大学で飛び級はできる?飛び入学・早期卒業制度を利用する条件
2023.09.13
皆さんは「飛び級」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?海外ドラマなどで、成績優秀な学生が通常の学年を飛び越して、さらに上の学年に進級するシーンを見たことがあるかもしれませんね。
日本では、小学校・中学校・高校までの学校教育において、年齢に応じた学年で学ぶことが定められているため、飛び級にあたる制度はありません。しかし、大学では「飛び入学制度」や「早期卒業制度」といった形で、通常よりも早く入学や卒業ができる制度が用意されていることも。自分の強みを活かして、早くに進学したり社会で活躍したりしたいと考えているなら、それぞれの制度について確認しておきましょう!
目次
日本の大学の飛び級制度とは?
ここでは、日本の大学の飛び級制度にあたる「飛び入学制度」と「早期卒業制度」の特徴をご紹介します。飛び級といっても、海外の学校のように“通常は2年生に進級するはずの学生が、飛び級で3年生に進級する”といった形とは異なります。日本の大学に進学するなら、それぞれの制度について理解しておきましょう!
飛び入学制度
飛び入学制度とは、特定の分野で優れた能力を持っている高校生が、通常よりも早く大学へ入学できる制度のことです。高校生が大学に進学する場合、通常は高校を卒業することが入学資格を得る一つの要件となっています。それに対して制度を利用すると、高校に2年以上在学していれば大学に入学できるようになるのです!ただし、飛び入学ができるのは、大学側が制度を実施している場合のみとなります。飛び入学の条件は大学によって異なるものの、一般的に「高校の校長からの推薦」などの高いレベルを要求され、さらに試験や面接による選抜で合格しなければなりません。
なお、飛び入学制度は大学だけでなく大学院でも実施されています。大学院の場合、通常は大学を卒業することが進学の条件となっていますが、制度を利用すれば大学に3年以上在学すれば進学が可能になるんです!大学院に飛び入学するには、大学の特定の科目で優秀な成績を修めるなど、高いレベルの条件を満たす必要があります。
早期卒業制度
早期卒業制度とは、大学で優秀な成績を修めた学生が、通常よりも早く卒業できる制度のことです。4年制大学を卒業するには、通常であれば大学に4年以上在学することが卒業要件の一つになっています。一方、制度を利用する場合、大学に3年以上在学すれば卒業が認められます。早期卒業の条件は大学によって異なりますが、指定された単位(=特定の科目の修了を証明するもの)数を取得することや、全科目の成績が一定以上の高い水準であることなどは基本的に必須です。それだけでなく、担当教員からの了承を得ることや、他の学生のお手本になるような良い態度で学んでいることなど、高いレベルの条件が設けられています。
飛び入学制度・早期卒業制度を利用するメリットと注意点
大学に入学してから「飛び入学制度」や「早期卒業制度」を利用したいと考えているなら、どんなメリットがあるのか、どんなことに注意すべきなのかを押さえておきましょう。
飛び級制度を利用するメリット
通常よりも早く大学へ入学・卒業すると、若いうちに限りある時間を有意義に使えるのがメリットです。たとえば、通常よりも1年早く入学・卒業した場合、ほかの学生と比べて1年早く卒業後の道を選べます。就職して社会で活躍したり、留学して海外で経験を積んだり、大学院で専門性の高い研究に取り組んだりと、いち早く将来の夢へ向けた一歩を踏み出せるのが魅力です。すでに将来やりたいことが明確になっているあなたは、自分の強みを活かして早期の大学入学・卒業にチャレンジしてみては?
飛び級制度を利用する注意点
「飛び入学制度」や「早期卒業制度」を利用する場合、高校や大学で過ごす時間が通常よりも短くなる分、学校生活が多忙になります。高校で2年間・大学で3年間という限られた期間で卒業に必要な単位を取得し、かつ優秀な成績を修めるには、日々の生活で勉強時間を多く確保しなければなりません。
また、高校や大学は同級生の中に生涯の付き合いになる大切な友人が見つかる場でもあります。たとえば飛び入学をした場合、高校2年生の時点で同じクラスの友人たちと一足先に離れて、別の環境で学ぶことになります。同様に、大学を早期卒業した場合は、サークルやアルバイトなどの課外活動にはほとんど時間を使えないことも。自分がどんな学校生活を望むのかをしっかりと考えた上で、これらの制度を活用しましょう!
飛び入学制度・早期卒業制度を実施している大学
「飛び入学制度」や「早期卒業制度」は、どんな大学で実施されているのでしょう?制度を利用できる大学の例をご紹介します。
飛び入学制度を実施している大学
以下は、文部科学省が公表している、令和4年度に飛び入学制度を取り入れている大学の一覧です。これまでにどれくらいの人が制度を利用して入学したのか、気になっている方もいるのでは?もっとも多いのは千葉大学(文学部、理学部、工学部、園芸学部)で、令和5年5月までに累計104名が制度を使って入学しているんです!ほかにも、名城大学(理工学部)では累計27名、会津大学(コンピュータ理工学部)では累計9名が、制度を使って入学しています。
なかでも目立つのが音楽学部。世界トップクラスのアーティストを育成するために制度を設置している大学が多くあるんです。飛び入学を利用して早期に大学を卒業すれば、その後に海外の有名な音楽大学へ留学するといった進路も選びやすくなりますね。
【飛び入学制度を実施している大学】
- 会津大学(コンピュータ理工学部)
- エリザベト音楽大学(音楽学部)
- 京都大学(医学部)
- 千葉大学(文学部、理学部、工学部、園芸学部)
- 東京音楽大学(音楽学部)
- 東京藝術大学(音楽学部)
- 桐朋学園大学 (音楽学部)
- 名古屋音楽大学(音楽学部)
- 日本体育大学(体育学部)
- 名城大学(理工学部)
【出典】「飛び入学実施大学一覧」(文部科学省)
URL:https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shikaku/07111318/001/002.htm
早期卒業制度を実施している大学
以下は、早期卒業制度を取り入れている大学の一例です。大学によっては、特定の学部のみで制度を導入していることもありますよ。これらの大学は、制度を実施している全国の学校の中でもほんの一例!さらに多くの大学が早期卒業制度を実施しているんです。すでに進学先として気になっている大学や学部がある方は、その大学や学部に早期卒業制度があるのか、公式Webサイトなどで調べてみてくださいね!
【早期卒業制度を実施している大学】
- 桜美林大学
- 学習院大学(経済学部)
- 関西大学(商学部)
- 京都産業大学(情報理工学部)
- 慶應義塾大学
- 駒澤大学(経済学部、法学部、グローバル・メディア・スタディーズ学部)
- 広島経済大学
- 法政大学
- 北海学園大学(法学部)
- 明治大学(法学部)
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ここまで、日本の大学で飛び級制度に該当する、「飛び入学制度」や「早期卒業制度」についてお伝えしました。制度を利用すれば、自分の強みを活かして通常よりも早く入学・卒業して、早期に大学への進学や社会での活躍が期待できます。このように、大学によって多彩な制度が用意されているので、進路を考える際は自分がどんな制度を使えるのかを知っておきたいですね。
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