スポーツライターになるには?仕事内容や必要な資質などを紹介!
2023.09.28
スポーツライターは、スポーツ好きやスポーツ経験者に人気のある職業で、試合の取材や選手へのインタビューなどを行い、記事を書くことが主な仕事です。
スポーツライターになるには、どのような経験を積めばよいのでしょうか。
仕事内容や求められる資質や能力、学んでおくべきことや収入、キャリアプランについても紹介します。
目次
スポーツライターとは?
スポーツライターとは、野球やサッカーなどのスポーツに関連した記事を書く仕事で、各種スポーツの試合や大会を取材して記事を書く他に、選手や監督などの関係者にインタビューして原稿にまとめるのが主な仕事です。
書いた記事は新聞や雑誌などの媒体に掲載されることで多くの人に読んでもらえるため、スポーツや文章を書くことが好きな人にとってはやりがいのある仕事でしょう。
また多くのスポーツライターは、特定の企業に勤めておらず「フリーランス」といった形態で活動していますが、一方で出版社や新聞社などに勤務して活躍する方もいらっしゃいます。
さらにスポーツライターの中では、野球やサッカーのような人気のあるスポーツなどでプロチームや選手をメインに記事を書く人、大学生や高校生の記事をメインに仕事をしている人もいます。
特定のスポーツの記事のみ担当するスポーツライターもいますが、陸上競技のようにマラソンや高跳びなど複数の競技をまとめて扱うスポーツライターもいますので、ひとくちにスポーツライターとっても幅が広いのです。
スポーツライターになるには、正確な文章が書けることに加えてスポーツに関する知識や経験も求められるため、文章を書くこととスポーツが好きな人には向いている職業といえます。
スポーツライターとスポーツジャーナリストの違い
スポーツジャーナリストもスポーツに関する記事を書くことが仕事です。
仕事内容においてスポーツライターとの明確な違いはないといえますが、違いがあるとすれば書く内容に主観性があるかどうか。
スポーツジャーナリストは、特定の競技に関しての豊富な知識や独自のネットワークを使って、その競技のデータを収集して試合結果の予測なども行い、自分の見解を交えた記事を書きます。
スポーツライターの場合は原則として独自の見解などの主観性を入れずに、新聞社や出版社など記事作成を依頼してきた相手の指示にしたがって記事を書く点が主な違いです。
スポーツライターの仕事内容
スポーツライターの仕事内容は、主にスポーツに関する記事を書くことです。
新聞社や出版社などから依頼を受け、企画内容に沿った記事を書きます。
試合や大会の取材や、選手や監督など関係者へのインタビューをもとに記事を書くといった流れが一般的ですが、仕事を依頼されるときに渡された資料やデータをもとに記事を書くこともあるでしょう。
スポーツライターは野球やサッカー、ゴルフやバスケットボールなど、それぞれ得意分野を持って仕事をしています。
取材やインタビューには事前の下調べや情報収集などの準備が欠かせませんし、限られた時間で読者にとって有益な情報を聞き出すスキルも求められるため、普段から選手やチーム関係者とコミュニケーションを取ることも必要です。
スポーツライターのやりがい
スポーツライターとしてのやりがいは、なんといっても好きなスポーツに携われるということです。
特にスポーツを経験している人であれば、かつて自分が打ち込んでいたスポーツにも関われるでしょう。
またスポーツライターは記事を書くことが仕事ですので、試合内容や注目の選手などについて自分の文章で読者に伝えられることや、記事が出来上がったときの達成感も得られます。
スポーツライターとして特定の選手やチームをメインにした仕事を続ける場合は、その選手やチームの成長を見続けられることもあり、高校野球のように若い世代を中心に仕事をするときは、彼らの成長が間近で実感できます。
スポーツライターの仕事の流れ
スポーツライターの仕事は、情報を集めて記事を書くわけですが、スタート地点は仕事を受注するところからとなります。
仕事は新聞社や出版社の編集部から依頼を受けて記事を書くことが一般的です。
大会や試合の結果といった情報をもとに書く記事の他にも、選手や監督などを取材する「インタビュー記事」を手がけることもあります。
ここでは試合や大会を取材して書く記事とインタビューして書く記事について、仕事の流れを紹介します。
試合の観戦記事の場合
スポーツライターの仕事で多いのが試合の観戦記事で、新聞社や出版社の編集部から依頼を受けて、試合の内容や結果をまとめて記事にします。
例として、毎年夏に甲子園で開催される「全国高等学校野球選手権」を挙げます。
・大会概要や出場校、各校の監督や選手などはあらかじめ確認しておいてから、記事にする試合を観戦
・観戦するときは、記録をとりながら試合展開を追うとともに、ヒットを打った選手なども記録する
・観戦を終えたら、得点が入った回、投手の投球数、試合が動いた場面といった記録をもとに記事の構成を考える
上記の工程を経て構成ができあがったら記事を執筆します。
できあがった記事を依頼者である編集部に送り、喜んでいただくまでがお仕事です。
インタビュー記事を書く場合
「全国高等学校野球選手権」のような大きな大会では、有力チームや注目の選手に大会前にインタビューを行って記事にすることもあります。
インタビュー記事の仕事の流れは以下のとおりです。
・仕事の依頼を受ける
・企画の主旨やインタビューを行う相手を確認
・インタビュー相手が所属する高校へ連絡しアポイントを取る
・アポイントが取れたら、インタビュー相手について事前リサーチを行い質問内容を決める
・インタビューの日時と場所、質問内容がきまったら、企画書にまとめてインタビュー相手の高校へ送る
・インタビュー当日は、開始前に録音や録画することについて許可をもらっておく
・インタビュー終了後、録音データを聞きながら、インタビュー内容を文字にする
・録音データを文字にしたら「あー」「えっと」などの言葉を取り除き、文章としてのカタチに整える
ここまでインタビューの録音を文章にしたら、次に記事の構成を考え、記事を執筆。
インタビューの相手による最終確認が済んだら、依頼を受けた編集部へ記事を送ります。
スポーツライターの収入
スポーツライターは、企業に勤めて働く場合と、企業に勤めずに働く場合の2つのパターンがあります。
令和4年度版の「賃金構造基本統計調査」によると、スポーツライターを含む「著述家・記者・編集者」の平均年収は468万円程度となっています。
また新聞社や雑誌社に勤務している場合は、勤務先の規模にもよりますがおよその年収は350~640万円程度とのこと。
スポーツライターに必要な資質と能力
スポーツライターに必要なスキルや適性、資質には、スポーツが好きであることはもちろんのこと、他にも必要なものがあります。
ここではスポーツライターに必要な資質や能力について見ていきましょう。
文章力
スポーツライターになるには、文章力が必要です。
集めた情報を読者が理解できるように文章を書くことが求められますし、正しい日本語で書くことが重要です。
スポーツライターとして文章力を身に付けるため、ライター講座を受講するスポーツライターもいます。
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情報収集力
スポーツライターが書く記事の内容には正確さが求められるため、情報収集力も必要です。
情報を集めるためには取材先を探して取材を申し込むこともありますし、インターネットで探すこともあります。
情報を集めるときは、最新の情報を集めるとともに情報の正確さを見極める必要があるでしょう。
社交性
スポーツライターとして活躍していく上で社交性も必要です。
仕事を依頼してくれる編集部の人や、取材相手となる選手やチーム関係者と接する機会が多い仕事なため、初対面でも挨拶ができることや明るく会話ができる、物事を論理的に伝えられる人が向いています。
スポーツに対する情熱
スポーツライターはスポーツに関連する記事を書くことが仕事なため、スポーツが好きであることが大切です。
スポーツが好きであれば、試合の内容を記事にする場合も、結果を左右した場面やスポーツ選手の戦略など、より具体的で臨場感のある記事が執筆できます。
また選手や監督にインタビューするときでも、そのスポーツに対する強い興味や情熱を持っていることで、読者が知りたいと思っている質問を投げかけられるでしょう。
スポーツライターは、ほぼ毎日スポーツに関する記事を書くことがほとんどのため、スポーツに対する情熱があれば、楽しく仕事を続けることができます。
スポーツライターになるための方法とは?
スポーツライターになるには必要な資格はありません。
ただしスポーツライターはスポーツに関する知識が必要であるとともに、報道や出版の業界で働くことになるため、大学ではスポーツ関連か報道関連の勉強をしておくことをオススメします。
スポーツライターになるための勉強ができる大学や学部について見ていきましょう。
スポーツ関連のことが学べる大学・学部
スポーツライターを目指すなら、スポーツに関係のある知識が身に付く大学・学部への進学がおススメです。
特に以下の大学・学部などでは、人間の体の仕組みや、科学の観点から見たスポーツの世界などが学べ、より具体的かつ根拠のある記事を書くための知識が身に付きます。
<スポーツ関連のことが学べる大学・学部>
・早稲田大学(スポーツ科学部)/埼玉
・法政大学(スポーツ健康学部)/東京
・立教大学(スポーツウエルネス学部)/埼玉
・東海大学(体育学部)/神奈川
・日本大学(スポーツ科学部)/東京
報道関連のことが学べる大学・学部
よいスポーツライターになるには、スポーツの知識だけでなく社会の仕組みや情報の伝え方についても学ぶ必要も。
知識を身に付けることで、より伝わりやすい記事の書き方や、読者のニーズの掴み方などがわかるようになるでしょう。
以下のような大学の情報を集めてみることをオススメします。
<報道や出版関連のことが学べる大学>
・東京経済大学(コミュニケーション学部)/東京
・東京工科大学(メディア学部)/東京
・武蔵大学(社会学部)/東京
・龍谷大学(社会学部)/滋賀
・同志社大学(社会学部)/京都
スポーツライターになった後のキャリアプラン
スポーツライターとして多くの仕事をし、経験と知識を得ることでその後のキャリアプランも描けるようになります。
経験と知識の他にも仕事を通じた人脈を活用することで、スポーツメディアのディレクターやスポーツジャーナリストといったキャリアへ進むことも可能です。
スポーツメディアのディレクター
スポーツライターとして経験を積んだ後のキャリアプランとして、スポーツ関連メディアでのディレクターがあります。
スポーツ関連のメディアとしては新聞や雑誌、インターネットが主なものになり、そのメディアにおいて全体を指揮して運営していく仕事です。
どういった情報を載せるのかなどを考える他にも、企画の進行管理やカメラマンやライターへの発注を行うなど幅広い業務を担当します。
ディレクターはスポーツライターよりもメディアにおいての業務範囲が広く、経験や知識が必要です。
そのためスポーツライターとしてできるだけ多くの仕事をして、経験と知識を得るとともに人脈も作っておくとよいでしょう。
スポーツジャーナリスト
スポーツライターからスポーツジャーナリストになる人もいます。
スポーツジャーナリストは、試合結果や選手の移籍、チームで起こったことなどを取材して、新聞や雑誌といった報道機関のために記事を書く仕事です。
スポーツライターが依頼に忠実に記事を書くことを求められることが多いのに対して、自分の主観や見解を記事の中に入れることもスポーツジャーナリストの特徴といえるでしょう。
実績を積んだスポーツジャーナリストは書籍を出版したり、コメンテーターとして活躍したりすることもあります。
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