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法学部ではなにを学べる?主な学科の種類と卒業後の進路について

2023.09.14

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法学部は法律を学ぶ学部

法学部と聞くと、「なんとなく法律について学ぶのはわかるけど、詳しい内容までは想像がつかない」という人も多いのではないでしょうか?今回は、大学でどんな学部へ進みたいか悩んでいる皆さんに向けて、法学部がどんな学部なのかをご紹介します。法学部で学べる内容や主な学科、卒業後の主な進路などをお伝えするので、ぜひチェックしてみてくださいね。


法学部について

法律を学ぶために本を読み漁る大学生

法学部はどんなところで、どんな内容を学ぶことができるのでしょうか。まずは、法学部の基礎知識や、主に学べることなどをご紹介します。

法学部とは

法学部は、法律について学ぶ学問の場です。法律は、私たちが社会で生きていくために必要なルールとなります。たとえば、道を安全に通行するための交通ルールも法律によって定められています。皆さんも、授業で日本国憲法などの法律について学んだことがあるはず。法学部では、さまざまな法律の内容や歴史など、より専門的なことを勉強できます。そうして学んでいくなかで、リーガルマインドを身に付けることも目標とされることがあります。リーガルマインドとは、物事を法的に考えて判断し、答えを導き出す力のこと。意見の食い違いやトラブルなどが起こったとき、リーガルマインドを持って問題解決に臨むことで、より公平で納得のいく結論を出しやすくなります。

たとえば、高校生のAさんが友達のBさんにスマホを貸し、しばらくしてから壊れてしまったとします。Aさんは「Bさんに修理代を払ってほしい」と主張し、Bさんは「スマホは自分のせいで壊れたのではなく、借りる前から不具合があったかもしれない」と主張した場合、公平に問題を解決するのは難しくなってしまうでしょう。そんなときに役立つのがリーガルマインドなのです。2人の主張を聞き、スマホが故障する前に不具合がなかったか調べたり、貸し借りしたものについての法律を確かめたりして、それぞれが納得いくような解決方法を探します。

法学部で学べる分野

法学部では、憲法・民法・商法・民事訴訟法・刑法・刑事訴訟法の六法を学びます。この6つの法律は「基本六法」とも呼ばれ、さまざまな法律の基礎となるものです。基本を身につけた上で、その他の幅広い法律について勉強していきます。

ほかには、法律の成り立ちや本質などについて学ぶ基礎法学も修めることができます。法律が制定された歴史的な背景には何があるのか、どのように発展してきたのかといったことを学べます。

また、法律は社会のさまざまな分野と密接にかかわっています。そのため、法学部では法律に深く関連する政治学や経済学などの分野を学べることもあります。法律が他分野とどのように結びついているかを理解することで、より広い視野で法について考えられるようになるでしょう。


法学部に属している主な学科

裁判のシミュレーションを行う大学生たち

法学部と一口にいっても、学科によって学べる内容はさまざま。ここでは、法学部によく見られる学科の例をご紹介します。

法学科

法律自体を深く学んでいく学科です。法律の理論だけでなく、実際にあった事例なども通じて、法律の解釈や、それにもとづく問題解決の方法などを理解していきます。

政治学科

大学によっては、法学部に政治学科が設置されていることがあります。政治学科では、政治の仕組みや国際政治の基礎、政治の歴史など、政治に関する幅広い知識を習得します。

国際関係法学科

基本的な法律の知識に加え、国際関係にまつわる法律を中心に学べる学科です。国際紛争や環境問題など、国際社会のさまざまな課題に関する法を勉強していくことができます。

また、大学によって細かい学科名や学べる内容などは違ってきます。法学部の学科について調べたいときは、ぜひこちらも参考にしてみてください。

逆引き大学辞典で「法学」分野の学科を表示する

法学部の設置されている大学

法学部が設置されている大学の一部をご紹介します。

他にも、亜細亜大学、中央学院大学、立正大学、東北学院大学、駿河台大学、専修大学、桐蔭横浜大学、摂南大学、広島修道大学、京都産業大学、関西大学などに設置されています。

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法学部で取得を目指せる資格と卒業後の進路・就職先

法学部を出て検察官になった男性

法学部に進んだら、どんな進路を目指すことができるのでしょうか。こちらでは、法学部で取得を目指せる資格や、卒業後の進路などについて解説します。

法学部で取得を目指せる資格

法律に関する代表的な資格は弁護士や行政書士、司法書士、社会保険労務士などです。ただ、こういった資格は、法学部に入れば誰でも取得できるわけではありません。難しい試験に合格する必要があるので、資格取得に向けて十分に勉強する必要があります。試験突破のために、法学部で身に付けた専門知識が役立つでしょう!

また、決まった科目の単位を取ることで受験資格を得られるものもあります。代表的なのが税理士試験です。法学などの所定の科目を履修することで受験資格を得られるケースがあります。

法学部卒業後の進路や主な職種

・大学院へ進学
法学部の卒業後、より専門的な研究を行うため、法学研究科などのある大学院に進む人もいます。大学院を卒業した後は、法律知識を活かせる仕事を目指したり、公務員試験を受けたりする道があります。

また、大学院には修業年数2年の修士課程と、修業年数3年の博士課程があります。研究者や大学教員などを目指す場合は、博士課程に進むことが基本です。

・法科大学院(ロースクール)へ進学
法科大学院は、弁護士や検察官、裁判官などの「法曹」を目指すための専門職大学院です。法科大学院で学ぶことで、法曹になるために必要な司法試験の受験資格を得ることができます。弁護士・検察官・裁判官を目指す人にとって、法科大学院は重要なステップとなるのです。修業年限が2年の法学既修者コースと、修業年限3年の法学未修者コースがありますが、法学部を出ている場合は既修者コースを選ぶことができます。

また、大学によっては法学部などに「法曹コース」を設けていることがあります。法曹コースとは、法科大学院を目指すことを前提としたコースです。このコースに進んで優秀な成績を納めれば、普通は大学4年で卒業できるところを3年で早期卒業することができるのです。これにより、1年早く法科大学院に入学することができます。

・主な就職先
法学部の卒業後は、専門知識を活かして法律にまつわる仕事に就くケースがあります。とくに、高度な専門知識が必要な職種の場合は、法学部での学びを存分に活かすことができますよ。

【主な職種の例】

弁理士税理士社会保険労務士検察事務官裁判所事務官家庭裁判所調査官

法学部で身に付けたことは、幅広い仕事で役立てることができます。法学部出身者のなかには、不動産業界や金融業界などの民間企業に就職して活躍する人もいますよ。法律の専門知識を活かしたい場合は企業の法務担当者を目指す道もあります。難関大学の法学部で学び、国家公務員として働く人も。また、警察官になりたい人が法学部で学ぶケースも少なくありません。警察官を目指す人向けのコースを法学部に設置している大学もあるんです。それぞれの業界の職種や仕事内容などに興味がある人は、ぜひ個別のページもチェックしてみてくださいね。


法学部についてもっと知りたい人は「逆引き大学辞典」で調べよう!

法学部では、法律についての幅広い知識や考え方などを身に付けることができます。法学部で学んだことは、さまざまな仕事で活かすことができるでしょう!

また、法学について学べる大学を調べたいときは、ぜひこちらのページをチェックしてみてください。気になる学科を設置している大学の情報を確かめることができますよ。

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