学士とは?大学の学位の種類と特徴、取得する方法について解説
2023.09.13
高校生の皆さんが、今通っている高校を卒業すると「高卒資格」を得られます。高卒資格は、皆さんが高校での学びをきちんと修めたことを証明するものです。それでは、もしも将来大学を卒業したら、大学での学びを修めた事実は、どんなふうに証明されるのでしょう?実は大学では「学位」という称号によって学問を修めたことが証明されるんです!
この記事では、大学や大学院を卒業すると得られる学位について解説します。大学への進学を考えている皆さんは、ぜひ参考にお読みください!
目次
大学の学位について
大学を卒業すると、「学位」と呼ばれる称号を得られます!大学進学を目指すなら、学位にどんな意味があるのかを押さえておきましょう!
学位とは
学位とは、大学や大学院で専攻分野の学業を修めたことを証明する称号です。大学や大学院を卒業すると、学校側から学位が与えられます。学位を持っていると、その人が高度な専門知識や技術を身につけていることを、客観的に証明できるようになるんです!取得した学位は、大学で専攻した分野に関連した仕事に就く場合、自分のスキルを証明するのに役立ちます。
学位にはこんな種類があります。
・学士
・修士
・博士
・短期大学士
・専門職学位
たとえば、高校生の皆さんが卒業後に4年制大学へ進学して卒業したとすると、取得できるのは「学士」の学位になりますよ。それぞれの学位の特徴について、さらに詳しい情報は後の見出しで解説するので、ぜひお読みください。
高卒資格と学位の違い
高校卒業によって得られる高卒資格と、大学卒業によって得られる学位には、どのような違いがあるのでしょうか。
高卒資格も学位も、卒業要件を満たして学校を卒業することで取得できる点は、共通しています。高校の卒業要件は、3年間にわたり高校に在学することと、指定された科目の単位(=特定の科目の修了を証明するもの)を74単位以上取得することです。一方、4年制大学の卒業要件は、4年間にわたり大学に在学することと、124単位以上を取得することです。年数や単位数に違いがありますね。また、大学では高校と違って、指定された科目だけでなく、自分で選択した科目の単位も取得する必要があります。
また、大学の学位は高卒資格とは違って専攻した分野によって称号が異なるという違いがあります。たとえば「学士」のなかには、文学部の卒業生に与えられる「文学士」、教育学部の卒業生に与えられる「教育学士」、理学部の卒業生に与えられる「理学士」といった種類があるんです。称号によって自分が修めた学問の専門性を証明できるのが大きな違いです。
なお、大学の学位を取得するための卒業要件について、詳しくは後の見出しで解説します。ぜひこちらもチェックしてみてくださいね。
学位の種類と特徴
自分が選んだ進路によって、得られる称号が異なります。ここでは、学位の種類と特徴をご紹介します。
学士
学士とは、大学の卒業によって与えられる学位のことです。「学士号」とも呼ばれます。学士は一般的に4年制大学で取得できるほか、大学の通信課程(=通学せずに学ぶ方法)や夜間過程(=夜の時間帯に通学して学ぶ方法)でも取得できます。
学士には、大学の専攻分野ごとに種類があるんです!以下でご紹介するのは、学部別の称号の一例です。このほかの学部でも、それぞれの専攻分野を表す称号を得られますよ。
【学部別の学士の種類】
学部 | 称号 |
文学部 | 学士(文学) |
教育学部 | 学士(教育学) |
理学部 | 学士(理学) |
工学部 | 学士(工学) |
法学部 | 学士(法学) |
商学部 | 学士(商学) |
医学部 | 学士(医学) |
薬学部 | 学士(薬学) |
たとえば「学士(理学)」の称号を持っている人がいれば、その人は理学部の出身であるといったように、学位から大学の専攻分野が明らかになります。自分の志望する学部でどんな称号を得られるのか、チェックしてみましょう!
大学院とは?種類や修士・博士課程の違い、入試の仕組みを解説
大学院の博士号とは?修士号との違いや取得のメリットを解説
修士
修士とは、大学院の修士課程の卒業によって与えられる学位のことです。「修士号」や「マスター」とも呼ばれます。修士課程とは、大学院に進学して最初に学ぶ課程であり、大学よりも専門性の高い研究を行います。
博士
博士とは、大学院の博士課程の卒業によって与えられる学位のことです。「博士号」や「ドクター」とも呼ばれます。博士課程とは、大学院で修士課程を修めた後に学ぶ課程のこと。専門性の高い研究を行うだけでなく、研究者として自立して研究活動に取り組むための高度な能力が求められます。
短期大学士
短期大学士は、短期大学の卒業によって与えられる学位のことです。短期大学とは、2年制または3年制の大学のことで、4年制大学と学ぶ期間に違いがあります。
専門職学位
専門職学位は、専門職大学の卒業によって与えられる学位が代表的です。専門職大学とは、特定の業界に就職するための専門知識や技術を身につける大学のこと。卒業後は「理学療法学士(専門職)」「情報工学士(専門職)」「グローバルビジネス学士(専門職)」のような形で、専門職つきの学位を取得できます。また、大学院の専門職学位課程(専門職大学院)を修了することでも授与されます。
学位取得のための卒業要件は?
大学では、指定された科目や自分で選択した科目を修めて、単位を取得することにより卒業できる仕組みになっています。学位を取るために、大学や大学院の卒業要件をチェックしてみましょう!
単位の取り方について
単位を取るためには、科目ごとに定められた評価基準を満たす必要があります。具体的な評価基準の例として、出席状況・課題の完成度・テストの点数などが挙げられます。これらの基準を満たして単位を取るためにも、日々の講義に休まず出席して科目の知識や技術を身に着け、課題やテストで良い成績を修めることが大切です!
卒業要件
4年制大学の卒業要件は、4年間にわたり在学して、124単位以上を取得することです!その際は、指定された科目の単位と、自分で選択した科目の単位を合計して、卒業に必要な単位数を満たす必要があります。
たとえば、大学卒業に必要な単位数が合計124単位で、かつ専門科目で70単位、教養科目で12単位、外国語科目で16単位を取得するのが要件だとします。この場合、指定された科目の70単位+12単位+16単位=98単位に加えて、自分で科目を選択して26単位分を取得し、合計124単位を取得する必要があるということです!学部によって科目ごとに必要な単位数が異なるので、ぜひ志望校の公式サイトで情報をチェックしてみましょう。
大学院の修士課程・博士課程では、2~5年間にわたり在学することと、指定された単位を取得することに加えて、さらに別の卒業要件が設けられているのが一般的です。たとえば、研究指導(=担当教員から自分の研究に必要な指導を受けること)の評価や、研究の成果を示す論文の審査、試験などの評価も卒業要件に含まれます。大学卒業後、修士や博士の学位取得を目指したい皆さんは、ぜひ大学院の卒業要件についても確認してみてくださいね!
大学についてもっと詳しく知りたい人は「biki-note」で情報収集!
ここまで、大学の学位について解説しました。「biki-note」では、進路を考え始めた高校生の皆さんへ向けて、お役立ちコンテンツを発信しています!「大学で単位を取るためにはどんなテストを受けるの?」「将来、修士や博士など研究の道を目指すには?」と気になった皆さんには、以下の関連記事がおすすめです。ぜひこちらもお読みくださいね。