テーマ 薬学・バイオ 薬学
その他のキーワード
どんな分野?
新薬の特許期間が過ぎた後、他社が同一の成分で発売する「後発医薬品(ジェネリック)」の活用が広まりつつある。研究開発費が抑えられて安価であることから、日本政府は医療費削減のために活用を推奨している。また、患者側がインターネットや書籍で薬に関する知識を得るようになった。同時に、安易な海外からの輸入薬の購入で健康被害に会うケースがある。薬局以外の場所(コンビニエンスストア等)で薬を販売するケースが増え、テレビ電話による薬剤師の指導で販売を行う企業まで現れた。このように薬剤師の活動領域は広がりを見せるいっぽう、投薬ミスで起こる医療トラブルが報道され、専門性が高い「薬のプロ」が現場で切望されている。
活躍の舞台
6年制薬学部では、医療現場で活躍できる薬剤師が養成される。「薬学」だけでなく「医学」「歯学」「保健・衛生・医療技術学の分野」を幅広く学び、得意な分野を見つけておきたい。中でも薬物治療と深く関わる「看護学」「栄養学」の分野における知識は役立つ。製薬会社や健康食品会社で開発を目指す場合は「化学」と「生物学」の範囲に目を向けると、研究の幅が広がる。また、漢方を薬として位置づけて研究する分野や、「遺伝子工学」の研究から薬を作るといった専門分野が確立されている。さらに、最近ではうつ病や睡眠障害といった病気が認知されてきている。「精神医学」「臨床心理学」と薬物治療を関連づけたニーズもある。
学問へのアプローチ
かつては薬に関する専門家として、病院や薬局で処方を行う仕事が中心であった薬剤師の立場に変化が生じている。チーム医療・在宅治療の普及やサプリメント・健康食品のブームを背景に「患者一人ひとりに即した指導」が求められる機会が増えた。そこで、即戦力になる薬剤師の養成を目指し、平成18年より6年制薬学部の募集が始まった。病院実習を必修とする実践的なカリキュラムが組まれている。今後は、医者および患者とのコミュニケーション能力を高める実習が増えるだろう。薬学部志望者には、医療現場で活動するための進路と、研究機関で開発に取り組む進路がある。薬剤師を目指すのであれば、6年制で学ぶとよい。