動物愛護センターの職員になるには?資格や給料、目指せる進路も紹介
2024.11.05
動物好きな人のなかには「将来、動物愛護センターで働きたい」「犬や猫の殺処分をなくしたい」と考えている人もいるでしょう。
動物愛護センターの職員は地方公務員なので、なるためには公務員試験に合格し、センターに配属される必要があります。本記事では、動物愛護センターの職員になるのに有利な資格や目指せる大学の学部、やりがいや給料などを解説します。
目次
動物愛護センターの職員になるには
動物愛護センターの職員は地方公務員なので、なるためには公務員試験に合格し、センターへ配属される必要があります。試験合格後、配属先の希望を出せる可能性はありますが、センターに配属されるかどうかは分かりません。また、配属後も異動の可能性があることを覚えておきましょう。
動物保護の仕事に就きたい人は、動物愛護センター職員を目指す以外にNPO法人などの民間動物保護施設に就職するのもひとつの方法です。
ほかにも動物に関わる仕事はいろいろあります。詳しくは以下の記事を参考にしてみてください!
動物愛護センターの職員に必要な資格
動物愛護センターの職員になるために特別に必要な資格はありません。採用の前提条件は公務員試験合格のみです。ただし、獣医師や愛玩動物看護師、愛玩動物飼養管理士、トリマーなどの資格を持っていると、採用や業務遂行において有利に働く可能性があります。
さらに、動物関連の仕事での実務経験も高く評価されます。高校生からできることで言えば、動物愛護のボランティア活動に参加するなどが考えられます。たとえばPNA 中学生、高校生の動物愛護ボランティア活動プロジェクトでは、愛護センターでのボランティアや見学の機会があるようです。愛護センターの仕事の実態や雰囲気を肌で感じ、将来の自分の姿をより具体的にイメージできるかもしれません。
動物愛護センター職員を目指す人におすすめの大学・学部
動物愛護センターの職員になるのに、特定の学部・学科を卒業するといった要件はありません。しかし、地方公務員の獣医師になれば動物愛護センターで働く可能性が高まるため、獣医師の資格を取得すると有利です。
獣医師になるには?仕事内容や必要な免許、学部・学科の選び方を解説
また、愛玩動物看護士やトリマーなどの資格が取得できる大学や養成所に通うのもおすすめです。
愛玩動物看護士を目指せる大学・学部については、以下の記事で詳しく解説しています。
愛玩動物看護師になるために必要な資格と学べる大学|キャリアプランも
愛玩動物看護士の養成所は、以下から確認してみてください。
動物愛護センター職員の仕事内容
動物愛護センター職員の仕事は、大きく2つに分けられます。
- 動物管理業務
- 動物愛護業務
それぞれの仕事内容について、まとめました。
参考:事業内容 | 兵庫県動物愛護センター (hyogo-douai.sakura.ne.jp)
動物管理業務
動物管理業務の主な内容は、以下のとおりです。
- 飼い方指導・飼い方相談
- 動物取扱業(ペットショップやブリーダー)の登録管理・指導
- ワニやマムシといった特定動物の飼養保管の指導
- 飼い主不明の負傷動物の収容・治療
- 犬・猫の引取り
犬・猫の収容や引き取りは、主に保健所が最初の窓口となります。迷子犬や飼育困難となった犬猫は、まず保健所で一時的に保護され、その後動物愛護センターへ移送されます。
ここでいう「収容」とは、飼い主が不明な負傷動物を一時的に保護し、センター内の専用施設で世話をすることを指します。収容された動物は、安全で清潔な環境で適切な食事と水を与えられ、必要に応じて獣医師による診察や治療を受けます。この期間中、センターは可能な限り元の飼い主を探す努力をします。しかし、健康上の理由や譲渡先が見つからない場合、やむを得ず殺処分を行う場合もあります。
動物愛護業務
動物愛護業務の主な内容は、以下のとおりです。
- 譲渡事業
- ふれあい事業
- しつけ方教室
- 講習会等の開催
- 負傷動物の応急処置
なかでも重要な取り組みが譲渡事業です。この活動は、飼育放棄された犬猫や劣悪な環境で過ごしている動物たちを保護し、新たな家族との出会いを支援します。動物愛護センターでは、保護した動物たちの健康管理や社会化トレーニングを行い、適切な家庭へ引き渡すまでの準備を整えます。この過程を通じて、動物たちに新たな安らぎの場所を提供するとともに、責任ある飼育の重要性を社会に啓発しています。
動物愛護センター職員のやりがい
動物愛護センター職員の仕事は、命と向き合う喜びと責任が共存する、奥深い職業です。保護されたさまざまな動物のケアや新しい家族との出会いをサポートする一方で、やむを得ない場合に殺処分という厳しい現実に直面することもあります。
この現状をより良い方向に変えていくことが、職員の重要な使命です。殺処分をなくす取り組みや譲渡推進活動に全力で取り組むことで、大きなやりがいを感じられるようです。また、負傷動物の回復を見守り、無事に新しい飼い主に引き渡せたときの喜びは格別でしょう。
動物愛護センター職員の年収
令和5年度の「地方公務員給与実態調査結果の状況」によると、動物愛護センター職員(大卒)の平均年収は、平均年収は約640万円です。動物愛護センターの職員は地方公務員なので、社会保障やボーナス、退職金も支給され、安定した収入が見込めるでしょう。
動物愛護センターの職員をはじめとした地方公務員は、地方自治体で地域の仕事に関わります。地域の暮らしを支える地方公務員の仕事が気になる人は、以下の記事を参考にしてみてください。
内部リンク設置:地方公務員になるには?仕事内容や向いている人・目指せる大学について解説 (gyakubiki.net)
動物愛護センターの職員に向いている人
動物愛護センターの職員には、動物への深い愛情と理解力が不可欠です。一方で、避けられない殺処分などの厳しい現実に直面することもあり、高いストレス耐性も求められます。これらの課題に立ち向かい、動物たちの幸せと命を守る使命感を持てる人こそ、この仕事に向いています。
社会の中で動物の福祉を向上させたいという強い意志を持つ人は、動物愛護センターの職員に向いているでしょう。
動物愛護センターの職員になったあとのキャリアプラン
動物愛護センターの職員になったあとのキャリアプランはさまざまです。たとえば、センター内でスキルを磨きながら獣医師資格の取得を目指せば、より専門的な立場で動物たちの健康を守ることができます。
また、NPO法人や動物福祉団体への転職も選択肢の一つです。これらの組織では、動物愛護センターよりも柔軟な活動が可能で、独自のプロジェクトを立ち上げたり、啓発活動に力を入れたりできます。たとえば、地域密着型の保護活動や里親探しのイベント開催、動物愛護教育プログラムの実施などです。また、飼い主のサポート体制を整えたり、動物虐待防止のための啓発活動を行ったりすることもあります。
動物愛護センターでの経験を活かしつつ、より柔軟な形で動物と人との共生を支援できるのが特徴です。
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動物愛護センターの職員になるには公務員試験に合格し、地方自治体(都道府県や市町村)の公務員として採用される必要があります。採用後、センターへの配属を希望することはできますが、最終決定は自治体に委ねられる点は心に留めておきましょう。
将来、動物愛護センターで働きたい人は、地方自治体への就職を検討してみましょう。また、動物に関わる仕事全般に興味がある場合は、JOB-BIKI(ジョブビキ)の就職先検索を活用してみてください!「業種から探す」から「ペット」の順に絞り込むと、ペットに関する企業一覧が確認できます。また、その企業で活躍している人の出身大学も確認できるので、ぜひ進路選びの参考にしてみてください。