スポーツインストラクターになるには?仕事内容や主な就職先
2023.03.14
スポーツインストラクターは、健康維持のために運動をしたい人や、本格的に身体を鍛えたい人が目的を達成するためにサポートする職業です。実際にどのようなことをするのでしょうか。スポーツインストラクターの仕事内容や仕事に就くための方法、主な就職先について紹介するので参考にしてみてくださいね。
目次
スポーツインストラクターとは?
スポーツインストラクターは、正しい運動のやり方やトレーニング方法を教えたり、技術指導を行ったりする職業です。実際に施設利用者や生徒といっしょに体を動かして指導します。
具体的にどのような仕事をしているのか、混同されがちなスポーツトレーナーの違いとともに見ていきましょう。
スポーツインストラクターの仕事内容
スポーツインストラクターの仕事内容は、働く勤務先によって異なります。フィットネススタジオでダンスを踊ったり、スイミングスクールで水泳の指導をしたり、ヨガを教えたりする場合もあります。
インストラクターとして携われるスポーツ分野や働く場所は、多岐にわたります。スポーツ分野に合わせてヨガインストラクター、ゴルフインストラクターというように呼び方が変わるのがスポーツインストラクターの大きな特徴です。
フィットネスクラブやスポーツジムで働く場合、ダイエット・健康維持・体力づくりといった目的を持つ利用者のトレーニング計画を作り、目標達成のサポートをします。最適なトレーニングメニューの作成や技術指導をするためには、幅広いスポーツの知識や身体機能に関する知識が必要です。
また、安全に配慮してケガの予防やメンタルケアも行います。利用者が気持ちよくスポーツを続けられるようにサポートするのも、スポーツインストラクターの仕事です。
スポーツインストラクターとスポーツトレーナーの違い
スポーツトレーナーは、実際に体を動かして教える機会は少なく、技術を得るために必要なケアを行うのが主な仕事です。栄養管理や体調面のサポート、メンタルケアを中心に行います。
スポーツトレーナーの仕事について詳しく知りたい方は、こちらの記事も読んでみてください。
スポーツインストラクターの仕事のやりがい
スポーツインストラクターの仕事のやりがいは、利用者の悩み解消や目標達成に携われることです。「あなたの指導のおかげで、体力がついたよ」と笑顔でいわれれば、これからもがんばろうと思えますよね。
また、スポーツの魅力や楽しさを伝えられるのも、やりがいのひとつです。技術や知識を教える仕事ですが、指導を通じて「身体を動かすのが楽しい!」と感じてもらえる喜びもあります。
人を直接サポートする仕事なので、働く中でたくさんのやりがいが感じられます。
スポーツインストラクターの想定年収
スポーツインストラクターは活躍の幅が広く、働き方や働く場所によって年収は大きく変わります。例えばスタジオレッスンのあるフィットネスクラブならば、担当するレッスン数が多いほど収入は上がります。
レッスンを任せてもらうには、指導できるだけの経験や実力が必要です。働くフィットネスクラブによって基準は異なりますが、レッスン数を増やすには指導技術を高めなければなりません。
「教え方が上手い」「この人に教えてもらいたい」といわれる人気インストラクターになれば、多くのレッスンを任せてもらえるでしょう。
スポーツインストラクターの平均年収についても調べました。厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、平均年収は418.4万円、平均月収は22.4万円です。地域や職場によって金額は変わるため、実際に働いてみたい職場の募集内容から採用条件を確認するとイメージしやすいですよ。
また、人気のあるインストラクターは独立してフリーで活動したり、スポーツチームの専属インストラクターになったりしています。そのような場所で活躍している人の中には、年収1,000万円以上稼いでいる人もいます。実力次第で高収入を得られる職業です。
スポーツインストラクターに必要な知識と能力
スポーツインストラクターになるには、何が必要でしょうか?必要な知識と能力についてお伝えします。
人体に関する知識
スポーツインストラクターは、技術指導を行うためにさまざまな知識が必要です。トレーニングに関する知識はもちろんのこと、身体構造など人体に関する知識も必要です。
人の健康や身体づくりをサポートする仕事なので、責任が伴います。利用者が理想とする身体づくりをするためには何が必要なのか、どこを鍛えれば身体がどのように変わるのかを論理的に理解しなければなりません。
指導力
スポーツインストラクターはさまざまな目標を持つ人を指導します。ダイエット目的の人がいれば、本格的に筋肉を鍛えたい人もいます。目的によっても人によっても指導の仕方は変わりますね。
型どおりの指導だけでは単調になってしまい、利用者を飽きさせてしまいます。部活動を想像してみてください。楽しい仕掛けをしてくれる顧問と、淡々とトレーニングばかりをさせる顧問ならば、どちらの指導を受けたいでしょうか?スポーツインストラクターにとって利用者のモチベーション維持も大切な役目です。技術指導を行う際は、いかに楽しく続けられるかを考えなければなりません。
コミュニケーション能力
スポーツインストラクターに欠かせないのがコミュニケーション能力です。積極的にコミュニケーションを取ってくれるスポーツインストラクターには、利用者も心を開きやすいです。何かあったときに相談しやすく、トレーニングを続けるモチベーションに繋がります。
日頃から挨拶や声がけは必須ですが、特に以下の2つの能力は欠かせません。
・「説明力」伝えたい情報をわかりやすく説明する力
・「傾聴力」利用者の話をじっくりと聴く力
正しく利用者を導くためには、相手に理解してもらい相手のことを理解する力が必要です。
自己管理力
どの職業にもいえることですが、指導する身として特に意識したい能力です。自分の健康管理がなっていない人に、教えてもらいたいとは思えませんからね。
適切な睡眠や食事管理は必須です。実際スポーツインストラクターは、自分自身のトレーニングや身体づくりは欠かさず行っています。
スポーツインストラクターになるための方法
スポーツインストラクターとして就職する上では、資格や学歴は必須ではありません。実際、アルバイト勤務から正社員になる人もいます。
しかし、スポーツインストラクターの多くは、大学や専門学校で専門的知識を学んで就職しています。実務経験に活かせる勉強ができ、卒業時に運動指導に関する資格が取れるからです。専門知識を持っておくと、利用者に技術を教える際に安全なスポーツ指導ができますよ。
スポーツインストラクターになるための勉強ができる大学・学部
スポーツインストラクターの勉強ができる主な大学を紹介します。
- 東京有明医療大学(東京)
- 大阪行岡医療大学(大阪)
- 至学館大学(愛知)
- びわこ成蹊スポーツ大学(滋賀)
- 大阪体育大学(大阪)
体育大学やスポーツ大学をイメージする人が多いと思いますが、人の身体の構造に関する勉強も必要なため、医療大学からも目指せますよ。
また、スポーツインストラクターに必要な勉強ができる学部はたくさんあります。
- 保健医療学部
- 健康科学部
- 体育学部
- 健康福祉学部
スポーツインストラクターは、トレーニングや運動だけでなく利用者の健康面も考えなければなりません。上記の学部で学べば、自分1人で学ぶのが難しい医療や健康に関する知識が得られますね。
また、体育大学ならば、アスリートとしてスポーツをがんばる人が身近にいます。本格的なトレーニングをしている人が近くにいると、就職前からインストラクターになった自分をイメージしやすいでしょう。
スポーツインストラクターに必要な資格や受験すべき試験
スポーツインストラクターとして専門的な知識を有し、指導ができることを証明できる資格があります。必須ではありませんが、取得しておくと知識の裏付けになりますよ。
・JATI認定トレーニング指導者資格(JATI-ATI)
JATI-ATIは、特別非営利活動法人日本トレーニング指導者協会主催の資格です。科学的根拠にもとづいた運動プログラムの作成と指導ができる専門家の証明になります。日本の資格なので、日本の環境にあった理論や知識が身につけられます。
・NSCA認定パーソナルトレーナー(NSCA-CPT)
NSCA-CPTは、アメリカ発祥の団体が運営するパーソナルトレーナーの国際資格です。医学的・運動生理学的知識やトレーニング指導に関する専門知識が問われます。パーソナルトレーナーの資格ではありますが、スポーツインストラクターにも重なる部分があり、取得しておけば指導の幅が広げられます。
・健康運動実践指導者
健康運動実践指導者は、公益財団法人健康・体力づくり事業財団認定資格です。健康運動実務指導者は、健康づくりを目的とした運動を安全・効果的に実践指導できる能力を持つ証明になります。
スポーツインストラクターの就職先とキャリアプラン
実際にスポーツインストラクターとして働ける場所と、キャリアプランについて紹介します。
スポーツインストラクターの主な就職先
スポーツインストラクターの就職先はたくさんあります。ここでは、代表的な主な就職先を紹介しています。
・スポーツジム・フィットネスクラブ
トレーニングマシンの使い方や技術指導を行います。施設によってプールやダンス、ヨガというように多彩なプログラムが用意されているところもあります。自身の経験や実力によって、スタジオレッスンやプールレッスンを任される場合もあるでしょう。
全国各地に店舗があるため、求人数は比較的多いです。店舗によってトレーニング内容は異なります。大きな施設ならば、複数のトレーニングプログラムが用意されています。勤務先によって、仕事内容が変わるのが特徴です。
・スイミングスクール
小さな子供から高齢者まで、幅広い年齢層の利用者を指導します。実際にプールの中に入って泳ぎ方を教えたり、プールの安全監視を行ったりします。水中の中で指導するため、安全配慮には十分気をつけなければなりません。
水泳指導以外にもアクアフィットネスなど、エクササイズのレッスンを行うこともあります。地上で行うフィットネスとは異なり、水中に特化したトレーニング知識が必要です。レッスン内容を作る機会もあります。
・ヨガスタジオ
ヨガインストラクターとして、ヨガレッスンを行う仕事です。フィットネスクラブの中でヨガレッスンを担当する方法もありますが、ヨガを専門としたい人が働いています。
・子供向けの体操教室
子供に体操やボール遊びなどを通じて、身体の動かし方を教える仕事です。キッズインストラクター、ジュニアインストラクターと呼ばれます。スポーツの知識だけではなく、子供の心や身体の成長に関する知識も求められます。
・公共の体育館
市区町村が運営する体育館やスポーツ施設の中には、グループエクササイズやヨガ、ダンスなどのレッスンを行っている場合があります。基本的には依頼を受けたときにレッスンを行うケースが多いです。
スポーツインストラクターになった後のキャリアプラン
スポーツインストラクターの就職先はさまざまです。はじめはフィットネスクラブやスポーツジムでトレーニング指導を行ってから、自分の好きなスポーツに特化したインストラクターになる方もいます。
人気のスポーツインストラクターになれば、独立してさまざまなスタジオで活躍できるかもしれません。「あなたに教えてほしい!」といわれるスポーツインストラクターになれば、自分で教室を開くこともできるでしょう。幅広い専門知識や資格取得が、活躍の場を広げるきっかけとなります。
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スポーツインストラクターは、スポーツの魅力や楽しさを伝えられ、さまざまな人の目標達成をサポートできる素敵な仕事です。やりがいがあり、自分の好きなスポーツへの知識が活かせます。
体育大学やスポーツ・健康系の学部では、好きなスポーツに関することをより詳しく学べますよ。自分が実際にスポーツをしている時には学べない身体に関することや、技術面の専門知識が勉強できるので、まずは興味のある大学を見つけるところから始めてみてください。
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