セラピストとは?種類や仕事内容、必要な資格、なるための進路を解説
2022.11.16
世の中には、体や心に疲れを感じて、癒やしを求めている人がたくさんいます。そんな人たちをさまざまな方法で癒やしていく、リラクゼーションに関する仕事は「セラピスト」と呼ばれます。セラピストという仕事は、実は、医療系・心理系・美容系までさまざま!どうしたら将来セラピストになれるのでしょうか?
今回は、セラピストの特徴や主な種類、代表的な資格など、さまざまな情報をお届けします。高校生の皆さんは、ぜひチェックしてみてくださいね!
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目次
セラピストの基礎知識
セラピストとはどのような仕事をする職業なのでしょうか?まずは、セラピストの特徴や、どういった働き方があるのかを見ていきましょう。
セラピストとは?
お客様にセラピーを行って、心身に癒しを与える人はセラピストと呼ばれています。幅広い分野でセラピストが活躍しており、施術する方法にもたくさんの種類があります。どのようなセラピストにも共通しているのは、セラピーを通してお客様を癒すこと!丁寧なヒアリングで一人ひとりの悩みを聞いて、その人に合った施術をすることが大切なのです。セラピーに関する専門知識や技術が必要な仕事なので、しっかりと勉強してスキルを身に着けてから働き始めましょう!
セラピストの働き方
セラピストにはたくさんの種類があります。そのため、どんなセラピストになるのかによって、勤務する場所が異なります。例えば、病院や治療院で働く人もいれば、リラクゼーションサロンやエステサロンで働く人も。また、正社員や派遣社員のほか、業務委託、パート・アルバイトなど、働き方もさまざまです!
セラピストの主な種類と職場
世の中には、たくさんの種類のセラピストの仕事が存在します。ここでは、セラピストが活躍している分野ごとに、代表的なセラピストの種類と主な職場を解説していきます!
医療・リハビリ・健康に関わるセラピスト
医療や介護などの現場で働くセラピストです!以下の国家資格を取得していると、病院などで医療行為としての施術ができるようになります。スポーツ施設や介護施設などでボディケア・メンタルケアを行うなら、民間資格のみでもセラピストとして施術できることがありますよ。
心理に関わるセラピスト
体の不調だけではなく、精神的な問題をケアするセラピストもいます。主な職種は、以下のとおりです。
- 心理カウンセラー
- 産業カウンセラー(会社の従業員をケアする)
- スクールカウンセラー
- 臨床心理士
- 公認心理士
心理に関わるセラピストの主な職場は、学校や病院、会社のほか児童相談所などの公的機関などがあります。
ボディ・リラクゼーション・美容に関わるセラピスト
お客様のボディケアやリラクゼーションを行う、美容系のセラピストです。主な職種は以下のとおりです。
- アロマセラピスト
- リフレクソロジスト
- カラーセラピスト
- ミュージックセラピスト
- エステティシャン
ボディ・リラクゼーション・美容に関わるセラピストの主な職場は、エステサロンやスパ施設、一部の病院や介護施設のほか、自宅サロンなどがあります。
セラピストの年収
求人ボックスによると、セラピストの平均年収は380万円前後です。日本の平均年収は458万円なので、セラピスト全体の年収は低めと言えるでしょう。
セラピストの種類別の平均年収は、以下のとおりです。
【医療・リハビリ・健康に関わるセラピスト】
職種 | 平均年収 |
理学療法士 | 367万円 |
作業療法士 | 426万円 |
言語聴覚士 | 430万円 |
精神保健福祉士 | 404万円 |
柔道整復師 | 443万円 |
鍼灸師 | 443万円 |
あん摩指圧マッサージ師 | 443万円 |
これらの職種は、すべて国家資格が必要なので、セラピストのなかでも年収は高めの傾向にあります。
【心理に関わるセラピスト】
職種 | 平均年収 |
心理カウンセラー | 443万円 |
産業カウンセラー | 580万円 |
スクールカウンセラー | 580万円 |
臨床心理士 | 370万円 |
公認心理士 | 364万円 |
職場によって年収は異なるため、あくまで目安としてください。臨床心理士や公認心理士は国家資格なので、これらの資格を取得していると待遇が良くなる可能性があります。産業カウンセラーの場合は、大企業であれば給料も高くなる傾向にあるようです。
【ボディ・リラクゼーション・美容に関わるセラピスト】
職種 | 平均年収 |
アロマセラピスト | 382万円 |
リフレクソロジスト | 382万円 |
カラーセラピスト | 320万円 |
ミュージックセラピスト | 320万円 |
エステティシャン | 323万円 |
ボディ・リラクゼーション・美容に関わるセラピストの平均年収は、ほかのセラピストに比べて低い傾向にあります。
収入を上げていくには、看護師や理学療法士などの資格を取得して付加価値を高め、医療分野やリハビリ施設に進出したり、人気サロンへ勤務して自らのブランド価値を高めたりするなど、総合的なキャリア形成を考えておく必要がありそうです。
セラピストの仕事について
セラピストの仕事について、以下の項目に分けて解説します。
- セラピストの仕事の流れ
- セラピストのやりがい
- セラピストの大変なところ
- セラピストの将来性
セラピストにはさまざまな種類がありますが、ここではアロマセラピストなどの「ボディ・リラクゼーション・美容に関わるセラピスト」について紹介します。
セラピストの仕事の流れ
セラピストの仕事の流れは、以下のとおりです。
- カウンセリング
- 施術
- アフターケア
まず、来院したお客さんとの問診・面談を行います。心身の状態や悩み、要望を詳しく聞き取り、適切な施術内容を判断します。問診・面談では、しっかりヒアリングすることで、信頼関係を築くことも重要です。
次に、カウンセリングで判断した施術法に基づき、実際の施術を行います。アロマセラピーなら香りを活用したマッサージ、リフレクソロジーなら足裏の特定部位への刺激など、専門的な手技を用います。
施術後は、お客さんの体調変化を確認し、次回に向けたアドバイスやセルフケアの指導を行います。継続的なケアが必要な場合は、フォローアップの予約を取るなどの対応をします。
このように、的確なカウンセリング、確かな専門技術に基づく施術、しっかりとしたアフターフォローが、セラピストに求められる一連の業務フローとなります。
セラピストのやりがい
セラピストのやりがいは、人々の心身の健康を改善することで、感謝されることでしょう。
セラピストは、施術を通して、お客さんの痛みや不調を和らげ、カウンセリングを重ねることで、お客さんの心に寄り添います。辛い思いを抱えている人をサポートできるのも、やりがいのひとつでしょう。お客さんが笑顔になった顔を見ると、達成感と喜びを感じられますよ。
セラピストの仕事は、専門的な知識と技術を活かし、人々の健康で豊かな生活を実現する仕事です。
セラピストの大変なところ
セラピストの仕事は、大きなやりがいがある一方で、精神的・肉体的な負担も少なくありません。長時間の立ち仕事が避けられず、マッサージでは手や腕への負担も大きくなります。
また、深く人の心の内面に関わる職業でもあるため、お客さんの心の痛みに共感し過ぎて、自身の心に負担がかかることもあるでしょう。強い精神力と体力が求められる職業だと言えます。
セラピストの将来性
アロマセラピストをはじめとするセラピストは、将来性のある職業と言えます。近年、メンタルヘルスの重要性が広く認識されるようになり、セラピストの需要は高まっているからです。
厚生労働省の疾患調査によると、心に問題を抱える人は年々増加しています。ストレス社会と呼ばれる現代において、アロマセラピーやマッサージなどのリラクゼーション技術は、ストレス解消や健康維持に役立つとして注目されています。セラピストは、サロンやクリニックだけでなくホテルやスポーツジム、スーパー銭湯など、幅広い分野で需要のある職種です。また、高齢化社会の進行により、健康維持や介護予防の観点からも、リラクゼーションセラピーの需要は今後さらに増加すると予想されます。
また、セラピストはAIやロボットでは代替が難しい分野と考えられます。たとえば、カウンセリングでは、お客さんの心理状態を理解し、適切な言葉がけや助言を行うことが求められます。これには、人間ならではのコミュニケーション能力が不可欠です。また、アロマセラピーやマッサージなどの施術では、セラピストの手のぬくもりや優しいタッチが、お客さんのリラックス効果を高めることが知られています。
AIやロボットでは再現が難しい部分も多いところも、セラピストに将来性があると言える理由です。 参考:精神疾患を有する総患者数の推移|厚生労働省
セラピストに向いている人
セラピストに向いている人の特長は、以下のとおりです。
- 優しくておおらかな性格をしている
- 向上心がある
- 人と触れ合うのが好き
優しくておおらかな性格の人はセラピストに向いています。温かみのある言葉がけや包み込むような雰囲気で、お客さんの緊張をほぐし、安心してセラピーに臨める環境を作れるでしょう。
セラピストには向上心も必要です。セラピストは、常に新しい知識や技術を学ぶ意欲が求められます。心理学や療法の分野は日々進歩しているためです。向上心のある人は、お客さんにより良いサービスを提供できるでしょう。
また、セラピストはお客さんとの会話や触れ合いを通して、信頼関係を築き、施術の効果を高めていきます。人と触れ合うことが好きな人は、お客さんとの交流を楽しみながら、やりがいを感じられる職業だと言えます。
セラピストに求められる資格
セラピストの種類によっては無資格でも働けますが、施術の方法によっては国家資格や認定資格が必要となることもあります。目指したいセラピストの種類に合わせて、必要な資格をチェックしてみてください!
医療系資格
・理学療法士
理学療法士は、ケガや病気などで問題を抱えた人をサポートする仕事です。「理学療法士及び作業療法士法」の国家資格を持っていて、運動療法や物理療法などのリハビリをします。活躍する場所は、病院・介護施設・教育施設などです。
理学療法士の資格を取るには、大学・短大・専門学校・特別支援学校など、厚生労働大臣が指定する養成校へ3年以上通って、専門科目や臨床実習などを修める必要があります。その後、資格試験を受けるという流れです!すでに作業療法士の資格を持っていれば、養成施設に2年以上通ってから受験することもできますよ。
・鍼灸師
鍼灸師は、鍼(はり)と灸(きゅう)を用いて、体のツボや筋肉などを刺激し、治療をする職業です。「はり師」の資格と「きゅう師」の資格を両方とも持っている人が多いため、鍼灸師と呼ばれています。病院や鍼灸院などのほか、美容サロン・スポーツジム・福祉施設などで働くことも!
鍼灸師になる場合「はり師」と「きゅう師」の資格を同時に取得することが多くなっています。どちらも国家資格なので、受験するためには鍼灸学科のある大学や短大、専門学校を目指しましょう!
・あん摩マッサージ指圧師
あん摩マッサージ指圧師は、主に手指を使った手技でマッサージや指圧を行い、体の不調を和らげる仕事です。治療院で医師の指導のもとリハビリを行うこともあれば、介護施設で健康管理のために施術を行うことも。そのほか、出張して住居やホテルなどで施術するケースもあるようです!
あん摩マッサージ指圧は医療行為にあたるので、施術するためには国家資格を取得することになります。認定の大学や短大、専門学校などに通って3年以上学習し、必要な科目を履修することで受験資格を得られるようになりますよ。
あん摩マッサージ指圧は、鍼灸と施術上の関連が深いため、同時に「はり師」と「きゅう師」の資格を持つ人も多いようです。鍼灸師とあん摩マッサージ指圧師を同時に目指せる養成学校に通う方法も!
心理系資格
・公認心理師
公認心理師は、日本では初めてとなる心理職の国家資格です。相談者の悩みを聞いて、心理テスト・行動観察・心理療法などを行いながら、問題の改善を目指すのが主な仕事となります。
主な就職先は、病院や保健センター・幼稚園・学校・児童福祉施設・介護施設・研究所・保護観察所・企業など。資格を持つことで活躍の場が広がりそうですね!
公認心理師の資格を取るためには、大学や専門学校にて所定の科目を修了したあと、さらに大学院で学びます。所定科目は心理学系の内容が中心。公認心理師を目指せるのは、心理学部・学科のある大学です。
大学卒業後、定められた施設で一定期間の実務経験を積むことによって、受験資格を得る方法もあります。公認心理師法施行前に大学や大学院に入学していた人も、特例措置として受験できるルートがありますよ!
・臨床心理士
臨床心理士は、公認心理師と同じく心理職にあたります。医療や福祉、教育、司法、産業など、幅広い分野に活躍の場があるのも同じです!
公認心理師との違いは、民間資格であること。臨床心理士の試験を受けるためには、指定大学院や専門職大学院を修了することになります。進学した学校によっては1年以上の実務経験も必要です。
どんなルートであっても、心理学の知識が必要とされることに変わりはありません。だからこそ、「公認心理師」か「臨床心理士」の資格は取得しておきたいですね。心理系の科目を履修できる大学への進学を目指しましょう。
・心理カウンセラー
心理カウンセラーは、相談者の悩みを聞き、問題解決を目指す職業です。必須とされる資格はありませんが、心理療法のための専門知識は欠かせません。働く場所は、学校・一般企業・介護施設・病院などです。独立開業して個人でカウンセリングを行う人もいます。
心理カウンセラーとして働く際には、公認心理師・臨床心理士・メンタル心理カウンセラー・産業カウンセラー・教育カウンセラーなどの資格があると安心です!希望する就職先によって必要な資格が異なるため、ぜひ将来目指す仕事に合わせてチェックしてみてくださいね。
リラクゼーション系資格
・アロマセラピスト
アロマセラピストは、エッセンシャルオイル(精油)を活用してアロマテラピー(アロマセラピー)を行う職業です。エッセンシャルオイルの香りを活かした芳香浴や沐浴、トリートメントなどで、心身をリラックスさせる施術をします。アロマサロンやリラクゼーションサロンなどのほか、宿泊施設や温泉施設、介護施設などで働く人もいます。
アロマセラピストとして働くなら、日本アロマ環境協会の「アロマテラピー検定」のような民間資格を持っていれば、アロマに関する知識の証明につながります。資格取得のために勉強して、知識を身に付けることがおすすめです!
・リフレクソロジスト
リフレクソロジストは、手指を使ってお客様の足裏や手などを刺激するリフレクソロジーを行い、美容やリフレッシュなどをサポートする仕事です。リフレクソロジーサロンのほか、エステティックサロン・整体院・リラクゼーション施設など、さまざまな場所で活躍しています。
就職のために必要な資格はありませんが、リフレクソロジーの専門的な知識や技術を活かしてお客様を癒せるようになることが、資格取得のメリットです。養成学校に通ってリフレクソロジーを学び、民間資格の取得を目指してみては?
・カラーセラピスト
カラーセラピストは、色の持つ力を用いてメンタルケアを行う仕事です。リラクゼーションサロンや美容系のサロンでセラピーを提供するのはもちろん、アパレル業界やインテリア業界などでも知識を活かせるチャンスがあるかもしれません!
カラーセラピストとして必須の資格はないものの、色彩を活用した心理療法に関する知識は必要になってきます。これらを体系的に学んで、確かな知識で施術できるようになるのが資格取得のメリット。専門学校や通信学習などでカラーセラピーについて学んでみるのもおすすめです!
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セラピストになるには?
セラピストを目指すためのルートは多岐にわたります。最後に、セラピストになるための代表的な方法をご紹介します!
大学に進学して資格を取得する
セラピストの種類によっては、国家資格あるいは民間資格が必要となる場合があります。国家資格の場合は大学や短大、専門学校などに通学して受験資格を得るパターンが多くなっています。自分のなりたいセラピストの種類に合わせて、進学先を決めましょう。
また、セラピストになった後は、専門知識・技術を生かしてカウンセリングや施術を行います。大学を選ぶときは、必要な科目を履修できることはもちろん、実践的な技術を学べるかどうかも重視するのがポイントです!
通信講座や専門学校で学んで資格を取得する
資格によっては、通信講座で取得できるものもあります。就職して働きながら取得を目指してもOK!また、セラピストを目指す人向けのセミナーや専門学校などに通って、資格を取るのも一つの手です。なお、先ほどご紹介した医療系資格や心理系資格の中には、大学へ進学が必須のものも。取得したい資格に合わせて、心理学科や医療系の学科への進学を考えてみてください。
研修制度の充実しているサロンに就職する
セラピストとして未経験であっても、研修制度が整っているサロンであれば、働きながら技術を身に付けることができます。未経験者を育成してくれる就職先を探してみるのもおすすめです! 資格を取得することももちろん大切ですが、人を癒やす仕事だからこそ、お客様と向き合う経験も積んでおけるといいですね。
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セラピストの仕事内容は幅広く、目指す方向によって進学先や就職先が変わってきます。
セラピストには色んな種類がありますが、あなたがなりたいセラピストは見つかりましたか?人の心を癒やしたいなら心理学科のある大学、体を癒やしたいなら医療系の大学について調べてみてくださいね。
セラピストを目指せる学校が気になる場合は、ぜひ「JOB-BIKI」を活用して調べてみてください。進路に迷っていた人のヒントになる情報が見つかります!セラピストの種類に合わせて、検索画面の業種を選択してみましょう。人物検索の「セラピスト」で検索すると、著名なセラピストを調べることができるので、参考にしてみてくださいね。