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高校教師になるには?目指せる大学の学部、仕事内容や必要な資質を解説

2023.08.28

カテゴリー:
授業を行う高校教師

高校教師になるには?

高校教師になるには、教員免許を取得し、教員採用試験に合格する必要があります。

それぞれ解説します。

1.教員免許を取得する

高校教師になるためには教員免許が必要です。

教員免許を取得するには、教職課程のある大学や短大に入学し、決められた科目の単位を取ります。卒業後、都道府県の教育委員会に免許申請すれば、教員免許を取得できます。

教員免許状を取得できる大学は以下のサイトから確認してみてください。

令和6年度から教員免許状を取得できる大学|文部科学省(令和6年7月16日現在)

2.教員採用試験に合格する

免許取得後は、採用試験に合格する必要があります。

公立高校の場合は、自分が働きたい地域の教育委員会が実施する教員採用試験を受けます。公立高校の教員採用試験は、通常、以下のようなスケジュールで実施されます。

3~4月募集要項の公表
5~8月一次試験、二次試験の実施
9~10月合格発表、採用内定
翌年4月1日採用

日程は年度や地域によって変更される可能性があるため、志望する自治体の教育委員会が発表する最新の情報を必ず確認してください。

私立学校の教員採用は、各学校法人が独自に実施しています。そのため、志望する私立学校の採用情報をウェブサイトなどで個別に確認しましょう。私立学校は公立とは異なり、採用の時期や方法が学校によって異なるため、早めに情報収集を始め、志望校の採用プロセスをしっかり把握しておくことが重要です。

参考:教員免許状に関するQ&A|文部科学省

採用試験の倍率

よりよい授業をするためにどうすればいいか考える高校教師

教員採用試験の倍率を比較すると、小学校が2.3倍、中学校が4.3倍だったのに対し、高校はさらに高い4.9倍となっています。このことから、高校の教員採用は小中学校と比べてより競争が激しいことがわかります。

倍率は各自治体によって異なるため、ホームページで確認してください。

教員採用試験の倍率は近年、減少傾向にあります。これは主に団塊世代の大量退職に伴う補充需要が要因でした。しかし、この大規模な世代交代も落ち着きつつあり、一部の自治体では採用者数を抑制する動きも見られ始めています。このような採用環境の変化を踏まえると、教員を目指す人は、しっかりと準備を進める必要があります。

参考:令和5年度(令和4年度実施)公立学校教員採用選考試験の実施状況のポイント |文部科学省

採用試験の内容

教員採用試験の内容は、以下のとおりです。

【一次試験】

筆記試験一般教養や教職教養に関する試験 教科専門に関する試験
面接試験個人面接、集団面接、集団討論など

【二次試験】

筆記試験小論文
面接試験個人面接、集団面接、集団討論、模擬授業など
実技試験体育、音楽、美術、英会話 など

教員採用には特別選考や試験免除の制度があり、英語資格や特技を持つ人に有利な場合があります。公立学校の試験詳細は各自治体の教育委員会ホームページで確認しましょう。国立・私立学校は個別に採用を行うので、直接問い合わせが必要です。

高校教師を目指せる大学・学部

高校教師を目指すなら、教員免許の取得が必須です。教育大学や教育学部が一般的ですが、他の学部でも教職課程を設けている大学が多くあります。すなわち、数学の教師になるなら数学科などの数学を学ぶ学科で、教職課程を選びます。

【高校の教員免許を取得できる大学の一例】

高校教師の仕事内容

生徒に人気の高校教師

高校教師の仕事内容は、大きく分けると以下の5つです。

  • 授業の計画と実施
  • 生徒の学習進捗の把握と個別サポート
  • 生徒の心理面でのケアとサポート
  • 学校行事やクラブ活動の指導
  • 保護者や学校との連絡・連携

1日のスケジュール例は、以下のとおりです。

8:00~校門に立って登校指導
8:20~職員会議(全体打ち合わせ、学年打ち合わせなど)
8:35~8:45クラスホームルーム
8:45~12:35授業(1~4限)
12:35~13:20昼休み
13:20~15:10授業(5・6限)
15:10~15:20クラスホームルーム
15:20~15:35掃除監督
15:35~19:00職員会議、部活動指導、事務作業など
19:00退勤

高校教師と中学校教師との違い

指導対象と教育内容の違いです。中学校教師は基礎的な学習内容をカバーし、生徒たちの基盤を固めることに重点を置きます。生徒たちの総合的な学びを促進するため、幅広い教科や総合的な学習の時間を設けることもあります。
公立の中学校では学力にばらつきがありますが、高校は入学試験があるため生徒の学力がある程度同じ点も大きな違いです。

中学校教師については下記を参照してください。
中学校教師になるには?仕事内容や求められる資質・能力などを紹介

高校教師と小学校教師との違い

高校教師は高校生を指導し、専門的な知識とスキルを教えます。教えるものは、数学の教師なら数学だけを教えることになります。彼らは生徒たちの進路選択や大学進学に向けて準備する役割を果たします。
一方、小学校教師は幼い子供たちを指導します。彼らは基本的な学習内容をカバーし基礎的な知識と基本的なスキルを教えるでしょう。算数も音楽も体育も担任の教師が教える点が最も異なる点でしょう。

高校教師の年収

総務省が発表している「令和3年地方公務員給与の実態」によると、公立高校の教師の平均年収は約680万円、平均月給は約43万円、ボーナスは基本給の4.45ヵ月分で約165万円となっています。

高校教師の年代別の平均年収や公立高校の年収などについては、以下記事で詳しく解説しています。

公立高校教師の年収と月収は?年齢や私立高校との違い、就職率が高い大学を紹介

高校教師のやりがい

生徒に手厚く教える高校教師

高校教師のやりがいは、生徒の成長を間近で見守り、その未来を形作る手助けができることにあります。教師は自らの経験と専門性を活かし、生徒の可能性を引き出す重要な役割を担っています。

さらに、高校教師の仕事には深い意義があります。自分が関わった生徒一人ひとりが、将来社会を形作り、変革していく存在となるからです。つまり、高校教師は「次の社会を創る人」を育てる、極めてクリエイティブな仕事なのです。

生徒と共に成長しながら未来社会の礎を築くことこそが、高校教師ならではの特別な喜びです。

教師の仕事の魅力については鳴門教育大学(徳島県)の佐古秀一学長にインタビューを実施した記事があります。ぜひ参考にしてくださいね。

教師の仕事の魅力と教育系大学での学びとは?鳴門教育大学長が解説

高校教師に必要な資質と能力

高校教師に必要な資質と能力は、以下のとおりです。

  • 高い専門知識
  • 忍耐力
  • 情熱

順番に解説します。

高い専門知識

高校教師には、担当科目に関する深い専門知識が不可欠です。大学で学んだ内容を基礎としつつ、最新の研究成果や社会の動向にも常にアンテナを張り、知識を更新し続ける姿勢が求められます。

単に教科書の内容を理解するだけでなく、生徒の質問に的確に答え、興味を引き出すような発展的な話題も提供できる力が必要です。

忍耐力

高校教師には、日々の教育活動において高い忍耐力が求められます。生徒一人ひとりの学習進度や理解度が異なる中、粘り強く指導を続ける力が必要です。

とくに、教育現場では予期せぬ状況や困難が生じることがあります。そのような状況に対して冷静に対応し、解決策を見つける力が求められるのです。

情熱

高校教師には、教育に対する強い情熱が不可欠です。この情熱は、生徒の学びや成長を支える原動力となります。

特に重要なのは、教育に対する情熱を持ち、自身の熱意を生徒たちに伝えることができる能力です。この熱意は生徒たちの学習意欲を刺激し、彼らの潜在能力を引き出す鍵となります。

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