テーマ 国際・コミュニケーション NGO
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どんな分野?
NGOは「Non-Governmental Organization(非政府機関)」の略で、戦争や災害、貧困のために生活が困難な国や地域に赴いて、さまざまな支援活動を行う民間団体のことです。政治や宗教、思想では中立を貫き、政府とは異なる一般市民の視点で人道的な立場から命を守る活動を行っています。緊急的な食料・医療の援助だけでなく、長期的なビジョンのもとに、教育や農業、土木工事といった自立に向けた技術の指導も行うなど、国際支援の主役として重要な役割を占めています。
国際連合や国家による大規模な援助とは異なり、小回りの利いたきめの細かい活動を展開している点が特徴です。中には国際会議に代表を送って現地の情報や自らの意見を提示するなど、国家と対等に交渉する力をもつ団体もあります。
活躍の舞台
この分野で代表的な進路は、海外で人道支援、経済協力、技術指導にあたる仕事です。現地で医療・福祉・教育支援などを実践しているNGOをはじめ、外務省、国際連合、JICA(国際協力機構)といった公的機関があります。また、海外で土木・電気通信などのインフラ整備を行う企業も選択肢になります。
NGOが活動している場所は海外だけではありません。在住外国人向けの通訳やトラブル解決、異文化交流の活動など、国内でも重要な役割を果たしています。海外生活に興味がある人、外国語が得意な人、仕事で英語を使いたい人には、代表的なNGO団体の具体的な活動を、インターネットなどで調べてみることをおすすめします。いろいろな活躍の舞台があることがわかるはずです。
学問へのアプローチ
NGOに関するテーマでは、政治・経済の視点からアプローチする「国際関係学」、文化や歴史の視点からアプローチする「文化学」が代表的な学問です。「国際関係学」では、外交と戦争、宗教対立、貿易や経済協力など、複雑な条件が重なる国際社会の現状を分析し、国際交渉の舞台での国家や国連、NGOの役割について考えます。
国際交流や比較文化に興味のある人におすすめなのが「文化学」です。世界各国の文化や社会、歴史を比較検証し、異文化の相互理解や文化交流に関する実態と課題を研究します。
そのほか「社会科学系学際」のアプローチも有効です。環境、貧困、安全保障などグローバルな課題に、既存の学問の枠を超えて挑むアクティブな研究手法が魅力です。