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保険外交員になるには?具体的な仕事内容や気になる年収について解説

2023.07.12

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保険の説明をする保険外交員

保険外交員は、家庭や企業を訪問して保険商品を提案・販売する仕事です。「生保レディ」という名前を聞いたことがある人もいるかもしれません。保険商品を販売する仕事といっても、保険外交員は保険会社の営業とは異なります。

この記事では、保険外交員の仕事内容や働き方、気になる年収について解説しています。保険外交員の仕事に興味がある人は、是非読んでみてください。

保険外交員とは?

保険商品の説明をする保険外交員

保険外交員は、保険会社や代理店に所属して保険契約の提案やサポートなどをおこなう仕事です。女性が担当していることが多く、「生保レディ」と呼ばれていたこともあります。

顧客とコミュニケーションをとることが多い仕事で、直接企業や家庭を訪問することもあれば、代理店にいて窓口で契約の対応をすることもあります。

契約後も顧客のサポートを続けるため、人の人生に密接に関わる仕事です。顧客の都合にあわせて仕事のスケジュールが決まることも多々あるようです。

保険外交員と保険会社の営業職との違い

保険外交員は保険契約の提案とサポートをおこなうため、保険会社の営業職と仕事内容はほぼ同じです。しかし保険会社の営業職は会社員なので、会社に決められた時間内で仕事をする、将来的に支社や本社勤務となるなど社内でのステップアップが期待できます。

一方、保険外交員は「雇用契約」を結んで正社員・契約社員として働く方法と、「業務委託契約」を結んで個人事業主として働く、2種類の働き方があります。詳しくは後述しますが、個人事業主の場合は社内でのステップアップや福利厚生の強みを得ることができません。その代わり営業の成果に応じた収入を得ることができる、顧客のスケジュールにあわせて柔軟に対応できるという違いがあります。

保険外交員の仕事内容

外回り営業をしている保険外交員

保険外交員は、顧客とコミュニケーションをとる仕事です。所属する保険会社にもよりますが、多くの場合顧客に会うための外回りで一日を終えます。

社内のチームで進捗や一日のスケジュールを共有したあと、事前にアポイントをとっておいた企業や家庭を訪問します。企業の場合は昼休みの時間帯に訪問できることが多いので、お昼の時間帯に訪問することもあります。

午後も同様に外回り活動をして、時間をつくって次回のアポイントをとります。アポイントの時間が定時を回ってしまった場合は、直帰することもあるようです。

顧客を訪問するだけでなく、自社の保険商品知識を深めたり、営業のロールプレイングをしたりするなど、契約をとるための勉強も仕事になるでしょう。

保険外交員の仕事のやりがい

保険外交員の仕事は、下記のようなやりがいを感じられる仕事です。

顧客と信頼を築ける
保険外交員は、顧客の人生に寄り添って適切な保険契約の提案やサポートをおこなう仕事です。人生にかかわる内容なので、顧客との間にいかに信頼を築くかが契約のカギになります。

信頼を築いた上で適切な提案をすれば、「あなたにお願いしてよかった」「あのとき契約しておいてよかった」と感謝されることもあるでしょう。

また、顧客と信頼が築けていれば、新しく知人を紹介してもらえるなど次の契約につながる可能性もあります。顧客と信頼関係を築いて契約がスムーズにとれるようになると、やりがいを感じられるようです。

女性が働きやすい環境
保険外交員は、以前「生保レディ」という名称で呼ばれていたことからもわかるように、女性が多く活躍している仕事です。そのため、企業によっては休暇制度や社会保険を女性が働きやすいよう整えているところもあります。

女性のキャリアアップを支援していたり、定年後の再雇用をおこなっていたりと、女性でも働きたいだけ働ける、という環境にやりがいを感じる人は多いようです。

頑張った分だけ評価される
保険外交員の給与体系は契約内容によって若干異なりますが、多くの場合成果報酬型です。契約をとれば契約の大きさに応じて報酬やボーナスが支払われるため、自分の努力が収入に反映されることにやりがいを感じられる仕事といえるでしょう。

雇用契約を結んでいる正社員・契約社員の保険外交員に対して、実績次第では役職を与えたり表彰したりするなど、モチベーションをあげる工夫をしている企業もあるようです。

保険外交員の仕事の流れ

保険外交員の一日のスケジュール

実際の保険会社に勤務する、保険外交員の1日の仕事の流れの一例をご紹介します。保険外交員は顧客と関係性を築くのが仕事の要なので、1日中外回り営業をしていることが多いようです。

9:00【朝礼】
ノルマの確認、商品知識などを学ぶ時間もあります。
10:00【面談準備】
・当日のアポイントの確認
・資料準備
・ロールプレイング(営業のシミュレーション)
11:00【担当企業の訪問】
すでに契約している企業にも定例訪問をおこないます。
定期的に訪問し、役に立つ情報を提供するなどして関係性を築きます。
13:00【昼食休憩】
スケジュールに合わせて昼食休憩をとります。
14:00【顧客訪問】
アポイントをとった顧客や、担当エリアの顧客を訪問して回ります。
16:00【活動報告】
・帰社して営業部長や担当者、チームメンバーに営業成果を報告します。
・翌日のスケジュール確認や資料作成をおこないます。
17:00【退勤】
仕事が完了したら退勤します。

上記のスケジュールは正社員・契約社員の場合で、個人事業主の場合は個人の裁量によって1日のスケジュールを決められることが多いです。

そのため子どもがいる家庭でも、子どもの迎え時間に合わせて訪問のスケジュールを組むことができます。保険外交員に女性が多い理由のひとつといえるでしょう。

保険外交員の年収

保険外交員の平均年収は400万円ほどです。

保険外交員の報酬は「基本給」と「外交員報酬」から成り立っており、基本給の月平均に限っていえば20代が20万円、30代が25万円、40代で30万円となることが多いようです。
契約次第でインセンティブやボーナスといった「外交員報酬」が入ってくる仕事なので、契約をとればとるほど年収をあげることができるでしょう。

順調に経験を積み、後輩のマネジメントなど企業の中心で動けるようになると、年収500万円を超えることもあるようです。

保険外交員に必要な資質と能力

保険外交員に必要な資質や能力は、主に下記の3つです。

社交性
保険外交員の仕事は顧客とのコミュニケーションが鍵を握ります。コミュニケーション能力が求められることはもちろん、初めて会う人とも抵抗なく話せる社交性が必要となるでしょう。

保険は将来の不安を取り除くためのものなので、適切な保険商品を提供するためにいかに顧客のニーズを引き出せるかが求められます。社交性があれば、顧客の不安や疑問に寄り添い、適切な提案がしやすくなるでしょう。

粘り強さ
保険外交員の仕事は断られることも多い仕事です。多少の失敗にへこむことなく、何度でも挑み続ける粘り強さが必要となるでしょう。

現在保険商品は企業間でさほど大きな違いもないため、保険外交員や営業マンの人柄で選ぶという人もいます。顧客に信頼される仕事をし続ける粘り強さを持つ人に、保険外交員の仕事は向いているでしょう。

論理的思考能力
保険商品について顧客が正しく理解し、不安を解消して契約してもらうためには、論理的にわかりやすく説明する必要があります。

論理的思考能力があり、まず自分自身が保険商品について理解できる人、それをわかりやすくアウトプットできる人は、保険外交員に向いているといえるでしょう。

保険外交員になるための方法とは?

保険外交員になるためには勉強も必要

保険外交員になるには、「生命保険募集人」として国に登録する必要があります。

個人事業主として働く保険外交員の多くは、一人前に契約をとれるベテランです。そのため、保険外交員になろうと思ったらまずは生命保険会社に入社し、基礎研修を受けるところから始める必要があります。そのあと一般社団法人生命保険協会が実施する業界の共通試験「一般課程試験」を受験します。合格後、金融庁に「生命保険募集人」として登録されます。

「一般課程試験」は生命保険の基礎知識を習得するためのものであり、多くの生命保険会社では研修も充実しているため、きちんと研修を受けていればそれほど難しくないといわれています。

保険外交員の世界の現状

近年、保険外交員の提案で保険に加入する人は少なくなっているといわれています。

ネットで加入できる保険も増えているため、自分で調べて申し込む人が増えたためです。しかし保険の情報について詳しい人はそれほど多くないため、専門家に解説してもらいたいという意見もあります。また、前述したように信頼できる人から説明を受けて契約したい、という理由で保険の加入や乗り換えを検討する人もいます。

そのような人たちにとっては、保険外交員はまだ需要のある仕事といえるでしょう。

保険外交員になるための勉強ができる大学・学部

保険外交員になるためには、下記のような分野を学ぶのがおすすめです。

● 社会科学
● 家政学

保険の種類は幅広く、個人向けの生命保険や医療保険の他、法人向けの海上保険や雇用保険など多岐にわたります。保険の種類によっては、法学や経営学の知識が役立つでしょう。

生命保険会社に就職した卒業生を輩出している大学をピックアップしました。下記はごく一部なので、法学部や経営学部がある大学を中心に探してみましょう。

大学名学部・学科卒業生が就職した生命保険会社
早稲田大学(東京)社会科学部 社会科学科など日本生命保険相互会社
明治安田生命保険相互会社
第一生命保険株式会社
京都大学(京都)法学部日本生命保険相互会社
西南学院大学(福岡)法学部日本生命保険相互会社
明治安田生命保険相互会社
成蹊大学(東京)経営学部、法学部明治安田生命保険相互会社
南山大学(愛知)経営学部、法学部明治安田生命保険相互会社
東海大学(東京、北海道、他)経営学部、法学部第一生命保険株式会社

保険外交員に必要な資格や受験すべき試験

保険外交員になるためには、前述したように「生命保険募集人」として国に登録する必要があります。そのために必要な試験や、他にも役立つ資格や試験についてまとめました。

生命保険一般課程試験
生命保険会社に入社後に受けられる試験です。合格すると金融庁に「生命保険募集人」として登録できます。生命保険一般課程試験は独学でも充分に合格が狙える試験であり、多くの生命保険会社では研修などの手厚いサポートもあるので、合格率は高いようです。

生命保険専門課程・変額試験
生命保険一般課程試験に合格すると、より幅広い保険商品を販売するために「生命保険専門課程試験」「変額試験」を受ける必要があります。取り扱う保険の種類によって必要な試験が異なるため、資格未取得のまま保険商品を販売しないよう注意しなければなりません。

ファイナンシャル・プランニング技能検定
ファイナンシャル・プランナーの資格は必須ではありませんが、多くの生命保険会社が入社後に資格取得を推奨しています。保険商品の種類が多く複雑になっているため、税金に関する知識も必要になるためです。3級は比較的取得しやすいため、学生のうちから取得しておくと良いでしょう。

保険外交員になるために目指すべき就職先

保険外交員になるためには、まずは生命保険会社に就職する必要があります。

生命保険会社に就職してから生命保険募集人として国に登録し、はじめて保険外交員として仕事をすることができます。

保険外交員を目指すのであれば、生命保険会社に就職するための準備をきちんとしましょう。

保険外交員になった後のキャリアプラン

保険外交員のキャリアプランとしては、良い営業成績を上げ続けて保険外交員のプロフェッショナルになるというキャリアがあります。個人事業主であれば定年がないため、60歳を過ぎても現役で収入を得られ続けるでしょう。

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保険外交員の仕事内容やなり方についてまとめました。

保険外交員の仕事は、顧客の人生全般を支える大切な仕事です。社交性や粘り強さがあり、人が大好きな人には向いているといえるでしょう。

保険外交員になるには、まず生命保険会社に就職して必要な試験を受け、「生命保険募集人」として国に登録される必要があります。

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