ほかに、建築の知識や技術を向上させて、活躍の場を広げる道もあります。たとえば、国家資格の「建築施工管理技士」を取得すると、専任技術者・主任技術者・監理技術者といった責任ある役割を担えるようになりますよ。これらは建設業許可を受けるために必須の技術者であり、工事が適切に行われるように管理や監督を行います。また、大工として働く人のなかには、国家資格である「二級建築士」の資格を取得する人も!こちらの資格があれば、戸建住宅の設計を担えるようになりますよ。現場の仕事で経験を積んだら、管理や監督、設計の仕事にもチャレンジしてみては?

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ここまで、大工の仕事について解説しました。大工になるために必須の資格はないものの、建築現場の仕事では専門知識や技術が求められます。仕事で役立つ国家資格を取得するにあたり、大学で学んだことを活かせたり、大学卒業により受験資格が有利になったりすることも。進路を考え始めたら、ぜひ「JOB-BIKI」を使って大学を探してみてくださいね。「JOB-BIKI」の検索画面で、業種の「建設・建築」を選択すると、大工を含む建設・建築業界で働く先輩たちの出身大学がわかります!

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