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進学EXPO2025講演会レポート「今からはじめる大学進学のマネープラン」の講演

2025.04.25

カテゴリー:
「今からはじめる大学進学のマネープラン」の講演会のバナー

2025年3月8日、土曜日。埼玉県の大宮ソニックシティにて、進学EXPOが開催されました。

個別に大学と相談をすることができるイベントですが、大学進学に役立つ講演会も実施しています。講演会のひとつ「今からはじめる大学進学のマネープラン」のレポートをいたします。

実際には資料やスライドを活用してわかりやすくなっておりますし、この記事には記載していない内容もあります。興味のある方は、機会があれば講演会に参加してみてください。

はじめに

12時からFPオフィス・モリタのファイナンシャルプランナー森田和子先生による「今からはじめる大学進学のマネープラン」の講演がスタートしました。

森田先生:受験に行く日には、合格した後で支払う入学金なども先に準備しておきましょう。一番大事なのは、締め切りを落とさないということです。締め切りまでに願書を出す、資料を提出する、入学金を払う。そうしなければ大学に入学することが出来ません。

いつ、いくら必要なのか。それが重要となります。

さて、受験というのは大変お金がかかります。入学金はもちろん、交通費、衣服代、パソコン代などです。

しかも高校3年生は塾や予備校などお金がかさむ時期でもあります。

また、第一子のことだけではなく、第二子、第三子のことも考えてトータルで大学進学にかかる費用について考えるようにしましょう。

――難しいですよね。だからこそこのマネープランの講演を聞きたい方が集まっているということでしょう。

受験費について

森田先生:一般選抜は非常にお金がかかります。例えば、1大学の受験費が3万5千円とすると、10回受験したら35万円かかるわけです。受験費用だけでも馬鹿になりませんが、入学金はもっと大きな金額となります。

お金は現金で用意するに越したことはありません。特に受験費用は現金で準備するようにしましょう。

入学金

森田先生:さて、入学時に必要なお金はいくらくらいでしょうか。私立大学の場合、学部によって違います。合格した後の入学手続きでは、入学金と前期授業料などを納めるのが一般的です。

首都圏の場合、文系で80万円前後、理系で100万円前後が多いようですが、大学、学部、学科によって違いますから、こちらもよく事前に調べましょう。

合格したらいくら必要なのか、確認して準備するようにしましょう。

入学金の延納について

森田先生:このような場合を想定してみましょう。

第二志望校に合格した。第一志望の大学の合否が、第二志望校の入学金の締め切りより後だった場合。本当は第一志望の大学の合格を待ってから決めたい。

しかし、第二志望校の大学に入学金を支払わないと、入学辞退になってしまいます。

そこで第一志望の合格がわかるまで支払いを待って欲しい場合、延納の制度を利用できることがあります。これは大学によって呼び方が違いますが、入学金の支払いを待ってくれる制度がある大学は多いので、よく確認してください。ただし、入学金を支払ったら、戻ってくることはありません。入学金を何度も支払わなくてもいいように、よく考えて受験スケジュールを立てましょう。

――この件についてはbiki-noteの記事に詳しく書かれていますので、よろしければ参考にしてください。

奨学金について

講演中の森田先生

森田先生:日本学生支援機構の給付型奨学金は、成績が関係あるので学校経由で申し込みとなります。高校3年生のときに大学で利用する奨学金を予約できるのですが、この案内をどのくらいしてくれるか高校によって濃淡があるので注意です。5月になっても何も案内がなければ担任の先生または進路担当の先生に一度確認することをおすすめします。高校3年の春に予約申し込みをすることが重要です。高校で予約しない場合は、進学した大学で申し込みます。

仮にもっといい条件の奨学金があったので切り替えるとなった場合でも、この日本学生支援機構の奨学金に申し込んだことにペナルティはありません。費用の面で不安な場合には、予約しておくと安心です。

貸与型奨学金について

森田先生:日本学生支援機構の貸与型奨学金もあります。貸与型というのは借りるということです。返す必要がある奨学金ということですね。

利子がない場合や、利子が少ない場合がありますので、現金で全部用意できない場合は検討してみてください。

奨学金を借りて返せなくなって破産するしかない、というような話も聞きます。そこで覚えておいて欲しいことがあります。

もし奨学金の返還(返済)が厳しいという場合は、月々の返還を1/2や1/3などに減らしたり、返還を先送りしたりする制度を使える場合があります。ネットから手続きできる場合もあるので、返還できなくなる前に手続きしたり、相談したりするようにしましょう。

また、奨学金を借りた場合、奨学金を返すのは基本的に借りた人。つまりお子さんの債務であることは頭に入れておきましょう。

各種奨学金について

森田先生:日本学生支援機構の奨学金の他にも、大学独自の奨学金や、企業や自治体の実施する奨学金など、さまざまな奨学金があります。日本学生支援機構のWebページでは、各種奨学金を検索できるようになっています。

しかし、複数の奨学金を応募する際には注意してください。

日本学生支援機構は他の奨学金と組み合わせることを禁止していません。しかし奨学金によって他の奨学金を受けている人はNGというものがあります。各奨学金については必ず条件を確認する必要があります。

教育ローンについて

森田先生:教育ローンも予約しておくのがオススメです。予約して使わなくてもペナルティはありませんので。受験シーズンには金融機関の審査に時間がかかる場合がありますが、あらかじめ予約してあれば、必要な書類を揃えればすぐに融資してもらえる場合があります。教育ローンを予約する目安の時期は、受験の2~3ヶ月前です。

なお、奨学金と異なり、教育ローンを借りた場合は親の債務になります。

国の教育ローンについて

森田先生:受験費用は現金で準備することが望ましいのですが、どうしてもできないという人に朗報です。基本的に、教育ローンの融資を受けられるのは合格後になりますが、

国の教育ローンでは受験の前に受験費用を借りることが出来ます。興味のある方は、問い合わせしてみてください。

教育ローンはどこから借りるといいのか

森田先生:住宅ローンを借りている銀行だと金利が優遇される場合があります。まず住宅ローンを借りているところの条件を確認することをオススメします。

お住まいの近くの銀行やネット銀行など、キャンペーンをやっている金融機関があったら、ぜひ調べてみてください。結構有利な金利が提示されている場合があります。面倒でも複数の教育ローンを比較しましょう。

また教育ローンにも変動金利と固定金利があります。変動金利は、金利が上昇すれば返済額が増えます。固定金利は金利が変動しても返済額は最後まで変わりません。理解したうえで利用しましょう。

――すべての内容は書ききれないのですが、このようなためになるお話を40分に渡って講演していただき、大きな拍手で講演会は終了しました。

講演会終了後にも、個別に問い合わせをされている方たちもいました。

大学受験はお金がかかるもの。プロのファイナンシャルプランナーの方のお話は役に立つことでしょう。興味を持たれた方は、ぜひ進学EXPOへのご参加を検討してみてください。

進学EXPOのページはこちらから

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