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児童指導員になるには?主な仕事内容やキャリアプラン

2023.07.20

カテゴリー:
福祉施設を利用する子供と接する児童指導員の女性

世の中には事情があって自分のお家で暮らせない子や、心身の発達の問題から家族の方だけで育てるのが難しい子もいます。私たちが暮らす社会には、そんな子どもたちのために、家庭や学校のほかにも子どもが生活したり学んだりする場所(=児童福祉施設)が用意されています。児童指導員は、こうした施設で子どもたちと接する職種です!この記事では、児童指導員の仕事について解説します。


児童指導員の仕事の内容や想定年収

児童福祉施設で子供の面倒を見る児童指導員

初めに、児童指導員の仕事内容や年収などの基本的な情報を解説します!

児童指導員の仕事の内容

児童指導員は、児童福祉施設で子どもたちのお世話や生活指導などを担う職種です。児童福祉施設とは、0歳~18歳までの子どもの健やかな育成や生活を保障するための施設の総称です。子どもたちは家庭の代わりに施設で生活したり、施設に通って学んだりします。児童指導員が接する子どもたちは、保護者がいない子や、ハンデキャップのある子など、さまざまな事情を抱えています。こうした一人ひとりの特性や状況を理解して、柔軟に接することが必要です。

児童指導員の仕事のやりがい

児童指導員の仕事では、さまざまな事情を抱えた子どもたちと根気強く向き合うことで、成長を感じられる場面も。特に、年齢の低い小さな子どもの育成は思い通りにならないことも多く、すぐに成果が得られるものではありません。だからこそ、「〇〇ちゃんが自分の名前をひらがなで書けるようになった!」といった小さな変化が、大きな喜びにつながるはず!

児童指導員の想定年収

児童指導員の年収は、全国平均で415.7万円です。施設について詳しくは後ほど解説しますが、多くの児童指導員が働く児童福祉施設は、公的な施設と民間の施設に大きく分けられます。施設によって報酬に差が出ることが多いので、ぜひ児童福祉施設の求人情報を調べて将来の働き方をイメージしてみてくださいね。

【参考】職業情報提供サイト(日本版O-NET)
URL:https://shigoto.mhlw.go.jp/Occupation/Detail?occupationId=243


児童指導員に向いている人の特徴

赤ちゃんの世話をしつつ、子どもの勉強を見る児童指導員の女性

こんな人は、子どもたちと触れ合う児童指導員の仕事に向いているかも!仕事の適性をご紹介します。

子どもを支援したいという熱意や責任感がある

児童指導員として働く上でもっとも大切なのは、施設の子どもたちを支援したいという熱意や、子どもたちの成長に対する責任感です。施設での指導では、愛情をもって接した子どもから傷つく言葉を投げかけられてしまうなど、一筋縄でいかないことも多いでしょう。そんなときも子どもを見放すことなく、指導者としての仕事を全うしなければなりません。

柔軟性があり、臨機応変に対応できる

児童指導員が働く施設には、多様な子どもたちが存在します。子どもによって、両親が亡くなっていたり虐待を受けた過去があったりと抱えている事情が異なり、障害の特徴や性格もさまざまです。だからこそ、子どもと接する方法はマニュアルのように決まっているわけではありません。一人ひとりの子どもへ臨機応変に対応できる柔軟性が求められる職種です。

子どもの心理や教育に関する専門知識を持っている

児童指導員の仕事では、子どもの心理や教育に関する専門知識を活かして、施設での育成にあたる必要があります。たとえば、自分の思い通りにならないと指導者を蹴ってしまう子どもがいたとします。そんなとき単に叱るのではなく、「この子が問題行動を起こしてしまう原因は何かな?」と考えて、専門家として適切な対処方法で改善へ導くことが重要です。


児童指導員になる方法とおすすめの学部

実習先で子供の世話をする大学生の女性

児童指導員になるには、どんな進路を選べばいいのでしょう?必要な資格や進路についてお伝えします。

児童指導員になる方法

児童指導員になるには、まず「児童指導員任用資格」が必要です。任用資格は、資格試験に合格して得られる一般的な資格とは異なり、その職種に就くための要件を満たすことで、資格を得られる仕組みになっています。児童指導員の場合、主な要件は以下の通りです!

【児童指導員の主な資格要件】
・大学で社会福祉学・心理学・教育学・社会学を専修する学部・学科の課程を修めて卒業する
・「社会福祉士」や「精神保健福祉士」の資格を取得する
・小中高校の教員免許や、幼稚園教諭の教員免許を取得する

要件はこのほかにもあり、いずれかを満たすことで児童指導員任用資格を得られます。将来、児童指導員になりたい皆さんは、任用資格を得られる進路を選びましょう。

さらに、児童指導員として施設に就職する際は、施設の採用試験に合格する必要があります。試験の内容は施設によって異なりますが、一般教養や児童福祉の専門知識を問われる筆記試験、論文、面接などの方法で選考が行われます。これらに合格すると、いよいよ児童指導員として活躍できるのです!

児童指導員になるためにおすすめの学部

児童指導員任用資格を得るための要件の中には、大学で社会福祉学・心理学・教育学・社会学を学ぶルートがあります。そのため、将来児童指導員として活躍したいと考えているなら、進路選びではこれらの分野を専攻できる学部や学科を選びたいですね。大学で上記の分野を専攻すれば、卒業することで任用資格を得られるのが大きなメリット!進路選びでは、福祉や教育と関連性の高い社会福祉学部・心理学部・教育学部などの選択肢を考えてみてください。


児童指導員が働く場所とキャリアプラン

勉強中の子供を褒める児童指導員の男性

多くの児童指導員は、主に「児童福祉施設」で働きます。働く場所や将来のキャリアまでチェックしてみましょう!

児童指導員が働く主な場所

児童指導員が主に働く場所として、児童福祉施設が挙げられます。たとえば、さまざまな事情から家庭で暮らせない子どもを保護する「児童養護施設」や「乳児院」などです。また、ハンデキャップのある子どもの保護や治療などの支援を行う施設もあります。知的障害を持つ児童が対象の「知的障害児施設」や、視覚障害を持つ児童が対象の「盲ろうあ児施設」などです。児童指導員は幅広い施設で活躍しています!

児童指導員のキャリアプラン

児童指導員として一定の経験を積んだら、関連性の高い「児童発達支援管理責任者」を目指す人も多くいます。児童発達支援管理責任者とは、障害児支援施設への配置が義務付けられている責任者です。施設に所属する児童指導員をはじめとしたスタッフのリーダーとなり、子どもたちを支援するための計画書を作成するといった責任ある仕事を担います。児童発達支援管理責任者になるには実務経験や研修の受講が必要なため、仕事で経験を積んだらチャレンジしてみてはいかがでしょうか?


児童指導員になりたいあなたは「JOB-BIKI」で進路検索!

ここまで児童指導員の仕事についてお伝えしました。社会福祉学・心理学・教育学・社会学などを専攻する大学の学部や学科を卒業すると、児童指導員の任用資格を得られます。将来、児童指導員になりたいなら、これらの学問を修められる進路を選びましょう!

進学先を考え始めたら、ぜひ「JOB-BIKI」を活用してみてください。「JOB-BIKI」の就職先検索を使えば、児童福祉の分野で活躍している先輩たちの出身大学を調べられます。たとえば、検索画面で業種「病院・福祉・介護」から「介護・福祉」を選択すると、児童福祉を含む福祉関連の企業のデータをチェックできます。ぜひ進路選びの参考にしてみてくださいね。

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