テーマ 薬学・バイオ 調剤薬局
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どんな分野?
医薬分業が進み、町の個人病院でも薬の処方を薬局に任すところが主流になってきた。医薬分業の下では医師が指示した薬を袋詰めするだけでなく、薬のスペシャリストとして患者に積極的な服薬指導ができる薬剤師が求められる。
調剤薬局の役割は、今や薬局の中だけではない。在宅医療においては、服薬状況の確認や補完状況の点検、さらには副作用の有無のチェックなど、広範囲にわたる責任を負っている。規制緩和によって一般の医薬品がスーパーでも売られるようになったことは、日本の薬事行政の大きな変化として見逃せない。いつでもどこでも薬が手に入るような環境は、調剤薬局のあり方にも少なからず影響を及ぼしている。
活躍の舞台
調剤薬局で薬剤師として働くのであれば、薬学部(6年制)を卒業して薬剤師国家試験に合格しなければならない。薬学部でのコア分野はもちろん「薬学」だが、「化学」「生物学」「物理学」などの基礎科目や、「生命科学」「分析科学」などは低学年時に必須となる。専門科目を学ぶようになってからは、「医学」「看護学」「保健衛生学」などの周辺分野にも目を向けることで、得意なジャンルを見つけておきたい。
特に「看護学」は、在宅医療の分野での活躍にきっと役立つだろう。また、2006年度から薬学部の履修年限が4年から6年に延長されたことで、実務実習が従来の2~4週間から24週間へと大幅に延長され、より臨床能力の高い薬剤師を養成するようになっている。
学問へのアプローチ
高齢化がより進む日本では、これまでの病院機能がよりスリム化され、在宅医療の割合が高まっていく。そうなると、病院における医療従事者と在宅ケア従事者の連携は不可欠。病院の薬剤師と在宅医療での薬剤師との情報交換をよりスムーズにし、地域で高齢化社会をさせる体制を整備していく必要がある。もちろん、在宅ケアにおけるケアマネージャーや介護職、看護師とのチームワークが大切であることは言うまでもない。
厚生労働省では現在、「健康日本21」というプロジェクトを推進中で、生活習慣病や喫煙の抑止に対して数値目標を掲げている。ここでは薬剤師に大きな期待がかけられており、薬局における健康指導が今後は一般的になっていくだろう。