テーマ 国際・コミュニケーション 国際連合
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どんな分野?
国際社会には今も、世界の安全保障、国際協力による貧困や飢餓の解決、領土や資源をめぐる紛争の抑制、民主化の実現など、世界規模で解決すべき問題が山積している。国際連合(国連)は、世界中の200近い国と地域が加盟する巨大な国際機関。それぞれ異なる思惑を持ち、利害や軋轢が複雑に絡み合う国家が集まり、互いに交渉することで物事を決定する外交の舞台となっている。
平和構築を責務とする安全保障理事会では、国連発足時に選ばれた5つの常任理事国が強大な発言権をもってきた。しかし、戦後一貫して国際社会をリードしてきたアメリカの影響力の低下が目立っており、21世紀の世界情勢に適合した、公平で対等なシステムを新しく構築することが緊急の課題となっている。
活躍の舞台
国際連合について専門的に研究するには、各国の言葉や文化を学ぶ「文学・外国語」系または、主に国の制度や法律について学ぶ「法学」「政治学」系という2つのルートがある。いずれの分野でも、英語によるコミュニケーションや情報収集を身につけること、社会や文化、経済、産業など幅広い領域に常に関心を持つことが不可欠となる。
また、総合・学際系統には、国家同士の交渉や対立関係を分析し、国際連合やEU、NATOといった「国際機構」の役割について学ぶ「国際関係学」という学問がある。「国際政治学」「国際法学」の理論を土台として、領土や資源、環境、文化摩擦など、国際間に発生する具体的な問題を分析し、国際交渉の場における現実的な利害調整の手段を研究する。
学問へのアプローチ
国際連合では、領域ごとのスペシャリストが各国から集まって国際的な課題に取り組んでいる。したがって、国連やその関連機関に勤務するには、卒業後に大学院に進学し食糧、保健、教育文化、環境、軍事・防衛などの専門領域に関する高度な知識を身につけることが強みとなる。海外を拠点とする仕事は現地採用が大半なので、常に外務省や各機関と接触して最新の情報を入手する機動力も大切だ。
国家間の独立性を尊重し、国の体制や大小にかかわらず対等に交渉を行う場として発足した国際連合。意見の異なった国どうしの意志統一は常に困難を伴うが、平和・安全・話し合いによる解決という共通の理念を実現するため、より公平で民主的なシステムづくりが求められている。