テーマ 国際・コミュニケーション 日本語教育
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どんな分野?
独自の文化をもつ日本をよく知るため、海外の人々の日本語学習熱が高まっている。従来は、家電や情報機器などの物や経済への関心が強かったが、今では歴史的な遺産や伝統芸能、四季を楽しむ習慣など「文化」や「社会」を求めて日本をめざす人が増えている。アニメやゲームなど、若者文化の人気も根強い。そのほか日本の農作物、衣類・工芸品をはじめとする地方特産品にも注目が集まり始めており、政府を挙げてメイド・イン・ジャパンブランドを海外市場にアピールする政策が進められている。
日本を訪れる観光客の数をさらに増やし、海外の優秀な人材、企業、投資資金を日本に呼び込むためにも、日本を売り込む戦略としての日本語教育の人材育成が重要になっている。
活躍の舞台
この分野を学んだ人の進路で代表的なのが、日本語教師だ。外国人向けの日本語学校のほか、大学が設置する日本語教育センターや留学生支援センターで、大学進学をめざす海外留学生たちに日本語を教える仕事もある。最近は、仕事で来日した日系人・外国人家庭の子どもに日本語を教えるニーズも増えている。いずれの場合にも「日本語を学ぶ」という共通の目的をもちながら、国や地域、言葉、年齢も異なる生徒が混在しているのが普通で、1人ひとりのレベルや目標に応じて、会話力、読解力を向上させることが大切となる。
さらに、日本語教育の専門知識と指導方法を身につけることで、大学の日本語学科の教員として、外国人を含めた学生に日本語や日本語教育を教える道も開けるだろう。
学問へのアプローチ
日本語教育について大学で学ぶには、人文科学系統「文学・語学」に進むのが一般的。言語としての日本語を学術的に研究する日本語学という分野がある。日本語の音声や文字、文法、語彙(ごい)を学び、日本語によるコミュニケーションの特徴を理解したうえで、外国人への日本語の指導法を実践的に身につける。また、日本の伝統文化や習慣、歴史、社会についての知識を深め、海外の人たちに日本を紹介する能力を養う。
そのほか関連の深いのが、文化や言葉、歴史、社会、産業といった幅広い視点から日本と外国の文化を比較する人文科学系統「文化学」。日本語や英語によるコミュニケーション能力を身につけ、異なる文化をもつ人々と分かり合うための国際感覚を養う。