テーマ 国際・コミュニケーション インバウンド
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どんな分野?
インバウンド(Inbound)とは本来「内向きの」を指す言葉。観光・旅行業界では、海外から日本へ外国人が訪れることを「インバウンド(訪日旅行)」と呼ぶ。観光立国をめざす政府や企業の積極的な誘致策が功を奏し、インバウンドの市場は活性化している。
言葉や文化の問題から、これまでは通訳やガイドを伴う団体ツアーが中心だったが、日本そのものへの関心が強まったことで、文化の違いを楽しみにくる個人旅行客も増えている。受け入れ側では、交通標識やガイドブックを多言語化するなど、日本語がわからない人でも自由に移動できる環境の整備を進めており、観光・旅行や交通業界だけでなく、小売店や流通業など幅広い業界で大きな経済効果を生んでいる。
活躍の舞台
この分野を専攻した人は、旅行会社などの観光業、ホテルや旅館などの宿泊業に就くのが代表的な進路。旅行会社には、外国人向けのツアー商品を企画する、ツアーコンダクター(添乗員)として観光地を案内するといった業務がある。いずれの仕事も実務レベルの英語の会話力、接客する相手の気持ちを理解できる洞察力などが強い武器になる。
有力な国家資格が、営業所の責任者として契約を行うときに必要な「旅行業務取扱管理者」だ。そのほかツアーコンダクターの資格である「旅程管理主任者」、外国人相手に観光地や史跡を案内する「通訳ガイド(通訳案内士)」もあり、取得しておくことで将来の活躍の道が広がる。
学問へのアプローチ
この分野を学ぶには「社会学」または「経営学」という選択肢がある。いずれも社会科学系統に属する学問だが、「社会学」では文化や社会、歴史の側面を重視し、「経営学」ではビジネスや経済の側面に力点を置くという違いがある。
「社会学」は、組織や社会について客観的に研究し、社会の現状分析や社会問題の解決をめざす学問。日本の文化における観光の役割、観光の歴史や現在の実態を学び、日本社会の文化的価値を大切にする観光のあり方を考える。「経営学」は、企業運営やビジネスについて実践的に研究する学問。インバウンドの観光を経営の視点で捉え、日本で価値のある観光資源を有効に活用して利益につなげる観光業の経営手法を学ぶ。