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ライターになるには?仕事内容ややりがい、種類やなり方を解説

2023.05.11

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高校生の皆さんの中には、ライターの仕事に興味を持っている人もいるでしょう。ライターは雑誌、Webメディアなどの媒体に載せる記事を書く人のことです。近年は「在宅ライター」「フリーライター」という言葉も知られるようになり、自由な働き方に憧れる人もいると思います。

この記事では、ライターの具体的な仕事内容ややりがい、ライターのなり方について解説します。ライターになりたいと考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。

ライターとは?

資料を集めるライター

ライターは雑誌やフリーペーパー、Webメディアなどの媒体に載せる文章を書く仕事です。客観的事実にもとづいて記事を書き、文章を通じて読者の悩みや疑問を解消したり、読者に情報を提供したりします。

ライターと記者の違い

ライターと記者はどちらも「文章を書く人」を意味します。

ライターは取材をもとに記事を書くこともありますが、必ずしも取材が必要な記事ばかりではありません。また記事に限らず、キャッチコピーや商品のネーミングを考えるコピーライターなど幅広い仕事があり、広い意味で文章に携わる仕事です。

一方記者は、取材した内容を文章に起こし、記事にする仕事です。主に報道機関に所属している人のことを指し、「新聞記者」「雑誌記者」とも呼ばれます。文章を書く仕事の中でも特に「取材した記事を通じて人々にニュースや情報を伝える」仕事といえるでしょう。

ライターと編集者の違い

ライターは媒体に載せる記事を書くのが仕事ですが、編集者は本や雑誌などの媒体全体の制作を担当する仕事です。ライターの書く記事とイラストレーターやフォトグラファーが用意するイラストや写真を組み合わせて、1つのコンテンツに仕上げます。

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ライターと小説家の違い

ライターは自身の調査をもとに客観的な記事を書く仕事であり、媒体によって構成や文体に統一感を持たせるよう工夫する必要があります。小説家は自分のアイデアを自分のスタイルで、小説という1つの作品に仕上げる仕事です。

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ライターと構成作家の違い

ライターは媒体によって自分で記事の構成を考えることもあれば、指定された構成案に従って記事を書くこともあります。構成作家は主にテレビやラジオの番組の企画を考え、リサーチ、台本作成までおこなうのが仕事です。

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ライターとコラムニスト・エッセイストの違い

コラムニストも、雑誌やWebメディア、新聞などに記事を載せることがあります。しかしコラムニストは、ライターが書くようなニュースや本編とは別枠として設けられる「コラム」を書く仕事です。コラムの場合は客観的な事実にコラムニストの主観的な意見が加えられます。

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一方エッセイストも雑誌やWebメディアに掲載される「エッセイ」を書くのが仕事ですが、エッセイストは自分自身の体験など個人的な内容を書く仕事です。ライターやコラムニストと異なり、主観的な感情をメインに書くことが求められます。

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ライターの仕事内容

取材中のライター

ライターの具体的な仕事内容をご紹介します。

前述したようにライターは文章を書く人全般を指すので、仕事内容は多岐にわたります。特に専門分野に特化したライターは、「グルメライター」「トラベルライター」「美容ライター」というようにジャンルで分類されることがあります。自分の得意分野について取材した記事を書いたり、詳しく解説する記事を書いたりします。

また、記事を掲載する媒体・業界や働き方に合わせた名称もあります。

コピーライター
商品のネーミングや広告などのコピーを考えるライターです。主に広告業界で働くことが多く、ブランドを好きになってもらう、商品の良さを知ってもらうなどを目的とした文章を書く仕事です。キャッチーな言葉を選ぶセンスと語彙力が求められるでしょう。

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Webライター
Webライターはインターネット上に掲載される記事を書くライターです。主に企業のサイトやWebメディアに掲載されるコラム、広告の文章などを書きます。インターネットの検索が当たり前になった今は、記事が検索結果の上位に表示されるようSEO(検索エンジン最適化)を意識した文章を書く仕事もあります。

シナリオライター
映画やテレビドラマ、舞台の芝居などの脚本を書くライターです。近年ではゲームやYouTubeの脚本を書く仕事もあります。

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フリーライター
個人で独立しているライターを一般的にフリーライターと呼びます。企業に所属せずフリーランスで仕事を請け負うライターです。

ルポライター
現地を取材し、事実をありのままに書いて伝える仕事です。フランス語で「現地報告」「記録文学」を意味する「ルポルタージュ(reportage)」が語源で、「ノンフィクション作家」とも呼ばれます。現在では主に事件や自然災害などの社会問題や政治、経済などを専門的に書くライターのことをいいます。

ライターの仕事のやりがい

ライターの仕事は、主に下記のようなやりがいを感じられる仕事です。

1.視野が広がる
ライターは調査や取材を重ねて記事を書くので、視野が広がります。

新しいお店や商品を紹介する記事であれば、誰よりも先に新しい店や商品を体験できるでしょう。また取材記事であれば初めての人や場所に出会うことも多く、それまで自分の知らなかった世界を知ることができます。知識と経験が増えればさらに深い記事を書くこともできるでしょう。

2.自分の書いたものが世に出る
自分の文章が世に出て、多くの人に読まれることにもやりがいを感じられます。

自分が時間をかけ、想いを込めてつくったものが人の目に触れたり、役に立ったりすると嬉しいと感じるでしょう。文章を書くのが好きな人は、ライターの仕事で自分の文章が多くの人の目に触れることに喜びを感じられます。

3.文章を通じて人のお役に立てる
ライターは、自分の書く記事でクライアントと読者双方に喜ばれる仕事です。

クライアントの要望どおりの記事を書けば、「これが伝えたかった!」「素敵な言葉で書いてくれてありがとう!」と感謝されることもあります。

また、自分が書いた記事で行動するきっかけをつくったり、悩みを解決したり、読者の生活に影響を与えられる可能性もあります。記事によってこれまで知らなかった世界を知ったり知識を深めたりすることで、読者の心に感動を呼び起こせたら、ライターとしても嬉しい気持ちになるでしょう。

4.自分の名前で仕事ができる
ライター自身の個性が評価されれば、クライアントから「ぜひあなたにお願いしたい」と仕事をもらえる可能性があります。

ライターの書く記事は、同じテーマでも個性が反映されます。書き方や言葉の選び方、考え方や視点など一人ひとりに個性があるので、どれひとつとして同じ記事はありません。自分の個性を存分に発揮し、個性を武器に仕事ができるのもライターの醍醐味です。

ライターの仕事の流れ

ライターの仕事は多岐にわたるので、仕事の流れも様々ですが、大まかに「執筆前」「執筆」「納品」の流れになります。

1.執筆前
・受注/仕事獲得
企業に所属するライターであれば、会社から順番に記事を割り振られることが大半です。フリーランスであれば、自分で仕事を取りに行く必要があります。

企業に直接営業をかけたり、クラウドソーシングなどでライターを募集しているところに応募したりします。知人に案件を依頼してもらったり、SNSで案件を募集したり、ライターのコミュニティに属して仕事を得たりするのも良いでしょう。

・仕事内容確認
仕事を獲得したら、仕事の内容や条件をよく確認します。確認すべきポイントは下記のとおりです。
●  記事の作成方法、フォーマット
●  記事作成のルール
●  納期
●  提出方法
●  報酬

多くの媒体では複数のライターが記事を書くので、媒体のイメージを守るために用語や文体を統一するルールが設けられています。記事のテーマによっては使用禁止用語などもあります。

記事の作成も文章だけのときもあれば、画像を自分で選んだり編集したりする場合もあります。また執筆だけで完了するときもあれば、Web媒体の場合インターネットにアップするところまで担当することもあります。

企業に所属している場合は、記事の作成方法やルール、報酬は固定になるので確認する必要はありません。フリーランスの場合、納期や報酬が理不尽だと感じたり自分のスケジュールでは厳しいと感じたりしたら、交渉が必要です。

2.執筆
・調査/取材
記事の執筆にあたり、必要な場合は調査や取材をおこないます。インタビュー記事の場合、オンラインでインタビューをおこなったり事前にインタビューした録音データを元に書いたりすることもあるので、在宅でも対応できるようになってきています。

・構成作成
記事の材料をあつめたら記事の構成を練ります。すでに出来上がった構成をクライアントから渡されるときもあれば、構成をつくった時点でクライアントに見てもらうこともあります。

・本文執筆
構成に問題がなければ、本文の執筆を始めます。掲載する媒体のルールやイメージに合わせた文体や書き方を意識し、客観的事実にもとづいてわかりやすく書くようにします。

・推敲
一度書き終えたら見直して、誤字脱字がないか、日本語でおかしい部分がないかチェックします。

3.納品
・納品、クライアントチェック
納期までに納品します。クライアントのチェックが通れば完了ですが、修正依頼がくることもあります。

・修正、再納品
クライアントから修正を依頼されたら対応し、再度納品します。

・報酬受け取り
すべての工程が完了したら、報酬を受け取ります。

ライターの年収

ライターの平均年収は、250〜650万円といわれています。雇用形態が多様化しているため、平均年収はかなり幅があります。

正社員でも初任給は月給10〜15万円からスタートするところが多く、副業でライターをしている主婦や学生は月に数千円から5万円で仕事を請け負っていることもあります。在宅・未経験でも挑戦できるということもあり、経験を積むためにまずは1記事数十円〜数百円の仕事から始める人もいます。

一方で取材やインタビューなど足を動かす必要がある仕事や、専門分野に特化した記事は単価が高くなる傾向にあります。フリーライターとして寝る間も惜しんで仕事をしたり、単価が高い案件を請け負ったりすると、年収1,000万円を超える可能性もあります。

ライターに必要な資質と能力

ライターの仕事は「書くこと」ですが、きちんと仕事として「書く」うえで必要な資質と能力は下記のとおりです。

1.言葉・文章が好き
ライターとして仕事を続けていくうえで、言葉や文章が好きであることは重要なポイントのひとつです。

コピーライターの仕事であれば、短い言葉でどれだけのことを伝えるかにこだわるので、言葉選びのセンスや語彙力が試されます。記事を書くライターであれば長い文章をいくつも書く仕事になるので、書き上げるだけの根気や集中力が必要となります。

文章を書くことが好きで、言葉と真剣に向き合うことができる人は、ライターに向いているといえるでしょう。

2.好奇心旺盛
好奇心旺盛であることは、ライターにとって必要な資質のひとつです。

ライターは文章を通じて情報を発信する立場にあるので、常に世の中の動きにアンテナを張っている必要があります。世間の人々が何に興味があってどんな情報を求めているのか、世間で何が流行しているのか、という点に敏感になれば、人々に読まれる記事を書くことができるでしょう。

3.社交性がある
社交性があると、ライターの仕事に含まれる取材やインタビューに対応できます。

取材やインタビューは初めて会う人に話を聞くので、初対面の人とでもすぐに打ち解けられるような社交性がある人にはやりやすいです。ライターとして仕事の幅が広がるでしょう。

4.感受性が豊か
感受性が豊かな人が書いた文章は、人の心を動かすことができます。

取材やインタビューで感じた相手の感情や、自分が体感したことを文章に落とし込むと、その場の臨場感や想いが文章を通じて人に伝わります。想いの乗った文章を書けるライターには、自然と仕事が集まるでしょう。

5.聞き上手
聞き上手で相手の思いを引き出せる人は、取材やインタビューの記事を書くときに活躍できます。

話に真摯に耳を傾けると相手は聞いてもらえることが嬉しくなり、記事に活かせる話をどんどん引き出すことができるでしょう。

6.客観的な視点を持つ
ライターは客観的事実を記事にする仕事なので、常に客観的な視点を持つことが大切です。

単純に自分が書きたいことを書くだけでは、人に伝わる文章になりません。客観的な視点で書くことでクライアントにも読者にも伝わりやすい記事を書くことができます。

ライターになるための方法とは?

文章を考えるライター

ライターになるための方法をご紹介します。ライターは特別に必要な資格はなく、誰でもなることができます。そのため、仕事の質や専門性の高さで周囲と差別化を図ることが大切です。

ライターの世界の現状

ライターの仕事は、今後も必要とされ続けることが予想されます。

インターネットやSNSで検索することが当たり前になり、多くの企業がネット上で自社商品やサービスを知ってほしいと考えています。 自社商品やサービスの認知度、購入率を高めるため、人々の興味を引いて購入へ導く記事を執筆するWebライターの仕事は、需要が高まっていくでしょう。

AIが文章を書けるようになってきてはいますが、読みやすい文章や文体を真似した文章はつくれても人の心に響く記事を生み出す域には達していません。インタビューで人の思いを受け取ったり、現地取材で見て感じたりすることは人間にしかできず、感じたことを言葉にして人に届けるのもフリーライターやルポライターにしかできない仕事です。

ライターになるための勉強ができる大学・学部

ライターになるために特別に必要な勉強はありませんが、知識が豊富だとライターの仕事に活かすことができます。自分の得意分野をつくるために学ぶ学部・学科を決めても良いでしょう。

大学で学んだ知識を活かして仕事をしているライターもいれば、まったく違う分野で活躍するライターもいるようです。著名なライターの出身大学と学科を簡単にまとめたので、参考にしてみてください。

吉村 克己 ・ルポライター早稲田大学第一文学部
はあちゅう ・フリーライター ・ブロガー慶應義塾大学法学部政治学科
乙武 洋匡 ・スポーツライター早稲田大学政治経済学部
牛窪 恵 ・マーケティングライター日本大学芸術学部映画学科(脚本)
亀山 早苗 ・フリーライター明治大学文学部
東松 寛文 ・旅行ライター ・リーマントラベラー神戸大学経営学部

ライターに必要な資格や受験すべき試験

ライターになるために資格は必要ありません。基本的な文章力や専門的な知識があればライターの仕事はできるでしょう。

専門分野に特化したライターになりたい場合は、各分野の資格を取得しておくと仕事をしやすくなります。学生のうちから取得できる資格には下記のようなものがあります。

● 金融ライター:FP(ファイナンシャルプランナー)
● フードライター:調理師免許
● ビジネスライター:中小企業診断士、キャリアカウンセラー

また、文章力に自信がない人は下記のような資格を持っておくと、就職に有利になるでしょう。特にWebライティングは、変化が激しいIT分野のため常に新しい知識を身につける必要があり、資格も増えてきています。

● 文章読解・作成能力検定(日本漢字能力検定協会)
● 日本漢字能力検定(日本漢字能力検定協会)
● 日本語検定(文部科学省)
● 校正士認定(実務教育研究所)
● ビジネス著作権検定(株式会社サーティファイ)
● Webライティング能力検定(日本WEBライティング協会)
● Webライティング技能検定(日本クラウドソーシング検定協会)
● Webリテラシー試験(株式会社ボーンデジタル)

ライターになるために目指すべき就職先

ライターとして就職する会社は主に下記の2種類です。

編集プロダクション・制作会社
ライターとして最もスタンダードな就職先は、編集プロダクションや制作会社です。

編集プロダクションや制作会社は、主に出版社の下請けとして本や記事を制作しています。本や記事の制作工程におけるライターの仕事を担当するか、制作全体を指揮するディレクターを担当することで、経験を積んでライターになれる可能性があります。

現在活躍しているフリーライターの中にも編集プロダクションや制作会社出身のライターは多く、少々遠回りに感じられるかもしれませんが確実に力をつけられるでしょう。

メディア事業を持つ企業
Webコンテンツに力を入れている企業に、ライターとして就職する方法もあります。

スマートフォンが普及したことで、わからないことは何でもすぐにインターネットで調べられるようになりました。そのため自社でWebメディアを運営する企業も増え、ライターの需要が高まっています。

ライターになった後のキャリアプラン

ライターになった後、どんなキャリアプランがあるのか一例をご紹介します。

編集者・校閲者
同じ文章を扱う仕事として、編集者・校閲者として活躍するライターは多いです。

ライターは編集的視点を求められることも多いため、その経験を活かして編集の仕事に携われるでしょう。校閲は、記事が事実にもとづいて書かれているか、誤解されるような表現を使っていないか、内容にも深く踏み込んで文章を精査する仕事です。日本語のプロフェッショナルとして仕事をしたいなら、校閲者としての道に進むことも可能です。

フリーライター
ある程度経験を積み、実力がついたライターはフリーランスとして独立することもできます。

ライターは資格が不要で誰でもなれるということもあり、フリーライターとして独立しやすい仕事です。多くの場合、編集プロダクションや制作会社、Webメディアの運営企業で経験を積んだあと、業界への人脈を築いたうえでフリーランスになり、仕事をもらえる環境を整えてから独立します。

自分の名前と実力次第で収入が変わるので、やりがいのある働き方といえるでしょう。

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ライターの仕事はWebライターからルポライター、専門分野に特化したライターなど幅広い分野で活躍できる仕事です。

インターネットやSNSで検索することが増えた今、文章で人の心を動かすライターの仕事は、今後も世の中に必要とされていくでしょう。

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