大学教授になる方法は?仕事内容や求められる人の特徴
2023.05.31
大学は、自分が知りたいことを自ら進んで学べる場所!皆さんが今通っている高校とは、違う学び方ができるようになります。そんな大学では、大学生を教育するほかに、大学教授などの先生たちによる研究も行われているのです。まだ大学に通ったことはなくても、「大学で研究して、いつか教授になりたい!」と夢を持っている方もいるかもしれませんね。この記事では、大学教授の仕事についてご紹介します。
目次
大学教授の仕事の内容や想定年収
大学教授の仕事内容、やりがい、年収などの基本的な情報をお伝えします!
大学教授の仕事の内容
大学教授は、研究機関である大学に所属して、主に研究と教育を担う専門職です。大学には以下の役職があり、大学教授はもっとも上の役職となります。
・助教…主に研究を行い、授業科目を担当します。任期があるのが一般的です。
・講師…主に研究を行い、授業科目を担当します。准教授や教授への昇進が期待され、任期がないのが一般的です。
・准教授…主に研究と教育を担います。教育では授業科目に加えて学生の指導を担当します。
・教授…主に研究と教育を担い、教育では授業科目に加えて学生の指導を担当します。また、大学の運営にも携わります。
研究の仕事では、実験や調査などの方法で物事を深く調べたり考察したりして、その成果を論文にまとめあげ、新たな事実を明らかにしていきます。たとえば、皆さんがいつも見ているニュースで「新種の生き物が発見された!」「新たに歴史的な事実が明らかになった!」と聞いたことがないでしょうか。世の中では誰かの研究のお陰で、日々さまざまな事実が明らかになっているのです。
教育の仕事では、大学の授業科目を担当して大学生に専門知識を教えたり、ゼミや研究室で大学生・大学院生に指導したりします。つまり、大学教授は自分自身が研究を行いながら、学生に教える役割まで担っているのです!さらには、所属する大学・学部を運営する仕事にも携わるので、大学組織において責任ある立場であることも大きな特徴といえるでしょう。
なお、大学では「客員教授」と呼ばれる教員も働いています。客員教授は、一定の期間にわたり大学の授業科目を担当します。ビジネスや文化芸術などの分野で高い成果をあげた、知名度の高い人物が採用されることが多いです。通常の大学教授とは異なり、大学の運営を担うことはありません。
大学教授の仕事のやりがい
大学教授は、優れた研究によって世界で初めて事実を明らかにしたり、大学に通う多くの学生を育てあげたりと、多くの面で世の中に大きな影響を与える職種です。また、社会のなかで研究機関として重要な役割を担っている、大学そのものを支える存在でもあります。自分の専門分野を追究して社会に広く貢献できることは、ほかの職種にない魅力といえるでしょう。
大学教授の想定年収
大学教授の年収は、全国平均で1072.1万円となっています。数ある専門職の中でも平均年収が高い傾向にあります。給与は大学の種類や学部によって差が出ることも。たとえば、一般的には国立大学よりも私立大学のほうが、給与が高いとされます。また、医学部など一部の学部では、手当により給与が高くなることがあるようです。ただし、大学教授になるまでの道のりは長く、教授になれる人はほんの一握り。報酬が高いものの、就職する難易度も高い職種だといえます。大学教授になる方法は、後の見出しで詳しく解説するので、併せて確認してみてくださいね。
【参考】職業情報提供サイト(日本版O-NET)
URL:https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/184
大学教授に求められる人
大学教授に向いているのは、どんな人なのでしょうか?仕事の適性についてご紹介します。
研究したいテーマがある
そもそも大学教授を目指す人には、自分の力で追究したいことがあり、人一倍強い知的好奇心や情熱を持っていなくてはなりません。研究したいテーマがあって初めて、研究の道に進むことができます。そのテーマに生涯をかけて向き合える人でなければ、難しい仕事だといえるでしょう。
論理的思考力に長けている
研究をする上で、的確な方法で実験や調査を行ったり、論文を書いて事実を証明したりするためには、論理的思考力が欠かせません。また、大学生・大学院生に対してわかりやすく指導する際も、論理的に考え、説明する力が求められます。
コミュニケーション能力がある
大学教授として自分のゼミや研究室を持つと、担当する学生たちと接する機会が多くあるでしょう。また、大学の運営でほかの教授と協力したり、責任者として准教授をはじめとした異なる役職の教員を統率したりすることも。多様な人と関わる立場上、コミュニケーション能力も必要です。
大学教授になる方法とおすすめの学部
大学教授になるまでの流れや、大学の学部選びについてお伝えします。
大学教授になる方法
大学教授になるまでの一般的なルートは、以下のような流れになっています。
高校→大学→大学院→博士研究員→助教→講師→准教授→教授
高校・大学を卒業した後は、大学院へ進学します。大学院では、まず修士課程へ進み、その後に博士課程へ進みます。それぞれの課程を修了した上で、論文の審査や試験に合格すると、称号が与えられます。修士課程で与えられる称号は「修士号」、博士課程で与えられる称号は「博士号」です。大学教授になるには、大学院で修士号と博士号を取得する必要があります。
その後は博士研究員となって、大学などの研究機関に所属し、研究を続けます。研究の実績を積み重ねることで昇進して教員となり、助教、講師、准教授、教授の流れで役職が上がります。助教以上の役職になると、研究に加えて教育の仕事も担うようになりますよ!助教や講師は大学の授業科目を担当し、さらに准教授や教授は学生の研究指導まで担当します。
最終的に教授になると、研究や教育だけでなく、大学や学部の運営を担う責任の重い仕事を任されるようになります。教授まで昇進するには、研究の実績はもちろん、大学教育を全体的に担当できるだけの高い能力も求められるのです。大学教授になるまでの過程は長く、早い場合でも40代での就任となります。
大学教授になるためにおすすめの学部
大学教授になるには、さまざまなルートがあります。たとえば、一度民間企業で働いてから客員教授となり、助教授から教授になる人もいます。ただし、先ほどご紹介した一般的なルートで大学教授を目指すなら、高校卒業後に大学や大学院で学ぶことが必須。その際、大学進学で選んだ学部が、将来の専門分野へとつながることが多いです。進路を考えるときは、卒業後に大学院へ進学することも視野に入れて、自分が生涯をかけて研究したい分野に関連する学部を選びましょう。
大学教授が活躍する場所とキャリアプラン
大学教授は、大学のほかにどんな場所で活躍しているのでしょうか?活躍する場所やキャリアプランをご紹介します。
大学教授が活躍する場所
大学教授の中には、所属する大学以外の場所で広く活躍している人もいます。有名な例として挙げられるのは、自分の専門分野に関する本を出版したり、講演会の講師を務めたりするケースです。また、コメンテーターとしてテレビ番組に出演する人もいますね。民間企業や自治体と連携して研究を行うなど、大きなプロジェクトに挑戦する人も。専門家という立場を活かして、幅広い場所での活躍が期待できます!
大学教授のキャリアプラン
大学教授は、教員のなかでも一番上の役職になります。就任後は、自分の研究で高い成果を目指す道とともに、大学組織のリーダーを目指す道もあります。たとえば、学部全体の責任者である「学部長」、大学全体の責任者である「学長」といった役職が挙げられますね。一方、研究の道では海外の大学へ活躍の場を広げる教授や、世界的な功績を残してノーベル賞などを受賞する教授もいます。
大学教授になりたいあなたは「JOB-BIKI」で進路検索!
ここまで大学教授の仕事についてお伝えしました。学問を追究しながら、大学教育にも携わる大学教授。研究機関で働いて最終的に大学教授を目指すなら、まずは大学・大学院で自分の専門分野を学ぶことが必須です。大学院へ進学することも踏まえて大学を選びましょう。皆さんが知っている先生たちは、どんな大学で学んだのでしょうか?ぜひ「JOB-BIKI」を使って調べてみてくださいね。検索画面の人物検索に、有名な大学教授の名前を入力すると、出身大学がわかります。進路を考え始めたら、憧れの先生たちの情報を参考にしてみませんか?