プログラマーとは?仕事内容や年収、目指せる大学の学部も紹介
2023.01.05
プログラマーは、Webサービスやスマホゲーム、金融機関のサーバでの処理など、さまざまなプログラムを作成する仕事です。プログラマーになるためにはどんな勉強が必要で、どんな資格を取れば良いのでしょうか。また、プログラマーになったらどういった職場で働くことになるのでしょうか。この記事では、プログラマーの仕事内容や向いている人、おすすめ学部や資格など、さまざまな情報をご紹介します。進路を検討している皆さんは、ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
プログラマーとは?
プログラマーはコンピュータに特定の仕事を指示する言語で指示書(プログラム)を書く人です。たとえば、ゲームの開発、ウェブサイトの作成、またはデータ解析などさまざまな分野で活躍します。
高度なスキルを持つプログラマーは、プログラムを組む際、コンピュータが理解できるように工夫を凝らします。しかし、設計通りに進んでも、「バグ」と呼ばれる問題が発生するとコンピュータが思うように動かないことも。こうした障害を見つけ、修正することもプログラマーの大切な仕事です。
プログラマーの種類と仕事内容
プログラマーにはいくつかの種類があり、種類によって扱う分野が異なります。以下の表は、プログラマーの種類別に、何のプログラミングをするのかまとめたものです
【プログラマーの種類と仕事内容】
Web系プログラマー | ショッピングサイトやSNSなどのWebアプリやWebサイト |
アプリケーションプログラマー | パソコンやスマホで使うアプリ |
ゲームプログラマー | ・家庭用ゲーム機器 ・スマホゲームアプリなど |
汎用系システムプログラマー | ・金融機関のバンキングシステム ・保険会社の顧客データベースのシステムなど |
通信系プログラマー | ・Wi-Fiルーターやモデムなどのネットワーク機器 ・テレビ会議やIP電話を使用する通話システム |
組み込み系システムプログラマー | 電化製品や自動車、電子機器などを制御するためのプログラム |
プログラマーとSE(システムエンジニア)の違い
プログラマーと似た職業にSE(システムエンジニア)がありますが、それぞれ役割が異なります。
システムエンジニアの仕事は、お客さんの要望を理解し、どういうシステムを作るのかを決定していく業務です。
システムが実現することを仕様と呼びます。仕様を実現するための方法を設計と呼びます。この仕様と設計を決めてドキュメントを作るのが、システムエンジニアです。
プログラマーは設計書にしたがって、仕様を満たすためのソースコードを記述していくのが役割です。SEがプログラムを作成することもあります。
プログラマーの仕事のやりがいと厳しさ
プログラマーの仕事のやりがいには、以下のようなものがあります。
・達成感を味わえる
プログラマーの仕事はものづくりの一種で、さまざまな目的に合わせてプログラムを作っていきます。ときには大変な依頼もありますが、プログラムを完成させられたときは達成感を味わえるでしょう。
・新しいことに挑戦し続けられる
プログラマーに必要な知識は、日々更新されていきます。勉強を続けていくことは大変ですが、新しいものに挑戦することが大好きな人なら、仕事を通してたくさんのやりがいを感じられるでしょう!
プログラマーには、以下のような厳しさもあります。
・時間に追われることがある
システム開発のスケジュールはタイトであることも多く、納期前には長時間働く必要があることも。開発したプログラムのリリース後も、メンテナンスやバグの修復なども担います。ときには休日返上で、どうにか納期に間に合わせるといった場面もあるでしょう。
・学び続ける必要がある
プログラマーの世界は、新しい技術やツールが続々と登場するため、学び続けることが不可欠です。プログラミングは常に進化しており、古い知識だけでは追いつけません。
近年では人工知能(AI)が進化し、プログラミングを自動的に行う技術も登場しています。つねに新しいことを学ぶ姿勢をもつことで、未来のテクノロジーにも柔軟に対応できるでしょう。
プログラマーの想定年収
厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、プログラマーをはじめとする「ソフトウェア開発技術者」の平均年収は523万円です。プログラマーが必要とされる企業は東京や大阪、名古屋などの大規模な都市に多いとされています。賃金が高いエリアの大企業に就職した場合は、給与も高くなることが期待できます。企業によっては、資格取得のために受験料を援助してくれたり、合格したときにはお祝い金を出してくれたりすることも。サポートの手厚い職場なら、スキルアップに挑戦しやすいことも魅力ですね。
【参考】職業情報提供サイト(日本版O-NET)
URL:https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/313
プログラマーの将来性
「プログラマーの仕事は、将来AIに取られるのでは?」と心配している人もいるでしょう。結論から言うと、入力処理などのコードは、すでにAIが自動で生成できる状態です。今後もAIによるコード生成の自動化は進むでしょう。
ただし現時点では、データ分析などのカスタマイズが必要なプログラムは、人の手による実装が必要です。今後は、AIによるツールを開発したり、ツールをうまく使いこなすプログラマーが求められるのかもしれません。
プログラマーに求められる資質やスキル
プログラマーとして働いていくために必要な資質やスキルは以下の3つです。
- 集中力
- 情報収集力
- 論理的な思考
集中力
プログラマーは、長い時間をかけて一つのプログラムを作り上げていきます。集中が続かないと、プログラムの完成はどんどん遅れてしまいます。コツコツとプログラム作成に取り組める根気強さや、集中力が不可欠です。
情報収集力
プログラマーとして働いていく上では、プログラミング言語やツールなどの最新情報を取り入れて、スキルアップしていくことも大切です。仕事で忙しい日々のなかでも、常に新しい情報を集めて身に付けられる力が必要といえます。
論理的な思考
プログラムを作るときは、どうやって組み立てていけば希望するものができあがるのか、筋道を立てて考える必要があります。順序よく正確に組んでいくことができなければ、プログラムを完成させることはできません。プログラマーには、論理的に物事を考えられる力が必須といえるでしょう。
プログラマーに向いている人
プログラマーに向いている人の特徴は、以下の3つです。
- 学習意欲が高い
- 柔軟性がある
- 効率化を考えるのか好き
学習意欲が高い
プログラマーに向いているのは、学習意欲の高い人です。プログラミングは新しい技術やツールが出てくる分野であり、常に新しい知識を吸収する必要があります。
学びたい気持ちが強い人は、新しいプログラミング言語などに挑戦し、自分のスキルを向上させることができます。また、新しい課題に対して自分で解決策を見つけ出す必要もあります。学習への情熱と自己解決力を持つことで、プログラマーとしての成長が期待できるでしょう。
柔軟性がある
プログラマーに向いているのは柔軟性がある人です。プログラミングは変化が激しく、新しい課題や技術が次々と現れます。柔軟性があれば、異なるプログラミング言語などに適応し、変化に対応できるでしょう。
柔軟性がないと古いスキルに固執してしまい、新たな課題に適切に対処できなくなります。たとえば想定外のユーザーの操作や環境による不具合に対処する際、柔軟性がないと創造的な解決策を見つけるのが難しくなるでしょう。また、ほかのプログラマーやチームメンバーとの協力や意見交換が難しくなり、プロジェクトが円滑に進まない可能性があります。
効率化を考えるのか好き
プログラマーに向いているのは、効率化を考えるのが好きな人です。プログラミングはタスクを自動化し、効率的に処理することが目的の一つです。効率的なコードを書くことで、同じ仕事を繰り返す手間を省き、素早く成果が出せます。
好奇心旺盛で効率的なプロセスを追求することが楽しいと感じる人は、プログラムの最適化や新しいアルゴリズムの考案に喜びを感じることでしょう。
未経験からプログラマーになる方法
未経験からプログラマーになる方法として、以下の項目を押さえておきましょう。
- プログラマーにおすすめの資格
- プログラマーを目指せる学部
プログラマーにおすすめの資格
プログラマーは資格がなくても就ける職業ですが、「情報処理技術者試験」に合格していると就職時に有利です。
試験にはいくつかの種類がありますが、そのなかでも未経験者向きとされているのが「ITパスポート試験」です。こちらに合格できたら「基本情報技術者試験」など、徐々にレベルアップした試験にチャレンジすることが一般的です。
未経験者を募集している企業もたくさんありますが、プログラマーとして働くには「プログラミング言語」の知識が欠かせません。上記のような資格を取得しておいて損はありません。
ほかにも、コンピュータの仕組みやソフトウェア開発についての知識などがあると役立ちます。関連する資格を取得しておくと、就職の選考で有利になることがありますよ。
プログラマーを目指せる学部
プログラマーは理系学部出身でなければ就職できないと考えている人もいるかもしれませんね。ただ、プログラマーのなかには文系学部出身の人もいます。そういった人の場合、独学でプログラムについて学んだり、プログラミングスクールに通ったりしてスキルを習得することがあります。新卒で入社した会社で、しっかりと基礎から教えてもらえることも。ただ、大学でプログラムの根本的な理論を学んでおくと、幅広いプログラミング言語に対応するための力を身に付けられます。プログラミングの基礎力をつけたいなら、情報学部や理工学部などで学ぶことがおすすめです。学科には情報工学科や情報システム工学科、情報通信工学科、電子工学科などがあります。データベースやネットワークの知識を得られるのはもちろん、実践的なプログラミングの実習も受けられますよ。
また、企業によっては大卒であることを採用条件にしていることがあります。将来的にリーダーやマネージャーになることを前提とした総合職での採用も、大卒の人材から探すことが多くなります。応募可能な就職先の選択肢を広げたい人や、チームを引っ張っていく立場を目指したい人なども、大学進学を検討することがおすすめです。
プログラマーの就職先
フリーランスのプログラマーとして活躍する人もいますが、最初のうちは企業に就職して経験を積むことが一般的です。主な就職先はソフトウェア開発会社やアプリ開発会社、ゲーム開発会社などです。ほかにも、家電メーカーや自動車メーカー、Web制作会社など、幅広い企業や業界でプログラマーの求人募集があります。どんなプログラムの作成に携わりたいかによって、目指す就職先も変わってくるでしょう。
プログラマーのキャリアプラン
プログラマーとして就職したら、先輩社員のアシスタントなどを経験しながら実践的なスキルを身に付けていきます。一人でも問題なく仕事を進められるようになったら、少人数チームのリーダーを任されることもあります。
プログラマーとして経験を積んだ後、別の職種を目指す人も。代表的なのが「システムエンジニア」で、プログラムの設計や仕様書などを作る「上流工程」と呼ばれる部分を担当するようになります。
また、プログラマーやシステムエンジニアなどのチームをまとめる「プロジェクトマネージャー」になる人もいます。どんな計画で仕事を進めるのかを考えたり、必要なメンバーを確保したりといったマネジメント業務が中心になります。マネジメントではなく、プログラム作成を極めていきたい場合は「スペシャリスト」への道を進んでいくことになるでしょう。スペシャリストになるためには、専門分野の高度な知識やスキルを身に付ける必要があります。
ほかにも、ステップアップのために転職活動して別の会社へ移ったり、独立してフリーランスになったりする人もいます。このように、プログラマーの働き方はさまざまです。ただ、どんな場合でもプログラミングスキルを高めていく努力は欠かせません。プログラマーになった後も、どんな方向に進みたいかを考えながら、必要な勉強を続けていくことが重要です。
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プログラマーになるために必須となる資格や学歴はありません。ただ、大学でしっかりと理論を学んでおくと、さまざまなプログラミング言語を扱うときに役立つ力を身に付けられます。
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