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MR(医薬情報担当者)とは?仕事内容や年収、目指せる大学の学部を紹介

2022.11.14

カテゴリー:
医師に医薬品の説明をするMRの男性

人のために役立つ仕事に憧れて、将来は医療業界への就職を考えている人も多いのではないでしょうか?なかでも営業職として業界で活躍したいなら、医薬品に関わる「MR(医薬情報担当者)」の仕事がぴったりかも!

この記事では、MRの仕事内容や年収、目指せる大学の学部などを解説しています。

MRになるための進学先が知りたいなら、ぜひ「JOB-BIKI ジョブビキ」を使って調べてみてください。有名な製薬会社で働く人たちの出身大学を確認できますよ!

MR(医薬情報担当者)とは

医療業界で活躍するMRの仕事についてご紹介します。将来MRの仕事に就くために、仕事内容や向いている人の特徴、将来性について確認してみましょう!

MRの仕事内容

MRは、さまざまな医療機関に医薬品の情報提供をする、営業職のことです。「Medical Representatives」を略した名前で、日本語では「医薬情報担当者」と呼ばれます。そんなMRが担当するお客様は、医師や薬剤師などの医療従事者です。大きな規模の病院から小さな規模のクリニックまで、幅広い医療機関が対象になります。

MRの仕事には、一般的な営業職とは違っている点がたくさんあります。例えば、MRの営業活動では価格の交渉や料金の回収などを行いません。自分の会社で作った製品の情報を伝えて、有効性や品質の高さ、安全性などの医薬品情報を提供し、薬の採用につなげるのがMRの仕事です。また、医療従事者から効果や副作用に関するフィードバック(評価)を受けて、今後の製品開発へ生かすことも、MRの重要な役割なんです!

MRの1日の流れ

医師に対して医薬品の情報を伝えるMRの男性

MRのとある1日を紹介します。

8:00特約店※1を訪れて、MS※2と医療機関について情報交換を行う
・MRはMSへ自社商品の特長を伝える
・MSは医療機関で得た医師からの情報をMRへ伝える
9:00出社、医療機関への訪問準備
・訪問スケジュールの作成
・医薬品の売り上げ確認など
11:00担当するエリアの病院やクリニックを数件訪問
・自社の医薬品について、効果や副作用などの情報を提供する
14:00昼食休憩
15:00担当するエリアの病院やクリニックを数件訪問
・自社の医薬品について、効果や副作用などの情報を提供する
17:00帰社し、訪問状況をミーティングで報告
19:30担当するエリアの病院やクリニックを数件訪問
・自社の医薬品について、効果や副作用などの情報を提供する
20:30直帰

参考:MRについて | 職種・社員紹介 | 旭化成グループ 新卒(総合職)採用サイト (asahi-kasei-jobs.com)

※1 特約店とは、メーカーと独自の契約を結んだ販売業者のこと。メーカーの製品やサービスを効果的に市場に提供する役割を担う

※2MS(Marketing Specialist)とは、医療機関に医薬品を販売する職種

医療機関やドクターの訪問数は、企業ごとに目標があります。平均的には1日10人程度のドクターを訪問するようです。

訪問は、アポを取っていく場合と、午前診療・午後診療のあとに飛び込みで行う場合があります。飛び込みの場合、ドクターと面会できる時間は5分程度と短いこともあるので、事前にどういう情報を伝えてアプローチするのか考えておく必要があります。

MRの仕事の魅力

MRは一般的な営業職とは異なり、医療従事者との関係の構築が仕事の中心となります。仕事を通して医療に関する幅広い知識を身に付けて、大きな成長を実感できるのは、仕事のやりがいの一つです!また、医療従事者からの信頼を得るためには、コミュニケーション能力が必要になってきます。製品の魅力をしっかりと伝えて、医療機関に採用していただくことが、結果としてさまざまな病気で苦しんでいる人を助けることにつながります。

MRに向いている人

MRの営業活動では、自社で作った製品の特徴を正確に、わかりやすく伝える必要があります。そのため、ものごとを論理的に説明することが得意な人は、きっと仕事に楽しみを感じられるはず!また、MRは常に医薬品に関する最新知識を身に付ける必要があります。知識をアップデートし続けるには、強い学習意欲がなくてはなりません。そのため、意欲的に学び続けられる人でないと難しい仕事ともいえそうですね!

MRの平均年収

MRの年収は全国平均で579.5万円です。ハローワーク求人統計データによると、求人賃金の全国平均は、月額24.4万円となっています。

MRをはじめとした営業の職種は、キャリアを積んで成果をあげられるようになれば、高い報酬が期待できるようになります。なかには、年収アップにつながる「インセンティブ制度」を採用している企業も少なくありません。インセンティブ制度では、固定給に加えて、実績に応じた報奨金が支給されます。努力して結果を出せば、その分高い報酬を得られるのは、営業職ならではの魅力です!

自分の仕事が評価されて給与に反映されることが、仕事のモチベーションになる人もいるはず。MRはそんな人にとって、自分の頑張りや成長を実感しやすい、やりがいのある仕事だといえますね!

【参考】職業情報提供サイト(日本版O-NET)
URL:https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/63

MRの将来性

MRの仕事を取り巻く環境は、時代とともに変化しています。参考までに、過去にどんな変化があったのかも押さえておきたいですね。2012年4月以降、医療用医薬品製造販売業公正取引協議会は、MRによる医師の接待について自主規制を強化しました。これにより、多くの製薬会社がこれまでの営業活動のスタイルを見直しました。

ビジネスの場面では、IT化が進んでいます。営業職の働き方も、こうした時代に合わせた対応が求められています。それは、MRという仕事も例外ではありません。医薬品に関する知識だけでなく、ITをはじめとした知識も身に付けるなど、柔軟に対応していきたいですね。

MRと似ている仕事

MRと似ている職種である薬剤師の女性

医療業界の中でも、MRと同様に医薬品に関する仕事には「MS」や「薬剤師」などの職種があります。MRとの違いを確認してみましょう。

MS(Marketing Specialist)

MSは、日本語で「医薬品卸販売担当者」と呼ばれる、医薬品卸売会社の営業職です。医薬品卸売会社とは、製薬会社から仕入れた医薬品を、医療機関へ販売する企業のことを指します。複数の製薬会社の製品を取り扱うという特徴があるので、MRの仕事とは違って、さまざまな製薬会社の製品の知識が求められます。また、販売の際に価格交渉を行う点も、MRとの違いです。

薬剤師

薬剤師は、医薬品の専門家として、調剤や患者さんへの説明などの役割を担います。病院や調剤薬局などの医療機関のほか、ドラッグストアなどで働いています。また、製薬会社や研究機関などで働いて、新薬の研究・開発を行うのも薬剤師の仕事です。薬剤師として働くには、国家資格が必須となります。

MRが出てくる漫画や小説

MRが出てくる小説を読んでいる男性

MRの仕事の様子は、普段ほとんど目にする機会がないことから、イメージしにくいかもしれませんね。どのような働き方をするのかを具体的に知るために、漫画や諸説などの作品を読んでみてはいかがでしょうか!

漫画『家政夫のナギサさん(四ツ原フリコ著)』

『家政夫のナギサさん(四ツ原フリコ著)』の主人公は、製薬会社に勤めて仕事に邁進するキャリアウーマンの相原メイです。職場で活躍しながらも、家事が苦手なメイのマンションは、いつも散らかった状態になっていました。ある日メイの妹は、姉の生活を心配して、家政夫の鴫野ナギサを紹介します。それからメイは、ナギサに家事を依頼することになりました!作中でイキイキと働くメイの仕事はMR。さまざまなドクターの元へ足を運び、時には苦労しながらも営業活動を続けるメイの様子に、MRの日常がイメージしやすくなるかもしれません!

小説『MR(久坂部羊著)』

『MR』の舞台は、製薬会社の天保薬品です。主人公は、この会社の営業所所長である紀尾中正樹。彼は自社が開発した新薬の採用を目指して、難関とされる大御所医科大学の学長へ営業をかけています。懸命な営業活動の甲斐があってか、ついに困難とされていた内定を得ることができました。ところが、天保薬品はライバル社による妨害を受けて、新薬はコンプライアンス違反を疑われてしまいます。『MR』の作者である久坂部羊は、自身が医師であり、医療業界を舞台にした作品を多く発表しています。業界の内部を知り尽くした作者による小説で、MRという仕事 に触れてみませんか?

MRになるには?

将来MRになるには、これからどのような進路を選べばよいのでしょうか?大学の選び方から、一般的な就職先まで、MRを目指すための情報をお伝えします!

MRに必要な資格

MRは特別な資格がなくても目指せる職種です。しかし、製薬会社や医療関連企業の採用情報を確認すると、MR認定資格や薬剤師免許を取得している応募者を特に歓迎する傾向が見られます。就職先によっては認定証の取得が義務付けられているケースも。

MR認定試験の受験資格を得るためには、製薬企業やMR導入教育実施機関での教育を修了する必要があります。もしもMRとして採用されたら、受験を考えておきたいですね!

MRになりたい人が行く大学

MRの仕事には、必須とされる学歴や資格などが特にありません。ただし、MRは求められる知識の量が多くて、難しいことも理解できなければならない仕事。だからこそ、大学での学びはきっと就職してからも役に立つはずです。製薬会社への入社を目指すなら、薬学・化学・生物学系の学部に進学すると、医薬品に関連する知識を得られますよ。

【MRを目指せる大学・学部・学科の例】

なお、薬学・化学・生物学系の学部以外の 出身者であっても、ほとんどの製薬会社では入社後の研修で専門知識を学ぶことができます。大学における学びでは、医療業界の専門知識に限らず、コミュニケーション能力をはじめとしたMRに必須のスキルを身に付けることも意識したいですね。ぜひ「JOB-BIKI ジョブビキ」を使って調べてみてください。有名な製薬会社で働く人たちの出身大学を確認できますよ!

MRが働いている会社

病院の部屋で姿勢良く立っているMRの男性

一般的に、MRは製薬会社で働きます。製薬会社にはいくつかの種類があり、医薬品を取り扱う「医薬品メーカー」のほかに、後発医薬品を取り扱う「ジェネリック医薬品メーカー」があります。また、日本に進出した海外企業による「外資系製薬会社」も就職先の一つです。

製薬会社のほかには「CSO(医薬品販売業務受託機関)」で働くMRもいます。CSOは製薬会社へMRを派遣する機関です。製薬会社が営業を強化するときに、CSOからMRが派遣されて、営業職として働きます。CSOに所属するMRも、製薬会社に所属するMRと仕事内容は同様ですが、幅広い企業の営業に携わることが違いです!

MRがキャリアアップする方法

MRとして経験を積むと、主に3つの方向でキャリアアップを目指せます。

  1. MRとして管理職になる

チームリーダーから始まり、地域マネージャー、さらには営業本部長などの上級管理職を目指します。

MRの管理職を目指すには、まず自分自身が優秀なMRになることが大切です。たくさんの医師や薬剤師と上手くコミュニケーションを取り、会社の目標を達成できる人が認められていきます。

そして、管理職になると、チームのみんなをまとめる力や、先を見通して計画を立てる力が必要になります。具体的には、チームの目標を決めたり、みんなの仕事ぶりを確認したり、新しいメンバーを育てたりします。

  1. 社内で違う職種にチャレンジする

社内公募制度などを利用して、MRの育成トレーナーやマーケティング部門、営業企画など、別の専門分野にチャレンジする方法です。

社内でのキャリアチェンジでは、基本給はあまり変わらないのがメリット。営業手当や外勤手当など、MRならではの手当は減りますが、長期的に考えると、新しい職種でのキャリアアップにより、収入が増える可能性もあります。

  1. 転職して医療業界のコンサルタントになる

MRとしての経験を活かし、転職して医療業界専門のキャリアコンサルタントや経営コンサルタントとして独立の道を歩むこともできます。

キャリアコンサルタントは、医療業界に特化した人材紹介や転職支援を行い、MRや医療従事者のキャリア形成をサポートします。

経営コンサルタントは、製薬会社や医療機関に対して、営業戦略や組織改革のアドバイスなどを行う仕事です。 このようにMRには、多様なキャリアパスがあります。医療業界での専門性を深めつつ、自身の適性や目標に合わせて柔軟にキャリアを構築できる点が、MRの魅力のひとつとなっています。

MRを目指して情報収集を始めましょう!

MRの仕事には、医療にかかわる専門家に医薬品の情報を提供して、製品の採用へつなげる役割があります。営業活動では医薬品に関する専門知識が求められるので、一般的な営業職とは異なる部分も多いといえます。MRの仕事が気になったら、まずは情報を調べてみませんか?

MRは製薬会社で働いています。製薬会社には、どんな大学から就職できるのでしょうか?MRを目指せる大学に興味があるなら、ぜひ「JOB-BIKI」のサービスを活用してみてください。今、社会でMRとして活躍している先輩たちの出身大学を調べることができますよ。 検索画面では「製造・機械」の業種を選んで「医薬品」と調べてみてくださいね。

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