テーマ 国際・コミュニケーション 貿易
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どんな分野?
20世紀末ごろから、新興開発国いわゆるBRICsのめざましい活躍が世界市場を席巻し、国際経済における先進諸国の優位を脅かしている。中国、インド、ロシア、ブラジル。いずれも広大な国土と人口を抱えており、資源・人材の側面で有利な点では共通しており、また政府主導による国内改革と積極的な成長戦略が功を奏した形だ。
さらに、世界金融危機をきっかけとして2008年には旧G7(G8)から大幅に参加国を増やし、20か国による新しい首脳会合の枠組み(G20)がスタートした。日米とEUの影響力の低下が懸念されるが、日本でもIT技術や映画・アニメなどのコンテンツを含めた世界に売り込める新しい成長産業の登場が期待される。
活躍の舞台
この分野を経済学の広い視点から学ぶ学問としては「国際経済学」がある。「国際経済学」では、国と国との二国間貿易関係の理論(貿易論)を基本として、為替のルールについて研究する「国際金融論」、世界の金融市場と生産物市場を適正に運営するための経済政策を考える「国際経済政策」といった分野を学べる。
「商学」「経営学」系に属する「貿易学」「国際商学」などの学問では、貿易の原理と歴史、国際物流のしくみといった理論分野から、貿易実務、ビジネス英会話、英文契約書を含めた国際商取引についての実践技法まで、体系的に学ぶことができる。最近では、実践ビジネス英語やコミュニケーション能力の養成を行う大学も多く、国際化時代に対応したビジネス能力を身につけることができる。
学問へのアプローチ
2009年にアメリカと日本で新しい政権がスタートし、日米の経済関係にも変化の兆しが見られる。また、G20において国内需要主導の経済成長をめざしていくことを約束した日本は、従来の輸出頼みの産業構造からの大転換が求められる。二酸化炭素の排出量を25%削減する高い目標設定とあいまって、これからの政府の経済政策には難しい舵取りが予測される。
貿易関連の企業で国際的に活躍するには、世界の経済・政治情勢はもちろん、環境、文化、社会などを含めた、幅広い分野での情報分析力が欠かせない。それに加えて、仕事に使えるレベルの英語力は必須だ。「読む・書く・聞く・話す」の基本スキルのみならず、英語で「考える」能力を磨いておきたい。