逆引き大学辞典逆引き大学辞典

ボディビルダーになるには?年収や士資格、仕事内容を紹介

2022.12.12

カテゴリー:
ジムでトレーニングをする女性と男性のボディビルダー

「ボディビルダーに興味があるけど、どうやってなるのだろう?」「何をして収入を得ているの?」と疑問に思っている人もいるでしょう。プロのボディビルダーになるには、民間のボディビル団体が発行している資格が必要です。資格を得るには、さまざまなアマチュア大会で優秀な成績をおさめる必要がありますよ。

プロになってミスター・オリンピアなどの有名大会で優勝すれば、優勝賞金は5,000万円とも言われています。また、有名になってスポンサー契約を結べば億単位の収入が期待できます。

この記事では、ボディビルダーの仕事内容や求められる資質や能力のほか、ボディビルダーを目指すための進路について解説します。ボディビルダーの出身大学や学生時代行っていたスポーツについてもまとめたので、進路や部活選びの参考にしてみてくださいね。

ボディビルダーとは?

ボディビルダーとは、筋肉の美しさを表現するためにウエイトトレーニングや栄養摂取を行って自分自身の筋肉を発達させている人のことです。
このボディビルダーを職業としている人は、ボディビルの大会に出場して賞金を獲得しています。
また、スポンサーと契約してスポンサー料でボディビルダーとして活動している人もいます。
やみくもに筋肉を鍛えるのではなく、身体の構造や栄養の勉強をして深めた知識にもとづいた身体づくりをしているため、毎日の生活でも自己管理が必要な職業です。

ボディビルダーのプロとアマの違い

ボディビルダーといってもプロとアマの違いがあります。
ボディビルダーになるための資格はありませんが、プロになるためには民間のボディビル団体が発行している資格が必要です。
世界的に有名な団体のひとつである「IFBB」(国際ボディビルダーズ連盟)が発行しているプロライセンスが知名度、権威ともに最も高いといわれています。

このIFBBにも「IFBBプロ」と「IFBBエリートプロ」が存在していて、以下のような違いがあります。

 大会の開催地大会の方針
IFBBプロアメリカ中心興行としてボディビルの大会を開催
IFBBエリートプロヨーロッパ中心ドーピングを禁止したボディビルの大会を開催

IFBBエリートプロは、ボディビルをオリンピック競技にするためにステロイドなどのドーピングを禁止したクリーンな大会を開催しています。

どちらの資格もJBBF(日本ボディビル・フィットネス連盟)が開くコンテストで好成績をおさめないと取得できません。そのため、ボディビルダーのプロとして活躍している人はごくわずかで、多くの人は他に本業をもちながらアマチュアで活躍している場合がほとんどです。

本業の例としては、トレーニングジムの経営やスポーツトレーナーがあります。なかには、会社員や公務員などボディビルにまったく関係のない仕事を本業としている人もいますよ。

ボディビルダーとフィジーカーの違い

ボディビルと同じように身体を鍛えて肉体美を競う競技に、「フィジーク」という競技があります。
フィジークを行っている人は「フィジーカー」と呼ばれていますが、普段の生活の中で聞いたことがないという人も多いのではないでしょうか。
ボディビルとフィジークは別の競技のため、ボディビルダーとフィジーカーにも違いがあります。

ボディビルダーは全身の筋肉の量や質などで美しさを競いますが、フィジーカーは主に上半身の筋肉と身体全体の自然なカッコよさを競います。
髪型や履いているサーフパンツ、笑顔なども含めたトータルで審査が行われる、筋肉も含めた身体の美しさの競技です。

ボディビルダーの仕事内容

大会出場のためにポーズの練習をするボディビルダー

ボディビルダーの仕事は、ボディビル大会に出て賞金を稼ぐことです。

主な世界大会は、以下のとおりです。

  • ミスター・オリンピア(Mr. Olympia)
  • アーノルドクラシック
  • ニューヨーク・プロ

賞金額は大会の格式や規模によって大きく異なりますが、上記のような世界大会では、優勝4,000~5,000万円と言われています。

ボディビルの大会は、体重で階級が分けられていて、階級ごとに全身の筋肉の大きさやバランスをいろいろなポーズを行いながら競っていきます。

大会に出場するために必要なトレーニングを行い、食事も管理して理想の身体を作ることも大きな仕事です。
世界中で開催されている大会の中には、賞金が出る大会もあり、獲得した賞金で生計を立てているボディビルダーもいます。

ボディビルダーの仕事のやりがい

ボディビルダーの仕事のやりがいは、大会で得られる称賛の声です。
大会が近くなると、追い込みのトレーニングや厳しい食事制限を行うこともありますが、それらを乗り越えて出場した大会で結果が出たときの喜びは、経験した人にしかわからないかもしれませんね。

ほかにも、日々のトレーニングや食事管理などで作られる筋肉の発達もボディビルのやりがいのひとつです。
筋肉の鍛え方や栄養バランスを考えた食事を行う中で、イメージした筋肉がついていく楽しさも感じられると、もっと鍛えたくなってさらにやりがいが出てくることでしょう。

有名なボディビルダー

日本人の有名なプロボディビルダーと主な成績は、以下のとおりです。

山岸秀匡選手2016年「アーノルドクラシック212クラス」で日本人として初優勝
金子駿選手2019年「IFBB Caribbean Grand Prix オーバーオール」優勝
小池友仁選手2019年 NPCJ JAPAN CLASSIC 優勝
倉地美晴選手2017年「ASIANフィットネス世界選手権」総合優勝
横川尚隆選手2019年「JBBF 日本ボディビル選手権」優勝

ボディビルダーの仕事の流れ

タンニングされきった肉体

ボディビルダーの仕事である大会出場までにやることは、次のような流れで行います。

  • 大会出場のための身体づくり
  • 大会で行うポーズの練習
  • 大会で筋肉をより美しく見せるためのタンニング(日焼け)

順番に解説します。

大会出場のための身体づくり

ボディビルダーが身体づくりのためにやることは、日々のトレーニングと食事の管理です。

トレーニングでは、理想の身体や筋肉にするために、どの部分をどのくらい鍛えるかを考えて計画的に鍛えていきます。
食事の管理は、食べる量や時間帯によっても変わるため、筋肉をつけるために必要な栄養素を効率良く摂取していくための計算が必須です。

このように、理想の肉体美にするために必要な知識も実はたくさんあります。
ボディビルダーを職業していこうと思う人は、高校や大学でトレーニングや栄養について勉強をしておくことをおすすめします。

大会で行うポーズの練習

ボディビルの大会では、「フロントリラックス」や「サイドチェスト」、「アブドミナル アンド サイ」といった基本ポーズや規定ポーズがあり、出場者がいっせいに同じポーズをとって競うプログラムがあります。

このポーズをきれいに決めるためにも、日々のトレーニングとは別で、ポージングの練習を行うことも大会で良い成績を残すためには大切です。

大会で筋肉をより美しく見せるためのタンニング(日焼け)

ボディビルダーというと筋肉と日焼けのイメージが強い人も多いかもしれませんね。

ボディビルの大会に出場する条件として、タンニング(日焼け)は必須ではありませんが、ほとんどのボディビルダーがタンニングをした状態で大会に出場します。
これは、ポージングなどをしたときの筋肉の陰影をはっきりさせ、審査員にも筋肉の美しさをしっかり伝えるようにするためです。

最近では日焼けをしなくても、身体をカラーリングできる商品も登場しています。
ただし、多くの大会では使用が禁止されているため、大会ごとに確認が必要です。

ボディビルダーの年収

ボディビルダーの年収は幅広く、200~1,000万円といわれています。
この幅は、大会で獲得できる賞金以外に、スポンサー契約があるためです。

プロのボディビルダーになると、プロテインのメーカーやフィットネス系の会社などとスポンサー契約を結ぶこともあり、一定の収入が得られることがあります。

世界の大会の中には、優勝賞金が何千万円にもなる大会もありますが、日本国内で賞金が出る大会は少ないため、スポンサー契約をしてボディビル活動を続けているボディビルダーが多いようです。

しかし、大金を稼いでいるボディビルダーは一握りです。有名な大会で優勝し、スポンサーがついていたり、広告契約を結んでいたりしない限り、ボディビルダーのみで生計を立てるのは難しいでしょう。

ボディビルダーの多くは別に本業をもっており、そこで収入源を得ているケースがほとんどです。

ボディビルダーの将来性

プロのボディビルダーを専業として活躍するためには、ミスターオリンピアなどの有名大会で優勝し、スポンサー契約を結ぶ必要があるでしょう。ただし、このような理想のルートを辿れる人はごく一部で、専業でやっていける人は一握りです。

また、選手人生も短く、一般的には30代で現役を離れるのが一般的なため、兼業で活動を行うのが現実的です。記事後半では、ボディビルダーの主な就職先やキャリアプランについても解説しているので、参考にしてみてください。

ボディビルダーに必要な資質と能力

プロテインを飲む女性と男性のボディビルダー

ボディビルダーになるためには、次のような資質が必要です。

自分を追い込めるストイックさ

ボディビルダーにとって重要なのは、自分自身を追い込むことができるストイックさです。ボディビルダーの仕事は、トレーニングと食事管理と説明しましたが、毎日続けることは容易ではありません。

学校の勉強もテストまで毎日コツコツ継続するのが得意な人もいれば、テスト前にまとめてやってしまおうとする人もいますよね。

ボディビルダーは、大会前だけ急にがんばっても理想の身体にはすぐにならないため、毎日コツコツとトレーニングを行い、決まった食事をとり続けるだけのストイックさが必要です。

筋肉をつけるために必要な知識を身につける勤勉さ

思いつくままに鍛えていても、理想の筋肉をつけることは難しいため、必要なところに筋肉をつけるための効果的なトレーニングを考えて行う必要があります。また、筋肉をつけるために必要な栄養やその栄養が入った食事も考えることも重要です。

筋肉や栄養についての知識を得ること。そして日々、実践できる勤勉さがボディビルダーには求められます。

筋肉のつきやすさ

ボディビルダーとして大会などで良い結果を出すためには、筋肉のつきやすさも大きく影響します。
同じトレーニングをしても、筋肉のつきやすさが違えば、身体の仕上がりに差がでてしまいます。

筋肉がつきにくい人がボディビルダーに向いていないということはありませんが、筋肉がつきやすい人よりも努力が必要です。

ボディビルダーになるための方法とは?

ボディビルダーになるには、どのような進路を選択すれば良いのでしょうか。ボディビルダーの世界の現状と併せて、ボディビルダーを目指すための進学先や就職先についてご紹介します。

ボディビルダーに必要な資格や受験すべき試験

ボディビルダーになるために必要な資格は特にありません。
ただ、プロのボディビルダー(IFBBプロ)になるためには、FWJ(Fitness World Japan)というアメリカのアマチュアボディビル団体に登録し、日本で開催されるボディビル大会で成績を上げていくことが必要です。
さらにその先にあるIFBBのプロクオリファイのオーバーオール(無差別級)で優勝するか、オリンピアアマチュアで3位以上に入賞すれば、プロになる条件をクリアすることができます。
その後、登録料(250アメリカドル)を支払うと、すぐにプロカードが発行され、IFBBプロになることができます。

ボディビルダーになるための勉強ができる大学・学部

ボディビルダーになるための勉強をする場合は、まずボディビル部がある大学に入るのがいいかもしれません。

ボディビル部がある大学は、専修大学(東京)や神奈川大学(神奈川)、東海大学(神奈川・湘南キャンパス)、阪南大学(大阪)、京都外国語大学(京都)、 広島大学(広島)、福岡大学(福岡)など日本全国にあります。

その中でも以下の大学・学部では、ボディビルダーとしての活動にも役立つ勉強をすることも可能です。

<身体づくりを勉強できる学部・学科>
東海大学 健康学部健康マネジメント学科
福岡大学 スポーツ科学部健康運動科学科

<将来のジム経営などに向けての勉強ができる学部・学科>

専修大学 経営学部経営学科
神奈川大学 経営学部国際経営学科

<ボディビルダーして海外進出に向けて英語の勉強ができる学部・学科>
京都外国語大学 外国語学部英米語学科

ボディビル部でボディビルダーとしての身体づくりを行いながら、ボディビルダーとして必要な知識も学べる大学を探してみましょう。

全日本学生ボディビル選手権の結果

ここでは、2023年に開催された「第57回 全日本学生ボディビル選手権大会」の結果をまとめました。進路選びの参考にしてみてください。

1位:刈川啓志郎(学習院大学3年)
2位:依知川公平(国際武道大学4年)
3位:大島達也(日本体育大学3年)
4位:小原啓太(早稲田大学2年)
5位:本多虎之介(大阪学院大学3年)
6位:若林恭佑(東京大学4年)
7位:杉村雄大(東海大学4年)
8位:愛甲大介(阪南大学2年)
9位:瀧上蒼生(早稲田大学3年)
10位:大島康輔(白鴎大学4年)

ボディビル団体賞は、以下のとおりです。


1位:日本体育大学
2位:早稲田大学
3位:学習院大学

参考:2023年9月30日開催 第57回 全日本学生ボディビル選手権大会 (physiqueonline.jp)

ボディビルダーになるために活かせるスポーツ

ボディビルダーとして活躍している人は、学生時代どのようなスポーツをしていたのでしょう。ここでは、有名なボディビルダーが経験していたスポーツと出身大学をまとめました。

ボディビルダーやっていたスポーツ出身大学
佐々木卓プロレス東京大学
小沼敏雄ボクシング芝浦工業大学
山岸秀匡ラグビー早稲田大学
なかやまきんに君バスケットボールサンタモニカ市立大学運動生理学部
横川 尚隆野球・格闘技東京リゾート&スポーツ専門学校

ほかにも、水泳や陸上、レスリングなどの全身を使う運動は、幅広い筋肉をバランス良く鍛えられるため、ボディビルダーを目指すうえで有利になるでしょう。

有名なボディビルダーが、どんな大学出身なのか知りたい人は、「JOB-BIKI(ジョブビキ)」の人物検索でボディビルダーと検索してみてください!さきほどご紹介した山岸秀匡選手が早稲田大学出身であることも確認できますよ!

ボディビルダーになるために目指すべき就職先

パーソナルトレーナーとしてトレーニングを教えるボディビルダー

ボディビルダーとして活躍するために目指すべき就職先は、スポーツメーカーやフィットネス関連の企業が多いようです。

ボディビルダーのプロとして稼いでいるのは世界でも200人程度のため、とても狭き門となっています。
そのため、ボディビルをとおして身につけたトレーニングや食事についての知識を活かして就職し、ボディビルを続ける人が多いです。

ボディビルダーになった後のキャリアプラン

ボディビルダーとしてプロになれば、スポンサー契約などで収入を得られるようになりますが、それ以外の道はあるのか気になる人も多いと思います。

ボディビルダーの中には、ボディビルで身につけた知識を活かしていろいろな仕事をしている人もいます。その中からいくつかご紹介します。

パーソナルトレーナー

筋肉を大きく発達させて肉体の美しさを追求するボディビルダーですが、そのトレーニングや食事管理の知識を活かしてパーソナルトレーナーをしている人も多いです。
細マッチョのような筋肉をつけたい人やダイエットをしたい人、スポーツ選手など、幅広いニーズがあるため、より専門的な知識を身につけていく選択肢もあります。

ジム経営

パーソナルトレーナーからさらに幅を広げて、自分自身のジムを始めることも可能になります。
ジムを始めるためには資金が必要ですが、より多くの人にトレーニングを教えられます。

タレント

ボディビルダーとして活躍する人の中には、メディアへの露出が増え、タレントとして活動する人もいます。
横川尚隆さん、才木玲佳さん、宮田みゆきさん、宮田勝実さんなど、テレビや雑誌などに取り上げられたり、みずからのボディビル経験などを本にして出版する人もいたり、その活動の幅は広がっています。

最近では、InstagramやX(旧Twitter)、Tik TokなどのSNSでトレーニング方法を発信して人気になるボディビルダーもいます。

ボディビルダーへの道を「JOB-BIKI」で検索しよう

プロのボディビルダーは狭き門ですが、ボディビルをとおして得たトレーニングや食事に関する知識は幅広く活かすことができます。
パーソナルトレーナーなどで身につけたスキルや知識を活かしながら、ボディビルダーとしても活躍の場を広げてみてはいかがでしょうか。

さらにボディビルダーの仕事について知りたい人は、「JOB-BIKI」の「人物検索」でボディビルダーを検索してみてはいかがでしょうか?ボディビルダーを目指すための、進路選択に役立つ情報がきっと見つかりますよ!

「JOB-BIKI」の「人物検索」でボディビルダーを検索 

よく読まれている記事

タグで記事を絞り込む