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テレビディレクターの仕事内容や年収は?目指せる大学の学部も紹介

2024.09.13

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カメラマンにレイアウトの指示をするテレビディレクター

テレビディレクターは、番組の企画立案から演出、制作進行まで幅広く担う、テレビ制作の要となる職業です。この仕事に就くために特別な資格は必要ありませんが、多くの放送局では4年制大学卒業が応募要項となっています。本記事では、テレビディレクターの仕事内容や年収、主な就職先や目指せる大学の学部などを紹介します。

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テレビディレクターとは

テレビディレクターとは、テレビ番組制作の指揮を取る職業です。番組の企画立案から完成まで、全体の進行管理を担います。

出演者やスタッフと協力しながら、視聴者に魅力的な内容を届けることが目標なため、クリエイティブな視点と現場をまとめる力が求められます。常に新しいアイデアを追求し、時代のニーズに合った番組作りに挑戦します。

テレビ番組制作は、ディレクター以外にもカメラマンや脚本家など、多くのプロフェッショナルが関わる協働作業です。ほかの職種や業界全体について詳しく知りたい方は、以下記事も参考にしてみてください。

テレビ業界で働く魅力はどのようなところ?主な職種とおすすめの学部 (gyakubiki.net)

テレビディレクターとテレビプロデューサーの違い

テレビディレクターは、番組の内容や演出を具体的に決める役割です。撮影現場での指示や、編集の細かい部分まで担当します。番組の雰囲気や見せ方を考えるのが主な仕事です。

一方、テレビプロデューサーは、テレビ番組の責任者です。具体的な仕事内容は、企画立案、制作の進行管理、必要な人員や予算の確保などです。

ディレクターが番組の創造面を担当するのに対し、プロデューサーは番組全体の舵取り役を務めます。
テレビプロデューサーについては、以下の記事で詳しく解説しています。
TVプロデューサーになるには?仕事内容や向いている人の特徴 (gyakubiki.net)

テレビディレクターの仕事内容

出演者にカンペを出すディレクター

テレビディレクターの仕事内容は、以下のとおりです。

  • 番組の企画立案と構成作り
  • 撮影現場での指揮と演出
  • 出演者やスタッフとのコミュニケーション
  • 編集作業と最終チェック

順番に解説します。

番組の企画立案と構成作り

テレビディレクターの仕事は、番組の企画・構成立案から始まります。制作会議で意見を出し、番組の方向性を決定します。その後、具体的な企画や演出を考え、放送作家と協力しながら内容を詰めていきます。

視聴者のニーズやトレンドを把握するためのマーケットリサーチも重要です。また、収録準備としてロケ地選定や機材手配、必要な調査などをADに指示します。

撮影現場での指揮と演出

テレビディレクターは、撮影現場のリーダーです。カメラ、音声、照明など各担当に細かい指示を出し、番組の雰囲気を作り上げます。たとえば、料理番組で「もっと近くから料理を撮って」とカメラマンに指示したり、マイクの位置を音響担当に指示したりします。出演者の良さを引き出すため、タイミングよく演出を加えます。

出演者やスタッフとのコミュニケーション

テレビディレクターは、番組制作において出演者やスタッフと効果的に意思疎通を図ります。たとえば、初出演の方には「リラックスして、普段通りに話してください」と声をかけ、緊張をほぐします。カメラマンには「この商品のアップを3秒間撮影してください」など、明確な指示を出します。

また、良い撮影ができたときは「そのカット、バッチリです」と即座に評価し、やり直しが必要な場合は理由を添えて伝えます。このように、適切な指示と評価を通じて、チーム全体の協力を引き出し、質の高い番組制作を実現していきます。

編集作業と最終チェック

撮影後、ディレクターは収録映像から最適なシーンを選びながら、番組の流れを組み立てる編集作業に入ります。視聴者を引きつける展開や、わかりやすさを重視しながら、テロップや効果音を入れていきます。

ときには徹夜作業も辞さず、放送日に向けて細部まで調整を重ねます。最後に全体を通して確認し、質の高い番組に仕上げていきます。

テレビディレクターのやりがい

テレビディレクターの職業は、創造性と責任感が求められる魅力的な仕事です。自分のアイデアや演出が実現し、多くの視聴者に届く瞬間は大きなやりがいを感じられるでしょう。視聴者の反応を直に感じられるのも魅力のひとつです。

さまざまな分野の専門家や著名人と仕事ができ、新たな知識や経験を得られることも、この仕事の醍醐味といえるでしょう。
環境問題に焦点を当てたドキュメンタリーや、地域の魅力を発信する情報番組の制作など、社会に前向きな影響を与える可能性を持つことも、テレビディレクターの重要なやりがいと言えます。

テレビディレクターの年収

厚生労働省によると、テレビディレクターの平均年収は573.8万円です。しかし、この数字は全体の平均であり、実際の年収は勤務先によって大きく異なります。

以下にディレクターの種類と年収の目安をまとめました。

勤務先平均年収代表企業の例
キー局テレビディレクター1,200万円日本テレビ放送網株式会社
株式会社テレビ朝日
株式会社TBSテレビ
株式会社テレビ東京
株式会社フジテレビジョン
地方局テレビディレクター900万円北海道テレビ放送株式会社  
広島ホームテレビ
静岡朝日テレビ
株式会社テレビ信州
番組制作会社テレビディレクター600万円株式会社東北新社
株式会社テレビマンユニオン
株式会社共同テレビジョン
フリーテレビディレクター400万円特定の局や会社に所属せず、独立して活動しています。

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テレビディレクターに向いている人

ディレクターが映像編集をしている様子

テレビディレクターに向いている人の特長は、以下の3つです。

  • 創造力豊かで新しいアイデアを生み出せる人
  • リーダーシップがありチームをまとめられる人
  • ストレス耐性が高い人

順番に解説します。

創造力豊かで新しいアイデアを生み出せる人

テレビディレクターには、視聴者を引き付ける斬新な企画や演出が求められます。常に新しい視点を持ち、既存の枠にとらわれない発想ができる人が向いています。日常生活の中でも「こんな番組があったら面白いのに」とアイデアが浮かぶ人は適性があるかもしれません。

また、世の中の流行や視聴者のニーズを敏感に察知し、それを魅力的な形で表現できる創造力も重要です。自分のアイデアを形にする楽しさを感じられる人なら、この仕事にやりがいを見出せるはずです。

リーダーシップがありチームをまとめられる人

テレビ番組制作は、多くの専門家が協力して行うチームワークです。ディレクターは、カメラマン、音声技術者、編集者、出演者など、さまざまなスタッフの力を引き出し、一つの目標に向かって導く必要があります。

たとえば、撮影現場で予期せぬトラブルが起きたとき、冷静に状況を判断し、適切な指示を出せる人が求められます。また、メンバーの意見を上手く取り入れながら、最終的な決断を下す勇気も必要です。学校の文化祭やスポーツ大会で、みんなを上手くまとめられた経験がある人は、この能力の素質があるかもしれません。

ストレス耐性が高い人

テレビ業界は常に締め切りとの戦いです。生放送では予期せぬハプニングも起こりやすく、瞬時の判断力が求められます。たとえば、機材トラブルで予定通りに進まなかったりしても、冷静に対応し、番組の質を落とさない柔軟性が必要です。また、視聴率プレッシャーや視聴者からの厳しい意見にも耐えられる精神力が重要です。

部活動で大会直前の追い込みを乗り越えた経験や、学校行事で最後まであきらめずに取り組んだ経験がある人は、この仕事に適しているかもしれません。ストレスを感じても前向きに取り組める人が向いています。

テレビディレクターになるための方法

多くの放送局では四年制大学卒業が応募要項となっています。特定の資格や学歴は必要ありませんが、有名なテレビ局への就職は非常に競争が激しく、倍率は数百倍を超えることもあります。

テレビディレクターを目指せるおすすめの学部

テレビディレクターを目指す人は、主に社会学部に設置されている、マスコミ学やメディア学を学びましょう。具体的な学科名としては、メディア情報学科や情報メディア学科などがあります。こうした学科では、メディアの特性や影響力、番組制作の技術や倫理、視聴者分析、さらにはデジタル時代におけるコンテンツ戦略などを幅広く学ぶことができます。

【テレビディレクターを目指せる大学】

テレビディレクターを目指せる大学が知りたい人は「JOB-BIKI(ジョブビキ)」を活用してみてください!就職先検索で「テレビ」と検索すると、テレビ業界の就職先が一覧で見られますよ。気になる就職先を見つけたら、出身大学データから就職した先輩たちの出身大学を確認してみてくださいね。

有名なテレビディレクターの出身大学

有名なテレビディレクターの出身大学をまとめました。なお、現在では、みなさんテレビプロデューサーとして活躍しています。

名前出身大学主な制作番組
加地倫三上智大学 外国語学部・アメトーーク! ・ロンドンハーツ
佐久間宣行早稲田大学 商学部・ゴッドタン ・あちこちオードリー
藤井健太郎立教大学 経済学部・水曜日のダウンタウン ・クイズ☆正解は一年後

テレビ業界のトップで活躍するディレクターやプロデューサーが、必ずしもメディア関連の学部や学科を卒業していないことが分かります。あらゆる分野の知識や経験が番組制作に生かされているわけです。

たとえば、「水曜日のダウンタウン」で知られる藤井健太郎さんは、経済学部出身ですが、学生時代からデジタルメディアの仕事に携わり、起業経験もあります。このような多彩な経験が、革新的な番組制作につながっていると考えられます。

テレビディレクターが制作する番組は、音楽番組やクイズ番組、旅番組、ワイドショーなどさまざまです。教育学部での学びが、子ども向けのテレビ番組制作に活かされるかもしれません。大学時代は学業に加え、学生制作の番組やウェブメディアへの参加、インターンシップ、起業チャレンジなど多様な経験を積むことで、将来の番組制作に活かせる幅広い視野と実践的なスキルを身につけることができます。

参考:ABEMA エンタメDX本部長 藤井が登壇「立教人から学ぶメディアの世界」レポート公開 | CyberAgent Way サイバーエージェント公式オウンドメディア

テレビディレクターになったあとのキャリアプラン

若手テレビプロデューサー

テレビディレクターとしてのキャリアは、通常、以下のようにアシスタントディレクターから始まります。

1~2年目:アシスタントディレクター(AD)
3~5年目:チーフAD
6~10年目:ディレクター
10年目以降:チーフディレクターやプロデューサー

AD時代は、経験を積みながら徐々に責任ある立場で番組制作に携わるようになります。その後、メインディレクターとして番組を担当し、さらにチーフディレクターやプロデューサーへと昇進する道があります。また、フリーランスとして活動し、多様な番組や制作会社と仕事をする選択肢もあるでしょう。

テレビディレクターを目指す人はJOB-BIKIで検索

テレビディレクターは、番組の企画から演出まで担う創造的な職業です。主に放送局や制作会社に就職しますが、特にキー局は狭き門です。この夢をかなえるためには、学生時代からデジタルメディアの仕事に携わるなど、創作活動に挑戦し、実践力を磨いておくのがおすすめです。

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