指揮者とは?|仕事内容や求められる資質、飛鳥なスキルとは?
2023.03.06
オーケストラや吹奏楽、合唱などの演奏で欠かせない存在である指揮者(コンダクター)。演奏家たちをまとめ上げ、観客に素晴らしい音楽を届けます。指揮者に憧れを持つ音楽好きの人も多いかもしれませんね。指揮者になるためには、どんなスキルが必要で、どんな勉強をすれば良いのでしょうか。今回は、指揮者の仕事内容や求められる資質・スキル、なるための方法、著名な指揮者の出身大学などをご紹介します。
目次
指揮者の仕事の内容や想定年収
指揮者は具体的にどんなことを行う仕事なのでしょうか。まずは、指揮者の仕事内容ややりがい、想定年収について確かめていきましょう。
指揮者の仕事の内容
指揮者の仕事は、オーケストラや合唱団、オペラ、ビッグバンドなど、さまざまな演奏で指揮をとることです。多くの演奏家がひとつになって曲を作り上げるため、指揮者が楽団をまとめ上げることが求められます。普段の練習では曲を分析してどんな表現をするかを研究し、演奏者へ指示していきます。本番までにクオリティを高めるため、ときには演奏家たちと議論を交わすことも。そうして練習やリハーサルを重ねて本番になったら、観客の前で指揮を行います。
指揮者の仕事のやりがい
指揮者の大きなやりがいといえるのが、演奏の方向性を決めること。たとえ同じ曲であっても、指揮者が変わることで雰囲気が一気に変わってしまうことは珍しくありません。自分の理想とする演奏を作り上げることができるのは、指揮者の仕事の魅力です。
その代わり、指揮者は演奏の責任をすべて負うことになります。演奏にミスが出たときは指揮者が批判を受けることもあるでしょう。プレッシャーを感じることもありますが、苦労を重ねて素晴らしい演奏ができたときは大きな喜びを得られるはず!観客から盛大な拍手をもらえた瞬間、これまでの苦労が報われる気持ちになれますよ。
指揮者の想定年収
指揮者の仕事では、コンサートなどがある度に報酬を得るのが基本です。定期的に仕事があるとは限らず、収入が安定しているとはいえないので、音楽教室の講師などを掛け持ちしている人もいます。オーケストラに所属した場合は固定給をもらえる場合がありますが、そういった団体の数は少ないようです。
指揮者になりたての頃は依頼される仕事も少なく、収入が低いことも珍しくありません。有名な指揮者は指揮をする機会も多く、年収も高くなります。そのため、指揮者の想定年収は200万円程度~800万円程度と幅があります。
指揮者に求められる資質やスキル
指揮者として働くためには、音楽に関する深い知識やスキルが欠かせません。こちらでは、指揮者に求められる資質やスキルをご紹介します。
音楽に対する鋭い感性やセンス
演奏する音楽の雰囲気や完成度は、指揮者次第で変わることがあります。演奏家たちを導く存在である指揮者には、鋭い感性やセンスが欠かせません。
楽曲に対する理解力
演奏する楽曲には、それぞれ作曲家の意図が込められています。より良い演奏を届けるためには、楽譜を読んで理解を深め、表現に生かせる能力が必要です。
楽器の知識
曲の練習中は、演奏家たちに納得してもらえるように指導することが必要です。楽器についての深い知識がなければ、しっかりとした説明をするのは難しいでしょう。また、自分でも演奏できる楽器が多いと、具体的な指導をしやすくなります。
リーダーシップ
指揮者には、多くの演奏家から信頼されるためのリーダーシップも求められます。さまざまな価値観を持つ演奏家たちとコミュニケーションをとりながら演奏を作り上げていくことが大切です。
指揮者になる方法と著名人の出身大学
指揮者になるにはどのような方法があるのでしょうか。こちらでは、指揮者になる主な方法や、有名な指揮者の出身大学をご紹介します。
指揮者になる方法
指揮者になるためには、音楽大学の指揮科に進学するのが一般的なルートです。さまざまな楽器や声楽、作曲などの知識のほか、指揮のテクニックや楽団をまとめるスキル、演奏技術など、指揮者に必要なことを学んでいきます。指揮者を目指す人のなかには、海外の大学へ留学する人も。留学する場合はもちろん、語学力を鍛えておくことが大切です。日本で活動する場合でも国外の楽譜を取り扱うケースがあるので、外国語を学んでおくと役立ちます。
ただし、大学で必要な科目を修めても、誰もが指揮者になれるわけではありません。大学卒業後はプロの指揮者へ弟子入りしたり、楽団に所属したりといった方法で下積み時代を経験し、技術を身に付けていくことが一般的です。
プロの指揮者に弟子入りした場合は、直接指導を受けながら指揮の腕を磨くことができます。機会があれば、実際に指揮をさせてもらえることも。ただ、プロの指揮者の人数は多いわけではないので、弟子入りするのも難しいとされます。
楽団やオーケストラなどに所属するためには、オーディションを受けて合格する必要があります。ただ、有名な楽団にはすでに実績のあるプロの指揮者が在籍しています。新人がいきなり指揮者として採用されるのは難しいので、見習いとして入団することになるでしょう。
また、こうした下積みを続けながら指揮者コンクールの入賞を目指すことが一般的です。コンクールで賞をとることで有名になり、指揮を任されるチャンスが増えていきます。実績を重ねていくことで楽団などの指揮者に採用されやすくなることも。人気の高い指揮者になれると、さまざまなオファーが来るようになります。
このように、指揮者になるためには音楽について学び、下積みをしながら実力を身に付ける努力が必要です。ただ、指揮者として活躍できるようになるのはほんの一握り。狭き門である指揮者を目指すには、こういった努力を続けながら困難な道を乗り越えていく覚悟も必須といえます。
著名な指揮者の出身大学
指揮者になりたいけど、どんな大学を目指せばいいのかわからないという人もいるかもしれませんね。そんなときは、有名な指揮者の出身大学を参考にしてみましょう。
- 小澤征爾さん:桐朋学園短期大学(現:桐朋学園大学音楽学部)卒業
- 佐渡裕さん:京都市立芸術大学音楽学部フルート科卒業
- 小林研一郎さん:東京藝術大学作曲科卒業、同大学指揮科卒業
- 下野竜也さん:鹿児島大学教育学部音楽科卒業
- 西本智実さん:大阪音楽大学作曲学科卒業
- 山田和樹さん:東京藝術大学指揮科卒業
このように、活躍している指揮者の方々は、音楽系の学部出身であることが多くなります。人によっては大学卒業後に海外の音楽大学に留学して、指揮についてさらに深く学んでいくこともあります。
指揮者のキャリアプラン
努力の末に指揮者になれた後は、どんなキャリアを積んでいくケースが多いのでしょうか。最後に、指揮者のキャリアプランについてご紹介します。
指揮者になれた後は、さまざまな演奏会で指揮を行いながら経験を積んでいきます。プロやアマチュアの楽団で指導したり、音楽教室の講師になったりする人もいます。超一流の指揮者として認められると世界各地を飛び回るようになり、トップレベルの楽団やオペラなどの指揮を任されることも。音楽大学の教授になり、指揮者を目指す学生を指導する側に回ることもあります。
所属する楽団によっては正指揮者、常任指揮者、名誉指揮者、桂冠指揮者といった階級がある場合もあります。指揮者を長く続けて実績が認められると、上の階級にステップアップできることがありますよ。
また、指揮者の経験を生かして音楽監督になるパターンも。音楽監督とは、楽団などをまとめる責任者のことです。楽団の方向性や活動内容を決めたり、演奏家の人選を行ったりできるようになります。その場合、音楽的な能力はもちろん、楽団をしっかりと導いていける能力も必要とされます。
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