逆引き大学辞典逆引き大学辞典

VR(バーチャルリアリティ)とは?活用事例や研究できる大学も紹介

2024.06.07

カテゴリー:
VRを楽しむ女性

「VRってなんだか面白そう」「VRがこれからどんな風に発展していくのか興味がある」という人も多いでしょう。

VRといえばゲームに使われているイメージですが、ほかにも教育や医療、福祉など、さまざまな場面で使われており、今後も発展が予想される将来性のある分野です。これから大学を受験するという方は、VRについて研究できる学部・学科に進むのもいいでしょう。

本記事では、VRの活用事例やVR研究に強い大学などを紹介します。ARやメタバースとの違い、VRで有名な企業についても解説しているので、最後まで読めばVRの概要が分かり、進路選びの第一歩を踏み出せるでしょう。

VRの研究は、主に大学の情報工学や通信工学分野の学部で行われています。しかし、まだ「バーチャルリアリティ」と名のついた学部・学科はないので、進路選びの際は、その大学で行われている研究内容を知っておく必要があります。「スタビキ」では、興味のある研究から志望大学を探せます。キーワード検索に「VR」と入れて検索すると、さまざまな大学の研究内容が分かりますよ!進路選びの参考にぜひお試しください。

VR(バーチャルリアリティ)とは

VRとは、バーチャルリアリティ(Virtual Reality)の略称で、コンピュータ上に作られた仮想空間を、あたかも現実のように体験できる技術です。

VRを体験するには、専用のヘッドマウントディスプレイ(HMD)と呼ばれるゴーグル型のディスプレイを装着します。このHMDには、高解像度のディスプレイが内蔵されており、左右の目に別々の映像を映し出すことで、立体的な映像を実現します。

また、HMDには、頭の動きを感知するセンサーが搭載されているため、ユーザーが頭を動かすと、仮想空間内の映像も連動して動くことで、高い没入感を得ることができ臨場感のある空間を楽しめます。

さらに、手や足の動きを感知するコントローラーを使うことで、仮想空間内を移動したり、モノを動かしたりすることも可能になります。VRは、エンターテインメントをはじめ、教育、医療、製造業など、さまざまな分野への応用が期待されています。

VR(バーチャルリアリティの)活用事例3選

VRを使ったバーチャルイベントの様子

Rは、さまざまな分野で活用されています。ここでは、以下3つの活用事例を紹介します。

  • 教育×VR|五泉高校の工場見学ツアー
  • 研修×VR|全日本空輸株式会社(ANA)の安全確認作業
  • スポーツ×VR|インテルのサッカー観戦

順番に解説します。

教育×VR|五泉高校の工場見学ツアー

新潟県立五泉高校では、VR技術を活用した画期的な工場見学ツアーを実施しました。この取り組みは、生徒たちが実際の工場に足を運ぶことなく、リアルな工場の雰囲気や製造工程を体験できるというものです。

生徒たちは、VR専用のヘッドマウントディスプレイ(HMD)を装着し、仮想空間内で工場内を自由に移動しながら、製品の製造工程を詳しく見学することができます。また、コントローラーを使って、機械や製品に触れることも可能です。

この工場見学ツアーでは、生徒たちは普段見ることのできない製造現場の様子を、安全かつ効率的に学ぶことができます。さらに、VR技術を使うことで、生徒たちの興味や関心を高め、より深い学びにつなげることができます。

五泉高校の取り組みは、教育とVRの融合の一例であり、今後、ほかの学校でも同様の試みが広がっていくでしょう。VRを活用することで、生徒たちは様々な分野について、より実践的かつ臨場感のある学習を行えます。

参考:五泉高等学校様 【工場見学VRコンテンツ制作・サポート】 | 株式会社リプロネクスト (lipronext.com)

研修×VR|全日本空輸株式会社(ANA)の安全確認作業

全日本空輸株式会社(ANA)では、VR技術を活用した安全確認作業と緊急事態対応の研修を導入しています。この取り組みにより、客室乗務員は飛行機に乗らずとも、仮想空間内で機内の安全確認作業や緊急事態への対処法を学べます。

VR研修では、現実では再現困難な機内火災や急減圧などの緊急事態を仮想空間内で再現できることが一番のメリットです。

VR技術を活用することで反復実習が可能となり、ANAの客室乗務員は万が一の緊急事態発生時に、これまで以上に迅速かつ適切に対応できるようになります。また、業務手順の定着率が向上するなどの効果も現れ始めています。

ANAのVRを活用した安全確認作業と緊急事態対応の研修は、航空業界における人材育成の新しい形として注目を集めています。今後、ほかの航空会社でも同様の取り組みが広がることが予想され、VR技術が航空業界の安全性と効率性の向上に大きく貢献することが期待されています。

参考:ANA客室乗務員向け機内訓練にNEC開発のVRを活用|プレスリリース|ANAグループ企業情報 (anahd.co.jp)

スポーツ×VR|インテルのスポーツ観戦

インテルは、VR技術を活用した革新的なスポーツ観戦体験を提供しています。この取り組みにより、会場に行かなくても、自宅にいながら臨場感あふれる観戦を楽しめます。

インテルのスポーツ観戦では、スタジアムに設置された多数の高解像度カメラが、あらゆる角度からの映像を撮影。これらの映像をVR技術で処理することで、まるで会場の座席に座っているかのようなリアルな視聴体験が可能になります。

VRヘッドセットを装着したファンは、自分の好みに合わせて視点を自由に変えながら、試合の臨場感を存分に味わうことができます。また、仮想空間内で他のファンとコミュニケーションをとったり、リプレイ映像を見たりするなどの体験も可能です。

インテルのバーチャルスポーツ観戦は、スポーツ観戦の新しい形として注目を集めています。

将来のスポーツ観戦はVRを活用したバーチャル観戦が主流になるかもしれませんね。

参考:インテル® VR とインテル® True View によるオンラインでのスポーツ観戦 – インテルとスポーツ (intel.co.jp)

VR(バーチャルリアリティ)とARとの違い

AR技術を使った街のナビゲーション

AR(Augmented Reality、拡張現実)とは、現実世界に仮想のオブジェクトを重ね合わせて表示する技術です。「ポケモンGO」や家具店のIKEAが提供するアプリ「IKEA Place」などに使われている技術で、スマートフォンのカメラを通して、仮想のキャラクターや情報を現実世界に表示できます。

ポケモンGOでは、スマートフォンのカメラを通して、現実世界に仮想のポケモンが表示されます。IKEA Placeでは、部屋の写真に仮想の家具を配置して、実際に購入する前にインテリアのイメージを確認できます。

VRは現実世界から完全に切り離された仮想空間に没入するのに対し、ARは現実世界に仮想のオブジェクトを重ね合わせて表示します。つまり、VRは現実世界とは独立した体験を提供するのに対し、ARは現実世界をベースに拡張された体験を提供するという点で異なります。

VR(バーチャルリアリティ)とメタバースの関係

VRに興味のある人は、メタバースという言葉を聞いたことがあるかもしれませんね。メタバースは、インターネット上に作られた大きな仮想世界のことを指します。このメタバースを実現するために、VRとARという技術が使われています。

そこでは、自分の分身となるアバターを使って、他の人と交流したり、買い物やゲームをしたりできます。まるで現実の世界のように、メタバース内でさまざまな活動ができるんです。

人気ゲーム「フォートナイト」では、メタバースの一部が構築されており、米津玄師さんや星野源さんがゲーム内でバーチャルライブを行いました。また大人数でゲーム内に集まれる「あつまれ どうぶつの森」も広義ではメタバースと言えます。

将来、メタバースがどんどん発展していくと、現実世界と変わらないような体験ができる、新しいデジタル空間ができあがるかもしれません。

VRの研究がしたい人におすすめの学部

VRゴーグルを持つ手

VRの研究ができるのは、主に情報工学、通信工学分野の学部です。VRが学べる大学は増えているものの、まだ「バーチャルリアリティ」と名のついた学部・学科は存在しません。進路を選ぶときは、VR研究の実績やVR研究を行っている研究室の有無も確認してみるのもいいでしょう。

VR研究を行っている大学を知りたい人は、スタビキを活用してみてください。各大学の教員(研究者)が、どのような研究を行っているかわかるので、どの大学なら「本当にやりたいことができるか」が見えてきますよ。

VR研究に強い大学3選と研究事例

ここでは、VR研究に強い大学を3つ紹介します。

  • 東京工科大学 メディア学部
  • 甲南大学 知能情報学部
  • 名古屋文理大学 情報メディア学部

順番に解説します。

東京工科大学 メディア学部

東京工科大学メディア学部は、ゲーム教育とゲーム関連研究において先駆的な取り組みを行っており、文部科学省認定「現代的教育ニーズ取組支援プログラム(現代GP)」に日本で初めて選出されました。

現在、同学部では提携校であるドイツのハルツ大学と共同でゲーム関連研究を進め、その成果を毎年東京ゲームショウに出展しています。また、世界規模のゲーム開発イベント「グローバルゲームジャム」に学生が参加し、プロとチームを組んでゲーム制作を体験する機会を提供しています。

東京工科大学の研究の一例を紹介します。

東京工科大学の研究チームは、VRゲームをもっと楽しくプレイしやすくする方法を研究しています。

VRでは、現実世界よりもずっと広い範囲を見渡せますが、人間の目で鮮明に見える部分は限られています。この鮮明に見える範囲を「注視範囲」と呼びます。

研究チームは、ゲームの中で重要な情報や操作ボタンを、この注視範囲内に上手に配置する方法を開発しました。これにより、プレイヤーは自然に目を動かすだけで、ゲームを快適に楽しめるようになります。

将来、この研究成果を使って、もっとプレイしやすくて面白いVRゲームが作られるようになるかもしれません。

参考:メディア学部 | 東京工科大学 (teu.ac.jp)

甲南大学 知能情報学部

甲南大学知能情報学部は、人工知能やデータサイエンス、ロボティクスなどの最先端分野について学ぶことができる学部です。コンピュータを使った問題解決や、人工知能を応用したシステム開発などを通して、高度な情報処理技術を身につけられます。また、VRやARを活用した研究にも力を入れており、発達障害者支援への応用など、社会貢献にも取り組んでいます。

甲南大学の研究の一例を紹介します。

甲南大学の研究チームは、発達障害を持つ子どもや大人が、他の人とのコミュニケーションを上手に取れるようになるためのシステムを、VR技術を使って開発しています。

発達障害者は、相手の表情や感情を読み取ることが苦手な場合があり、コミュニケーションに困難を感じることがあるようです。この研究では、VRの中で様々な社会的場面を再現し、発達障害者がそれらの場面に取り組むことで、コミュニケーションスキルを練習できるようにしています。

例えば、VRの中で仮想の人物と会話をしたり、グループディスカッションに参加したりすることで、実際の社会生活で必要なスキルを身につけられます。VRなら失敗してもやり直しがきくので、安心して練習に取り組めるようです。

この研究は、発達障害者の社会参加を支援し、生活の質の向上に役立つことが期待されています。VRという最新技術を使って、福祉分野の課題解決に取り組んでいます。

名古屋文理大学 情報メディア学部

名古屋文理大学情報学部は、情報科学の基礎から応用までを幅広く学べる学部です。プログラミングやウェブデザイン、ネットワーク技術などの実践的なスキルを身につけることができます。また、VRやARを活用した最先端の研究にも取り組んでおり、教育分野への応用を目指したシステム開発などを行っています。

名古屋文理大学の研究の一例を紹介します。

名古屋文理大学の研究チームは、より臨場感のある教育システムを開発するために、拡張現実(AR)とKinectセンサーという技術を組み合わせて研究しています。

ARは、コンピュータグラフィックスを使って現実世界に仮想の情報を重ねて表示する技術です。一方、Kinectセンサーは、人の動きを認識できるカメラのようなデバイスです。

この研究では、ARを使って教科書の内容を立体的に表示し、さらにKinectセンサーで学習者の動きを捉えることで、学習者がその内容と直感的に対話できるようにしています。例えば、歴史の教科書なら、ARで歴史上の人物や建物を目の前に表示し、学習者はそれらを手で操作しながら学ぶことができます。

このシステムにより、学習者は教科書の内容をより深く理解し、楽しみながら学ぶことができると期待されています。この研究は、教育分野におけるテクノロジーの可能性を示す取り組みの一つと言えるでしょう。

参考:情報メディア学部 情報メディア学科 – 名古屋文理大学|NAGOYA BUNRI UNIVERSITY (nagoya-bunri.ac.jp)

上記のような研究がされていると知っていましたか?研究から大学を探せる「スタビキ」ではさまざまな研究を知ることができます。「VR」と検索してみると、ほかにも多くの研究があることがわかります。ぜひ、自分の興味のある研究を探してみてください。

VR関連の有名企業

VR関連の有名企業の一例は、以下のとおりです。

これらの企業は、VR技術を活用した製品・サービスの開発や、VR関連事業への投資に注力しています。具体的には、高性能なVRヘッドセットやカメラの開発やVRコンテンツやゲームの制作などです。進路選びの参考にしてみてください。

VRについて学べる大学はスタビキで検索!

VRは、ゲームやエンターテインメントだけでなく、医療、教育、製造、不動産など、さまざまな分野で活用されつつあります。今後も多くの産業でVR技術の導入が進むと予想されるため、VRの知識・スキルを持つ人材へのニーズは高まると予想できます。

VRに興味のある人は、大学で学んでみるのもいいですね!大学選びの際は「スタビキ」を活用してみてください!キーワード検索で「VR」と検索すると、VR研究で有名な大学が分かります。また、気になる大学がある人は、大学名から検索して、その大学の研究を知ることもできますよ。進路選びに役立つので、ぜひ活用してみてください!

よく読まれている記事

タグで記事を絞り込む