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補欠合格とは?発表時期や発表方法など知りたい情報まとめ

2022.12.20

カテゴリー:
合格発表を待つ受験生

補欠合格は、大学入試における合格の種類のひとつ。「補欠」という言葉を聞いて、なんとなくイメージできても、「補欠合格」の詳しい仕組みについてはわからない人も多いのではないでしょうか。
この記事では、補欠合格とは何か、正規合格との違いのほか、繰り上げ合格になったときの注意点などについて解説します。あなたが補欠合格になったときに備えて、最後まで読んで事前に備えておきましょう。

補欠合格とは、合格となる可能性がある状態のこと

補欠合格とは、大学入学選抜試験に合格した人(正規合格者)の中から入学の権利を辞退する人が現れたとき、代わりに入学の権利を得られる「合格候補者」のこと。つまり補欠合格は、正式に合格したのではなく「合格となる可能性がある状態」なのです。合格辞退者が出るかどうかによって状況が変わるため、補欠合格は「合格が保留となっている状態」ともいえます。

正規合格との違い

定員が決まっている入学選抜試験に合格することを、「正規合格」といいます。正規合格して入学の意志が固まれば、通常は合格発表からおよそ2週間以内に入学手続きをするのが一般的です。
ただし、正規合格した人がすべて入学するとは限りませんよね。なぜなら、併願したほかの大学・学部に合格していれば、どちらかを選び、一方でどちらかの入学を辞退することもあるからです。
正規合格した人から辞退者が出ると、予定していた入学定員に対して人数が足りなくなってしまいます。そこで大学は、補欠合格者に合格の権利を与えて、入学定員を満たすのです。

繰り上げ合格(追加合格)との違い

ごくわずかな点数差で合否が分かれることも多いのが、大学受験です。基準点(合格最低点)に対して、1~2点足りなかった受験生が補欠合格扱いとなります。そして、正規合格者から入学辞退する人が出たとき、補欠合格者が正規合格者へ繰り上がるのが「繰り上げ合格(追加合格)」です。
つまり、同じように「◯◯合格」と呼ばれてはいるものの、状態が異なるので注意してくださいね。補欠合格は「合格とはまだみなされていない状態」で、繰り上げ合格は「合格した状態」なのです。

国公立大学、私立大学での違い

補欠合格に関して、国公立大学と私立大学での事情は大きく違います。
第一志望とする受験生が多いため、入学を辞退する人は比較的少ないのが国公立大学。そのため、補欠合格の発表は基本的にありません。辞退者が出たときに初めて、繰り上げ合格の連絡があるのです。つまり国公立大学においては、実質的に「補欠合格」という概念がなく、正規合格と繰り上げ合格のいずれかの発表しかないと考えたほうがいいでしょう。

一方で、私立大学は併願する受験生が多いことから、補欠合格者が多く発表されるのが特徴です。
文部科学省は近年、定員に対する入学者数について厳しい規定(定員厳格化)を設け、それによって私立大学の補欠合格者数はさらに増えています。なぜなら、定員を大きく上回る学生を入学させると、大学は文科省にペナルティを受けてしまうからです。
そこで、大学は入学辞退者が出ても、定員を少し超える程度の正規合格者をキープできるように、調整枠として補欠合格をより多く出すようになりました。

繰り上げ合格の仕組み

大学受験の合格発表

 
補欠合格となっても繰り上げ合格に入らなければ、入学の権利を得たことにはなりません。繰り上げ合格は、入学辞退者が出るたびに、補欠合格者の中から入学選抜試験の得点順で選ばれます。大学・学部によっては、同点の受験生が複数いるときには、特定教科の得点によって判断されることもあるようです。

正規合格者の中で入学を辞退する人が少なければ、繰り上げ合格者の数も少なくなります。つまり、あなたが補欠合格だという通知を受けても、それは必ず繰り上げ合格になる保証があるわけではないのです。繰り上げ合格にどこまで期待するのか、いつまで待つのかはかなり難しい判断になるかもしれませんよ。

繰り上げ合格の発表時期

正規合格者の入学手続きがすべて完了した段階で、繰り上げ合格の対象となる人数が決定します。私立大学の繰り上げ合格の発表は、正規合格者の入学手続きの期限から数日から1ヵ月以内と、大学によってさまざま。大学からの繰り上げ合格の通知時期が公表されている場合は、あらかじめチェックしておきたいですね。

国公立大学では3月下旬に繰り上げ合格者が発表されます。ただし、4月の大学入学までほとんど時間がないことから、国公立大学の繰り上げ合格発表を待たずに私立大学への進学を決める人も多いのが現状です。

繰り上げ合格の発表方法

近年、繰り上げ合格は、大学のウェブサイトで発表することが多いようです。入学辞退者が出るたびに、ウェブサイトに繰り上げ合格が発表されます。
ただし繰り上げ合格の発表方法は、大学によって電話やメール、郵送書類などさまざま。事前に発表方法をよく確認して、せっかくの入学の権利を失わないようにしたいものですね。

補欠合格から繰り上げ合格を待つ際の注意点

スマホで繰り上げ合格通知を確認する高校生

 
どうしても行きたい志望校があるのなら、正規合格だけでなく繰り上げ合格も視野に入れておく必要があります。最後に、補欠合格から繰り上げ合格を待つときの注意点を確認しておきましょう。

募集要項で合格発表方法・時期をよく確認する

大学・学部によって、補欠合格の発表方法や手続きは異なります。繰り上げ合格の通知を見逃したり、手続きの期限に間に合わなかったりすると、せっかくの入学の権利が無効になってしまうことも。併願の際は、受験する大学・学部ごとに募集要項をよく確認し、合格発表日と補欠合格の発表に関する情報をしっかり把握しておきたいものです。

「併願の仕組みがよくわからない」という人は、下記のコラムをぜひ読んでみてください。
併願とは?大学受験で失敗しない併願先選びや注意点を解説

合格発表の通知を見逃さない

繰り上げ合格は、ウェブサイトやメールや郵送書類での発表のほか、状況によっては電話で通知を受けるケースもあるので注意しましょう。大学側は入学辞退者が出て空いた枠に、早めに入学者を補いたいと考えています。そこで、即座に入学意思の確認ができる電話を利用するのです。
大学によっては、非通知設定で電話発信してくることも。願書にはすぐにつながる電話番号を記載する、非通知拒否設定を解除しておく、合格通知の時期には着信にすぐに気づけるように備えておきましょうね。

おすすめなのは、受験するすべての大学の正規合格・補欠合格の発表方法や発表時期を、手帳やカレンダーにメモしておくこと。志望度が高い大学であれば、スマートフォンのスケジュール機能でアラームを設定しておくと、見落としが防げるので安心です。
ウェブサイトの発表はもちろん、メールや郵送書類を見落としたり、電話がつながらなかったりするだけで、せっかくの合格のチャンスをふいにするのはもったいないですからね!

過去の繰り上げ合格者数を調べて予測を立てる

繰り上げ合格者の発表から入学手続きまでは、ごく短い期間しかありません。大学によっては、ウェブサイトなどで過去の補欠合格者、繰り上げ合格者の人数を公表しています。過去のデータから繰り上げ合格の人数や発表時期を確認しておくと、予測が立てやすいはず。
あらかじめ繰り上げ合格も含めたさまざまな選択肢を考えて、入学手続きのスケジュールを立ててくださいね。

繰り上げ合格になったらどうするか意思を固めておく

正規合格したときと同じように、繰り上げ合格でも入学するか辞退するかは選択可能です。補欠合格になった時点で「繰り上げ合格になったら入学するかどうか」を検討しておきましょう。
第一志望の大学であれば「入学」一択かもしれませんが、併願校であれば辞退もひとつの判断です。あなたが大学で何を学びたいか、どの大学なら後悔しないかなど、さまざまな観点から進学先を選びましょう。

どんなカタチの合格でも、自分が納得できる大学選びを

大学受験において、合格は正規合格だけではありません。「補欠合格」から「繰り上げ合格」となり、入学の権利を得られるケースもあるのです。
ただし、どのようなカタチの合格であっても、入学か辞退かは、受験生本人が判断するもの。進学先を決めるときは、慎重に検討しましょう。
そのためにも、受験する大学を選ぶ段階で「自分がなりたい職業につながるか」「そのためにはどの大学なら学べるか」を「JOB-BIKI」でよく調べておきたいですね。
進路選びや併願校選びについては、下記の記事を参考にしてみてくださいね。

進路が決まらない!高校卒業後の進路の決め方や進路別の特徴を解説

大学の選び方と選ぶポイントとは?高校生が後悔しない進路選択

併願とは?大学受験で失敗しない併願先選びや注意点を解説

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