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どんな分野?
「パーソナリティ」とは、人の個性や人柄という意味の言葉。心理学では、人間の行動や判断のもとになる考え方や傾向のことを指す。人間が生まれつき備えている性格や素質に加えて、家族や生活環境、周囲との人間関係など、子どもから大人になる成長の過程で次第に形成されると考えられている。
人のパーソナリティについて理解することは、身体の疲れや人間関係から起きるストレス、強い衝撃を受けたことによる心の傷が長い間続いてしまうトラウマなど、その人が抱える心の問題を解決する糸口になるとされている。また、学習や訓練による知識、技術の向上、さらに職業の適性などにもパーソナリティが深く関わっており、心理的な専門研究が進められている。
活躍の舞台
この分野を大学で学び、パーソナリティについての専門知識を身につけた人の進路としては、対話を通じて心の悩みを解決に導くカウンセリングの専門職が挙げられる。また、相手が本来もつ資質や個性、能力を判断し、必要なスキルを見きわめて、キャリアアップや転職のアドバイスを行う職種もある。
活躍できる舞台としては、人材派遣業、人材開発を専門とする業種のほか、企業の人事や社員教育に関わる部門が有力だ。なお、カウンセリングの専門職として働くには、大学院に進んで所定の科目を履修し「臨床心理士」の資格を取得することが望ましい。そのほか教育関連では、大学や専門学校のキャリアセンター(就職部)で、学生の進路の指導にあたるという選択肢もある。
学問へのアプローチ
パーソナリティに関わるテーマを大学で研究するには「心理学」「社会学」「教育学」が代表的な学問。人文科学系統「心理学」は、心の仕組みを分析する学問で、人がパーソナリティを形作る心理的な過程を分析する。性格に応じたカウンセリング手法も学べる。
社会科学系統「社会学」では、人間の組織、人間関係という視点から、心やパーソナリティの問題に取り組む。たとえば、人間集団の中でパーソナリティが形成される仕組み、個人のパーソナリティが集団に及ぼす影響などについて研究する。教育系統「教育学」は、人間の成長や発達の課程、能力向上といった問題を科学的に分析する学問。個人の能力や資質の向上が、パーソナリティとどのように関連しているのかを研究する。