銀行員の年収や月収は?地域別、年代別、メガバンクと地方銀行の違いも解説
2023.11.24
銀行員は、大切なお金を預かったり貸し付けたりする、高い信用性を求められる職種です。ビジネスの規模によっては億単位の大きな金額が動くこともあり、責任の重い仕事だといえるでしょう。将来、銀行員として金融業界で活躍するなら、どれくらいの年収が期待できるのでしょうか?この記事では、銀行員の平均年収や、就職実績がある大学までさまざまな情報をお伝えします。
目次
銀行員の平均年収・月収は?
厚生労働省の職業情報提供サイトで公表されているデータによると、銀行員の年収は全国平均で607.1万円です。また、月額の求人賃金は全国平均で25.3万円となっています。一般的に、銀行員は長年にわたり銀行へ勤務し、仕事の経験やスキルが高まるほど収入も高くなる傾向にあります。そのため、銀行員の年収をチェックするときは、年代別のデータも併せて確認しておくと良いでしょう。年代別の平均年収については、後の見出しで詳しく解説します。
【全国の平均年収】
銀行員の平均年収 | 月額の求人賃金 | |
全国 | 607.1万円 | 25.3万円 |
続いて、全国各地の平均年収も見ていきましょう。地域別の平均年収でもっとも金額が高いのは、東京都の718.1万円です。次いで、宮城県の648万円、大阪府の640.1万円、三重県の638.3万円、神奈川県の638万円の順に金額が高くなっています。東京都の銀行員の平均年収は、全国平均よりも100万円以上高いことがわかります。銀行員として勤務する地域によって、年収に差が出る可能性があることも押さえておきたいですね。将来、銀行員を目指したいあなたは、ぜひ以下の表で働きたい地域の平均年収や月額の求人賃金を確認してみてください!
【地域別の平均年収】
都道府県 | 銀行員の平均年収 | 月額の求人賃金 |
北海道地方 | ||
北海道 | 602.5万円 | 19.7万~29万円 |
東北地方 | ||
青森県 | 449.7万円 | 18.2万~23万円 |
岩手県 | 545.9万円 | 18.1万~27.2万円 |
宮城県 | 648万円 | 20.3万~26.9万円 |
秋田県 | 504.8万円 | ※ |
山形県 | 461.7万円 | ※ |
福島県 | 576.6万円 | 19万~26万円 |
関東地方 | ||
茨城県 | 618.4万円 | 21.2万~29万円 |
栃木県 | 510.8万円 | 20.3万~28.7万円 |
群馬県 | 498.6万円 | 20.1万~26.8万円 |
埼玉県 | 544.3万円 | 20.4万~27.1万円 |
千葉県 | 584.9万円 | 21.2万~28.4万円 |
東京都 | 718.1万円 | 22.9万~32.9万円 |
神奈川県 | 638万円 | 21.1万~30.6万円 |
中部地方 | ||
新潟県 | 459.3万円 | 19.6万~28.4万円 |
富山県 | 565.3万円 | ※ |
石川県 | 582.3万円 | ※ |
福井県 | 575.9万円 | ※ |
山梨県 | 474.2万円 | ※ |
長野県 | 498.7万円 | ※ |
岐阜県 | 529.6万円 | 19.1万~26.6万円 |
静岡県 | 547.7万円 | 20.7万~30.1万円 |
愛知県 | 577.6万円 | 20.5万~34万円 |
近畿地方 | ||
三重県 | 638.3万円 | ※ |
滋賀県 | 515.2万円 | 21.6万~30.6万円 |
京都府 | 619.8万円 | 20.5万~28.3万円 |
大阪府 | 640.1万円 | 21.9万~30.3万円 |
兵庫県 | 593.3万円 | 20万~28.1万円 |
奈良県 | 605.9万円 | ※ |
和歌山県 | 582.9万円 | ※ |
中国地方 | ||
鳥取県 | 518万円 | ※ |
島根県 | 386.4万円 | ※ |
岡山県 | 516.6万円 | 18.7万~28.7万円 |
広島県 | 574.2万円 | 20.3万~31.7万円 |
山口県 | 506.4万円 | 18.7万~27.8万円 |
四国地方 | ||
徳島県 | 530.9万円 | ※ |
香川県 | 601.5万円 | ※ |
愛媛県 | 510.7万円 | ※ |
高知県 | 595.4万円 | ※ |
九州地方 | ||
福岡県 | 530.3万円 | 20.8万~29.6万円 |
佐賀県 | 513.9万円 | ※ |
長崎県 | 399.1万円 | ※ |
熊本県 | 510.6万円 | 18.3万~24.7万円 |
大分県 | 456.6万円 | 19.2万~26.6万円 |
宮崎県 | 552.5万円 | ※ |
鹿児島県 | 528.7万円 | 19.4万~28.2万円 |
沖縄県 | 472.4万円 | 17.8万~23.9万円 |
※調査データなし
【参考】職業情報提供サイト 日本版O-NET(厚生労働省)
URL:https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/454
銀行員の年代別の平均年収
銀行員は、一般的に年齢にともない平均年収が高まる傾向にあります。以下の表では、厚生労働省の職業情報提供サイトのデータを基に、年代別の平均年収をまとめました。
もっとも金額が高くなるのは50歳~54歳で、平均年収は828.43万円です。その一方で、20代前半までの若手の年代では、金額がもっとも低い傾向にあります。たとえば、4年制大学の卒業後に銀行へ就職する場合の年齢は22歳であり、20歳~24歳の平均年収は348.64万円です。50歳~54歳の平均年収と比べると、約480万円の差があることがわかります。
また、50代後半以降の年収の推移にも着目してみましょう。55歳~59歳になると平均年収は753.15万円に下がり、以降は平均年収が400万円台まで下がります。その背景には、銀行員のキャリアが関係しています。多くの銀行では60歳~65歳が定年(=一定の年齢に達したら退職する制度)とされていますが、55歳頃に銀行業務とは別の集配金やロビー案内などの仕事を担ったり、退職したりする人が多いのです。これにともない、55歳以降になると平均年収が下がる傾向にあります。
【年代別の平均年収】
年代 | 銀行員の平均年収 |
19歳以下 | 228.97万円 |
20歳~24歳 | 348.64万円 |
25歳~29歳 | 481.26万円 |
30歳~34歳 | 612.51万円 |
35歳~39歳 | 689.3万円 |
40歳~44歳 | 744.06万円 |
45歳~49歳 | 755.92万円 |
50歳~54歳 | 828.43万円 |
55歳~59歳 | 753.15万円 |
60歳~64歳 | 486.5万円 |
65歳~69歳 | 430.33万円 |
70歳以上 | 447.57万円 |
【参考】職業情報提供サイト 日本版O-NET(厚生労働省)
URL:https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/454
なお、銀行員の年収は、年代のほかにも勤務先の銀行の種類によっても金額に差が出ます。銀行の種類とそれぞれの平均年収について、詳しくは次の見出しで解説します。
メガバンクと地方銀行の年収
メガバンクの平均年収
メガバンクとは、総資産が約1兆ドル以上の、巨大な規模の銀行を指す言葉です。国内では「三井住友銀行」「三菱UFJ銀行」「みずほ銀行」が3大メガバンクと呼ばれています。メガバンクは日本全国から海外まで幅広く拠点を持ち、大企業との取引を数多く担うなど、ビジネスの規模が非常に大きいのが特徴です。数ある銀行のなかでも給与が高い傾向にあり、平均年収は700万~800万円とされています。キャリア次第では、年収が1,000万円を超えるケースも珍しくありません。
金融業界を率いるメガバンクのビジネスは社会に与える影響が大きく、今後はAI(人工知能)をはじめとした新たな技術を活用して、これまでにないサービスを展開していく可能性もあるでしょう。また、近年は国内でもキャッシュレス(=現金を使わずに決済すること)が普及しており、社会でメガバンクに求められる役割も徐々に変化していくと考えられています。将来メガバンクの銀行員として活躍したい人は、こうした最先端の仕事に挑戦することになるかもしれません!
【日本の3大メガバンク】
・三井住友銀行
・三菱UFJ銀行
・みずほ銀行
地方銀行の平均年収
地方銀行とは、特定の地域を主な拠点とする銀行のことです。たとえば「北海道銀行」を例に挙げてみましょう。北海道銀行は、北海道全域にわたり数多くの店舗がありますが、一方でその他の地域にはほとんど店舗がありません。このように、地方銀行のサービスは特定の地域の住人へ向けて展開されています。それだけでなく、自治体と連携しながら、地域の運営を支える重要な役割を担っているのです!
地方銀行の平均月収は、550万~650万円が目安です。ただし、地方銀行は銀行ごとに年収に差が出やすい点を押さえておきましょう。一般的に、地方のなかでも人口の多いエリアを拠点としている地方銀行ほど、年収が高くなる傾向にあります。たとえば、千葉銀行は40歳推計年収が775万円、島根銀行は466万円とされます。将来、どの地域の銀行で働くかも、銀行員の年収を左右するポイントとなるでしょう。
地方銀行の平均年収は、メガバンクの平均年収と比べて100万円以上の差があります。しかし、メガバンクと地方銀行は単に収入が違うだけでなく、働き方にも大きな違いがあるのです。全国に拠点を持つメガバンクに就職した場合は、会社から命じられて全国へ転勤する可能性があります。一方で、特定のエリアに拠点を持つ地方銀行に就職した場合は、基本的には銀行の拠点の近くで働き続けることになるでしょう。地方銀行とメガバンクを比較するときは、年収だけでなく働き方にも着目して、自分の理想のライフスタイルを踏まえて進路を考えたいですね。
【地方銀行の例】
・北海道銀行
・横浜銀行
・福岡銀行
・七十七銀行
・八十二銀行
・百十四銀行
・北陸銀行
・山陰合同銀行
・西日本シティ銀行
その他の銀行
メガバンクや地方銀行のほかにも、信託銀行や信用金庫などの金融機関があります。
信託銀行とは、銀行業務に加えて信託業務(=個人や企業の財産を管理・運用する仕事)を行っている金融機関です。信託銀行の平均年収は500~700万円が目安であり、地方銀行よりも高い傾向にあります。
信用金庫とは、地域の助け合いを目的として設置された非営利の金融機関であり、利益よりも地域経済への貢献が優先されるのが通常の銀行との違いです。信用金庫の平均年収は400~600万円が目安で、非営利であることからほかの金融機関よりも年収が低い傾向にあります。
銀行員の就職実績がある大学
銀行員をはじめとした経済分野で活躍するための学びが充実している大学をご紹介します。金融業界に就職したい皆さんは、ぜひ「JOB-BIKI」の就職先検索で「銀行」と検索して、大学情報をチェックしてみてくださいね。
慶應義塾大学
慶應義塾大学は、東京都港区にある私立大学です。私立大学のなかでも日本で初めて経済学部を設置したことで知られ、経済分野でのめざましい功績で「慶應経済人」と称される数多くの専門家を輩出しています。経済学部の経済学科では、国際社会で活躍できる人材の育成に力を入れているのが特徴で、卒業後にメガバンクへ就職する学生も多くいます。
大阪大学
大阪大学は、大阪府吹田市にある国立大学です。1931年に日本で6番目の帝国大学として創設された、長い歴史のある学校として知られています。経済学部には、経済学はもちろん経営科学・マーケティング・経営戦略といった現代のビジネスシーンで役立つ経営分野の専門家が多数在籍しています。就職活動の講座やOBOG交流会などのサポートが手厚く、金融業界への就職実績も豊富です。
西南学院大学
西南学院大学は、福岡県福岡市にある私立大学です。経済学部経済学科では、経済社会の専門知識を身につけ、分析や課題への挑戦まで広い領域を扱います。経済学の思考方法や分析手法を現代社会に活かす力を伸ばせるのが魅力です。経済学部の主な内定先には、福岡銀行・佐賀銀行・大分銀行・熊本銀行・宮崎銀行などの地方銀行が多く挙げられます。
早稲田大学
早稲田大学は、東京都新宿区にある私立大学です。金融業界で活躍する卒業生も多く、メガバンクから地方銀行まで就職実績が豊富にあります。特に商学部は、金融・会計・経営・経済といった金融業界の仕事に役立つ専門知識を学べるカリキュラムが魅力です。商学部のほかに、政治経済学部の経済学科でも、経済学を学ぶことができますよ。
同志社大学
同志社大学は、京都府京都市にある私立大学です。経済分野で活躍する卒業生も多く、主な就職先の一つに金融業界が挙げられます。京都を主な拠点とする「京都銀行」をはじめとして、銀行への就職実績が多い学校です。特に商学部の商学科・経済学部の経済学科では、金融・経済の専門知識を学ぶのはもちろん、社会を率いるリーダーの育成に力を入れています。
明治大学
明治大学は、東京都千代田区にある私立大学です。金融業界へ就職する学生が多いのは、商学部・政治経済学部・経営学部など。なかでも商学部は柔軟性の高いカリキュラムが特徴です。金融や保険の分野を学べる「ファイナンス&インシュアランスコース」や、応用経済学を学べる「アプライド・エコノミクスコース」など、多彩なコースが用意されています。
銀行員の出身大学
「JOB-BIKI」なら就職した人がどの大学で学んでいたかがわかります。
三井住友銀行に2023年卒で就職したのは、上記の大学の他に、中央大学、法政大学、十文字学園女子大学、文京学院大学、東京理科大学などからも多くの卒業生が就職していますよ。
京都銀行なら、関西学院大学、龍谷大学、京都産業大学などです。北海道銀行なら北海学園大学、小樽商科大学、北海道教育大学、北海商科大学。愛知銀行なら愛知大学、南山大学、名古屋市立大学、名城大学。広島銀行なら広島修道大学、広島大学、下関市立大学。福岡銀行なら西南学院大学、福岡女学院大学、九州大学、福岡大学、北九州市立大学など地域によって違いがありますから、「JOB-BIKI」で調べてみるのがオススメです。
銀行員のキャリアアップや年収を上げる方法
銀行に就職して銀行員になったら、将来はどのようにキャリアアップしたり、年収を上げたりできるのかを解説します。
銀行員のキャリアアップの方法
銀行に就職して銀行員となったら、まずは仕事で経験を積んで、金融分野の専門知識や営業スキルに磨きをかけましょう。たとえば、銀行業務と関連性のある資格として「ファイナンシャル・プランナー(FP)」や「日商簿記検定」などが挙げられます。経験を積んで能力が高まるにつれて、さらに難しい仕事に挑戦するチャンスをもらったり、組織のリーダーとして管理職を任されたりする道が開けてきますよ。このほかに、培ってきた金融分野の専門知識や営業スキルを生かして経営コンサルタントやファイナンシャルプランナーとして活躍する人もいます。
銀行員として年収を上げる方法
銀行員として年収を上げるには、まずは資格取得で自分の能力を高めることや、仕事で実績を残すことが重要です。さらに、仕事で経験を積んでから業界内で転職をして、より報酬の高い銀行で働く道もあります。外資系(=海外から日本に進出した企業のこと)の投資銀行は、一般的に報酬が高い傾向にあります。投資銀行では、企業や投資家に対してM&Aや資金調達のアドバイスを行うのが主な仕事内容です。このほかにも、金融業界でより年収の高い保険会社や証券会社に転職する道もあるでしょう。地方銀行と比べて保険会社や証券会社の年収が高い傾向にあるなど、業種によっても違いがあります。
銀行員を目指すなら「JOB-BIKI」で大学検索!
ここまで、銀行員の年収に関する情報をお伝えしました。銀行員の全国平均年収は607.1万円です。ただし、銀行員の収入は勤務する地域や年代、銀行の種類などによって金額に差が出ることを押さえておきましょう。将来、銀行員として金融業界で活躍したいと考えているなら、「JOB-BIKI」で進路を調べてみませんか?検索画面の就職先検索で、業種「金融・保険」から「銀行」を選択すると、メガバンクから地方銀行まで銀行員として活躍している先輩たちの出身大学のデータをチェックできます。進路に迷ったら、ぜひ「JOB-BIKI」を活用してみてくださいね!