テーマ 国際・コミュニケーション 翻訳会社
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どんな分野?
モノや人、情報、文化などが国境を越えて流通する現在、海外との契約、取引のある部門では、国際標準語である英文の書類と、国内で通用する日本語の文書を相互に変換する業務が増大している。
翻訳会社は、こうした企業から翻訳業務を請け負う企業。通常は、外部スタッフとして翻訳のプロフェッショナルを抱えて、翻訳を依頼する企業と翻訳者のコーディネート業務を行うスタイルが一般的だ。
企業相手の「実務翻訳」の中心となるのが契約書。製品やソフトウェアの仕様書や説明書、マニュアルなどがある。中でも特許翻訳、医学翻訳、法律翻訳などの分野は専門性が高く、特殊な知識と翻訳テクニックが必要になるため、これらに特化した翻訳会社が好調だ。
活躍の舞台
翻訳を将来の仕事にしたい人は、外国語系または外国文学系の大学に進学し、まず日常で不自由なく使いこなせるレベルの会話力、そして外国語の文章表現能力を養うことが必要だ。
翻訳の仕事では、外国語を読んで正確に解釈する「語学力」はもちろん、豊富な語彙(ごい)を駆使して正しい日本語で表現できる日本語の運用能力も大事だ。大学のカリキュラムでは「語学力」を中心に学ぶことになるが、中には、翻訳養成の特別なコースを設ける大学や、特殊講義などで翻訳の専門学習ができる大学もあるので、積極的に受講して文章力を磨いておこう。また、外国語に加えて、政治、経済、文化など専門のジャンルをもっておくことも強みになるだろう。
学問へのアプローチ
近年は、日本に進出する海外企業が依頼するケースも多く、実務翻訳の分野でも新たなビジネスチャンスの獲得に向けた競争が激化している。こうした翻訳会社に勤務する場合、顧客企業の応対、翻訳契約の事務作業や文書の管理など「翻訳」周辺の事務が主な仕事だ。
専門特化型の翻訳会社では、その分野(技術、産業など)の基本知識が必要となる。とはいえ、委託してくる企業の規模や業種により、内容はまちまちであり、高度な専門知識を完全に理解することは難しい。日常的にさまざまな情報に接するように心がけ、たとえ不得意なジャンルでもインターネットや書籍から知識をすばやく入手できる対応能力を鍛えることが大切となる。