テーマ 薬学・バイオ 化学メーカー
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どんな分野?
新しい物質を人工合成して、プラスチックや繊維、ゴム、食品など、人間社会の役に立つ工業製品を生み出す化学メーカーでも、近年はバイオテクノロジーを積極的に取り入れている。
たとえば生物の身体を原材料に付加価値の高い製品を創出する生体材料、動植物や微生物の働きを化学工業の生産工程に応用するバイオプロセス技術など、さまざまな取り組みを始めている。特に注目されるのが、従来の有限資源に代わる「循環型資源」であるバイオ系原料(バイオマス)だ。
こうした化学メーカーの研究・技術職は、生物の新しい機能を発見し、これを工業に応用して画期的な新製品の開発につなげる、きわめてチャレンジングな仕事といえる。
活躍の舞台
化学の基礎研究で得られた理論・知識を工学技術へ応用する学問ジャンルは、「応用化学」「工業化学」「化学工学」などと呼ばれる。バイオの応用技術を中心に研究する「応用生物学」「生命工学」、工業材料の研究開発を専門に学ぶ「材料工学」「物質工学」というジャンルもある。
工業材料をはじめ、医薬品や化学製品、食品など、創り出す物質は多種多様だが、学部での基礎知識の学び方はほぼ共通している。「化学」「物理学」「生物学」など理学分野を幅広く学んだうえで、研究開発の専門技術を身につける。中でもナノのレベルで生物の微細な構造や働きを研究する「分子生物学」、物理学の視点で物質の構造を分析する「物理化学」は重要な科目となる。
学問へのアプローチ
化学・応用化学の専攻を生かすには、化学工業系のメーカーに就職し、研究開発や生産管理などの技術職に就くのが一般的な進路だ。そのほか営業や企画の部門でも、専門知識をもつ人材へのニーズが高まっている。たとえば化学薬品・材料を生産する企業のほか、医薬品・化粧品・食品メーカー、さらに生産設備を提供するプラント企業などもある。
新しい発想で物質を生み出す化学研究の領域では、強い好奇心をもつことが大切。それを製品開発へと導く応用力と粘り強さも重要だ。
できれば学部から大学院へ進学し、高度な最新知識と実践技術をじっくり身につけることが望ましい。就職後にも、実践の場で独創性とセンスを磨くことによりさまざまなジャンルで活躍の道が広がるはずだ。